17日、都内で新格闘技イベント『巌流島』の開催と、待望のフジTV格闘技プロジェクト再始動が発表された。会見には、実行委員長となった馳浩(レスリング代表)をはじめ、魔裟斗(立ち技格闘技代表)、篠原信一(柔道代表)、舞の海と旭道山(相撲代表)、内田順久(空手代表)、平直行(武術代表)、松本天心(サンボ代表)、山本千尋(中国武術代表)、河口正史(アメフト代表)、斎藤祐也(ラグビー代表)と、驚きの超豪華メンバーが集結。CS放送『フジテレビONE』にて、12月28日から月一回『千原ジュニアのニッポン格闘技復興委員会』として2時間枠のトーク番組が放送されるほか、2015月2月28日(土)、ディファ有明で開催される実験大会はCSフジにて生中継される。
イベントは「殺るか、殺られるか」の原点に戻り、日本が世界に発信していくもので、格闘技ファンが待ち望んでいたものを、皆さんと一緒に作り上げていくと紹介。
会見のスクリーンには「かつて日本の格闘技は世界の中心だった」、「格闘技ブーム終焉」と刺激的なテロップが流され、「各競技の日本を代表する有識者たちが新格闘技を生み出すべく立ち上がった」と繋がる。そして「ニッポンが考える闘いの最終形」として、巌流島のコンセプトにたどり着く経緯だ。
馳浩実行委員長は、久方ぶりのマット界向け会見だったためか、五輪誘致委員会本部長としてIOC本部を含む世界を回った成果から、やや長めの演説をスタート。各国から五輪に限らず、スポーツイベントの日本への期待の大きさを語られたのが印象的だ。また、巌流島となると当然伝説のタイガー・ジェット・シン戦、ノー・ピープルズ・マッチの話になったが、ガチバカ系格闘技マスコミさんは無視を決め込んだ模様である(笑)。
「夢よもう一度ということで、2020年に向けて格闘技のレガシーを作っていきたい」と結んだ。
『千原ジュニアのニッポン格闘技復興委員会』の番組ホストとして、「昨年末、腕相撲の番組をフジでやったとき、生放送なのを利用して『フジさん、腕相撲より格闘技でしょ!』と一言放り込んだら、このプロジェクトが動き出した。うれしい」と話したのはお笑い芸人・千原ジュニアだ。
ロープのない円形の場での闘いということで、これまでK-1や総合では最強を発揮できなかった相撲が有利と診られている。旭道山は「土俵は崖、背水の陣だと教えられてきた」と語る。これに対して魔裟斗は、「直径で8メートルもあれば、回れるので落ちない。ヒット&アウェイでいける」としたが、やってみないことにはわかない巌流島だけに、実際の試合が非常に楽しみだ。
ちなみに道着は着用するが、袖はないドラゴンボールのようなスタイル。「袖があるならパンチ出しにくいが、ないなら打撃者に不利はない」と受ければ、篠原信一は、「確かに袖を掴む技はあるが、胸が握れる」と、柔道技も出せるルールとした。
美人の山本千尋は、「格闘技には強さプラス美しさが必要」と述べている。馳浩委員長は、「いずれは女子が見たい」そうだ。
プロ格闘技誕生の黎明期から見ているマニアには、平直行の登壇が嬉しい。「ルールを守ろうとすると、どうしても膠着する。今の総合は、顔にモザイクをかけたらみんな同じ動きになっている。私が現役の頃は、つまんない試合をしたら次はないと言われた」と、正論をぶったのが注目された。
これには日本レスリング協会副会長の肩書もある馳浩も呼応する。「レスリングが五輪種目から外れそうになったのも、アクションしない、膠着が多いことから。格闘技はコンタクトしないとダメだ。間合いをいかに詰めるかだ」と話された。
松本天心は、サンボは競技とは別に戦場格闘技のものもあると説明。東欧で大相撲入りを目指している戦士が多数いるらしく、選手発掘の役割も兼ねている。
巌流島はファンがプロデュースする大会を標ぼうしており、大まかな枠組みと土台ルールはあるものの、細部は明日から公開される公式HPや公式Facebookを通じてファンの意見を集約していく方法がとられ、誰が出るのかもファンの声が反映されていく。
その大まかな枠組みは、「公平な異種格闘技戦の実現」、「世界最高峰の打撃格闘技」、「実戦性とコンテンツ性の両立」、「日本発世界へ」、「ルールは見る側(ファン)とやる側(格闘技関係者)で決める」の5点。今後、コンセプトに則り仮想ルールをベースにした実験大会が開催、詳細なルールとマッチメイクを募集していくという。
仮想ルールは、各ジャンルに公平を期した以下の5項目を柱とする。
・空手、キックボクサーなど打撃系の選手が輝ける!
パンチやキックなどでKO、レフェリーが止めなければパウンド攻撃可能な実践的ルール
・相撲取りが輝ける!
試合場は円形の舞台としロープはなし。舞台の下には水を張り相手を3回落とせばTKO勝ちの予定
・柔道やレスリングの選手が輝ける!
選手は袖なし道着を着用、オープンフィンガーグローブ。柔道やレスリングの投げ技も認められ、倒してからのパウンドKO狙える
・「武術、MMAの選手が輝ける!
寝技はパウンドまで有効。関節、締め技はなし。頭突き、ヒジ打ち、金的蹴りはこれから決めていく
・アメフト、ラグビー、サッカーの選手が輝ける!
ボブ・サップのような身体能力の高い選手でも通用する可能性! 体幹の強さ、フットワークの良さでも戦える
左より斎藤祐也、松本天心、平直行、篠原信一、魔裟斗、馳浩実行委員長、旭道山和泰、内田順久、山本千尋の各実行委員
会見の拡大版と新格闘技プロジェクトの全容と詳細はマット界舞台裏11月27日号巌流島マクマホンSrドリー全日藤波丸藤REINA新日キックTopKingに掲載されました。
世界の格闘技界の情報を全て知る男、谷川貞治氏が『マット界舞台裏』で連載!これが電子書籍だ!
記者会見後、谷川貞治広報部長が囲み会見に応じ、「皆が理想とするルールを模索していく」と、従来型の主催者側が「こうだ」と決めてからやる新興格闘技との違いを強調。マッチメイクとかも「ファンの意見を聞いて出てもらう」とし、「断られた」とかもブログ等で出していくという。
「基本は無差別で、トーナメント式」、「ファンがプロデューサーなので、僕が決めるのでも馳が決めるのでもなく、自分は調整役」、「大会中継はトーク番組とは別枠。現段階では年4回ほど」と、2015格闘技復興の構想を明かしてくれた。
【「マット界舞台裏」看板の谷川貞治連載】
マット界舞台裏7月31日号Pアーツwwe猪木ブラジルEギルバートdeep新日kickW1Z1IceRibbon
▼谷川貞治の『プチ格闘技通信』第7回
ピーター・アーツは本当に引退したのか?
その問題にお答えします!
古い話で誠に恐縮ですが、昨年末のGLORY13でリコ・ベホーベンと感動的な引退試合を行ったピーター・アーツのことについて今週は触れることにします。GLORY13前後の本人のインタビューからすでに「私は本当は引退したくなかったけど、GLORYに引退させられた」と発言し、波紋を呼んでいるようですが、いったいどうなっているのか? 僕自身が「ピーター引退」もあって一夜限りのプロデュースをお手伝いしたこともあって、まるで僕が仕掛けたかのように思っている関係者もいるようですが、とんでもありません。
マット界舞台裏8月7日号TNA崩壊WWE改GongJスヌーカJドーリング大仁田Z1芝Reina長瀬館長
▼谷川貞治の『プチ格闘技通信』第8回
僕のDNAが刻み込まれてるスコット・コーカー復権
『ベラトール』で復活とはしぶといね!
谷川貞治の『プチ格闘技通信』は元『ストライクフォース』プロデューサーのスコット・コーカーに焦点を当てた。今やUFCの独占市場と呼ばれるMMAの、ナンバー2団体『ベラトール』のプロデューサーに就任するらしいからだ。スコットと言えば、谷川氏も付き合いが長い元K-1 USAの代表。最初スコットを連れてきたのは、のちにミルコのマネージャーとなった今井賢氏であった。
マット界舞台裏9月25日号UFC榊原ニールセン全日王道IceRibbon長瀬館長新日キックTOPKING
▼谷川貞治の『プチ格闘技通信』 第15回
UFC日本大会、直前情報!
えっ? 榊原さんが五味について語っているじゃん
谷川貞治の『プチ格闘技通信』第15回~いよいよ9・20さいたまスーパーアリーナで、UFC日本大会が開かれますね。TwitterやFacebookを見ていると、連日多くの情報がアップされていて、「さすが電通-UFC連合軍だな」ということをまざまざと見せつけられます。しかし、僕にとってUFCはあくまでも「他人のイベント」で、しかも「アメリカ人のイベント」ということで、特別な思い入れはありません。ただ現時点で「世界一のイベント」というのは間違いないので、それが日本でどのような大会を開き、どのようなプロモーションをして、どういう反響を巻き起こすのか? そういう視点で見ています。
マット界舞台裏10月2日号電通UFC安西伸一谷川貞治稲垣収MハントWシウバGガニア5王座ZERO1
▼谷川貞治の『プチ格闘技通信』 第16回
電通の健闘光ったUFC! どうなる?その後の日本の格闘技勢力図
谷川貞治の『プチ格闘技通信』第16回~9.20UFCジャパン大会は、終わってみれば凄く評判がいいですね。UFCの海外戦略の中でも、唯一成功している日本大会。その立役者は何と言っても電通の功績が大きいでしょう。今回もプロモーションに随分お金をかけていたし、会場も満員にしてみせた。「招待券をバラまいたんじゃないの?」と、うがった見方をする人もいるかもしれませんが、さいたまスーパーアリーナ3万人バージョンを満員にすることは大変なことです。
マット界舞台裏11月20日号新日WWE帝国の危機BLADE年末DEEP戦争UFC180佐野魂広島宮本裕向
▼谷川貞治の『プチ格闘技通信』第23回 年末に向け続々とカード発表!まだ出ていない先行情報内見