ザ・シールド再結集!どうなるロンダxベッキーxシャーロット女子RAW王座フィラデルフィア

Photo by George Napolitano

『レッスルマニア』に向けて最重要となるWWE拠点会場でもあるフィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターからの生中継。建物は1996年に建て替えて新装開店しているが、歴代の海外通信員には余りにも勝手知ったる「スペクトラム」と言えば、昔からのファンにはお馴染みだろう。今は亡きロニー・ジェームス・ディオ校長のDIOのコンサートも、2度もビデオ化されたのは旧会場のほうだ。ボストン・ガーデンと並んでWWFの数々のビックマッチもローカル・テリトリーの時代から巡業コースになる。本誌にはどこになにがあるかも知っている会場なので、内容の裏情報が漏れてきたこともあり急遽ジョージ・ナポリターノ記者を派遣した。内部者間では今でも「フィリーのスペクトラム」なのである。

 オープニングにはローマン・レインズが登場。要するにザ・シールドの再結集が目玉なのだが、いきなりはやらない。そして時間またぎになる2時間目の終了と3時間目の始まりに、ようやく3つの拳が合わさるというHappy Reunionである。考えてるなぁ(笑)。なにしろ、1時間目、2時間目、3時間目と、だんだん視聴率が落ちてしまうのがパターン化していたが、冒頭に「ありゃ? どうなるんだ」と興味を繋げておけば飽きっぽいライト層もずっとチャンネルを変えないだろうと。
 これで『ファーストレーン』では、シールドvs.ドリュー・マッキンタイヤー&ボビー・ラシュリー&バロン・コービン w/リオ・ラッシュが決定した。出し惜しみはせず、『レッスルマニア』前のPPV大会でセス・ロリンズを送り出すという魂胆だ。
一端、客席から帰ろうとしたアンブローズだが・・・

 本誌3月7日号でお伝えした通り、プロデューサーを入れ替えて番組テコ入れに本腰のWWE。長いCM時間はアメリカの標準なので仕方ないのだが、本誌は現地会場からの情報も逐一入ってくるので、番組開始前にやったダークマッチというならともかく、EC3のカードはCM時間やスキッド挿入の時間になり、番組としては視聴者には中継されていない。

 前週のRAWで、ロンダ・ラウジーがベルトを置いて去っていくセグメントがあり、今回のRAW番組のスキッドで、ステファニー・マクマホンが明かしたところによると、どうやら本当に王座返上ということで、出場停止になっているベッキー・リンチが解除ということで、『ファーストレーン』でシャーロットと王者決定戦という、またコロコロ計画を変えているという批判もあるのだろうが、落ち着くところに落ち着いていっている感もある。唯一、やはりロンダ様は『レッスルマニア』を最後に子供作りに入るということなのだろうか。

 それにしても番組の作り方は大人のファンとの知恵比べを挑んでくる。トリのセグメントは、ベッキーとシャーロットの対決決定合意。「ケガになってもWWEを訴訟しない」という条項に、足を引きづって出てきたベッキーがサインするのだが、ロンダのジョーン・ジェットのテーマ曲がかかり、「勝手にベルトを取り上げるな!」とやるんだから、同じ番組内でも二転三転させる頓智の利いた展開で番組を引っ張る。
 悪女ロンダがシャーロットにも、そして片足だけのベッキーをもボコボコにやりだしたから、状況によってブーイング受ける場合もあるロンダが、ヒール開眼ということか。番組のエンディングは、ロンダが『レッスルマニア』のビルボードを指さし、ベッキーはコーナー際にうずくまり、シャーロットは花道でその光景を眺めると・・・。2019年いよいよ、WWE歴史上初となる、女子メインイベント集大成に向けての道のりが始まった。
 AEW行きとなったケニー・オメガは女子をやらない新日本プロレス批判をオモテに出し始めたが、年商1000億円企業は新たな地平線に乗り出す。この番組中に、いわゆるDIVA時代の、金髪白人美形の代表だったトリー・ウィルソンの殿堂入りが発表されている。つまり、時代の転換ということなのだろう。

■ WWE RAW
日時:3月4日(現地時間)
会場:ペンシルベニア州フィラデルフィア ウェルズ・ファーゴ・センター