[ファイトクラブ]WWE真夏の祭典4連戦トロントG1 CLIMAX武道館3連戦深淵対照考

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[週刊ファイト8月22日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼WWE真夏の祭典4連戦トロントG1 CLIMAX武道館3連戦深淵対照考
 G1 photos:週刊ファイト タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・8・11『サマースラム』セス・ロリンズがブロック・レスナー沈め王座奪回
・辛口評~瓢箪から駒バディ・マーフィー帝国レインズの魅力を引き出す
・出産10年+ブランクの引退試合!カナダの先駆者トリッシュ・ストラタス
・最初NXTと最後SDが満点の真夏の祭典4連戦もG1意識が肝の解明
・NXTキャンディス弾ける他改めて論考~リアルタイム配信時代の盲点
・G1総括:中日Bad Endingなら決勝ケツ丸見えもKENTAヒールターン
・コナー・マクレガーまた傷害事件!ケンドー・カシンのNXTコーチ就任


―― 新日『G1クライマックス』は8月8日号で愛知県体育館の二連戦、8月15日号は大阪府立体育会館の二連戦を軸にしたので、本稿は武道館の三連戦、試合レポート自体はTERUZ記者が別項でやるので、そちらにない深淵分析になります。それをカナダはトロントの同一会場(スコシアバンク・アリーナ)で四連戦だったNXT、サマースラム、RAW、SmackDownとの対比を絡めて総括を試みます。

オフレコ まぁ最初はというか、[ファイトクラブ]記事は冒頭箇所も公開になるから、普通に順当にやるなら、『サマースラム』のセス・ロリンズvs.ブロック・レスナーからやろうね。この対談シリーズでは何度も話していることやけど、規模がまったく違う。世界のマット界にとっての「真夏の祭典」やから。だからAEWに対抗して、NXTがWWEネットワーク加入者だけの特番からテレビ局FS1に移行するんじゃないかという米国内の動向を持ち出すまでもなく、新日、NXT、AEWは良くも悪くも、あるいは好き嫌いは置いておくとしてもレスリング重視として競合することになる。だけどWWE本隊のサマースラムは、またビジネス金額がまるで別次元だからね。

8・11『サマースラム』セス・ロリンズがブロック・レスナー沈め王座奪回
■ WWE サマースラム
日時:8月11日(現地時間)
会場:カナダ・オンタリオ州トロント スコシアバンク・アリーナ 観衆16,904人(=主催者発表)

<第9試合 ユニバーサル王座戦>
●ブロック・レスナー
 13分25秒 カーブ・ストンプ
○セス・ロリンズ
※ロリンズが新ユニバーサル王者に

―― セス・ロリンズを誉めないといけません。会社側がベビーだ、ヒールだと念を押しても、フィラデルフィアだけでなく、トロントもまた鬼門というか、うるさい客が多いことで知られています。だから、ローマン・レインズもセスも、ブーイングされるんじゃないかとの懸念がありました。実際、入場してきた時は「カンパニーマン」を自任しているロリンズは、予想の範囲内ではあるんですが野次が飛んだり、ブーイングもされてたんですが・・・。

オフレコ それを内容で黙らせたからね。最後は旧メイプル・リーフ・ガーデンがロリンズ応援一色というか、感情移入させてお客さんをコントロールしたと。どっちが勝った負けたじゃないんだよ。お客さんを揺さぶることが出来たか否かという、聖なるLIVE空間で真のガチンコ勝負に挑むのがプロレス芸術だから。お客さんを興奮させ、感動させたら両選手の、そしてその舞台裏の作り手たち全員の勝利やし、望む方向にならなかったら負けなんや。

―― はい。プロレスはシュートなんです。競技ではないというだけであって、「あんな八百長のどこが面白いんだ」という方は感性が鈍いというか・・・。底なし沼がまったくわかってない理解力の浅い人種という踏み絵ですからね。

オフレコ 煽りのRAW番組でボロボロにやられていたロリンズは、脇腹を痛めているという設定であって、さらしを巻いて出てきたんだが、そのさらしで身体ごと持ち上げてエアプレインスピンというのか、ぐるぐるレスナーが回した場面とか、絵になったなぁ。

―― そして反撃が始まると。両国国技館の中邑真輔戦でも証明されたと本誌に残してますが、やはりロリンズは2019年トップの一員で間違いありません。

オフレコ 余計なことまでTwitterに書き込んでしまったりとか、そこはまだ大人になりきれてないんやけど気持ちはわかる。米国内の専門媒体が「G1どうたら」やるから、「冗談じゃない、毎晩、毎晩、過酷なスケジュールで大勢の客を満足させているのはこの俺であり、WWEなんだ」と。

―― 最後はレスナーのF5を回避したロリンズがスーパーキックから再びカーブ・ストンプをレスナーに放って3カウント。“ビーストスレイヤー”ロリンズがカーブ・ストンプ3発でレスナーを撃破してユニバーサル王座奪還に成功しました。

オフレコ 怪物レスナーを倒す物語なんだから、説得力がないとお客さんは納得しないからね。『レッスルマニア』でベルト取ったのにMITBの権利行使でまたレスナーに王座が渡るんだけど、再びここでという。もちろんフォローしている記者目線からだと、なんだ結局は同じカードでやるかというケチはつけられるんだけど、一般向けのお祭りイベントだから。

―― 奇をてらわずにここは順当マッチメイクで正解なんだと。

オフレコ ただkick offショーが2時間、本戦が4時間と、そういうのは勘弁して欲しいと本誌はしつこくオモテのブログ欄にも残してるんだけど、ほかにも課題は多々あった。

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