アレックス・ペレイラが王座防衛!マラット・グレゴリアン新王者!GLORY 65 UTRECHT

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 5月17日(現地時間)にオランダ・ユトレヒトで『GLORY 65 UTRECHT』が開催された。
 グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、ピーター・アーツやクリス・ナギンビ、ムラット・ディレッキーらは引退、タイロン・スポーンやグーカン・サキらは総合格闘技またはプロボクシングへの転向を表明するなど、キックボクシング界の人材流出が顕著になっていった。そこで、K-1を買収するつもりだったバス・ブーンと、ブーンに協力していた大手独立系スポーツ・マーケティング広告代理店トータル・スポーツ・アジア(TSA)、石油系ヘッジファンド『BlueGold』の運営で財を成した投資家のピエール・アンデュランド(Pierre Andurand)らが改めて結託し、ピエールとTSAが合わせて総額3000万ドル(約23億円)以上の出資をして、ゴールデン・グローリージムとは独立した興行の運営母体としてグローリー・スポーツ・インターナショナル(Glory Sports International Pte LTD.)を設立(略称はGSI)。2012年3月23日のモスクワ大会で事実上旗揚げした。但し、巨額の損失からバス・ブーンらは追われてしまう。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
 今大会は二大王座戦が組まれ、メインはミドル級の王座戦で王者アレックス・ペレイラがジェイソン・ウィルニスの挑戦を受けた。ライバルであるサイモン・マーカスを下し盤石の王者となっているペレイラだが、会場は当然、地元オランダの挑戦者に声援がおくられる。しかし、試合はなんと王者の秒殺KO勝ち、ペレイラが強烈な飛び膝蹴りを決めてウィルニスから完勝で王座防衛を果たしたのだった。
 またセミファイナルではライト級王座戦で、王者シッティチャイ・シッソンピーノンがマラット・グレゴリアンの挑戦を受けた。ルンピニー・ムエタイ王者としてクンルンファイト、そしてグローリーに参戦したシッソンピーノンはアンディ・サワーなど超大物から次々と勝利を奪い、ロビン・ファン・ロスマレンを倒してグローリーでライト級王座を奪取。その後、絶対王者として君臨している。グレゴリアンもK-1MAX王者にもなっているが、このシッソンピーノンとは過去に四度も対戦して、いずれもシッソンピーノンが判定勝ちしている。五度目の正直という形で悲願の王座奪取に向けて試合に挑んだグレゴリアン。今回はなんと2Rにはグレゴリアンが、難攻不落のシッソンピーノンからダウンを奪うなど意地を見せ、グレゴリアンが判定勝ち。遂に王座を奪ったのだった。

■ GLORY 65 UTRECHT
日時:2019年5月17日(現地時間)
会場:オランダ・ユトレヒト

<ミドル級王座タイトルマッチ>
○アレックス・ペレイラ(ブラジル/王者)
  1R 1分31秒 TKO
●ジェイソン・ウィルニス(オランダ/挑戦者)

<ライト級王者タイトルマッチ>
○マラット・グレゴリアン(アルメニア/挑戦者)
 判定
●シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/王者)