アンドラージ”ジャシカ・ドライバー”でローズ・ナマユナスを頭から落とし新ストロー級王者!アンデウソン・シウバ自滅にブラジル客不満UFC237

Buda Mendes/Zuffa LLC/UFC

 八角形オクタゴンの繫ぎ目にも大きく出ていたように米国ではESPN+のみにストリーミング有料PPV購入しか道がなくなったUFCだが、親会社が株式上場を見据える観点から、固定の安定収入に頼る作戦はキャッシュフローの確定からも優先なのはわかるが、本誌のような海外ネットワークNo.1を公言できる専門媒体からすると、「もう見ない」とか、「やり方がわからん」まで、不平が渦巻いていることはまず報道すべきことになろう。
 日本ではWOWWOに戻って普通にメインカードが放送されているわけだが、現時点で数字までわかりようがないにせよ、実際に見ている絶対数が大きく減っていることは間違いなさそうだ。

 ただ、リオデジャネイロの大会自体は良かったし、興味深い点も多かった。なんといっても、坊主頭の女子ローズ・ナマユナスが、ずっと凄いと見てたんだが、地元のジェシカ・アンドラージが叩き付けた最後のパイルドライバー、いや”ジャシカ・ドライバー”で、ローズの首が折れたんじゃないかとも心配したのだが・・・。とりあえず、その後はスクっと立っていたし、バックステージでも出てきたようなので一安心なものの、「これが最後かも」とか本人が言っているのは気がかりだ。映画マニアなら音楽の使い方といい最高に笑える『デッドプール』連作のファンなら、あのシネイド・オコーナー似の坊主頭レズ・キャラ(ネガソニック)とかぶるから、結構感情移入させてくれる気になる選手なのだが・・・

 あと、アンデウソン・シウバが自滅したあとの会場の大ブーイングが、プロレスというのか・・・。それにしても、勝ったジャレッド・キャノニアはなにも悪くないんだが、マイク向けられたらWWEのサミ・ゼインでやり返すべきなのに、しゃべれない奴だったのがダメだなぁと。ガチンコはしゃべる能力は求められてないと講釈を垂れる競技至上主義者もいるかもだが、あれじゃ次に繋がらないと懸念したのは本誌だけではあるまい。
 それにしても、最後のトリで地元のブラジル選手が勝って、会場はなんとか収まって良かったというのは否定できないだろう。

 さらに論評するなら、離婚だのなんだのでカネに困ってるんだろうが、B.J.ペンも、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラも、もうイイんじゃないかというのがあった。タイガー・ウッズが優勝たって、マスター・リーグじゃないかという話をやり出すなら、別リーグでやってくれとも思うのだが・・・。

■ UFC 237
日時:5月11日
会場:ブラジル リオデジャネイロ ジュネス・アリーナ

【メインイベント】
<女子ストロー級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
●ローズ・ナマユナス
 2ラウンド(2分58秒)KO
○ジェシカ・アンドラージ

ジェシカ・アンドラージ

「まだ自分がUFC女子ストロー級チャンピオンなんて実感がわかない。試合中に何が起きたのかさえも話せないくらいなの。パラレルワールドにいるような気分。私が勝ったってことを実感しただけ。私の肩にベルトが載せられるなんてイリュージョンだと言った人がいたけど、これでどう。地元でタイトル戦に勝つ、家族もチームもいてくれて、人生で一度も経験したことのない最高に素晴らしい気分よ」

【セミメインイベント】
ミドル級マッチ 5分3ラウンド
○ジャレッド・キャノニア
 1ラウンド(4分47秒)TKO
●アンデウソン・シウバ

ジャレッド・キャノニア

「試合は計画通りにいった。キックで勝つなんて当然予想していなかったけど、ありがたくいただくよ。ファンには反応しないようにして試合に臨んだけど、ちょっと優越感を見せびらかしてやらないといけないかな。アンデウソンのことは尊敬しているし、世界中の尊敬を集めている人だ。でも、ファンが俺のことを尊重してくれないのなら、俺だって尊敬するつもりはない」

【メインカード】
<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
●ジョゼ・アルド
 判定3-0(27-30、27-30、27-30)
○アレックス・ボルカノフスキー

アレックス・ボルカノフスキー

「最後の2ラウンドは自分が勝ったと確信していたから、冷静でいられた。もちろん、第3ラウンドにフィニッシュしたかったけど、試合をうまくコントロールできていたと思う。ラウンドを取ったと気づいたのは、クリンチを仕掛けて向こうが離れようとしていないのが分かった時。俺は負けなしだ。ジョゼ・アルドの地元で彼をフィニッシュできれば最高だったんだろうと思うけど、同時に、史上最強ファイターの1人とフルラウンドを戦い抜いて勝ったんだ。タイトルを目指していく」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
●チアゴ・アウベス
 判定3-0(27-30、27-30、28-29)
○ラウレアノ・スタロポリ

ラウレアノ・スタロポリ

「チアゴはレジェンドだし、ブラジル最強ストライカーの1人だ。とても敬服している人だし、彼と戦って勝つのが夢だった。俺はブラジルに住んでいるのに、ファンはまだ俺のことを知らないらしい。今回の試合後にはたくさんの人が応援したいと思ってくれるはずだ」

<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○アイリーン・アルダナ
 3ラウンド(3分24秒)サブミッション(アームバー)
●ベチ・コヘイア

アイリーン・アルダナ

「1万通りのノックアウト方法はイメージできていたけど、今回のフィニッシュは想像もしていなかった。自分の打撃はとてもよく分かっているし、キャリアでもこれが3回目の一本勝ちよ。UFCでこれを達成できて本当にうれしい」

【プレリム】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
●アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ
 1ラウンド(2分07秒)KO
○ライアン・スパン

ライアン・スパン

「素早く決めたかったし、とっとと終わらせようと最初から計画していた。でも、相手はベテランだし、長いことここでやっている。思った通りにできたけど、それに頼っていたわけじゃない。リトル・ノグ(ノゲイラ)はレジェンドだし、彼のことは本当に尊敬している。彼の地元で戦ったことはとても意味が大きい。必死にトレーニングしてきたし、本当に最高だ。UFCでは今回が2試合目で、ブラジルでも2試合目だったから、事実上、俺はブラジリアンだ。今はまだ誰かを指名するような立場にいないけど、今日の試合で誰かの目にとまってくれたらと願っている」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ティアゴ・モイゼス
 判定3-0(30-26、30-25、30-26)
●カート・ホロボー

ティアゴ・モイゼス

「彼は本当にタフだ。距離を取るのが難しかった。最後は何発か食らったけど、テイクダウンを取れたし、柔術もグラウンド・アンド・パウンドもうまくいっていた。自分のパフォーマンスには満足していない。もっと力を見せられると思っているけど、焦ってはいないし、トップを目指して続けていく」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ワーレイ・アウヴェス
 3ラウンド(4分13秒)KO
●セルジオ・モラエス

ワーレイ・アウヴェス

「今回の試合の戦略は相手の足を蹴っていくことだったから、膝から入っていけた。一度試したらうまくいかなかったけど、簡単にあきらめるつもりはなかった。今回の試合で思い通りに勝つためにかなりトレーニングしてきたんだ。今の契約では今回が最後の試合だったから、きっちり更新できるはずだ。すべてのチャンスを与えてくれたUFCにとにかく感謝したい。負けた試合でも、すべて自分がもっと成熟して次につながることだった。今日は気持ちのバランスが取れていた。結婚して、素晴らしい家族がついていてくれる。より優れたワーレイになっているし、ここからはさらにもっとうまくなっていけると思っている」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
●B.J.ペン
 判定3-0(28-29、28-29、27-29)
○クレイ・グイダ

クレイ・グイダ

「昔ながらの戦いだったな。こうなるんだろうなとは思っていた。俺が彼をフィニッシュすることを期待していたように、みんなもそれを期待していたと思う。でも、彼のタフさに疑問を持つ者はいないだろう。B.J.のようなレジェンドとの試合に挑んだんだ。これまでで一番の勝利さ。でも、これが最後でもない。俺たちはこれからもランキングを駆け上がっていくつもりだし、彼が成し遂げたことに挑戦し、頂点に立つつもりでいる」

【アーリープレリム】
<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ルアナ・カロリーナ
 判定3-0(30-26、30-26、29-27)
●プリシラ・カショエイラ

ルアナ・カロリーナ

「タフな試合になるだろうと予想していた。プリシラは最高のファイターだと思っているし、彼女はずっと前に出てきていた。楽ではないだろうと思っていたけど、彼女の試合はかなり研究したし、勝つためにやるべきことは分かっていたつもり。今回がUFCデビューだったけれど、リラックスできていた。ブラジル版コンテンダーシリーズのおかげで、UFCの試合がどんな感じなのかすでに分かっていたしね。デイナ・ホワイトの前で戦ったこと、家族や友達の前で戦えたことは本当にうれしい」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ラオーニ・バルセロス
 2ラウンド(4分49秒)TKO
●カルロス・フアチン

ラオーニ・バルセロス

「最高だった。もしかすると、選手としてのキャリアを通して一番だったかもしれない。対戦相手の変更でいろいろと厄介だったと思うけど、試合を受けてくれたフアチンのことは尊敬しているし、それが重要だと思っている。あまりにリラックスして落ち着いていたら、向こうにノックアウトされていたかもしれない。かなり強力な打撃を食らったし、心配もあったけど、セコンドやコーチから自分の試合をしろと言われて行けた。打撃もつながったし、有効打も当てられた。柔術もまとめられた。相手はタフだったし、UFCで素晴らしい将来が待っていると思う。自分にかなりプレッシャーをかけていたんだ。どの試合も、いつも自分の思い通りにいかなくて、もっとうまくやれるはずだと思っていた。今回で一歩先に進めたと思う。これから最高の相手と戦おう。その準備はできている」

<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
●タリタ・ベルナルド
 3ラウンド(0分48秒)KO
○ビビアン・アラウジョ

ビビアン・アラウジョ

「ずっとUFCに参戦するこのチャンスを期待していたの。きっとかなうと思っていたし、時間の問題だと思っていたから、しっかりと準備できていた。対戦相手を待っていただけね。オファーを受けた時、誰が相手でも覚悟はできていたし、UFCデビュー戦で最高の勝利を収められるとポジティブに考えていた。私はストロー級のファイターだから、その階級の方が合っているし、これからもっと勝利を見せられるはず」


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