セドリック・ドゥンベがKO勝ちで王座防衛!Glory 66: Paris

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 6月22日(現地時間)にフランス・パリで『Glory 66: Paris』が開催された。
 グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、ピーター・アーツやクリス・ナギンビ、ムラット・ディレッキーらは引退、タイロン・スポーンやグーカン・サキらは総合格闘技またはプロボクシングへの転向を表明するなど、キックボクシング界の人材流出が顕著になっていった。そこで、K-1を買収するつもりだったバス・ブーンと、ブーンに協力していた大手独立系スポーツ・マーケティング広告代理店トータル・スポーツ・アジア(TSA)、石油系ヘッジファンド『BlueGold』の運営で財を成した投資家のピエール・アンデュランド(Pierre Andurand)らが改めて結託し、ピエールとTSAが合わせて総額3000万ドル(約23億円)以上の出資をして、ゴールデン・グローリージムとは独立した興行の運営母体としてグローリー・スポーツ・インターナショナル(Glory Sports International Pte LTD.)を設立(略称はGSI)。2012年3月23日のモスクワ大会で事実上旗揚げした。但し、巨額の損失からバス・ブーンらは追われてしまう。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
 今大会のメインはウェルター級王座戦で王者セドリック・ドゥンベがアミル・ナビエフの挑戦を受けた。ドゥンベはハルート・グレゴリアンに勝利して王座返り咲きを果たしたが、今回の挑戦者はなんと過去にドゥンベに判定勝ちしているナビエフ。従って王座戦であると同時にリベンジマッチでもある対戦となった。試合は、王者ドゥンベが豪快にKO勝ちで見事にリベンジ。ロープ際に追い込んでパンチラッシュでナビエフは大の字になってダウン。前回とは違いドゥンベが圧勝した。
 またライトヘビー級王座戦も組まれ、絶対王者として君臨するアルテム・ヴァキトフに急成長しているドネギ・アベナが挑戦した。試合は、僅差でヴァキトフが判定勝ちしている。

■ Glory 66: Paris
日時:2019年6月22日(現地時間)
会場:フランス共和国・パリ

<ウェルター級王座タイトルマッチ>
○セドリック・ドゥンベ(カメルーン/王者)
 2R 2分48秒 TKO
●アミル・ナビエフ(アゼルバイジャン/挑戦者)

<女子スーパーバンタム級王座タイトルマッチ>
○アニッサ・メクセン(フランス/王者)
 1R 2分06秒 TKO
●ソフィア・オロフソン(スエーデン/挑戦者)

<ライトヘビー級王座タイトルマッチ>
○アルテム・ヴァキトフ(ロシア/王者)
 判定 2-1
●ドネギ・アベナ(スリナム/挑戦者)