[ファイトクラブ]アジアの黒船来航へ向け…DEEPは防人たり得るか?

[週刊ファイト1月3-10日合併号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼photo&text by:こもとめいこ♂
・DEEP87後楽園オープニングファイトから画像増量でお届け
・最強王国民DJ.taiki激勝! 入場パフォーマンス解説
・勝負論と観客論のバランス
・次戦はJEWELSとダブルヘッダー。3月格闘技興行戦争の勝算

 『15の夜』か…
 個人的に注目のDJ.taikiの対戦相手、今連勝中の石司晃一の入場曲を聞いて心がざわついた。

 アウトバーンを時速300kmで走った伝説のライダー・佐藤信哉氏的2言論でいえば、世の中には盗んだバイクで走り出す事を良しとする人間と良しとしない人間の二通りいる。
 学校に息苦しさを感じている人間は多いだろうが、ほとんどの15歳は誰にも縛られたくないからという理由でバイクを盗んで走り出さない。しかも15という事は当然無免許で、走りたければ自分の自転車で道交法を守っていくらでも走れというのが常識的な意見であろう。
 だが実際にやらないのは当然の事ではあるが、そう言いつつも意外に尾崎豊のこのバイク窃盗美化ソングを肯定的に捉える人は多い。世間一般的には“名曲”に分類されるだろう。
 だが、オートバイの愛好家にしてみれば、そんな勝手な動機で人の愛車を盗むなどというのは噴飯ものではあるので、筆者にとって大嫌いな唄の筆頭と言っていい。
 伊集院光氏は自身の友人がオートバイ盗難の被害者でもあり、コラムで
「自分勝手な理屈で愛車を盗まれた人や夜中に割られたガラスを翌朝片付ける人の身になれ」
と尾崎豊の歌詞の独善的価値観に異義を唱えていた。いわゆる「不良」文化全盛期に、不良に抑圧される側だった者の声なき声の代弁者でもある伊集院氏に喝采を贈るのが、筆者含む内向的オタク気質の“こっち側”の人間の価値観である。


 そしてその伊集院光氏の深夜ラジオのヘビーリスナーである事を広言している声優が田村ゆかりさん。DJ.taikiの王国の主である。
 内気で自己肯定感の低かった少女期に朗読を褒められた事がきっかけで演劇部に入り、声優を目指した博多の少女。だが入学した養成所で辛い目に遭い、上京して再び養成所に再入学した苦労人でもある。後に世界一可愛いと万の国民から賞賛される存在ではあるが、バイクを盗まれたり、割られたガラスを片付ける側の価値観が通底しているのである。
 だからDJ.taikiが属する「王国」がそういう場所である事を知る者、“こっち側”の人間は、あの場で流れる『15の夜』に心をざわめかしたに違いないのだ。

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