8・18 K.O CLIMAX 2019選手インタビュー

小笠原瑛作「僕がKNOCK OUTの顔にならないと意味がないですよね。」8.18『K.O CLIMAX 2019』「KING OF KNOCK OUT 初代スーパーバンタム級王座決定1DAYトーナメント」

――今回、KING OF KNOCK OUT 初代スーパーバンタム級王座決定1DAYトーナメント出場が決まりました。

「早い段階から出場が決まり、早目に対戦相手も決まっていたので練習も結構早めに上げてきていい感じで調整出来ています」

――初戦の相手がレダ・ナラインからスペインのミケール・フェルナンデスに代わりました。

「相手が変わったことに関しては特に気にしていません。結局僕がやることは変わらず、決勝戦まで行って江幡(塁)にリベンジしてベルトを巻くということ。ナラインはサウスポーでしたが、フェルナンデスがオーソドックスになったことで、江幡選手もオーソドックスなのでフェルナンデス対策をすれば江幡対策も兼ねられるのでいいのかなと思います」

――フェルナンデスの映像は見られました?

「身長が174㎝と高く(小笠原は168㎝)、首相撲が出来てムエタイの戦い方がしっかり出来る印象があります。最初のナラインは試合映像が少なかったので選手情報の入手量はそこまで変わりません」

――1日2試合ということで初戦は短期決着を狙いますか?

「チャンスがあれば狙います。そんなに早い段階で倒し急ごうとは思いません」

――前戦となった6月のシュートボクシングの笠原友希戦では3Rにヒジ打ちによるカットでTKO負けとなりました。あの敗戦をご自身でどのように捉えてますか。

「KNOCK OUT新体制での第一弾大会の目玉となる“世界最強”を決めるトーナメントとして盛り上がっている中、僕が負けてしまい、こういう舞台を作ってくれた関係者の皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいでした。さすがに負けたことのダメ出しを直接言ってくる方はいませんでしたが、心の中では“何負けてるんだよ!”と思ってる人はいると思います。自分が犯したミスは自分で取り返さないといけませんし、ここで僕がベルトを獲ってその価値をもっと高めていかないといけません。試合では、倒し切れる感覚があり、3Rには僕の攻撃が笠原選手に利いていた感触がありました。僕は40戦近くやってきてヒジによるカットでのTKO負けは初めてでした。試合が突然終わってしまい、あと一歩で倒せるのにドクターに止められてしまったことで何かモヤモヤした感じが残っています。僕もこれまでにヒジで切って勝った試合は何度かありましたが、今度は僕が逆にやられてしまい、どんなに優勢に試合を進めていても一発で終わってしまうヒジの怖さを感じました。負けちゃいけない試合でしたが、これを一つの経験と捉えています。いい教訓になったので今後はヒジで切られることもなくなると思います。負けた時はいつもその経験を無駄にしちゃいけないと思いながら練習するようにしています」

――笠原選手はキャリア13戦目、18歳という若い選手でしたが、ここ最近の小笠原選手の相手としてはキャリアの差がありすぎる選手でもありました。そこで油断はなかったのでしょうか?

「甘くは見ていなかったですし、相手が上の選手だろうが下の選手だろうが、今回はいつもとやることは変わりませんでした。笠原選手は若くてキャリアも浅いのに最後にヒジで勝負出来る強い選手でした」

――1Rに笠原選手のヒジに、小笠原選手が右フックを合わせて尻もちをつかせた場面がありましたが、ノーダウンでした。あそこで気持ちに動揺はなかったですか?

「そういうことを納得した上で相手陣営に乗り込んでいますし、最終ラウンドに倒し切れなかった自分が悪いです。1Rにバックドロップでシュートポイントを奪われたこともダメでしたし、3R目に集中して倒しにいけなかった自分の甘さが出た試合でした」

――今回のトーナメント参戦が決まっていただけに試合後はすぐに練習を再開されたんですか?

「傷口が塞がるまで一週間ぐらい休んでそこから走ったり、軽く練習を始めました。負けたら落ち込みますが、8月の試合も決まっているのでそうしている余裕もなかったのですぐに気持ちを切り替えました。トーナメントで優勝したら何でも発言権はあると思うので、もう一回笠原選手とやらせてくれと言いたいぐらい悔しい試合でしたね。笠原選手はキャリアを積んでいけば、KNOCK OUTのベルトは欲しくなるでしょ? 次期挑戦者に(笠原を)指名するので待っとけよという感じですね。今まで負けた試合は5戦あり、いずれそいつらには借りを返したいので待っとけよ!と言いたいですね。江幡選手はトーナメント決勝戦でリベンジ出来ますが、加藤竜二さんは引退、カンボジア人はどこにいるかわからない(笑)、村越優汰選手はK-1を主戦場にしているのでやる機会がありません……」

――トーナメント反対ブロックでは、江幡選手と大野貴志選手が対戦しますが、江幡選手が勝ち上がり、決勝戦で対戦するイメージが出来ているんですね?

「そうですね。大野選手は眼中にないのですが、トーナメントなので何があるかはわかりませんし、大野選手は相当な気合いでくるでしょうね。大野選手が仮に来ても僕が勝ちますが、理想としては江幡選手に来てもらいたいです」

――江幡選手へのリベンジを確実なものにするために、一回戦で江幡選手と対戦したいとは思いませんでした?

「一番ストーリー性があるのは、江幡選手と決勝戦で当たって僕がベルトを獲ることだと思うので、一回戦は別ブロックで良かったと思います。昨年6月に対戦して僕が負けて、あの時の自分には倒し方など自分の足りない部分があったことがわかりました。同じミスをしなければ、次は絶対に勝てるという自信もあります。向こうは新日本キックボクシング協会という老舗団体の看板を背負ってますが、僕はREBELSで育ててもらってKNOCK OUTに出場する道筋を作ってくれた山口(元気)会長に感謝しています。本当にここで僕が獲らないと、意味のないベルトになります。チャンピオンになって、改めて僕がKNOCK OUTを引っ張っていくことをアピールしたいと思います。他のメンバーと比べてもKNOCK OUTを引っ張っていく気持ちだったら負けないですし、僕がKNOCK OUTの顔にならないと意味がないですよね」

――江幡選手にメッセージはありますか?

「とりあえず、やられた借りは返します」

――ファンにメッセージはありますか?

「8月18日に僕がベルトを巻く姿を観に来てください。よろしくお願いします」


ロッキー川村「俺がやりたい相手はロッキー・バルボアだけ。」8.18『K.O CLIMAX 2019 REBELS division』第1試合「ロッキー川村vs吉野友規」

――今回KNOCK OUT参戦を決めた理由を教えて下さい。

「オファーが来たから(笑)。オファーが来たらどのリングでも上がるというスタンスでいるんだぜ、ポーリー!」

――ポーリー!? いつの間にか私がエイドリアンの兄でロッキーの友人であるポーリーの設定なんですね(笑)。MMAで30戦以上の戦績があり、キックボクシングの試合は初になりますか?

「4月の野良犬祭りでアルティメットボクシング(打撃と投げのみの総合格闘技でグラウンドでは打撃のみが有効)の試合経験があるが、キックルールでの試合は初めてだぜ」

――いつかキックルールでの試合に出ようとは思っていたのでしょうか?

「もちろん。どんなルールでもやるので正式なオファーが来たらやるだけだ」

――打撃を得意とする川村選手がパンクラスで3度ベルトを獲得するなど十分なキャリアがあるのに、このタイミングでキックの試合オファーが来るのは遅いですよね?

「確かにそうだね、ポーリー。ロッキー川村にリングネームを変えてから俺はどんなルールでもやろうと思っていて、ルールに対するこだわりは全くないんだ」

――KNOCK OUTにはどのような印象がありますか?

「一度DJ.taikiが出場した時にセコンドに付いて関わったことがあるぐらいで、俺がやりたい相手はロッキー・バルボアだけ。KNOCK OUTに出場している選手に興味があるかといえば特にはない」

――本名の川村亮からロッキー川村のリングネームで試合に出ようと思ったのはなぜですか?

「俺のデビュー10周年となったハードヒット名古屋大会(2016年7月2日)で鈴木(みのる)さんとシングルマッチで対戦した時に“お前、なんかロッキーに見えたぞ。ロッキー好きならもうロッキーになっちゃえよ!”と言われて、そうなった。でも表向きは、鈴木さんと対戦して俺が名古屋港に沈んだ。そしてロッキー川村が浮き上がったという設定になっているんだぜ、ポーリー。大仁田厚さんがグレート・ニタになったようなものだね(笑)。このリングネームにすることで、こうしなきゃいけないという概念が逆になくなり、素の自分を出せるようになったので気持ちが楽になったのでただやりたいことをやるだけ。以前の川村亮の時は、パンクラス、総合格闘技ということに変なこだわりがあったんだ。俺がよく言っているのは、過去はゴミだと。そんなにゴミを背負ってやる必要はないので、元パンクラスチャンピオンといった肩書きは何でもないし、重要なのは今。俺はベテランと言われるような年代にもなって経験も積んできたが、変なこだわりを捨てたら今になってより戦うことが楽しくなったね」

――リングネームで使うほどロッキー好きとして知られている川村選手ですが、本当にロッキーが好きなんですか?(笑)

「自分のリングネームにロッキーを使っている時点で、それはもう証明出来ているだろ。ロッキーではないけど、実際にロッキー役のシルヴェスター・スタローンには会ったことがある。2008年の映画『ランボー 最後の戦場』が公開された時に、俺がスタローン&ランボー好きというのを知った映画会社の人から連絡があって、ランボーを応援するチームに入りませんか?と。寺門ジモンさん、叶姉妹といった芸能人のメンバーと一緒にPR活動するチームランボーに入り、映画の試写会でスタローンが来日した時に実際に会ってお話をしたし、俺がTシャツを作りたいと相談したら本人からOKをいただいたんだ。ロッキーではなく、ランボーTシャツだけどね(笑)。もし今回、負けるようなことがあればランボー川村になろうかな、ポーリー」

――次はキックボクシングの試合ということで、MMAの試合前とは違う練習内容なのでしょうか?

「練習メニューは全く変えてない。パンクラスイズム横浜でやっている練習をそのまんまやっているんだ。どこかのキックのジムに出稽古には行かないし、キックの試合だからといって僕がキックの試合をやっても面白くないし、まだまだキックの実力はないからね。自分だけが出来る、これぞロッキー川村という戦い方をするだけだ」

――対戦相手の吉野選手については印象はありますか?

「一度会見で会ったぐらいでドラゴみたいにデカいやつだなと。試合映像を見てないし、見てもしょうがないだろ?」

――川村選手のキャリアでプロ3戦の選手と対戦するというのはここ何年もないことですよね?

「まだ3戦しかやってないんだ!? でもドラゴが何戦やっていようが俺には関係ないこと。1戦やろうが強いやつは強いし、何十戦やろうと弱いやつは弱いからね」

――もし今回手応えがあればキックの試合も積極的にやってみたいですか?

「そうだね。俺は自由の身なのでオファーがあればどこのリングでも出るよ、そのためにもドラゴを倒すだけ」

――いつの間にか、吉野選手=ドラゴになっていますが……会場に来てくれるファンにメッセ―ジを。

「一緒に叫ぼうぜ! エイドリアーン!」


祥子「強い気持ちで続けていい結果を出すことでみんなに勇気を与えられたらいいなと思います。」 8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第2試合「ぱんちゃん璃奈vs祥子」

──KNOCK OUT初参戦ということで、キックを始めた経緯を教えて下さい。

「小学校から中学3年生までバレーボールやってましたが、その後は特に運動はしていませんでした。テレビでK-1、PRIDEが盛り上がった時に試合を見ていて感動したので私も試合をやりたいなと。21歳の時に、職場、家の近くでキックのジムを探している時に治政館を見つけ、試合に出たいと思い入会しました。アマチュアで15~16戦ぐらいして2012年6月10日にプロデビュー(白石瑠里に2R判定負け)してから長女が出来て2戦目まで約6年間空きました(2018年1月7日、亜由美戦で判定勝ち)。それから次女が生まれてからまた落ち着き、選手としてやっていくことを諦められなかったのでプロ活動を再開し、今は復帰してから2年目になります」

――JSKキックボクシングジムの代表もやられているんですよね? 子供が2人いて選手としても活動して大変では?

「物凄く大変です。朝、子供を小学校と幼稚園に出して、ジムに来て仕事をした後に、幼稚園と小学校に迎えに戻ります。ジムに戻ってからジュニアの指導をしてからは子供にジムでご飯を食べさせ、ジムで自分の練習をして家に帰るという生活の流れです。パパは仕事帰りが遅いので平日は完全に自分のペースでやっています。休みの日は、よっぽどのこともなければ練習も仕事もしないで家族のために時間を使うと決めてます」

──ジム代表として負けられない意地はありますか?

「自分が指導している子たちから見たら私は先生ですし、ここで練習している人から見たら私はジムの代表なので、やっぱりいいところを見せたいです。みんなが応援してくれてるのでみんなに喜んでもらいたいですし、みんなのプラスの刺激になるような役割になりたいと思います」

──KNOCK OUT初参戦が決まりました。

「試合経験を積んでいくうちに、動画やテレビで見ていた自分とはちょっと住む世界が違うと思っていた選手とどんどんマッチメイクさせてもらえるようになっていく中で、今回KNOCK OUTからオファーをもらった時はビックリしました。しばらくは信じられなく、自分的に気持ちが追い付つかない状態でした」

──今回から新体制となりますが、今までのKNOCK OUTにはどのような印象がありますか?

「タイ人のチャンピオンの方が出たりと魅力的なカードが凄くあったので、一流の選手がいっぱい出る大会というイメージがあります」

──いつぐらいからKNOCK OUTに出るんだと実感出来たのでしょうか。

「7月6日の一般公開記者会見で実際にお会いすることになって少しずつ実感が湧いてきました」

──ぱんちゃん選手についてどのような印象がありますか?

「私はNJKFのリングをメインに戦っていて、ぱんちゃん選手はREBELSの選手なので別の世界の人だなと。ぱんちゃん選手の活躍はネットで見ていてずっと気にはなっていた選手でしたね。アグレッシブで気持ちも強いですし、リーチの長さもあって相手が入ってきたところに攻撃を合わせる技術もあると思います。自分も同じく相手の動きを見てカウンターを合わせたり綺麗に戦いたい派なのですが、ぱんちゃん選手はそういう技術もありながらパワーがあり、アグレッシブさで押し込んでくるような強さもあると思います。自分も綺麗に戦うということばかり意識してると、強さで負けちゃうと思うのでそういうところでも負けないようにやっていきたいと思います」

──ぱんちゃん選手はグラビアデビューもしてますが、そのような活動を見てどうですか?

「お綺麗だなと思ってます(笑)」

──キャリアがまだ3戦しかないにも関わらず注目を集めていることに関してはどうでしょう?

「自分は10戦と戦績の数としては多いですけど、正直そんなに自分の方が注目を集めたいというのはないです。4月のJ-GIRLSのタイトルマッチでMIREY選手に負けてしまい、まだチャンピオンにもなってないのに憧れのKNOCK OUTに出してもらえるというだけでありがたいと思っているので、人をどうこういう余裕が私には今はないです。これだけ注目されてるので、いい試合をして勝って、試合が終わった後にあんな試合もありましたみたいに流されないような存在感を出せればいいなと思います」

──注目されている選手だけに勝ったら美味しいという想いは?

「もちろんあります」

──向こうは正統派で売っている中、対極の立場としてヒールのキャラで売り出して自身の名前を売りたいという想いはないですか?

「ヒールで行くべきなんじゃないか?と周りからも言われるのですが、うまくちょっとやり切れない上にそこまでの余裕がないです(苦笑)。練習して一生懸命試合をすること以外のことに頭が回りません。ちなみに実際に会見でぱんちゃん選手とお会いした時は、凄く礼儀正しくて良い方だったのでマイナスな印象は全然ありません」

――ぱんちゃん選手よりもご自身が優ってる部分はありますか。

「テクニック、そして相手よりも落ち着いてやれたらいいなと思っています。若い選手なので気持ちの強さが凄くあると思うのですが、自分も集中力を欠いちゃうと向こうのそういう気持ちに押されちゃうと思うので、最後まで集中力を切らさず、逆に向こうが焦るような完封といえるような試合をイメージして練習しています」

──キックを続けていく上で目標はありますか?

「J-GIRLSのタイトルマッチも惜しいところで逃してしまいました。応援してくださる方々は、私が勝っても負けても応援して下さるのですが、やっぱり自分の先生がチャンピオンなんだと言えると嬉しいと思うので、とりあえずベルトを獲りたいです」

──ぱんちゃん選手を倒せば、今回KNOCK OUT女子の部の主力選手として注目を集めることになりそうですよね。

「今回勝つことでそういう立ち位置が変わってしまうと思うので、大事な一戦だという感覚はすごくあります」

──ファンにメッセージをお願いします。

「女性として子供が出来たことで色々諦めてしまう方は多いと思いますし、私も正直キックを続けられるかわかりませんでした。私は今年36歳なんですが、子供二人を産んでそれでも夢を追いかけて、KNOCK OUTのところまで到達しました。このような前例があると、勇気を与えられる方もいると思いますし、強い気持ちで続けていい結果を出すことでみんなに勇気を与えられたらいいなと思います」


大野貴志「僕が勝ったら江幡勝ちに投票した人たちはどう思うんでしょうね。」8.18『K.O CLIMAX 第6試合 KING OF KNOCK OUT 初代スーパーバンタム級王座決定1DAYトーナメント1回戦』

――試合が近づいてますが、調整はいかがですか?

「特に大きなケガもなく、外は熱いので減量も苦しくなく順調に出来ています」

――KNOCK OUT初参戦が決まってモチベーションは高いですか?

「そうですね。やはりこれだけ大きな舞台でやるので、ハズレない試合にしたいと思ってます」

――KNOCK OUTという舞台にいつか上がりたいとは意識していたのでしょうか?

「そうですね。6月のKNOCK OUTスーパーバンタム級王座決定トーナメント出場者決定戦でKING強介選手に勝てばKNOCK OUTに上がれるということだったのでモチベーションは高かったです。勝った瞬間からテンションが上がりっぱなしでした」

――トーナメント出場メンバーの印象を教えて下さい。

「『大野じゃなくてもっといい選手はいただろ?』と身内によく言われたりして、みんな目が肥えているのを感じます。そこで主催者が僕を出したことを後悔させないことが僕の仕事なんです。自分はトーナメントの大穴だと思われていて、これで負けたら、ただの噛ませ犬で終わってしまいます。江幡選手を勝ち上がらせるためだけの出場だとは思われたくはないですし、ここで勝つことでもお客さんは喜びますから。お客さんに『本当に来て良かった』と思っていただくのが僕の仕事でもあります」

――トーナメントは小笠原vs江幡の決勝戦を予想するファンで盛り上がってます。

「そうですね。それで盛り上がっていても僕は怒ったりもしないし、何も思わないです。自分でも外から見たらそう思いますよ(笑)。KNOCK OUTオフィシャルツイッターの勝利者予想を見ると、江幡選手と僕とでは差が開きすぎて笑ってしまいます(8月5日時点で江幡勝利が83%、大野勝利が17%)。でも、これで僕が勝ったら江幡勝ちに投票した人たちはどう思うんでしょうね。感想を一人一人に聞いてみたいですね」

――このような不利に見られている状況はご自身的にプラスの要素になりますか?

「なります。守るよりも獲りに行く方が気持ち的に楽ですから。江幡選手は今回のように有利と思われる状況でずっとやってきたら慣れているとは言われてましたが、絶対に自分の方が失うものがなく、獲りにいくことしかないのでメンタル的に違うと思うんですよ」

――今までにもこのような状況の試合はありました?

「MAの試合はずっとそうですね。タイトル防衛戦は4年間やらせてもらいましたし、ビッグバン、WMCのタイトルを持っている時は防衛戦はあったので江幡選手のような気持ちの試合はありましたが、獲り行く試合の方が気持ち的には楽ですよね。気持ち的も防衛する王者の立場と挑戦者の立場では、王者だと防衛戦だから守りにいこうと思うような気持ちも少し出てきますが、今回はそういう守りにいく気持ちはなく自分はチャレンジャーの立場なので全てを出すだけですから」

――反対ブロックの小笠原選手とミケール・フェルナンデス選手のどちらに勝ち上がってきてもらいたいですか?

「前のレダ・ナラインの試合映像は見たのですが、今回のやつの動画はまだ見ていないので構えもわからないですし、どういうやつかはわかりません。なので勝ち上がってきても困ります(笑)。正直なところ、どっちが勝ち上がってきてもいいのですが、わけのわからない外国人と決勝戦でやるよりも、小笠原選手と日本人対決をした方が盛り上がると思います。それと自分は以前、小笠原選手に負けているので(2016年3月9日REBELS、大野が3RTKO負け)、やり返したいです。1日に江幡選手、小笠原選手の日本人トップ2人に勝てば僕の株が上がりますよね? 次に誰が相手になるかはわかりませんが、間違いなく相手は一気にレベルアップしますよね」

――江幡選手は新日本キックのエースとして看板を背負って出てくるわけですが、大野選手もMA日本キックボクシング連盟の看板を背負って出るという気持ちはありますか?

「そうですね。これまでMAの選手がデカい舞台に上がるとなると、上原誠さんが出たようなK-1のリングだけでした。なかなかMA、そして純粋な士道館の選手でKNOCK OUTのような大きな舞台に出た選手はいなかったので、僕がMA、そして士道館の看板を背負って出て自分の名前、士道館を売らないといけないという気持ちは凄くありますし、そういう使命感を強く感じています」

――士道館といえば、1978年に添野義二館長が設立し、武士道精神・サムライスピリッツという日本の伝統文化を海外に広め、現在は世界68カ国に支部を展開する大規模の空手団体です。ご自身にとって士道館スピリットとは何でしょうか?

「士道館の選手は根性しかないですから(笑)。ひたすら四股を踏んだり、うさぎ跳び、ひたすらローキックなど昔ながらの練習メニューもやらされたことがありましたが、今は時代も変わってきてます。東京オリンピックの開催時期が近いこともあり、士道館ではスポーツ空手(=寸止め空手)の試合も組み込んだりと、その時代に合った新しいものを取り入れるようにしてます」

――昨年12月にWMC日本スーパーバンタム級タイトルマッチで初防衛に成功して以降、現在は4連勝(3KO)と好調ですが、その秘訣は何でしょうか。

「今まではキックボクシング一本の練習メニューだったのですが、ボクシングの練習を多く取り入れてボクシングの技術も身に付いたことで頭も柔らかくなりましたし、フィジカルトレーニングもやることで身体の使い方もわかるようになったことが結果につながっていると思います」

――ファンにメッセージをお願いします。

「勝負はやってみないとわからないものです。誰が最後にベルトを巻いているかを見てもらいたいですね。最後まで勝ち残っているのは僕です」


ぱんちゃん璃奈「常に本気で挑戦し続けたいですね。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第2試合「ぱんちゃん璃奈vs祥子」
――キックボクシングを始めたきっかけから教えて下さい。

「キックを始める前は水泳、陸上をやっていて、21歳の時に大阪から上京し、当時は大人のバク転教室に通い始めました。その教室ではバク転、アクロバット、アクション、殺陣を習っていました。アクションでは蹴り技などの技を習っていて、その延長戦上で蹴りのフォームをもっと綺麗にしたいと思いはじめ、エクササイズも兼ねてキックボクシングジムを探していたところ、家の近所にストラッグルジムがあったので22歳の時に入会しました。ちなみにキックをやる前はこういう競技があることも知らなかったですし、K-1などもテレビで見たことはありませんでした」

――バク転、アクロバットを習ったのはアクション俳優になりたかったのでしょうか?

「使い道は正直ないのですが、“特技=バク転”と言うとカッコいいなと思って始めました(笑)。当時は熱中するものがそれ以外になかったので、毎日が楽しくて教室には通ってました。でも、着地に失敗して首のムチ打ちなどのケガが多く、何で私はこういうことをやっているんだろう?と思うことも多々ありました(笑)。ちなみに、キックを始めてからは全く練習していないのでもう怖くてバク転は出来ません(笑)」

――アマチュアキック経験はどのくらいありますか?

「アマチュアでは1年で12戦(11勝1敗)やりました。ストラッグルに入会してから周りの人がアマチュアで試合をしているのを見て試合をすることに憧れを持つようになり、5カ月後に初めて試合をさせてもらいました。他人に殴られたことがないのでめちゃくちゃ怖かったですし、頭が真っ白になってしまいその時のことはほとんど何も覚えていません。その後、ストラッグルにいるプロ選手に憧れるようになり、プロになりたいという目標が出来ました」

――プロになることに両親は反対しなかったのでしょうか。

「ジムに入会して2カ月後、家族のLINEグループに『私、キックボクサーになるよ』と送ったんです。そうしたら冗談だと思ったのか、『何を馬鹿なことを言ってるの!?』という返信でした(笑)。最初は信じてもらえなかったのですが、アマチュアの試合に出た時は凄く心配してくれて『趣味だけにしとったらええねん。試合は出らんでええ』と言ってましたね。ちなみに三人兄弟で兄と姉がいて、私は末っ子だけに小さい頃から一番可愛がられ甘やかされたことで、このように我がままな子に育ってしまいました(笑)。両親は将来、私に女優になってもらいたかったようで6歳の時からCMのオーディションとかを受けさせられてましたが、とにかく落ち着きがなくてカメラの前に座らせられてもどこかに走っていってしまい、オーディションさえも受けられない状態だったようです(笑)。あと、今までにインタビューで言ったことはないのですが、中学1年生の時に親が勝手にAKB一期生のオーディションに応募していてに最終面接までいったんです。私は全然アイドルに興味がなく水泳に夢中だったのでその面接は辞退しました。私は小さい頃、歌は音痴なんですが漠然と歌手になると思ってました(笑)」

――両親は会場に来て試合を見られたことは?

「まだ生で観られないというので、勝ったという報告をした後に動画を見せています。今度のKNOCK OUTには観に来てくれるというので、アマチュア含めて17戦目で初めて観戦してくれます。私がプロでやることに反対はしていないのですが、アマチュアの時はずっと『負けていいからガードを高くしなさい』と言っていて、今は『絶対に勝ってね』と送ってくれるので嬉しいですね。毎回試合動画を見せて毎日必死に練習していることも知っていますし、実家に戻ったときもずっとキックの動画を見ているのでようやく私が本気でやっているのをわかってくれたのかなと思います」

――6月のREBELSでのパク・シウ戦では目に青タンが出来ていましたが、そういう痛々しい姿を見ると両親は心配するのでは?

「親は私のことがかわいくて仕方がないので『何で相手はそういうことをするの?』と凄く怒っていて(笑)、わざとじゃないんだよ!となだめたのですが『お母さんは怒る!』といい、私の青タンの顔写真を見せたら泣いてました……」

――取材される機会が増えたり、7月26日に発売された『ヤングアニマル』では水着グラビアに掲載されるなど去年とは違って忙しい日々が続いていると思います。この変化をご自身ではどのように捉えてますか?

「今年2月にプロデビューしてまだ5カ月しか経っていないですし、まだ実力も伴ってないのに、この変化にビックリしています。以前からキックボクシングはマイナーなスポーツだと周りから聞いてましたし、他のプロスポーツと比べても稼げないとは聞いていたので、ここまで取り上げられてありがたい気持ちでいっぱいです。ちなみにグラビア撮影の時は最初の10分ぐらいは緊張していたのですが、その後はノリノリになって楽しくやっちゃってました(笑)。グラビアデビューして、両親は凄く喜んでくれていました。今後もキック一本でやっていきたいのでお金も必要になってきます。パーソナルジムの練習やケアなどの費用に充てるためにもお金が必要であって、ファンをたくさん付けてチケットを売りたいですし、色んなメディアに出ることが重要になります。私はお金はいくらあってもキックに懸けられると思っています。選手生命も短く私はキックを始めた年齢が遅いので、その分、人の何倍も効率良くしていかないといけません。試合前には必ず点滴を打ったり、酸素カプセルに入って疲労を抜いたり、マッサージをするというのはやはりお金を懸けないと出来ないこと。そうすることで少しでも勝てる確率は高くなると思うので、そういうのにはお金を惜しまないようにしたいと思っています」

――何歳ぐらいまでキックを続けたいというのはあるのでしょうか?

「22歳の時に始めてから10年はやると決めていて32歳までやるので、あと7年間はやりたいですね」

――最近の女子選手はジュニア時代から格闘技を始めていて、プロデビューしてもすぐにトップ戦線で活躍しています。そういう選手と比べると、遅いスタートになりますがご自身は負けないようにどのようにしてカバーしたいと思ってますか?

「私はアマチュア時代もプロになってもそういう選手に勝てているので自信にはなっています。キャリア40戦の選手とやるとなると違ってはきますが、キャリア10年ぐらいの選手が相手だと努力次第で関係ないんだなと思っています。私は小さい頃から格闘技はやっていませんが、今までやってきた競技で1番になるために死に物狂いで毎日運動をやっていました。他の選手も何時間も練習しているでしょうし、差を埋めるために人よりも努力してきたか?と言われたらわかりませんが、私はただ効率のいい練習が出来るように、遊びにいかないなど一切他のことには体力を使わないようにはしています。自分がどこまでキックでやれるのか、挑戦し続けていきたいです。今は無敗ですが、いつか挫折するというのはわかってますし、いつか限界だと感じることもあると思いますが、常に本気で挑戦し続けたいですね」

――1年後はどうなっているんでしょうね。

「1年前はまだアマチュアでしたからね。1年後はもしかしたらRIZINに出ているかもしれないですし、骨折して休養しているかもしれません。先がわからなくても必死になれるので面白いですよね。今、大きな格闘技イベントで多くの人が見ているのが、RIZINだと思います。KNOCK OUTがそれぐらい大きくなると信じていて、多くの人に自分の試合を観てもらえるようになりたいですね」

――今回KNOCK OUT初参戦となりますが、どのような印象がありますか?

「最初にお話を聞いた時は、あのKNOCK OUTに出るの!? 3分5Rの試合に出るの?と思いましたね。今は新体制となり、REBELSの代表として出させてもらえると思っているので自分はホームリングだと思っています。こんなに私のことを推してもらっているので、KNOCK OUTの女子エースにならないといけないと思ってます。これから若くて強い選手がどんどん出てくるので、頑張って必死に喰らいつくしかないですよね。KNOCK OUTで負けるようなことがあれば、誰からも期待されないと思うので、まずは勝ち続けることが重要だと思ってます」

――今回の相手、祥子選手についてはどのような印象がありますか?

「前回(2019年6月9日、パク・シウ戦)も前々回(2019年4月20日、Sae_KMG戦)もキャリアが10戦ぐらいの選手が相手でした。祥子選手は綺麗な戦い方をされるので私的には凄くやりやすいですね。あと、3分3Rなので倒すチャンスも増えます」

――憧れの選手はいますか?

「私は凄いと思う選手はそんなにいないのですが、ずっと那須川天心君は凄いなと思って試合を見ています。動きが凄いですし、プロデビューしてからも負けなし(7月21日時点で37戦無敗)、KO勝ちが多いのが魅力的ですよね」

――同階級で意識している選手はいますか?

「MISAKI選手、那須川梨々選手など46kg級の選手です。あと、女神選手です。彼女は一番戦い方が綺麗ですし、アマチュアの時から全部試合をチェックしていて、7月のGirls S-cupも会場で見ていました。ああいう綺麗な戦い方をする選手が他にいないので参考にしたいといつも思っています。私はマススパーだと綺麗な戦い方を出来る時もあるのですが、試合ではぐちゃぐちゃな戦い方になってしまいます。私が勝ち続ければそのうちそういう選手と戦うことになるので、もっと自分のレベルを上げないと今のままの自分では厳しい戦いになると思います。半年、1年練習すれば勝てるとも思っているので楽しみです。そういう名前のある選手と戦えば、周りもおっ!と驚いてくれるでしょうね」

――続ける上での最終目標は何でしょうか?

「みんなそうだと思うのですが、ベルトを獲りたいですね。そして自分のホームのREBELS、KNOCK OUTでベルトを作ってもらって獲りたいですし、他団体のチャンピオンと勝負したいです。今の自分の戦いには満足していないので、早く強くならなきゃいけないという焦りはありますが、早くベルトを獲りたいという焦りはありません」

――ちなみにリングネームにはどういう意味がありますか?

「ドラゴンボールの孫悟空の孫娘から取りました。20歳の誕生日の時に、ドラゴンボール好きの友達とドラゴンボールを見ていた時に『ぱんちゃんに似てるね!』と言われたんです。それから嬉しくなってLINE名をぱんちゃんに変えて、みんなにぱんちゃんと呼んでもらってました。ツイッターを始めたときも、ぱんちゃんで、プロデビューする時はぱんちゃんを外すことは考えられませんでしたね。ドラゴンボールを書かれている鳥山明先生に反応されたことですか? ないです(笑)。そこまで行くにはまだまだですね。もしドラゴンボールが実写版で映画化されたら私がぱんちゃん役で? ずっとファンのままでいたいですし、キャラクターのイメージが壊れるので止めておきます(笑)」

――ファンにメッセージをお願いします。

「試合前はかなり緊張するのですが、『ぱんちゃん、頑張れ!』という皆さんの声はよく聞こえます。こんなに応援してくれる人がいるんだ!?と思うと自分を振るい立たせられます。出来る限りの大きな声で応援していただけるとより一層頑張れるので声援を下さい」


T-98「ニューT-98の誕生です。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第4試合「T-98vs斗吾」

ーーKNOCK OUT参戦が決まりました。

「去年の6月からKNOCK OUTになかなか呼ばれてなく、今回出場させていただきありがとうございます。試合自体も2月からなかったのでストレスが溜まってます」

――ここまで試合間隔が空いたのはなぜでしょう。

「相手のケガやタイでの試合が流れたりして、ここまで延びちゃいました。毎月試合してた時期もありましたし、ここまで試合がなかったのは珍しいです。試合がなかった分、試合が詰まっている時に出来ない練習が出来たのでそれが収穫になりましたね」

ーー収穫になったのはどういうところでしょう。

「テクニック、スタミナ、パワーと全体的にかなりパワーアップしてます。今までやってきた練習メニューをやってきたんですが、よりもっと強度を高めたり深く考えたりしました。試合があるとやっぱり追い込み練習とかになってしまうのですが、頭を使った練習が出来るようになりましたね」

ーー今はボクシングジムにも出稽古に行かれているんですよね?

「3年ぐらい前から白井・具志堅スポーツジムや東京農業大学、試合前にラントレの仲間がボクサーが多いので大橋ジムにも行かせてもらったりします。やはり行かせてもうらことでボクシングテクニックも上がってます。ボクシングだけじゃなくてボクシングと蹴りをどう連動させるかを考えながらやっているので、ボクシングだけじゃなくてキックボクシングのレベルが純粋に上がってますね」

――KNOCK OUTでは3勝1分と負けなしですね。

「会場も大きかったり演出も派手なので、やってやろうという気持ちが出て、良い結果になっているのかもしれないです」

ーーKNOCK OUTではKOの試合が多いことでご自身の戦い方に変化はありますか?

「ありますね、大会名がKNOCK OUTなのでやっぱりチャンスがあればKOを狙って倒しに行きます」

ーーいつも以上にアグレッシブになりますか?

「それはどうなんでしょうか。僕は基本的にKOを狙うスタイルなので。周りのお客さんもKOを期待しているというので倒さなきゃっていうのはあると思います」

ーー今回KNOCK OUT新体制の第一弾興行になります。対戦する斗吾選手についてはどのような印象がありますか?

「まだちゃんと試合を見たことはないですけど、パンチの選手かなと。階級が上の選手なんですよね? だけどそこは別に気にすることなく、パワーでも何でも僕の方が上回っているので圧倒してKOで勝たないといけないと思ってます。打ち合っても問題はないです。まぁパンチの選手にパンチで勝った方が面白いと思うので、何でもやってやろうと思います」

ーー斗吾選手は新日本キックのミドル級現チャンピオンです。新日本キックといえば、T-98選手は2018年10月21日の新日本キックで喜多村誠選手にヒジによるカットで4RTKO負けでした。

「喜多村戦の時は途中まで勝っていたのですが、ヒジをもらっちゃって、ポカしちゃいました。あれはまぐれ。100回やったら僕が99回勝って、彼が勝つ1回を持ってきちゃった感じなので次は普通に勝ちます。あの時よりも僕はレベルが違いますし、次やったとしても相手にならないと思いますよ」

ーーKNOCK OUTのリングでも喜多村選手とやりたいと思います?

「僕は自分の階級の70kgでトーナメントをやってもらいたいので、喜多村選手と当たる事があればしっかり倒しますよ。とにかく次の斗吾選手に勝ってアピールしたいと思います」

ーー希望はワンデートーナメントですか?

「16人のワンデーでも僕は頑丈なので大丈夫ですけど、みんな途中でケガをしちゃうと思うので大会で1試合ずつやってもいいし、今までのKNOCK OUTみたいに2カ月ぐらいの間隔で準決勝、決勝戦と1試合ずつでもいいじゃないですか」

ーーどういう時に自分は頑丈だと思いますか?

「試合が終わって電車に乗る時に駆け込み乗車で走れるぐらい頑丈です。あっ、これだと伝わりにくいですか? 次の日に別にどこも痛くないので朝起きて走れますし、普通にミットも蹴れますし、スパーも出来ます。キャリアを積むことによって足が硬くなってきたのもあるんでしょうね」

ーーどんなに練習しても疲れないですか?

「それなりの練習をしてるので疲れますよ。疲れますけど、寝込んだり、ケガすることはないです」

ーー交通事故で無傷だったとかエピソードはないですか?

「頭痛になったことがないし、鼻血が出たこともないです。物心ついて鼻血が出た記憶がなく試合中にも出したことがありません。偏頭痛とか殴られて痛いとか聞きますが、僕は意味がわからない(笑)。普通に風邪を引いて頭が痛いっていう人が何を言っているのかもわからないです。どんなハードパンチャーのパンチをもらっても大丈夫です」

ーーミャンマーラウェイとかいけそうじゃないですか。

「嫌ですよ。あれは競技的に違う感じじゃないですか。全く興味ないですね。あれは別物だと思って、僕はキックとムエタイ好きだからそっちでやりたいです」

ーーこれまでにボコボコにされた試合ってありました?

「ボコボコはないですね、僕が負ける時は判定かヒジで切られたぐらいなので、僕に勝つのはヒジしかないのかなと。今、それをもらわないような練習をここ最近していてスタイルチェンジしたのでニューT-98の誕生です」

ーーニューT-98はどういう戦いを見せますか?

「相手の攻撃をもらわないで倒すイメージです。僕はディフェンス力、攻撃力、パワーも上がっている中で、いかに相手の攻撃をもらわないで自分だけが攻撃を当てるかということを意識して練習しました」

ーーやはり喜多村選手のヒジが教訓になったのでしょうか?

「負ける時は基本、ヒジなんです。それを前からわかってたんですけど、試合間隔がない分突き詰めた練習が出来ていませんでした。試合の中で色々考えてやるのですが、良い時も悪い時もあって、悪い時に切られてしまいます。そうならないように、この期間でやってきました」

ーー希望するトーナメントはどんな選手に上がってきてもらいたい?

「日本人選手を8人集めるとなると、あんまりいないじゃないですか。外国人も入れつつ見た目がメルヴィン・マヌーフみたいなやばい雰囲気の選手が出た方が、お客さん的にも面白いんじゃないですか」

ーー同階級には、同門の日菜太選手が活躍し、今大会では2017年7月15日のKUNLUN fightでT-98選手が敗れているジョムトーンと対戦します。日菜太選手のことは意識しますか?

「(日菜太がやっている)ルールが違うので、日本人は意識しないです。僕は世界を見ていてルンピニーを狙っていきたいです。ルンピニーを獲るためにはボクシングも出来ないとダメだと思っていてそこで力を入れてやっています」

ーー外国人と対等に戦えるのは自分しかいないと思いますか?

「パワーとか僕が一番対等に戦えるレベルだと思います。トーナメントをやってくれれば、もちろん優勝するつもりでいます。言い出しっぺなのでしなきゃいけないと強く思います」

ーーその後、山口元気プロデューサーの反応はどうでしょう?

「新体制発表記者会見があったじゃないですか。僕が16人トーナメントをやりたいと言ったら目の前に会長がいて、その時に『16人は無理だけど70kgトーナメントを考えてます』と言われていたので、“あるな”と(笑)。僕が言ったからには有言実行。開催されたら間違いなく僕が優勝します」

ーー今回、勝てばトーナメント開催を説得できるぐらいの相手が用意されましたね。

「そうですね。これで負けてトーナメントにちゃっかり出るのもダサいので、ここでしっかり勝ちます。僕がKNOCK OUTの中心になれば面白いと思いますが、今回、僕の試合は中盤ぐらいで正直納得いっていません。勝ってトーナメント開催についてアピールします。してくれますか?と。して下さいではなく、してくれますかでイエス、ノーの二択の返事のみです(笑)」


駿太「喧嘩スタイルだと自分にはマッチしてます。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第7試合「駿太vs安本晴翔」

――3度目のKNOCK OUT参戦が決まりました。

「呼んでいただきたいと期待していたので出場が決まって嬉しいです。相手は強い選手ですし、KNOCK OUTという大きな舞台で試合させてもらえることで気合いが入ってます」

――対戦相手の安本選手についてはどのような印象がありますか?

「土台がしっかりしているし、勢いがあって強いですよね。試合はどうなるのか不安要素も結構あります。強い相手だからこそワクワクするものもあるので、普段通りでもあります」

――安本選手の7月4日のツイッターでは、ご自身がかなり小さかった頃に撮影した駿太選手とのツーショット写真をアップして「駿太選手とやるくらいまで成長しました」と投稿してました。

「いいね!がめちゃくちゃありましたよね(笑)。あの投稿を見て心にぐっと来るものがありましたが、あの時に何人かのちびっこと撮影しているので安本選手と撮影したことは覚えていません」

――安本選手はジュニア時代に大会を次々と制覇し、獲得したタイトルは24本です。そういう当時の活躍ぶりはご存知でした?

「名前を少し聞いたぐらいで試合を見たことはありませんでした。最近になって安本選手と対戦経験のある人から『安本選手は天才だった、めちゃくちゃ強かった』という声を聞いて怖かったのですが、今はもう気持ちを切り替えたので大丈夫です」

――安本選手はジュニア時代から駿太選手のことを尊敬していたとも言われていましたが、そういう選手と拳を交えることに感慨深いものはありますか?

「安本選手は19歳ですよね? KNOCK OUT2戦目(2018年9月8日)で対戦した髙橋聖人君は当時20歳で16の年の差がありました。年下の選手との対戦が増えていくので、いつも通りの試合感覚でいます」

――逆に、ご自身がまだ20代前半の頃に年の差のあるベテラン選手と対戦した時のことを思い出すことはありますか?

「2016年に亡くなられた前沢カピラ義徳さんと対戦した時(2005年3月12日)に、自分の全エネルギーを使ってやる!と思って挑んだのですが、全ていなされて延長戦ではやられてしまい凄く疲れて判定で負けました。その時に、テクニック、経験の差を凄く感じたので、今度は自分がそっち側なのかなと思いますね。今度の試合では安本選手にそういうものを見せ付けたいと思います」

――キャリアを重ねて改めて年齢を感じることはありますか?

「回復力は遅くなったという感覚がなんとなくあるぐらいですが、特にそういうのはないですね」

――新体制KNOCK OUTということでファンにはどういう姿を見せたいですか?

「これまでのKNOCK OUTファンだけでなく、REBELSのファンも来ることになりますよね。もっとPRしなきゃいけないとは思いますが、そこに意識しすぎるといけないので、いつも通り、僕の気持ちの強さを見せたいですね」

――過去KNOCK OUTでの髙橋戦、村田裕俊戦(2018年12月9日)の2戦はいずれも激闘でした。今回も激闘になりそうですか?

「なります。数年前は喧嘩という概念を忘れていたのですが、ここ数戦は喧嘩の割合を入れて戦えるようになったので、そういうところも見せたいと思います。喧嘩スタイルだと自分にはマッチしてます」

――今回の試合に向けた練習で設けているテーマはありますか?

「脱力、楽しさ、喧嘩の3つです。怖い時や緊張する時というのは、結構身体が硬くなってしまい、思考も柔軟でなくなってしまいます。そこで脱力や楽しさは必要になってきます。でもそれだけだと、尖っている部分が足りないので喧嘩を混ぜていて、全てをうまく融合する感覚でやっています。練習はもちろんですが、私生活でもそういう意識を入れるようにはしてます。当然、そこには喧嘩の意識は入れていませんが(笑)」

――今回の安本戦をクリアーして、新体制のKNOCK OUTに望むことはありますか?

「スーパーフェザー級でKNOCK OUTのベルトを作って欲しいですね。ワンデートーナメントを経験したことがないのでそれでチャンピオンを決めてもいいですし。もし実現すれば、森井(洋介)君には階級を下げて出てもらいですね。森井君とは一度対戦していて(2013年12月1日、ビッグバンで駿太が5RKO負け)、僕は良くも悪くも人生が大きく変わった転機となる試合だったんです。森井君のバックハンドエルボーでやられて1年ぐらい試合が出来ない状態となり、ドン底に落とされてしまいそこから這い上がることが出来ました。森井君のような気持ちの強い選手との試合は面白いので、またぜひやりたいですね。あとは、KNOCK OUTはメディアへの力があるのでどんどん僕のことを取り上げて欲しいです。ぱんちゃん(璃奈)、日菜太君とかテレビが密着取材してますよね? 僕は自分のYouTubeチャンネルで自分のことを密着取材しているので、もっと自分が作るよりもクオリティの高い密着をしてもらいたいと思います(笑)」

――「キックボクサー駿太(https://www.youtube.com/channel/UC45Pz1FEXqHpE8i_9Ooa93g/about)」のYouTubeチャンネルも登録者数は8000人近くとなり、YouTuberとしても好調ですね。

「ここ数カ月でどんどん登録者数も増えてきていい感じになっているので、このままコツコツ伸ばしていきたいですね。1年4カ月間ずっと毎日更新しているので、もっと工夫しながらやっていきたいと思います。最近、よく声をかけられるようになって箱根の入れ墨OKの温泉や花火大会で『YouTubeの人だ!』と声をかけられるようになったんです。キックボクシングではなく、違うところから僕のことを知ってくれるようになったのでめちゃくちゃ嬉しいですね。僕のYouTubeを見ているお客さんの中で今度のKNOCK OUTを観にいきますという方もいます。最近の若い子は、将来YouTuberになりたいという子も多くなっているそうですね。それはいいことだと思います。YouTubeで稼ぐには、凄く考えたことをしないと結果は出ないですし、喋ることももちろん重要で、ビジネスにも必要な考え方も取り入れていかないといけません。作り方も独りよがりではなく、どういうふうにしたら一般の人に見てもらえるのか、視聴者目線で考えてないといけません」

――気になる収入は!?

「少しずつ広告収入が入るようにはなりました。詳しいことは内緒で(笑)」

――YouTuberとしての目標は?

「登録者数をどんどん増やしていって有名になりたいというのはもちろんあります。挑戦していかなければ自分の成長もありません。見てくれる人も増やしていって自分の能力も上げていく相乗効果で行けるところまで行きたいですね。僕はキックが一番好きなので、登録者にはキックにも興味を持ってもらい、会場に足を運んでもらえるようになるといいですね。実際に僕のチャンネルを見てキックのジムに通うようになったという人もいます」

――会場に来てくれるファンにメッセージをお願いします。

「いつも通り激闘を見せるので楽しみにして下さい」


宮越慶二郎「次の試合では差が出るんじゃないかと思います。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第8試合「宮越慶二郎vs鈴木真治」

──取材場所(埼玉県所沢市小手指南1-1-47 スカイビル1F)であるこちら「K26 KICKBOXING STUDIO」はどういうジムになりますか?

「僕が代表をやっていて、7月初めにオープンしたフィットネス専門のキックボクシングスタジオです。主婦の方、仕事帰りのサラリーマンをターゲットにしてプロは一切育てない純粋なフィットネスジムですね。ちなみに“K26”というは僕の名前、慶二郎から取ったものです」

──どんなコンセプトがありますか?

「キックボクシングをやってるということがステータスになるようなものですね。より大人の空間になるような落ち着いたスポットライトして、オシャレにやりたいなと。今までキックボクシングのイメージは、汗くさかったり入りずらかったりするのですが、ここだったらフラッとサロンみたいに来れるようにしたいなと。女性でも一人で来れたりするようなところにしたつもりでして、実際、会員さんには主婦の方が多いですね」

──会員さんが通うことでどう変えたいですか?

「ダイエットだったり、ダイエット以外でも筋肉を付けて日常生活を楽にしたり、筋肉を付けるところは付けて減らすところは減らしていってもらいたいですね。お肌にも汗を書くのはいいことです。あと、ここは所沢で唯一暗闇でボクササイズ出来るので、“楽しくて最高の1時間”というのをテーマにやってます」

──本題に入りますが、今回、2017年4月の森井洋介戦、2018年2月の重森陽太に続いて3度目のKNOCK OUT参戦が決まりました。

「まだKNOCK OUTで勝ったことないので、ここでしっかり勝ちたいという気持ちは強いです。KNOCK OUTのリングということで、気負い過ぎちゃうのか見せなきゃとKOを意識し過ぎてしまった部分もありました。でも今はそう考えるのはあまり意識せず、リラックスしていい感じで出来たので、昨年12月のスアレック戦、今年4月の勝次戦とREBELS二連戦ではいい感じで臨め、結果的にもいい感じで勝てたので良かったですね」

──以前とは気持ちの面でどう違っていたのでしょう?

「負けてばかりの頃は精神面でダメでしたが、今は気持ちに余裕が出来たというか、精神的にも持ち直していい感じです。ダメな時は、負けられないとか自分を追い込んでいました。今でも思っていますが、そこまで深く考えないでいます。どん底まで落ちた時に開き直るようにして、これからはいい意味で負けてもいいから、みんなが喜んでもらえる試合をしようと考えたら結果が付いてきた感じです。連敗した時に周りからも『気負いせずに勝っても負けてもいい試合をすれば評価してもらえるし、それで良いんじゃない?』と言われてました。今回も気負わないで臨みますし、結果的にもいいのでそれを意識しながらやりますね」

──気持ちを落ち着かせるために特別にやっていることはありますか?

「普段通りのことをすることを心掛けてますね。ルーティンというか、試合の前日だから特別こうするということでもなく、試合当日もいつものご飯といつもの朝散歩など、いつも通りのことをすることを心がけるといいですね。今までは試合前に身体にいい物を食べようとかあったんですけど、緊張しちゃうのでいつも通りでいるというのがスタンス的にいいですね」

──対戦する鈴木選手の印象はどうですか?

「最近の試合映像を見たんですけど、2010年12月に藤原祭りで対戦した時とあまり変わってないなという印象はありましたね。スピードは落ちて、パワーは付いたと思いました。以前の藤原ジムから今のジムに移籍してからは若干ムエタイ色が付いてきたのかなとは思います。鈴木選手はこの9年間でどんだけやってきたかはわかりませんが、僕はあれからKUNLUN FIGHTなどで海外に行ったりと経験値を積んできたので鈴木選手よりは色々乗り越えてきてますから。次の試合ではその差が出るんじゃないかと思います」

──試合展開はどのようなものをイメージしてますか?

「僕はいつも心がけている通り、5R勝負ですね。フルラウンド使って最終ラウンドで倒します」

──なぜそう心がけるように?

「スパーンと一撃で倒しても、お客さんはもっと見たかったと思うじゃないですか。5Rしっかり見てもらって倒すっていうのが僕の理想なんです。もはや作品ですね。芸人じゃないですけど、1秒でも長く見てもらいたいという想いがあります」

――KNOCK OUTのリングだけに短期決着を望んでいるファンもいるかと思います。

「僕は尻上がりに調子が上がって行くので1R目で倒すことはありません。1R~2Rで相手のことを分析して3~5Rで実行していくタイプですが、1Rから倒せるチャンスがあったら一気にいきます」

──今練習で一番強化してることは何でしょう?

「ステップはいつも通り練習してるんですけど、最近は総合の選手の間合いとか、遠い間合いから攻撃を出す感じがキックボクサーにはないなのでそういうことも練習してますね。堀口恭司選手の試合を見て、縦の動きともいいなと思って取り入れてます。僕のニンジャステップは横の動きですが、それプラス縦の動きも加わるのでより一層、3D的な感じで動けると思います」

──宮越選手のニンジャステップは独特ですが、対戦相手からやりにくかったと言われたことはあります?

「そうですね。スパーをしててもやりにくい、自分が攻撃を出そうとしたら目の前から消えると言ってもらえます」

──町田光選手は居合いパンチが有名ですが、ご自身もニンジャステップをもっと定着させたいと思いますか?

「僕のステップを他の選手が当たり前のように使うようになって欲しいですね。それが理想です。
ちなみに今のところ、ニンジャステップをそれっぽくやってる人はいましたが、完全に再現している人はいません。横のステップをなかなかやる人はいないので、もし使う選手がいて僕が戦うことになったら戦いづらいとは思います」

──ステップはどう編み出されたものですか?

「元々、父親が現役時代にそういう動きをしていたので、それから自然に使うようになりました。周りから忍者みたいだな?から始まって、意外にもこういうステップってあまり使われてなかったのでこれを売りにしていこうと思いました。海外受けしそうだなと思い、海外でもよく試合をしていたのですが、思いのほかあまり感触が良くなかったんです……」

──鈴木選手との一戦をクリアーしたら今後考えていることはありますか?

「知名度のある選手とやったり、KNOCK OUTに限らず色んな団体に出させてもらうことが目標です。今、目指してるのは大晦日のRIZIN出場なのでそこもしっかりアピール出来たらと思ってます」

──ファンにメッセージをお願いします。

「僕の独特のスタイルを見てもらって、今回はキックボクシングの夏フェスじゃないですけど祭典なので一日中いろんな選手を見て楽しんでほしいですね」


斗吾「何言ってんだ、こいつって。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第4試合「T-98vs斗吾」

ーー今回KNOCK OUT初参戦が決まりました。

「こんなに早いタイミングで出させてもらえるて(伊原信一)会長に感謝してますし、みんなが期待しているかはわからないですけど、結果を残したいですね」

ーー周りの反響はどうでしょう?

「お、斗吾やったねと。僕は50戦以上やってきて、1度、国外だと2年前にタイのラジャダムナンスタジアムで試合をしたことはあるのですが、初めて国内の他団体に出るので、みんながビックリしていて頑張って!と応援してくれています。自分の名前や新日本キックが広まるきっかけになったら嬉しいですし、結果を出したいですね」

ーーKNOCK OUTにはどのような印象がありますか?

「KNOCK OUTという大会名だけにKOの多い大会なので、やっぱりKOしなきゃダメなのかなと思います」

ーー斗吾選手は37勝のうち27のKOがあり、KO率が高いですよね。

「KO勝ちは狙ってないのですが、自然とそういう結果が出ているので自分に合っている大会なのかなと思います」

ーー対戦するT-98選手についてはどのような印象がありますか?

「パンチ、キック、ヒジ、首相撲と何でも出来る選手ですよね。戦績が凄くて、ラジャダムナンなどたくさんのベルトを持っている凄い選手だと思います。去年、パンクラスに出た時にネットで見ていて、最後のラウンドで中継が途切れたので急いで結果を調べたこともありました」

ーー倒し切る自信は?

「T-98選手の相手として選んでくれたということは、主催者が斗吾ならやれると期待してくれてると思うのでその期待を裏切らないようにします」

ーーT-98選手は人生で鼻血を出したことないぐらいタフだと言われてました。

「健康的でめちゃくちゃいいんじゃないですか(笑)。T-98選手が7月18日のツイッターで、T-98選手が沖縄の廣虎選手と試合してヒジで切って勝った動画について『また切り裂いちゃおうかな』とツイートしていて、それはちょっとイラっとして何言ってんだ、こいつって。かなり年上なんですけど(笑)」

ーーT-98選手はKO負けしたことがなく、判定負け以外だとヒジによるカットのTKO負けのみなので、自分の弱点はヒジで切られることだと言われてました。

「そうなんですね。試合はどうなるかわからないので、効いたことないんだ、へ~って感じです。あまり気にしてないです。もうT-98選手のことはインプットしまくっていて作戦もバッチリ。夜中には家族に気を遣って部屋を暗くしてもテレビを見られる専用の眼鏡をかけてT-98選手の試合映像を見まくってますから」

ーーT-98選手は昨年(2018年10月21日)、新日本キックのリングで喜多村誠選手に4Rにヒジによるカットで負けていますが、それは意識しますか?

「喜多村さんが勝って、緑川(創)さんも勝ってる(2013年4月14日)ので僕も同じ新日本キックの人間として続きたいですね。これは大きなチャンスですし、KNOCK OUTという大会名だけに倒して勝って思いっきり皆さんに僕の名前を知ってもらいたいです。ベストパフォーマンスが出来るように準備します」

ーーT-98選手はここで斗吾選手を倒して70kgトーナメント開催も希望しています。

「いいんじゃないですか。なんで70kgにこだわるんですかね? T-98選手はWPMFミドル級の世界のベルト持ってるじゃないですか。トーナメント開催は僕の階級でもあるミドル級でもいいんじゃないですかね(笑)。僕は70kgにはもう落ちないんですよ。前に70kgで緑川選手とやって減量が出来ても回復が出来ずに5Rやって判定で負けちゃったんです」

ーー他の選手の試合は見ないという選手もいますが、結構色んな試合を見られるタイプですか?

「暇があったら携帯でYoutubeとかで他の選手の試合を見まくっていて、嫁に携帯禁止って言われるぐらいです(苦笑)」

ーー個人的に注目している選手は?

「一人いるんですよ。ジョン・ウェイン・パーですね。倒しにいくファイトスタイルで以前に来日しているので名前も知っていて、まだやっていたんだなと。年齢も年齢ですが、身体も凄いんです。彼のツイッターを見つけて練習風景とかを見ました。8月18日のRIZINで(ダニロ・)ザノリニ選手と75kg契約でやるんです。自分と結構近い体重なので、もしやることがあったらやってみたいなと。75kg契約はちょっと重いんですけど、72~73kgでやってくれないかなと」

ーー以前日本で活躍していたときにはあまり興味なかったのでしょうか?

「魔裟斗さんもパーは強いと評価されていたので、めっちゃ興味ありました」

ーー日本人選手で気になる人は?

「去年9月にKO負けした田村(聖)選手ともう一度やりたいですね。あの時は4年ぶりぐらいに負けて、もう何やっているんだろうって落ち込んで大ショックでした……。自分が情けなくて、会長に土下座するぐらいの勢いでしたから。もう一回田村選手とやりたい。これ、大きめに書いておいて下さい。リングはどこでもいいです」

ーーどれぐらい凹みました?

「心の底からめっちゃ凹みました。KO負けした後、健康診断に行ったらどこも異常なかったので、こうやって丈夫に産んでくれた母親に感謝だなとも思いましたね」

ーーかなり連勝していたことで慢心はなかったですか?

「正直、自分はその時は全然なかったと思ってたんですけど、負けて慢心してたなと思いましたね。そういう自覚はなかったんですけど、心の底にはあったのかなと。結果は良くないですけど、鼻をぱきっと折られて、今思えばそれが良かったですね」

ーー勝つよりも負けることで得るものは大きいといいますが、敗戦から学んだことは?

「私生活から変えました。僕には子供がいるのですが、食事とか洗濯とか全部を妻に任せっきりで自分のことしかやっていませんでした。それがダメなんだなと、会長からアドバイスをいただいて。妻にも『自分のことしか考えてない』と指摘されて、そこから洗濯も自分でやって自分で干す、畳むということから始めました。あとは、夜が遅い時は練習で疲れていますが、自分でご飯を作って、子供の面倒を見てオムツ変えたりとか積極的にやってます。そこから結果がちょっと付いてきているのを感じています」

ーー練習面ではどうでしょうか?

「私生活を変えたら、周りが見えないぐらい集中出来ています」

ーー練習をしていてふと田村選手のことが頭をよぎったりは?

「たまにあります。田村選手はこうだったな、とか。これはこうしたからあれをもらっちゃったんだな、とか思いながらずっと練習したりツイッターも気にかけてます」

ーー田村選手へのリベンジ以外で、T-98選手に勝ってどんな試合につなげたいですか?

「僕はもう一個ベルト欲しいので、まずWKBA世界タイトルを獲りたいですね。そしてラジャダムナンスタジアムミドル級王座に挑戦したいです」

ーー会場のファンへメッセージをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。8月18日、満員の会場で試合がしたいので、雨でも会場に足を運んでもらいたいです。斗吾の名前を知ってもらえる試合をするので、(江幡)塁より斗吾の試合ってやっぱすげーって試合するので熱く応援してください」

ーー会場も大きいだけに自分向きの大会だと?

「そうですね。ミドル級らしい迫力ある試合をしたいです」


大月晴明「”伴流スタイルで対抗しよう”とある技を用意しているので、それで倒しにいきます。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第1試合「大月晴明vs丹羽圭介」

――昨年8月の森井洋介戦以来のKNOCK OUT参戦が決まりました。

「自分はやりたいと思う時に試合をやらせてもらっているので満足してます(笑)。KNOCK OUTにはプレ旗揚げ戦(2016年12月5日、スターボーイ・クワイトーンジムに1RKO勝ち)から出ていて、いいイベントなので声がかかれば出ますし、今からワクワクしてます」

――今大会は新体制KNOCK OUTの第一弾興行ということで、自分を抜きに始まらないだろ?といういう気持ちは?

「僕は新体制の始まりだから出たいというのは特になく、オファーが来たか!という感じでしたね。あとは、熱い時期ですが練習でどういうタイプかを研究しながら臨むだけです」

――今回、丹羽選手と対戦することになりました。

「丹羽選手は無双ビートという技を用意しているようなので、そこが警戒すべきポイントかなと。僕は無双ビートというものがどういうものかを見たことはありませんが、“俺にはこれがあるんだ”というものが1つでもあると人間は強くなれるので、油断は出来ません。出稽古先の伴流ボクシングジムでこの話をすると“伴流スタイルのこれで対抗しよう”とある技を用意しているので、それで倒しにいきます。それは今まで誰も使ったことがないような技なので楽しみにして下さい。それが決まれば相手は確実に倒れます」

――丹羽選手に関しては以前から意識していた選手でしょうか?

「特にはないですね。オファーが来た時に丹羽選手の試合を見た程度です。自分はもうキャリアが長くなったので、丹羽選手に関しては特に魅力を感じたことがないのでやりたいと思ったことはありません。試合を見た限りでは、うまい選手という印象があります。(那須川)天心君と一緒に練習しているんですよね? そうなると僕対策を色々と考えてくるんじゃないかなと思います」

――日本拳法をベースとする選手だけにトリッキーな戦い方をします。そういう選手はやりやすいですか?

「もしかしたら日本拳法をベースにした選手とは今までにやっているかもしれませんが、ステップを使って距離を取って戦ってくる選手とやるのは初めてかもしてません。自分もああいう戦い方をしますし、丹羽選手は『お互いの独特の距離感とリズムの戦いになる』と言われてましたが、まさにそういう戦いになるでしょうね。3Rしかないので観客がシラケるような試合をするつもりはありませんし、ガッツリと行くときは行く試合をしたいと思います。向こうは打ち合ってくると思うのでそういう場面もあるでしょうね」

――丹羽選手は「大月選手を超すことで憧れの自分になれる」と言われていました。

「キックキャリアも長くなり周りから『何でこの歳までやっているの?』と言われるのですが、自分は目立ちたい、有名になりたいという欲が一切あることもなく今までやっていて、試合を楽しんでいる感覚なんです。試合に向けた練習はしんどくても最近段々と面白く感じられるようになっていて、仕事がどんなに忙しくても練習に時間を取るようになりました。丹羽選手は僕との試合で何かを得られるというのなら、僕も丹羽選手との試合で何かを得られたらいいなと思います」

――所属はマスクマンズとなってますが、今の練習環境は?

「基本的にNEXT LEVEL渋谷、伴流ボクシングジムに行き、たまに石毛(慎也=初代NKBウェルター級王者)が会長を務めるLAILAPS東京北星ジムに行きます。ちなみにNEXT LEVEL渋谷には2年前から行ってるのですが、成田保裕会長がミットを持つのがうまいからなんです。今まで何人にもミットを持ってもらっていますが、成田会長は一番うまいですし、アドバイスも鋭いことを言われるんです」

――大月選手は現在45歳、キャリア終盤になりますが、試合に対するモチベーションはどういうところにありますか?

「1999年10月にプロデビューして今年の10月で20周年になり、2013年11月のKrush(平塚大士戦)で復帰したときに20年は頑張ろうと決めたんです。そのKrushに出る前に、映画『死ぬまでにしたい10のこと』というのを見て、自分も試合を辞めるまでに10個やるべきことを決めたんです。ヤスユキさん(=引退)と試合すること(2015年9月16日、大月が3RTKO負け)、地元・京都で試合をすること(2017年3月5日、辻出優翔戦で大月が1RTKO負け)などがあって、 最後の10個目が“20年続けること”なんです」

――最終試合でやる選手はすでに決まっているのでしょうか?

「俺ごときの人間がそういうのを言える立場じゃないですよ(笑)。もうおっちゃんなんだし!」

――20年近くもキックボクシングを続けていられるのはなぜでしょう?

「歳を重ねてケガは多くなっていますが、サプリメントとかでカバーしてますし、一番は何といってもキックが好きだからだと思いますよ。続けていくためにも若い時と比べてケガをしないように気を付けていますし、これから身体能力が上がることはありませんが技術は上がるんです。後輩によく言っていることがあって、反復練習は重要だけどあるところまで行くとガムシャラにやっても変わらない。どんどん悪くなっていくこともあるので、考えること、見ることが大事だと。見て頭でイメージして、これはいいなと気付くことが重要なんです。試合が決まって当日までの期間に、対戦相手によって戦い方も変えますし、勝つためのいい練習をしていくべきなんです」

――今回本戦第1試合になりましたが、どういう試合をしたいですか?

「大会を盛り上げる火付け役になりたいですね。大会全体がしょっぱい大会になったら、大月と丹羽のせいだと言われかねません。その時は丹羽選手のせいにしますが(笑)」

――この試合をクリアーしたらKNOCK OUTで目標としていることはありますか?

「何がしたいという身分でもなく、僕は普通のおっさんですから。家族にも趣味の一環として試合をやらせてもらっているので普通に仕事をしていますし、ファイトマネーも俺のお小遣いにはなりません。こういう話をすると、格闘技にロマンがなくなりますが、趣味でありながらこういう派手な大会で試合をやらせてもらっているので感謝しかありません。あとは一生懸命やるだけです」

――最後にファンにメッセージをお願いします。

「“爆腕”というキャッチフレーズが付いている以上は、そういうものを見せないといけないと思っています。応援よろしくお願いします」


炎出丸「普通に自信を折ってやろうかなと。」8.18『K.O CLIMAX 2019 REBELS division』第4試合「炎出丸vs壱・センチャイジム」

ーー今回KNOCK OUT参戦が決まりました。

「最初、ピンと来なかったんですけど、いざ会見の会場とかに呼ばれて行ってみると、じわじわと僕はKNOCK OUTに出るんだなと。周りの友達は『KNOCK OUTに出るんだ!?』と驚いてくれて反響も大きかったのでじわじわと来てます」

ーー以前からKNOCK OUTに出たかったという想いは?

「とりあえず自分がメインに出ているREBELSを盛り上げるという意識でした」

ーー今回から新体制ですけど、旧体制のKNOCK OUTの印象は?

「同じジムの不可思、(小笠原)瑛作が出ていて頑張っていましたが、僕は僕でREBELSでやっていきたいことをやりたいなと。KNOCK OUTとREBELSが提携したことによって気持ちはどんどん入ってきて、いい形で盛り上げていきたい気持ちは沸いてきたのでモチベーションも上がってきました」

ーーKOの多い大会ですが、ご自身もKOを意識した戦いになりますか?

「今回の試合が3Rなので早い段階でガンガン行かないといけないという気持ちはあります。倒したいという気持ちだけでいるといい結果が出たことはないので、とにかく自分をアグレッシブに出す。その結果、倒したり、いい試合になってくれたらいいですね。そこに捉われちゃうと絶対にドツボにハマるとわかってます。以前に満員のお客さんが集まる後楽園ホールで試合に出たことがあるんですけど、気負いしちゃってダメな時がありました。大きい舞台だからといってそこまで気負わず自分らしくやっていければ、と思ってます」

ーー相手の壱選手にはどんな印象がありますか?

「うまくて綺麗に戦うという印象です。綺麗に戦って勝ってきているので、ちょっときつかったり、競った場面を経験したことがないのかなというのはあるので、そこは狙い所だと思ってます」

ーー壱選手はまだ若い選手だけに、ご自身のキャリアも長くなってそういう差を見せ付けたいという想いもありますか?

「そうですね。経験からこれまでの戦略も生まれてきてるので、しっかり経験を生かしてやっていきたいですね。首相撲の技術も見せたいのですが、最近そこまでこだわってないんですよね。相手が首相撲に対して弱ければ、そのの穴を攻める感じになります。そこで差を付けられなかったら使わなくてもいいかなとも思ってます。打ったり蹴ったりという攻防もお客さんにはしっかり見せたいと思っていて、それプラス、首相撲のアグレッシブなところも見せられたらというのを理想に置いています。自分のスタイルを変えることに悩んだ時期もあったのですが、自分の中でだいぶ形になってきました。いろんな負けも勝ちも含めて今まで続けてきた結果、今があるんだと思います

ーーファンにどういったところを見てほしいですか?

「僕のスタイル的には結構しつこく行って勝つタイプなので、相手が今回みたいにうまかったり、ガンガンくる方が面白くなると思うんですよ。相手のうまさをしつこく潰して、天才肌の若い子の鼻をへし折ってやろうかなと。同じ沖縄出身で若い選手なので、本当はもっと頑張ってもらいたいんですけど、俺に負けてもらって、そこからまた目立ってほしいなと思っています、アハハハ!」

ーー以前に交流はあったのでしょうか?

「だいぶ年齢差があるので共通の知り合いがいるわけでもないですし、交流も全然ないです。彼はリングネームなので沖縄出身者とはわからなかったんですよ。翔センチャイジムと同級生なのでちょこちょこ交流あるんですけど、そいつが沖縄の子だよと聞いていたぐらいでした」

ーー住んでる地域とかは?

「それもまだ知らないですね。今は興味ないです(笑)」

ーー沖縄の方は上京してきて仲間意識はあるのでしょうか?

「あります。仲間意識はあるので、ぶっちゃけ頑張って欲しいという気持ちがあるんですけど、それを今見せてしまうとまずいので普通に自信を折ってやろうかなと」

ーー対戦が決まって、壱選手と同じ20代の頃の自分を思い出したりとかはありました?

「僕も一人で上京してきて、彼もああいう風に頑張ってるので感じるものはありますよね。だけど試合は試合なので僕も人生を懸けてやっています。まだ彼は若いので、ここで厳しさを教えてやろうと思っています」

ーー今まで同郷対決はありました?

「沖縄の大会ではありますが、今回が初めてだと思います。沖縄のジムに所属している人とはやったことあるんですけど、その人はウチナンチュ(=沖縄人)ではありませんでした。だから今回は変な感じです」

ーーKNOCK OUTには色んな団体の選手が集まりますが、同階級でやりたい選手はいますか?

「やっぱり江幡塁君は名前もありますし、瑛作も倒しているのでどんだけ強いのかなと。選手をやってる以上は、ああいう強さを体感してみたいというのはあります。ただ、今の状況ではそういう発言権もないですし、今回のKNOCK OUTトーナメントに出場する大野(貴志)選手に僕は負けていますからね(2019年2月17日、炎出丸が3RTKO負け)」

ーー会場のファンにメッセージをお願いします。

「大きい舞台なので皆さんの心に残るような試合を8月18日、見せたいと思うのでぜひ会場に来てください」


鈴木真治「最終的に自分が立ってる試合に。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第8試合「宮越慶二郎vs鈴木真治」

ーーKNOCK OUT初参戦が決まりました。

「大きな大会に出られることはありがたいのですが、僕がやるべきことはいつもと変わらず一生懸命試合するだけです」

――KNOCK OUTにはどのような印象がありますか?

「ヒジを出し合ってお互いにKOを狙うような激しい試合が多いなと思います」

ーーヒジ打ちが得意な鈴木選手にとっては、まさにご自身向きの大会ですね。

「僕はそんなに狙ってはいないんですけど、結果的に自分のスタイルだとそうなるだけです。狙わないで打つ分、力まないで出るので当たるのかもしれないですね」

ーーKNOCK OUTといえば、鈴木選手が以前所属していた藤原ジムの森井洋介選手が活躍しています。

「よく森井の試合は自分の試合が被らない限りはほとんど観に行っていて、毎回凄いなと思って見てました」

ーー鈴木選手は藤原ジムを離れてからも、森井選手とはずっと交流があったのでしょうか?

「週1~2回、出稽古で小林聡さんにお世話になってるので、今も一緒に練習するときがあります。僕と森井はフィジカルトレーニングも一緒なので、いつも刺激を受けてます。後輩ですが、彼の練習中の気迫は凄いので僕ももっとしっかりしないといけないなと刺激をもらってます」

ーー森井選手のKNOCK OUTでの試合で印象的な試合はありますか?

「KING OF KNOCK OUT初代ライト級チャンピオンになった試合(2017年12月10日、勝次戦)が凄くて感動しましたね。あとはヨードワンディ戦(2016年12月5日)とか、いい試合ばっかりですね」

ーー小林さんからアドバイスをいただくことは?

「小林さんに練習を見てもらってるわけじゃないのですが、よくしていただき『おお来たか、頑張れよ』と声をかけていただけます。森井は結構頭脳派でもあるので、こうしたらどうですか?みたいなアドバイスをもらう時があります」

――6月にはラジャダムナンスタジアムで試合をしてKO勝ちされたんですね。

「以前からタイで試合をしたいと思っていて、藤原敏男先生から『ぜひタイで試合をしなさい』と言われてました。僕もやる気があったので先生からそう言われたらやらないわけにはいかないなと。ムエタイの本場で試合をしたことが凄く経験になりましたね。今回対戦する宮越選手も中国などでよく試合をされていて、そういうところで勝ち抜いてきた確かな精神力があるでしょうね」

ーー対戦する宮越選手の印象はどうですか?

「10年前に対戦したことがあり(2010年12月1日、鈴木が2RTKO負け)、当時からフットワークで動き回っていて捉えずらい記憶があります。最近だと、スアレックとの試合は見ました。もちろんテクニック、パワーと全ての点が強いのであのレベルにいるんでしょうけど、その中で一番印象に残ったのは勝負所の気持ちの強さですね。お互いに苦しいところでも宮越選手は踏ん張って気持ちの強さを見せていたところが素晴らしいと思いました」

ーー宮越選手特有のニンジャステップは戦いづらいですか?

「攻撃が当たり辛いなと試合中に感じました。練習先で色んな人にそれを真似した動きをやってもらったりして協力してもらってます」

ーーいつか再戦したいという想いは?

「彼はライト級でやることが多いので、またやることになるとはあまり思わなかったですね。お互いに経験も積んで伸びてると思うので、試合結果はどうなるかはわからないです。お互いにいろんな経験を積んでるので楽しみですね」

ーー練習で強化してるところは何でしょう?

「もちろん宮越選手に対しての練習もしてはいますが、いかに練習メニューの質を高くこなすかということを意識してやっています」

ーーどんな決着をイメージしてますか?

「激しい試合になると思うんですけど、最終的には自分が立ってる試合になればいいなと思っています」

ーーこの一戦をクリアした後は何か考えていることはありますか?

「残りの選手生活でどれぐらい試合が出来るかは自分でもわからないですけど、次の試合でもしかしたらケガをして終わるかもしれないですし、とにかく強い選手とやっていきたいですね。そこが僕のモチベーションになっています。KNOCK OUTさんの今までのマッチメイクを見てるとガチンコで強いタイ人選手を呼んでいるので、これから結果を出すので僕にもそういう選手を当ててもらいたいですね」

ーーファンにメッセージをお願いします。

「この競技を見にきて応援していただくことは本当にありがたいことです。僕が出来ることといえば全力でトレーニングをして試合に備えることです。全力で試合をすることを約束しますので当日は応援をよろしくお願いします」


与座優貴「キックと空手の技術がミックスされて、手応えある。」8.18『K.O CLIMAX 2019 REBELS division』第2試合「ジョニー・オリベイラvs与座優貴」

ーー極真会館の2017年第6回全世界ウェイト制選手権では軽量級優勝を果たして世界王者に輝いている凄い実績があるんですよね。

「空手を6歳の時に始めて世界一になると言ってたんですけどどこかで無理だろうって思っていた時期もありました。19歳の時に日本代表に選ばれてトーナメント出場が決まり、試合が近づくにつれてその時は負けるわけがない、普通に優勝と思っていました。今までやってきた過程が良かったので、優勝が決まったときも嬉しさより、当然のことでしょうという感覚でした。優勝したことよりも応援してくれた人が喜んだり、泣いてくれた姿を見て嬉しかったですね」

ーー極真の世界チャンピオンがキック参戦ということで話題になってます。

「そういうふうに取り上げてもらえるというのは非常に光栄なことですね。それがプレッシャーになることは全然なく、キックに転向して首相撲、パンチの受け方、避け方、知らないことが多いので、常に毎日刺激的で何かしら発見することがあります」

ーーキックに転向しようと思ったのはなぜなんですか?

「元々、小6とか中学生ぐらいの時からよく魔裟斗さんの試合を見ていました。極真空手からキックに転向して成功してる選手がいて、自分もキックの世界に憧れを持つようになりました。今、自分は大学生なので卒業してからキックに転向しようと思っていたのですが、空手時代に2回勝っているベイノア選手がRISEのタイトルマッチで勝ってチャンピオンになったんです。それを見ていたらジェラシーを感じて、気持ちが抑えられないぐらいになりました。今自分は埼玉県の飯能市にある大学の寮に住んでいて、そこから通える範囲のジムを調べたら橋本道場が出てきました。橋本道場は町田(光)さんとかみんなトップ中のトップが集まるところなので一回出稽古という形で行かせてもらったところ、めちゃくちゃ楽しく、その日には転向しちゃおうと思いました(笑)。空手を辞めてから転向するまでは、色んな難しいこともあり、多くの人に迷惑もかけたと思うのですが、周りの人の協力のおかげで橋本道場所属でキックの試合に出られるというのは嬉しいですね」

ーーキックの試合では、キックの技術を身につけないと勝てないと思いますか?

「蹴りはやっぱり試合で活かせているというのはあるのですが、空手とは間合いが違うのでそれに慣れるのが大変でした。今は毎月試合をしていて、練習で1強くなるとしたら試合で5強くなってる感じが自分でわかるので、転向して間もないですけど、デビュー戦と今の自分の動きだったら全然見違えるぐらい成長出来ています。空手の蹴り技だけでは当然勝てないので、それを毎日の練習だったり試合の中で学ぶようにしています。今はキックと空手の技術がミックスされてきてるので、自分の中で手応えはあります」

ーー今回KNOCK OUT初参戦が決まりました。

「僕は極真空手時代から色々なジャンルのキックボクシング、総合とかを見るのが好きで、ついこの前まで空手の試合に出ていたのにキックに転向してプロ5戦目でKNOCK OUTという大きな団体に自分が出るとは夢にも思ってなかったので凄く楽しみです」

ーーKNOCK OUTにはどのような印象がありますか?

「一流のトップ選手、強い人が出られる舞台だと思います。僕は本戦ではなくREBELSの部ではあるんですけど、声を掛けてもらって非常に光栄です」

ーー対戦するオリベイラ選手の印象はどうでしょう。

「オリベイラ選手の試合を見た選手からは『何でも出来る選手だからやり辛いんじゃない?』と言われます。自分よりキャリアもあり簡単には行かない試合になると思うのですが、キック転向後初の外国人選手が相手なので楽しみです。随分前の勝次選手との試合映像を見たのですが、まあ大丈夫な相手かなと(笑)。相手は自分の試合をYouTubeで多少見てると思うんですけど、その時よりもふた回りひと回り強くなってるという自信があるので、やってみたらビックリするんじゃないでしょうか」

ーーキックでは初の国際戦ですが、空手時代にはよく経験していたのでしょうか。

「ロシアの選手との対戦が多く、ブラジル人のようなゴツゴツしたような感じの選手は初めてなので楽しみですね。空手時代は無差別の試合もあるのでそういう選手とやってきたっていうのはキックをやる上でも非常に自信になっていて、相手の技で効かされたり、フィジカル差を感じるようなことは比較的少ないのかなと思います」

ーーちなみに無差別での試合の時は体重差は最高でどのくらいあったのでしょう?

「自分は身長170㎝、体重70kgぐらいなんですが、相手は2メートル、体重が100kgでした。そういう大きな選手との試合は勝ったり負けたりだったんですけど、負けた試合でも気持ちが折れたことはなく、戦うことが好きなので普通にありえない戦いなので楽しかったです。もうやりたくないですけどね(笑)」

ーー試合前は緊張するタイプですか?

「試合直前も平常心で、道場のみんなと笑って話しています。試合前も緊張感はあるんですけど、緊張はしないので比較的、練習以上のものを出せる時もあるのでそういう自分がどこまでやれるかというのが楽しみですし、純粋に格闘技が好きなんだなと思います」

ーー試合に向けて強化してることはありますか?

「僕は蹴りの選手だと思われてるんですけど、逆に言ったら蹴りしかないと思われてると思うのでそろそろパンチも出来るんだぞっていうのを見せたいと思って練習に励んでます」

ーー毎回試合では多彩な蹴り技を見せてますが、蹴り技は何種類ぐらいありますか?

「1,000種類はあるということで(笑)。試合ではまだシンプルな技しか出してないので派手な技も出せたらなと思います」

ーーこれまではシンプルな技で相手が倒れていると?

「そうですね(笑)。7月の試合(イモト・ボルケーノ戦)ではミドルキックでKO勝ちでした。オリベイラ選手は見た目的に打たれ強そうなので、そう簡単に倒れないと思うのですが、プラスアルファで派手な技とかも出してお客さんを喜ばせたいと思います」

ーーキック転向後、ここまで順調に進むと思っていました?

「結果だけ見たら4戦4勝で順調かと思うのですが、3戦目は接戦でしたし、試合前にケガをしたりそれまでの過程は順調ではなく、結構苦労して大変な想いはしました。減量に関しては空手時代はほぼなかったので、試合より体重を落とすことに苦労していてまだ全然慣れていません。今回も試合の1週間前は干からびてると思うので、試合に向けた調整とかも経験を積んで慣れていきたいと思います」

ーー身近な目標はありますか?

「今自分の出てるイノベーション、REBELSのベルトをとりあえず獲ること。話がきた時にいつでも獲れるように、日頃の練習に励んで目の前の試合を一戦一戦してクリアーしていき早くベルトを巻きたいですね」

ーー倒したい選手はいますか?

「とりあえず自分の階級のトップ選手とは近いうちにやっていくと思うんですけど、そういう選手たちを全員倒して自分が早くそのトップ戦線に絡んでいけるような実力を身に付けていきたいと思います」

ーーKNOCK OUTの常連になりたいという野望は?

「自分の階級でトーナメントをやるかわからないんですけど、そういう話があれば自分が選んでもらえるような試合を今回のオリベイラ選手との試合で見せたいと思います。今は日本のキック界を背負ってる選手というのは何人かいると思うんですけど、その選手に負けないぐらいの実力と知名度を付けて、いずれは格闘技と言ったら自分の名前が挙がるような選手になりたいと思っています」

ーーファンにメッセージをお願いします。

「今回のKNOCK OUTは名前のある選手ばかり出ていて自分の実力は、まだ一流と呼ばれる域には達していないと思うのですが、大会が終わった後に与座が一番やばかったと言ってもらえるようにインパクトあるド派手なKOを見せたいと思います」


吉野友規「“こいつやばいな”と思われるような試合をするところを見せたい。」8.18『K.O CLIMAX 2019 REBELS division』第1試合「ロッキー川村vs吉野友規」

――KNOCK OUT初参戦ということで、まずはこれまでのスポーツ歴、そしてキックボクシングを始めたきっかけを教えて下さい。

「剣道を幼少の頃から始め、20年近くやっていました。高校3年の時に国体で優勝、大学4年の時には団体戦で全日本選手権3位の実績があります。大学卒業後も実業団で剣道を続けていたのですが、高校時代はK-1がブームで格闘技を見るのが好きでした。やはり見ていると闘争本能をくすぶられて格闘技をやってみたいと思うこともあったものの、剣道以外の道に反れることを考えたことはありませんでした。28歳の時に就職して時間が合わず剣道をやれなくなったことで身体を動かしたくなり、どうせならやってみたいことをやってみようと、29歳で出会ったのがキックボクシングでした。毎日のように練習していたところ、結果が付いてきたので32歳の時にプロになることを決意しました」

――剣道でやってきたことがキックに活きていることはありますか?

「精神面が一番活かされていると思います。練習はきついのは当たり前ですし、試合に出るようになると目標が出来て、より自分を追い込まないといけなくなります。そういう時に自分に勝つという精神面が、自分は他の人よりも強いのかなと思います。練習がきついとはわかっていても試合に勝つことだけを考えていたらその過程でケガをして途中で挫折してしまう人もたくさんいると思います」

――剣道の試合を見ていると一本を取りに行くまでの緊張感が伝わってきます。攻撃を当てる集中力はキックに活きていると感じますか?

「それはあります。キックの間合いの取り方はまだ慣れていない部分もあるのですが、ここぞという時に攻撃を出して当てられるところも活きていると思います」

――相手の攻撃を避ける能力はどうでしょう?

「普通の人よりも動体視力はいいと思います。相手の攻撃は見えるのですが、それに対応するディフェンスが自分は下手くそなんです。どんどん練習や試合をしていくうちに自分の足りない部分が見えてきているので、そういうところを克服するための練習時間を作るようにしています」

――今のキック界はジュニア時代からキックに取り組んでいる選手が活躍している中、吉野選手はキックを始めたのが29歳と遅かった分、そういう選手たちに追い付くために努力していることはありますか?

「練習するのは当たり前ですが、練習で補えないところは見取り稽古として、強くて有名な選手の動画を見るようにしています。例えば、この選手は体幹が強くて身体を動かさないようにしているから、速くて強い蹴りが打てるんだなとか考えながらしっかり見た上でサンドバックを叩いたり、鏡を見ながら真似するんです。見て探求することは人よりも努力しているのかなと思いますね」

――一番参考にしている選手はいますか?

「速さ、テクニックの面だと、K-1の選手になるのですが、チンギス・アラゾフ、マラッド・グレゴリアン、ロッタンなどの外国人選手です。そういう選手たちの動画を見ていると凄いなと思いますね。パンチを打つ時はどういう踏み込み方をしているんだろう?と足の位置を見て、だいたいの感じだけでも掴んで自分がそういう選手になりきってみたりします。剣道時代には『見取り稽古をしっかりしなさい』と教えられていて、強い選手の試合ばかりを見て、ひたすら練習してました。やはり強い人の動きを見て、強い人たちと一緒に練習すると、自分の中に入ってくるものは大きいですね。それだけ練習しないといけませんが、そういうのは大事だと思います」

――今回、KNOCK OUT参戦が決まりました。心境はいかがですか?

「正直なところ、出られることにビックリしていてドキドキワクワクしているのですが、せっかくこのような機会をいただいたので自分という存在をアピールして試合に臨みたいと思います」

――KNOCK OUTにはどのような印象がありますか?

「出場する選手みんな強いですし、キック界のトップ選手が揃って出ていてレベルの高い大会だと思います。いつか出てみたいと思っていたのですが、まさかここでチャンスをいただけるとは思ってもいませんでしたね」

――大会名通り、KO決着の多い大会ですがご自身向きの大会だと思いますか?

「そうですね。僕は現在3戦3勝3KO中なので今回もKO狙いでいきます」

――対戦相手の川村選手についてはどのような印象がありますか?

「パンクラスで3度もチャンピオンになるなどMMAで輝かしい戦績を収めていて格闘技界で知らない人はいないと思います。まさかやるとは想像もつかなかったのですが、そういう偉大な方とやらせていただけるので、逆に自分は思いっきり勝負に行くだけだと思います」

――勝ったら美味しいと?

「そういう言い方は正直好きではないのですが、この試合で勝てたら自分のキックボクシングの強さの壁を一つ乗り越えられるような経験が出来るとは思ってます。勝てばMMAファンにも僕の名前を憶えてもらえると思うのですが、強い方と試合をさせていただけるだけでもありがたいことなので、常に全力で立ち向かうという気持ちでやっています」

――練習ではどのようなところを強化してますか?

「何度か試合を見たところ、川村選手はパンチが強いので、ガードが下がらないように、打たれても崩れないような練習をしています。あとは、パンチを蹴りにつなげて相手の足を壊す練習しています」

――KNOCK OUTファンは吉野選手のことを初めて見ることになりますが、そういうファンに自分のどういうところを見せたいですか?

「思いっきり暴れるので、パワー、スピードもあって、“こいつやばいな”と思われるような試合をするところを見せたいですね」

――今回の一戦をクリアーして次に見据えていることはありますか?

「KNOCK OUTに出られるだけでも嬉しいことなのですが、今後も出させていただけるなら外国の有名な選手とやらせていただきたいですね」

――ファンにメッセージをお願いします。

「来ていただいたファンのために、つまらない試合をしたくはありません。負ける気はないのですが、パワー、スピードで沸かせる試合を見せて、来てくれた方を楽しませる試合をします」


濱田巧「KOを意識して必ず盛り上げます。」8.18『K.O CLIMAX 2019 REBELS division』第3試合「蓮沼拓矢vs濱田巧」

ーー格闘技を始めたきっかけを教えて下さい。

「高校1年生の15歳の時に、テレビでK-1をやっていてそれを見て自分もやりたいなと。電話したジムがたまたまキックボクシングジムの藤ジムだったので入会しました。後々そこが潰れてしまったのですが、そこでの伝手で良太郎代表と出会い、team AKATSUKIでやらせてもらうようになりました」

ーー良太郎選手は元不良として有名ですが、濱田選手も元々は不良だったり?

「いえいえ。特になんの取り柄もなく、全然面白味のない普通の子でしたね(笑)。真面目に高校に通って悪さもしてなかったです」

ーーそれまでのスポーツ経験は何かありました?

「サッカーを小学校から高校の部活までやっていました。それと同時に高校からキックボクシングをやってボールを蹴るより人を蹴る方が楽しくなり、サッカーを辞めてキックの世界に来ました」

ーーKNOCK OUT初参戦が決まって、心境はいかがですか。

「大きな舞台でテレビ中継もあるので、いろんな人に自分の試合を見てもらいたいという気持ちはあります」

ーーKNOCK OUTにはどのような印象がありますか。

「有名な選手とか出ていて、友達とかもKNOCK OUTの話をしていて、キックボクシングを知らない人もみんな知ってるのでそういう舞台に出たいなと思っていました。KOが多いイメージがあるので自分も積極的にKOを狙って行きたいと思います」

ーー対戦する蓮沼選手の印象を教えて下さい。

「強い、うまい印象があります。右のパンチが強いイメージがあるんですけど、相手がどうのこうのより自分が試合でどんな動きが出来るかというのが一番大事だと思います。蓮沼(拓矢)選手とは昨年6月に対戦して2RにKO負けしていて、あの日から今日までそのことを忘れてないので必ずリベンジしたいと思っています」

ーーこのタイミングでの再戦はベストタイミングでしたか?

「蓮沼選手に負けてから5戦して4勝1分と負けていないのでここで組まれたのもいいタイミングかなと思います。自分の実力が一番出せる時期なので、必ずリベンジしたいと思います」

ーーその対戦した時からご自身が一番成長したところはありますか?

「よく周りから『身体が大きくなってフィジカルが付いたね』と言われます。自分ではあまりわからないのですが、対戦当時より強くなっていますし、筋肉も付いたと思います」

ーー今回取材場所が代々木競技場の陸上トラックですが、こちらではどのような練習をされているんですか。

「ランニングのトレーニングです。ここは400Mトラックで、何本か走って持久力トレーニングになります。土居進トレーナーが主催しているスカイライブというグループのラントレのメンバーと一緒にやっていて、メンバーにはK-1の皇治選手、小澤海斗選手、プロボクサーがいます」

ーーいつからこの練習を?

「もう1~2年ぐらい前からやっていて、やはり体力が付きましたね。僕は普段から週に40~50kmぐらい走っていて、ここでのラントレを含めて月に200kmぐらい走ります。自分には技術がない分、体力に自信があるのでフルラウンドずっと手数を出していられることでカバーしています。キックボクシングの試合は5ラウンドまでしかないですが、例え10ラウンドでも戦える自信はあります」

ーー続けていく上ので目標は?

「やっと芽が出てきたところなので、その目を咲かすか枯らすかというのは自分次第。あと何年続けるかわからないのですが、REBELSには去年から参戦してるので、REBELSのチャンピオンになりたいと思ってます。今のチャンピオンの老沼(隆斗)君には2回負けてるので、やり返さなないといけないという気持ちはあります」

ーーファンにメッセージをお願いします。

「僕は技術とか何もないんですけど、自分がどういうことをしたらお客さんが盛り上がるか、そういうイメージを常に持って戦っています。お互い見合うような展開はつまらないので、KOを意識して必ず盛り上げます」


雅駿介「人間として僕の方が強い。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第3試合「良太郎vs雅駿介」

ーーキックボクシングを始めたきっかけを教えて下さい。

「もともと地元の市川市にあったジムで高校1年生の頃からキックボクシング始め、国士舘大学に進学してキックボクシング部に入部したのですが、家から大学までの間で学校から帰ってくる時に通えるジムにも行こうと思い、見学に初めて行ったのが今のPHOENIXジムでした。ジムでは梅野さん、ハチマキさんがガンガン練習してて、その迫力に圧倒されて入会を決めました」

ーー学生キックの戦績は?

「2014年に学生キックでライト級チャンピオンになり、その年にKAMINARIMONで優勝しました」

ーー本名は井上駿介で、どうしてリングネームは雅(みやび)駿介なんでしょうか。

「PHOENIXに久保政哉という1つ上の先輩の選手がいて、彼が付けたリングネームなんですけど、インタビューの記事とはしては使えません(笑)。僕はこのリングネームを気に入ってないのにいつの間にかプロデビューさせられて……もう4年経つのですが、もうこのリングネームに慣れてしまいました(笑)」

ーーKNOCK OUT初参戦が決まり、心境はいかがですか。

「KNOCK OUTが旗揚げした時に、梅野(源治)さんが主力の選手として出ていて、当時、僕は全然注目される選手ではなかったのですが、自分も出たいと思ってました。その後、前口(太尊)さんがレギュラー選手として出て勝次選手と凄い試合をしたり、ハチマキさんも出て、ジムの先輩方が活躍していることで自然に目指したい場所になり、今回話をもらった時は嬉しかったですね」

ーー大会の印象はどうでしょうか。

「ヒジ、首相撲ありのルールで初の華やかな舞台を作ってる団体かなと思います。どこかのベルトを獲ったら出られると思っていて、今年2月にMuayThaiOpenライト級タイトルマッチで翔・センチャイジム選手に勝ってタイトルを獲らせてもらったのですが、その試合前に翔選手がKNOCK OUTに出たいとアピールしていたのをちらっと聞いていたので、ここで勝ったらもしかしたらチャンスをもらえるかも!?とは思ってました」

ーー対戦する良太郎選手の印象を教えて下さい。

「2016年11月に一度試合して僕が勝っているので、選手としての印象は……team AKATSUKIの代表をやっていて、選手をチャンピオンに育てているのは単純に凄いと思いますけど、僕は良太郎選手以上にもっと強い選手とやっているのでそこまで問題はないかと思ってますね」

ーー今回はその時以上の実力差を見せ付けて勝ちたいという思いますか?

「そうですね。僕は2014年に学生キックのチャンピオンになって2015年の3月にプロデビューしたんですけど、当時プロデビュー前、ジムの加藤会長が凄く厳しくて、アマチュア選手がどれだけ強くても最大で3分3Rしかトレーナーにミット持ってもらっちゃダメというルールがあったんです。その練習だけでは不安だった中、知り合いの伝手で池袋BLUE DOG GYMに練習行かせてもらったことがありました。その時に良太郎選手と出会って、よくスパーリングをやらせてもらったのですが、ボコボコにされたのでこんな強い人がいるんだなと。プロデビューして1年半後に良太郎選手と試合をすることになり、決まった時はアマチュア時代にやられていた記憶があったのでやばいなとビビっていたんです。でも試合で戦ってみたら意外に動けて、それほどの差を感じなかったので、この1年半の練習は嘘じゃなかったなと思いました。今回はあれから3年近く経っているので、その時以上に差を見せられると思います」

ーー良太郎選手は、昔はヤンチャしていた過去がありますが、特にそういう怖さはないですか?

「見た目は怖いですけど、本当は気持ちが小さくて見た目を頑張ってるんじゃないかなと思ってます(笑)。試合で対峙した時に、雰囲気をそういうふうに感じちゃいました。人間として僕の方が強いなと。良太郎選手とは地元も近いんですけど、ヤンチャしていた頃に良太郎選手の名前を聞いたことがないですし、過去のことは試合になったらあんまり関係ないかなと思います」

ーー梅野選手は現在もムエタイのトップ戦線で活躍していますが、刺激になりますか?

「僕が入会したときから一番強かったのに、誰よりもサンドバックを叩いたり、誰よりも練習してたのが梅野さんでした。そういうのを見てるので、誰よりも練習しなきゃと思って僕も頑張ってます。梅野さんは、口数は多くないんですけど、練習をやる姿勢、試合で見せたりと背中で語るタイプなので僕は見て学んでいます」

ーー今後の目標は何でしょう?

「自分が初めて負けた試合が中国のイベントに出た時のハン・ズーハオ戦でした。そこでボコボコにされて、世界との差を肌で感じたのでそこを目指してます。本当に強い世界のレベルを体感したので、そこに僕も食い込んで行きたいと思います」

ーーKNOCK OUTでやりたい相手はいますか?

「まずはKNOCK OUTでお客さんに僕の顔を覚えてもらって、看板選手になって盛り上げたいという気持ちがあります。やりたい相手は、自分より名前が売れてて強いと思われてる選手ですね。例えばスアレック選手、町田(光)選手、重森(陽太)選手、高橋(一眞)選手とかライト級で強いといわれる選手とはどんどん試合をして行きたいと思います。出るからにはKNOCK OUTのベルトも欲しいと思います」

ーーKNOCK OUTライト級王者ヨードレックペットの首を狙うと。

「全然、今は話にならないぐらいの差があると思うんですけど、一つずつ壁を超えていき、いつか辿り着けたらと思います」

ーーKNOCK OUTはKOの多い大会ですが、ご自身もKOを狙いますか?

「新制KNOCK OUTとして一発目の興行なので、インパクトを残すためにはKOで勝たないといけないと思っています。ファンの方とは一緒に試合を楽しみたいと思ってるので、一緒に盛り上がりましょう」


蓮沼拓矢「普通にやれば普通に勝てると思います。」8.18『K.O CLIMAX 2019 REBELS division』第3試合「蓮沼拓矢vs濱田巧」

――KNOCK OUT初参戦ということでキックを始めたきっかけを教えて下さい。

「長野から東京に引越ししてきた時に家の近くにボクシングジムがあり、興味があったので23歳の時にフィットネス感覚で通い始めました。そうしたらそのジムが2カ月ぐらいで潰れてしまい、つなぎでジムを探していたらキックのジムがあったので通い始めて試合もするようになりました」

――ボクシングを始める前にスポーツ歴はありますか?

「ずっとサッカーをやってました。県の代表で関東大会に出たり、クラブチームに参加していました、最初はサッカーのプロ選手を目指していたんですけど、ある時からちょっと違うなと感じ、挫折して諦めました」

――左肩にタトゥーがありますが、濱田選手を指導する良太郎選手ばりの過去があったり? 

「いやいや、あまり喋ることでもないかなと(笑)」

――プロになる前、アマチュア時代の戦績はどうでした?

「アマチュアで試合してた頃は勝ちが多かったので全然いけるなと思ってたんですけど、プロのリングに上がったら甘い世界じゃないなと。昨年12月にREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級タイトルマッチでチャンピオンの老沼隆斗に挑戦させてもらったのですが、結果を残せませんでした。これから続けていくからには結果を残したいと思ってます」

――KNOCK OUT初参戦が決まりました。

「この興行に呼ばれた意味をしっかり理解して、勝つことは当然ですがお客さんもバチバチの試合を求めてると思うので僕もしっかり応えて盛り上がる試合が出来ればいいなと。本戦前の起爆剤になって会場を温めておきます」

――KNOCK OUTにはどういうイメージがありますか。

「日本のトップ選手が集まっていて、華やかな舞台なので僕もいつか立ちたいと思っていました。今回は本戦前のREBELS divisionという形ですけど同じ興行に出られるのは嬉しいです。これからは本戦出場も目標にしたいと思います」

――対戦する濱田選手の印象を教えて下さい。

「僕的にはゆるキャラで優しいイメージがあるのでああいう選手好きですよ(笑)。昨年6月に対戦して2RにKO勝ちしている相手ですけど、動画を見ていても毎日追い込みの練習をやっていてスタミナがありますし、練習熱心でいい選手だなと思ってます」

――前回対戦した時と比べて差は開いたと思いますか?

「あれから濱田選手も試合を重ねて戦績も良くてどんどん強くなってると思うのですが、僕もあの時と練習環境が変わって、ノーナクシンムエタイジムに去年の7月に移籍してから強くなってると自覚してるので試合が楽しみです」

――以前いたジムからノーナクシンムエタイジムに移籍したのはなぜですか?

「自分の中で足踏み状態が続いてると感じていたので、強くなるのにどうしたらいいかと考えた時に、こちらのジムでは日本チャンピオンとかも練習してるので、強くなるために環境を変えようと思いました。ちなみに前のジム所属で最後に試合をした相手が濱田君でした。ここでは強い人たちと練習が出来ているので、次も普通にやれば普通に勝てると思います」

――ノーナクシンムエタイジムの会長は元ラジャダムナンスタジアムのランカーでK・ルークプラバーツさんですが、ご自身もムエタイスタイルを意識してますか?

「僕のスタイルにあったムエタイの戦い方を会長に教えてもらっていて、僕の良さを引き出してもらっています」

――KNOCK OUTでやりたい選手はいますか?

「強い選手とはいっぱいやりたいですけど、今まで負けた選手にリベンジしたいですし、今のREBELSの同じ階級のチャンピオンにリベンジしたいとも思います。あと、今回52.5kg契約での試合なんですが、KNOCK OUTでは52~53kgでチャンピオンを目指したいと思います」

――ファンにメッセージをお願いします。

「僕のことを知らない人たちばかりだと思うので、ぜひ名前を覚えて帰って下さい。試合が面白かった、また試合を見たいと思ってもらえる選手になりたいと思います」


安本晴翔「今回勝って面白いことを考えておきます。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第7試合「駿太vs安本晴翔」

――KNOCK OUT初参戦が決まりました。

「大きい大会なので出場が決まって嬉しいです。KNOCK OUTはKOのイメージしかなく、自分に向いてるリングなのかはわからないです……」

――なぜ控えめなんですか(笑)。階級を上げている段階の途中でパワーも付いてKO出来る技が身に付いたりは?

「パワーは付いてきたと思いますし、スピードも落ちないように練習してます」

――将来的には何kg級でやっていきたいというのはありますか?

「70kgぐらいまで出来ればいきたいですね。そのぐらいの階級の試合だとインパクトがありますし、世界的にも強い選手がいっぱいいると思うので興味はあります。KNOCK OUTのリングは強い外国人選手を読んでいるイメージがあるのでぜひ呼んでいただけたら」

――対戦する駿太選手の印象を教えて下さい。

「10年前ぐらいに見ていた選手だったので戦えて凄く嬉しいです。当時、数年後にまさか憧れの選手と戦えるようになるとは全然思ってなかったです」

――タフな選手としても知られてますが、倒す自信は?

「以前にREBELS-MUAYTHAI スーパーフライ級タイトルマッチで対戦した(2017年6月11日)松崎(公則)さんのようなタフな選手だと思うので自分も根性で負けないようにいい勝負が出来たらいいですね。当時、僕は16歳で松崎選手は41歳でした。アラフォーの意地を感じましたし、まるでゾンビのような選手でしたですね。どんどん前に出られて圧力を感じ、自分のスタミナがどんどん削られて……。僕が3Rにヒジで切ったのですが、4Rに切り返された時は根性がやっぱり凄いなと。駿太さんもそんな感じで来ると思うので、それをどう攻略するかが鍵になるかと思います」

――今回はどういった試合をイメージしてますか?

「KO出来ればいいんですけど、KOを狙いつつ、皆さんが興奮するような迫力のある試合が出来ればベストです」

――自信がある技は?

「練習仲間の与座(優貴)選手と毎日、蹴り技の出し合いをしてるので蹴りですね。蹴り勝っているか?いや~極真世界チャンピオンだけにめちゃくちゃ強いんですよ。重いし、やられっ放しです……」

――KNOCK OUTでの目標はありますか?

「とりあえず今回の試合に勝って、KNOCK OUTでまた試合を組んでもらえたらやるだけですね」

――壱・センチャイジム選手と同じくイケメンファイターとして名乗りは?

「恥ずかしいので上げないです。小笠原瑛作選手、石井一成選手がカッコいいと思うので僕はそこには入れないですね」

――以前はお笑い路線も考えてましたよね?

「どっちも行けたらいいですね(笑)。なんでも路線でいきますが、いつも僕は喋りが下手くそなのでリング上でコメントさせてもらえないんです。今回勝って面白いことを考えておきます。町田(光)先生の物まねですか? それはやりたくないです(笑)」

――ファンにメッセージをお願いします。

「試合はもちろん勝つんですけど、はっきり勝って僕もYouTuberになろうかなと思います。街中行って一般の方のインタビューをやる企画をやりたいですね。駿太さんの番組をめっちゃ見ていて憧れているのですが、僕は喋れないのが難点で……」


良太郎「意外と僕はぶっ殺しますっていうタイプではない(笑)」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第3試合「良太郎vs雅駿介」

――“千の職質を受けた男”とのキャッチフレーズが付いてますが、最近職質を受けました?

「日暮里と池袋でたまに受けます。日暮里の警官とは仲良くなったので大丈夫ですが、ブクロはひどいですよね。この前、大阪でサミットがあった時はどこ行っても警察はいるし最悪でしたよ。1日で最高4回も職質を受けましたから。4回目になると笑えますよ。ジムで練習してびちゃびちゃの練習着が溜まってるじゃないですか、格闘技やってるといって納得していただけます(笑)」

──KNOCK OUT初参戦が決まりました。

「REBELSのチャンピオンとして場所とか関係なく出るだけなので、そんなに気負いはありません。ただ、大田区総合体育館という大きい会場でやりますし新生KNOCK OUTの一発目興行なので盛り上げないといけないなというのはあります。周りからKNOCK OUT出たいって言いなよって言われていたのですが、僕はヘソ曲がりなので(笑)。ずっとREBELSさんでやらせてもらっていてREBELSに重きを置いていたので、KNOCK OUTは盛り上がってるな~ぐらいの感覚でした」

──対戦相手の雅選手の印象を教えて下さい。

「オールマイティでうまい選手ですよね。爽やかですし高青年ですよね。意外と僕はぶっ殺しますっていうタイプではないので……(笑)。以前はそういうのを売りにしている団体もありましたよね? あれを解禁していいのなら、僕は全部カットされちゃうと思います(笑)。例えば、そういうのをやれと言われたら、会場一個ぶっ壊れるぐらいの覚悟をしてくれないと」

──対戦相手から挑発されることでモチベーションが上がることはないですか?

「いいんじゃないですか? でも若い頃に散々やりましたからね。モチベーションが上がるとかじゃなく、あん?ってなった瞬間に普通は手が出てますから、そこは大人にならないと。今はteam AKATUSKIの代表なので教え子たちに『ジムの代表が暴れているよ』みたいに思われたら嫌じゃないですか。もう立場が立場ですし、もし選手だけの立場だったらSNSとかでばんばん好きなことを言いますよ」

――昔は相当悪かったそうですね。

「昔はアホな感じでやってたんですけど、キックをやり始めた初日ぐらいにプロのランカーに半殺しな目に合って井の中の蛙だとわかってキックって楽しいなと思ったんですよ。僕らはもともと、外で喧嘩をやって1人をやったら次に2人出てきて、こっちが3人出すみたいなことの繰り返しで(笑)。ひたすらそんなアホみたいなことやって、最終的に収集がつかなくなるんです。リング上は1対1だし、試合後に後腐れないじゃないですか。そういうところも面白いですね」

──最大で何人とやったことがありますか?

「勝ち負け関係なかったら、20人近くは全然いたと思います(笑)。周りを囲まれて自転車を投げて逃げました。20人に勝てるとか漫画の世界ですからね。逃げて追い付いたやつをやっつけての繰り返しで……(笑)もうここらへんで止めましょう(笑)」

──場慣れしていることで相手と向き合った時に強さがわかることはありますか?

「わかります。スパーをしてて外だと弱い、外でも強いなっていうのはすぐにわかります」

──試合前に教え子のセコンドに付いて、対戦相手を見てこいつには勝てないとわかることもありますか?

「悪いようになってしまうというのはわかるので、そうならないようにしなきゃいけないじゃないですか。だからなるべく認めたら負けです。教え子がこいつとやるってなった時に、こいつじゃ勝てないと思うじゃないですか。そう思ったら選手に伝わってしまう。当たって砕けろではなく、1%でもあれば勝てる。その1%を探して勝負させますね。僕は藤ジムの千葉県支部に内弟子で入り、教えてくれる人もいなく、ミット打ちも指導も全部独学でやり、365日、24時間キックのことばかりずっと考えてやってましたから」

──藤ジムといえば、あの魔裟斗さんの元師匠の加藤重夫先生の指導を受けていたんですね。

「本部での稽古では縄とびが60分。先生が途中で寝てしまうので先生が起きるまで続くんですよ。藤ジム名物のでんぐり返しでは、前転後転30分ずつやんですが、先生がまた途中で寝るんです、『終わりました!』って言ったら、『馬鹿やろう!今からだ!』と再延長システムになるんです(笑)。ワンツーはこうだ、蹴りはこうだという指導ではなく、サンドバッグ打ちではひたすら打ての理論なのでひたすら打って、片方の手が離れた瞬間に蹴らないといけませんでした。とにかく手を休めないことが重要なんです。昔所属していた藤鬥嘩裟(元J-NETWORKフライ級王者)さんには、手より長いのは足だろということで前蹴りをひたすら指導してました。でも藤ジムにいたことで異常にメンタルが強くなったと思います」

──team AKATUSKI代表でもありながら、選手としての目標はありますか?

「やり始めて欲しかったのはREBELSのベルトでした。僕がルンピニー、ラジャのベルトと言ってもそういう姿を見たいと思う人はいないじゃないですか。格闘技界は強い選手はいっぱいいるし、それこそ華のある選手もいっぱいいるので、僕しか出せない色は出したいですね。願わくば僕が進んできた道で僕の後ろに教えてた子が付いてきてくれて、僕を追い越してくれたら最高ですよね。でも僕が現役中は追い越される気はないです」

――ファンにメッセージをお願いします。

「勝ちに徹するという試合ではなく、バチバチの殴り合いをして盛り上げます。ご要望に応えて、見た目相応の試合をするので応援よろしくお願いします。そして僕は怖くないので会場で見かけたらすぐに声をかけてください。出場選手の中で一番優しいのは間違いないです(笑)」


壱・センチャイジム「全ての面で僕が優っていると思います。」8.18『K.O CLIMAX 2019 REBELS division』第4試合「炎出丸vs壱・センチャイジム」

――元々、キックを始めたのはなぜですか?

「沖縄では4歳ぐらいから空手をやっていたり、高校でボクシングをやったり辞めたりの繰り返しで……フリーターで上京したのですが、やることが飲んでばっかりだったので(苦笑)、中途半端に終わらずもう一回格闘技をやれるところまでやりたいと思い始めました。知り合いの沖縄のジムの方に紹介してもらったのが家の近くにあったセンチャイジムだったので、20歳の時にまた格闘技を始めました」

――ムエタイをやりたい想いもあったのでしょうか?

「そうですね。せっかくやるならヒジ打ちをやりたいと思ってました。僕はK-1を見て育った世代なので、ブアカーオはかっこいいなと思ってましたね」

――今回、KNOCK OUT初参戦が決まりました。

「デビューした時から目標にしていた大きな舞台ですし、対戦相手が沖縄の地元の先輩っていうことでいつもより気合が入ってるのでKOに限らず魅せられる試合を出来たらいいなと思います」

――KNOCK OUTの印象を教えて下さい。

「テレビで見ていた憧れの選手だったり、自分とはほど遠いと思っていた選手が出てた舞台なのでその選手の方々と一緒に出られることに興奮して今からも楽しみです。江幡(塁)さんと小笠原(瑛作)さんの試合は特に印象深く、僕もあのような1R目からバチバチ打ち合いをして最後はKOで締めくくりたいと思ってます」

――対戦相手の炎出丸選手のことは元々知っていた選手でしたか?

「沖縄の先輩ですし、キックを始める前から知ってる選手で地元も少し近いと思います。色々と共通点もある先輩なので、この試合で炎出丸さんのことを応援してる沖縄の方も僕のことを応援してくれたらいいなと思ってます」

――いつか対戦すると思っていました?

「階級が違うと思ったので交わることはないと思っていました。対戦が決まった時は沖縄の先輩ということで、複雑な気持ちではなく、勝手に親近感が沸きました(笑)」

――沖縄の選手と対戦するのは初めて?

「プロデビューしてから沖縄の選手と対戦するのは初めてですね」

――沖縄の選手は本土の選手とは違うと思います?

「粘り強く最後まで諦めない気持ちが強いんじゃないかと。後半で巻き返す選手が多いので炎出丸さんとの試合でも後半で勝負が付くのかなと思うので2Rの後半あたりは注目して欲しいですね」

――炎出丸選手は首相撲を得意としています。

「首相撲は僕もここのジムで鍛えられているので負けないと思うので、勝負してくれるなら僕もガッツリ首相撲で勝負します。それに限らずどのようなスタイルで来てもらっても大丈夫です。全ての面で僕が優っていると思いますし」

――プロデビューして昨年11月にLPNJ(ルンピニー日本)バンタム級タイトルタイトルを獲得するなどハイペースでいい結果を残してますよね。

「会長と先輩方のおかげで、今順調に来れているんだと思います。練習の時は先輩方がうまいのでボコボコにやられてしまい自信をなくすことが多いのですが、僕は緊張しないタイプなので試合になると練習していたことが出たりと、リラックスして出来ているのかなと思います。本番に強いタイプなんでしょうね」

――KNOCK OUTでの目標はありますか?

「KNOCK OUTにはバンタム級のベルトがまだないので、そのトーナメントをやってくださるのならそのベルトに絡んで行きたいです。ちなみに同階級だと橋本道場の岩浪(悠弥)君に対して勝手にライバル視してます。スーパーバンタム級にも強い選手がたくさんいるので、その階級でも強い選手とどんどんやって行きたいと思います」

――今回スーパーバンタム級トーナメントに出場したかったのでは?

「主催者から見て、僕にはそこまでの実力がなかったのかなと。でも呼んでいただけたら出るのになと思ってました。外国人の欠場もあり、やりたかったですね。小笠原選手はサウスポーでガンガン攻めるスタイルで好きな選手なので、そういう選手とやれる日が来ると思ったらワクワクしますね」

――では小笠原選手にぜひ優勝してもらいたい?

「良いとこ取りじゃないですけど、出来たらいいなと思います」

――職業イケメンというキャッチフレーズが付いてますが、これはご自身で付けたものですか?

「会長が初代で僕は2代目です(笑)。プロになる前に友達とホストの看板を見ていて、俺の職業はイケメンじゃね?みたいなことをSNSで書いたら山口(元気)プロデューサーが拾ってくれたんです(笑)。ここまでキャッチコピー的に大きくなると思ってなかったのでちょっと準備が出来ていなかったのですが、キャラクターを作っていただけてとても光栄です(笑)。アンチが出来た時は嬉しかったですね。SNSで『無様に負けろ、ナルシスト!』とか書かれたりしましたが、僕は気にならないのでうざいぐらいアピールしていこうと思います(笑)」

――入場やマイクで考えていることはありますか?

「マイクは苦手なんですよね。だから入場で魅せられるだけ魅せようかなと考えておきます」

――女性ファンは多いのでしょうか?

「それがそんなに多くないと思うんです(笑)。REBELSの試合を観に言ったときに栗秋選手の女性ファンが多かったので、そこぐらいまでは今年中に行きたいなというのはあります」


丹羽圭介「無双ビートを用意しています。」8.18『K.O CLIMAX SUMMER KICK FEVER』第1試合「大月晴明vs丹羽圭介」

――KNOCK OUT参戦が決まりました。

「REBELSでずっと目指してきたベルトを獲れてやりきった感があり、2週間ぐらい魂が抜けた感じになっていました。ふとベルトを見たときに、次の戦いにモチベーションが必要だと思っていた時にKNOCK OUTのお話をいただきました」

――今回の相手、大月選手とはどういう戦いになりそうですか?

「燃える相手で良かったです。大月選手とは打ち合い必至なので、殴り合いの愛がどっちが優ってるかなという戦いだと思っています。触られたらぶっ倒す武器は僕もだいぶ磨いているので、どっちが本当に立ってるかだけだと思います」

――丹羽選手は今までのスタイルだと打ち合うタイプではないですよね?

「そこは相手との兼ね合いにより、僕はどっちでもいけるという練習をしてるので、どっちでも変化させられます。毎回どういうふうに勝てるか?を考えていたら自分の変化が色々あるので、その変化に応じて今までの自分じゃない自分になっていくという戦いをやってる感じです。変幻自在と言われるんですけど、ただそういう風になってきました」

――大月選手のファイトスタイルをどう見てますか?

「大月選手は色んなフェイント、距離感の騙しとかフェイクがうまいので、うまく戦おうと思うとそこに惑わされて、大月選手のワールド、術にハマると思うんです。あえてそこに飛び込んでいこうかと。ただ単に殴り合うわけではなく、僕も色んな仕掛けを出していきます。大月選手のワールドで丹羽ールドを炸裂させようと思います」

――大月選手のパンチに対する恐怖感は?

「めっちゃありますよ、怖いですよ。クリティカルヒットされたらみんな倒れてるじゃないですか。怖いけどそこに入らなきゃ自分の成長はないし、自分の目指している戦いじゃないから、距離を取ってうまく戦おうと思うと次のステージにはいけないと思います。丹羽ールドも常に進化していて、今回、無双ビートを用意しています」

――無双ビート!?

「神雅氣さんという音楽家が格闘技が大好きで、以前から人の動きや言動、歩き方をビートで全て解析してくれる大御所がいるんです。世界のトップファイターはみんなビートの中で動いている、と分析されていて『一緒にやろうよ』と言っていただき、コラボする機会がありました。ギター、ピアノのリズムの中で動きを体現して音の中で練習をやっています。無双ビートでは、流れる水、円のような動きで、相手の空いているところを円で捉えていく。一方向だけで見ないで、全てを柔らかい攻撃で無限に攻撃を当て続けられるんです。心臓も、歩く速度も喋るスピードも音楽も全てビートなので、そのビートに自分の動きを変換して無限に動けるビートを作っています。神雅氣さんと一緒にセッションしながらやっているんですけど、今回それをどう体現できるかっていう感じですね」

――新生KNOCK OUTに要望はありますか?

「今回、参戦するのを決める前に僕から要望が二つあり、まずはREBELSの防衛戦をやらせて欲しいと。でもチャンピオンは挑戦を受けてチャンピオンだから『チャンピオンがやります』って言ったらチャンピオンじゃなくなるということで却下されてしまいました。もう1つは、自分が燃える相手が用意されて、僕が勝つことでKNOCK OUTに今はない階級、誰も登ってない山登りをしたいと思い、『KNOCK OUTの63kg級を作ってください』と山口(元気)プロデューサーにお願いしたら、それならいいということでした。今回、大月選手をぶっ倒して63kg級を作ってもらうというモチベーションで引き受けました。殴り合いを制して、爆腕レジェンドを倒して、殴り合いの末にレジェンド枠を僕が引き受けるという戦いかなと思ってます」


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[ファイトクラブ]新戦略発表記者会見で見えたKNOCK OUTの新たな風景

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