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7月7日(現地時間)にテキサス州ダラスでインパクト・レスリングのPPV大会「スラミバーサリー XVII」が開催された。Slammiversaryはインパクトレスリングの初夏に開催されるPPV大会。LockdownとBound for Gloryと共に、インパクト・レスリングの主力PPVイベントのひとつとされている。ショーの名前は2002年6月19日に開催された最初のインパクト(当時はTNAと呼ばれる)イベントの記念日から取られた。
今大会は四大王座戦が行われた。メインは当然、団体最高峰王座であるインパクト世界王座戦で、王者ブライアン・ケイジがマイケル・エルガンの挑戦を受けた。遂に世界王座を奪取したケイジだが、新日本プロレスからこの王座を狙って移籍してきたエルガンにつけ狙われる事になる。エルガンは団体加入後、すぐに王座挑戦権を獲得。その後、この二人は常に乱闘を繰り返してきた。共にパワーファイターだけに迫力ある試合が期待できる。
試合は、クローズラインから、パワーボム、カナディアン・デストロイヤー、F5、ドリルクローと次々と大技が繰り出されタフマンコンテストと化すが、共にカウント2で返して決着がつかない。死力戦となったが、最後はエルガンがケイジをまずはコーナーに叩きつけ、必殺のエルガンボムで仕留めようとした時、切り返してケイジが上になってフォール勝ち。隙をついた形で勝利を奪って王座防衛となった。試合後、当然、納得のいかないエルガンはケイジのベルトを強奪し、カラーコメンテーターのドン・キャリスにも暴行。そこに謎の黒覆面男が乱入し、エルガンにゴア(スピアー)をさく裂させたのだった。正体はライノのようだが、この時点ではWWE退団後の90日のしばりがギリギリなので、トラブルを避けて覆面にしたようだが、バレバレというか、お客さんはスグにわかったようだ。今後、この続きはインパクト・レスリングで明らかになるだろう。
Xディビジョン王座戦は、王者リッチ・スワンにジョニー・インパクトが挑戦した。前インパクト・世界王者であるインパクトだが、スワンと因縁が勃発し、遂にスワンの保持するXディビジョン王座への挑戦となった。共にスピーディーな試合巧者だけに、動きの激しい試合となるが、インパクトのセコンドには悪徳レフェリー、ブラボーがついており試合に介入を繰り返す。そんな中、遂にスワンが場外にダイブしてブラボーを排除。そして最後はフェニックス・スプラッシュ二連発でインパクトからフォールを奪い、王座防衛を果たした。ジョニーは契約更改期を迎えており、以前から口にしていた俳優の道を選ぶのか、AEWとWWEの争奪戦に打って出るのか動向が注目されている。
ノックアウト女子王座戦は、王者タヤ・ヴァルキリーが三人の挑戦者を迎えた4WAYマッチになっただけではなく、なんと反則ありのモンスターボールマッチでの王座戦となった。女子のハードコア戦はかなり珍しいこと。北米のちゃんとしたPPV大会のカードでは前例が思い出せない。四人が入り乱れる、リングには画鋲がまかれ、巨大なアルミのごみ箱を顔面に投げつけられていた巨体のジェシカ・ハボックが、コーナーのセカンドロープから画鋲に向かってシュー・ヤンをツームストンで仕留め勝利間違いなしというspotで、ヴァルキリーが椅子で殴ってハボックを排除。代わりに自分がフォールして勝利。漁夫の利で金髪ヴァルキリーが王座防衛を果たした。
インパクトタッグ王座戦は3WAYで行われたが、ザ・ノースが王座防衛となった。
そしてメインでは男女対決、これも北米では画期的なことでインパクトは歴史上初だとアナウンスされている。サミ・キャラハン対テッサ・ブランチャードが行われたが、ちゃんと成立してなかなか面白かった。スターダムを経て、WWEの『メイ・ヤング・クラシック』にも参戦したのだが、親(タリー・ブランチャード)の後光にもかかわらず「協調性に欠ける面がある」と採用されなかったのだが、見返したことになろう。
伏線として女子選手ばかり襲うようになったキャラハンに対し、激怒したブランチャードが男女の枠を超えて直接対決に挑んだ経緯だが、やはり男女の力の差があり、劣勢に追い込まれる。それでも反撃するブランチャードに業を煮やしたキャラハンはレフェリーが倒れた隙になんとバットで強打。レフェリー不在でフォール勝ちにならなかったものの、この反則に怒ったブランチャードも逆に急所攻撃からバットで反撃し会場を沸かせた。しかし、最後はやはり男の力には勝てずパイルドライバーでキャラハンが勝利。遂にキャラハンが男女対決を制した。試合後、キャラハンはバットをブランチャードに渡し認めるような行為を示したが、この続きもインパクト・レスリングで明らかになるだろう。
■ Slammiversary XVII
日時:2019年7月7日(現地時間・放送日)
場所:アメリカ合衆国テキサス州ダラス
<シングルマッチ>
○サミ・キャラハン
ピンフォール
●テッサ・ブランチャード
<インパクト世界王座タイトルマッチ>
○ブライアン・ケイジ(王者)
ピンフォール
●マイケル・エルガン(挑戦者)
<Xディビジョン王座タイトルマッチ>
○リッチ・スワン(王者)
ピンフォール
●ジョニー・インパクト(挑戦者)
<ノックアウト王座タイトル4WAYモンスターボールマッチ>
○タヤ・ヴァルキリー(王者)
ピンフォール
●シュー・ヤン(挑戦者)
ジェシカ・ハボック(挑戦者)、ローズマリー(挑戦者)
<シングルマッチ>
○ムース
ピンフォール
●ロブ・ヴァン・ダム
<ファーストブラッドマッチ>
○エディ・エドワーズ
流血
●キラー・クロス
<インパクト世界タッグ王座タイトル3WAYマッチ>
○ザ・ノース(ジョシュ・アレクサンダー、イーサン・ペイジ)(王者)
ピンフォール
●LAX(オルティス、サンタナ)(挑戦者)
ラスカルズ(ザッカリー・ウェンツ、デズモンド・エグザビエ)(挑戦者)
<4WAYマッチ>
勝者:ウィリー・マック
参戦選手:TJP、テリー・ミゲル、ジェイク・クリスト
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