日菜太
――坂本選手との試合は延長戦にもつれ込む大接戦でした。
「とりあえず負けなくて良かったかなと」
――足を負傷していたそうですね。
「先週月曜日に左足の肉離れをしてしまい、それから一回も蹴りの練習を出来なかったんです。あと、4~5週間前には右足の肉離れを起こして、左拳は2月のシップムーン戦で痛めてしまい、それ以降パンチも打てない状態でした。満身創痍の中で今日の試合がありました。試合前に相手が恐怖ではなく、自分が蹴って肉離れが再発してリングで試合することが出来なくなる不安の方が大きかったです。本当は蹴りたかったのですが、蹴れないしパンチ勝負になりましたね。最後は根性で何とか延長戦を戦い抜くことが出来ましたが、きつかった試合でしたね」
――キャリアが50戦近くある中で過去最悪なコンディションだったのでしょうか。
「そうですね。こんなにケガをしたまま試合をしたことは初めてだったので、今日は辛い1日でした」
――戦ってみて坂本優起選手の印象はいかがでした?
「打たれ強くてタフな選手でした。1R目にパンチで勝負をかけて早期決着を狙いましたが、それも出来ず苦しい時間が多かったです。いつもみたいに蹴りで距離をとって、相手の攻撃をもらわないというのが僕のスタイルですが、それで全く勝負出来ませんでした。トレーナーからは『今日の状態でジョムトーンとやったら、日菜太はサンドバック状態になって負ける』と散々言われました。8月までにケガを治してコンディションを上げて、2月にシップムーンとやった時のようにいい状態でジョムトーン戦に臨みたいですね」
――ジョムトーン戦ではファンにどういう姿を見せたいですか?
「今日の姿を見たファンにはちょっとがっかりさせてしまったので、日菜太の試合は凄いというところを見せていきたいですね。今日の試合を見てもらった通り、何が起こるかもわかりませんし、ケガもあってあと選手生活で残り何試合出来るかと言ったら2試合かもしれませんし、3試合かもしれませんし、次が終わりかもしれないと思っています。最後にシットチャイ(・シッソンピーノン)とか世界一のサウスポーの選手たちとやっていきたいので、そこに辿り着けるように何とか頑張りたいと思います」
ぱんちゃん璃奈
――プロ3戦目、初の国際戦での勝利おめでとうございます。試合を振り返っていかがですか。
「今回の試合前が一番プレッシャーを感じていて、緊張していました。戦っていくうちにコンビネーション、距離の取り方など相手の技術が上だなと思いましたが、気持ちだけで勝てました。パンチのスピードが早く、蹴りも重かったのですが、早い段階で勝てるなとは思いました」
――ぱんちゃん選手の打撃を警戒してか、パク・シウ選手から組み付く展開となりました。
「それでバッティングも何度かあってダメージを負ってしまったのですが、今回は元々ヒザ蹴りでKOするつもりでヒザ蹴りを練習してきたので、組んだ時は全部自分が有利な立ち位置を取ることが出来ました。逆に“組み付いてきてありがとう!”と思っちゃいましたね(笑)。それで勝つことも出来たと思います」
――首相撲の成果はいかがでしたでしょうか。
「もうちょっと右ヒザをグイっと入れてKOするシーンを何度もリプレイしていたのですが、距離を詰められてしまってなかなかいいヒザを出せなかったと思います。まだまだ30点ぐらいでしょうか」
――初の国際戦でしたが、今まで戦ってきた日本人選手とは違いますか?
「映像を見る限りでは、気持ちが強いですしフォジカルも凄そうだったので正直、戦うのは怖かったのですが、応援も大きかったですし、勝つのと負けるのではこれからの道が全然違うのでもう負けるという選択肢がありませんでしたね。勝つという選択肢しかなかったので勝てたんだと思います」
――8月のKNOCK OUT参戦が決まっています。
「3戦3勝ですが、まだKO勝ちは0なので……4戦目がKNOCK OUTの舞台ということでプレッシャーは感じていますが、KOを狙っていきたいと思います」
――KNOCK OUT初戦はどういう選手と対戦して勝ってインパクトを残したいというのはありますか?
「まだ自分的には100%の力を出し切れてないので、もうちょっと綺麗な勝ち方が出来るようになってからトップ選手とやっていきたいと思います」
――好戦的なファイトスタイルだけでなく、美貌でも注目を集めているぱんちゃん選手ですが、顔にアザが出来てしまいましたね。
「あははは! 人生で初めて顔にアザを付けられた!と思いましたね(笑)。もうこうならないように頑張らないといけません。もともと今回はもっと殴られてボコボコにされるつもりでいたのですが、全然大丈夫ですし勝てたから良かったです。これで負けていたらやばかったですね。骨折もしていないので練習にも支障はありません」
――ファンにメッセージをお願いします。
「今回ファンが増えましたし、凄く緊張しているときに“ぱんちゃーん!”と言ってくれるのが一番パワーになります。ぜひ会場で応援してくれると凄く嬉しいです。これからもよろしくお願いします」
大野貴志
――KING強介選手にダウンを取って判定勝ちでした。KING OF KNOCK OUT初代スーパーバンタム級1DAYトーナメント出場権を懸けた一戦でしたが、いかがでしたか。
「KNOCK OUT出場をめちゃくちゃ意識していて、絶対に勝たないといけないという一心でした。試合では自分がやりたかったことが半分も出来なかったのですが、これからしっかりと自分の練習を見つめ直して江幡(塁)戦に向けて一本集中で臨みたいと思います」
――試合でやりたかったことというのは?
「最終ラウンドに相手の攻撃をもらってしまったので、一発ももらわずに倒すこと。試合前に絶対に倒すと言い続けてきて、実際は倒せなかったので自分の詰めの甘さが出てしまいました」
――作戦としてはどういうことを考えてました?
「間違いなく(KINGは)パンチを振ってくると思ったので、そういう時にカウンターのパンチを出すことを意識していましたが、そこまで行くことは出来ませんでした。むしろ相手が来たところに、迎え撃ってやろうかなという気持ちでしたね。ちなみに1Rにダウンを取った左フックは狙っていたものではなく、練習の積み重ねで出たものです」
――トーナメント一回戦で江幡塁選手との対戦が決まりましたが、印象はどうでしょう。
「江幡選手は55kg級戦線でずっとトップ戦線にいた選手なので、いつか対戦したいというのはありましたが、その“いつか”がやっと実現した感じです。今の自分の力がどれだけ通用するか、自分が120%の力を出しても勝てるかどうかもわからない選手ですが、やってみないとそれはまだわかりません。チャレンジの気持ちで一回戦に全てをかけるつもりで行きたいと思います」
――KNOCK OUTのビッグマッチでの試合というのもモチベーションは高いですか?
「KNOCK OUTはメディアの扱いが違いますし、こんなに大きなヒジありの興行はないので待ちに待ったリングです。試合へのモチベーションはもちろん高いです。怖いと思ったら試合は出来ませんが、当然勝つ気で練習しますし、試合にも臨みます。ただ今日の試合内容でやるとしてもファンの皆さんには認めてもらえないと思うので、もう一回ゆっくり考えて作戦を練っていきたいと思います」
――決勝戦で対戦する可能性のある小笠原瑛作選手とレダ・ナライン選手の勝者は意識しますか?
「どっちでもいいです(笑)。もう決勝戦のことはまだ考えられないですね。僕にとっては一回戦の江幡戦が全てです。一回勝ってから次のことを考えたいと思います。江幡選手は次のことを考えられるような簡単な相手ではないですし」
――最後にファンにメッセージをお願いします。
「今日は倒せませんでしたが、打ち合うところは打ち合って盛り上げたいと思いますので応援よろしくお願いします」
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’19年06月13日号BOSJオスプレイ鷹木 NXTテイクオーバー W1才木 RIZIN神戸 青木篤志