12・31『RIZIN.14』フロイド・メイウェザーvs.那須川天心発表!大会名「払えんのか」!?

 噂は本当だった。記者会見の案内が届き、関係者間のヒソヒソが始まっても、「ガセじゃねぇのか」とか、「やれんのか?」が情報交換の主になってしまっていたものだ。11月5日、六本木ヒルズの会見でフロイド・メイウェザーjr. vs.那須川天心のRIZINスタンディング・バウトが現実に発表された。「日本には8度来ている、大好きだ」とうそぶく、「一試合で100億円稼ぐ」と司会からの紹介にもちゃんと金額入っていたフロイド・メイウェザーが、実際に那須川天心とポーズ写真に納まったのだから、これはもう夢ではなくて大事件なのである。

 この絵がそもそも「エライこっちゃ!」「ホンマでっか?」のおどぎ話である。

■ Cygames presents RIZIN.14
日時:2018年12月31日 開場13:00 開始15:00
会場:さいたまスーパーアリーナ
特別協賛:Cygames         
主催:RIZIN FIGHTING FEDERATION
特別協力:TMT 
協力:さいたまスーパーアリーナ、フジテレビジョン
後援:さいたま市
チケット料金:全席指定・消費税込 ※1歳よりチケットが必要です。
  VIP席 100,000円 <特典付>/SRS席 25,000円/S席 15,000円/A席 7,000円

 RIZINはボクシングライセンスなんか持ってないし、JBCの許可なく公式戦もないから、天心は裸足のまま闘うRIZINスタンディング・バウトという触れ込みになるのだろうし、「平成最後の異種格闘技」というキャッチコピーが使われるようだ。
 北米でどう扱われるかだが、エキシだなんだは重要ではない。ガチということで見たら、本誌が大笑いしたカードもあれば、制約上エキシとなっているが、ガチだった試合もある。これは基本ボクシングルールだが、ガチはガチなのだ。但し、仮に天心のキック構えのパンチが大当たりでメイウェザーの負けなんてことになっても、扱いがエキシだから50戦無敗のボクシング記録には残らない。まぁ、それはイイんじゃないかと思う。「どうせ(ボクシング初心者相手の)楽勝カードだから受けたんだろう」と海外では揶揄されるんだろうが、なめてかかったりしたら天心の勝機はゼロではないからだ。

 入場の瞬間! 「うわぁ~、ホ、ホ、本物やぁ」というのが正直な感想。ビビってたじろぐ(笑)。

 うかつにも気が付かなかったのだが、メイウェザー本人によると「プロになって22年、世界チャンピオンになって20年になるが、一度海外で試合してみたい」との話で、アマ時代はロシアにもキューバにも行ったそうだが、かの50戦無敗の記録は、すべて米国内とのこと。次のチャレンジとして、なにか違うことをやりたい。海外進出、アジア進出、だったらまずは日本からというモチベーションは、陣営の戦略でもあるようだ。

 今週号の本誌で詳しく分析を試みるが、やはり半信半疑にならざるを得ないのは、「払えるのか?」という点に尽きる。北米での放送権とか渡したのか、それとも日本で初めて試合するからというチャリティー面?もあるのかとかを質問してみたが、ONE Entertainment(シンガポール拠点の格闘技団体とは無関係)のブレント・ジョンソン氏は、どうやら東京在住で日本語もある程度わかるようで、「全部にYESだ」と答えていた。
 囲み取材で榊原信行代表は、「UFCディナ・ホワイトにPRIDEを売った際のカネがまだ残っていたので、それを使うことにした。もちろん、選手に払うギャラとしてこれまでの最高額」とのこと。また北米での放送権については、確かにかなりの部分はメイウェザー側が採ることになるが、全部を明け渡した訳ではない。RIZINも%は採る」と念を押していた。

 それにしても、RIZINのブランドが海外に知られる契機ではあるが、大きな賭けであることは間違いない。そりゃ専門媒体はともかく、Tenshin Nasukawaたって、海外での認知度なんか皆無だし、いざ大晦日の視聴率戦争含めた国内の反応にせよ、いみじくも榊原代表が「朝青龍とかの方が話題だろう。視聴率とかに関しては、テレビ東京には勝ちたい(笑)」と言うにとどめたことからも端的なように、ボクシング・ファンを除けば、肝心のメイウェザーでさえ、お茶の間には知られていない事実がある。
 本誌は、かのUFCコナー・マクレガー戦の深淵分析を複数回記事にしているが、有料ネットワーク配信のDAZNでやっただけ。かなり遅れてAbemaTVでも流れたとはいっても、世間的にはほとんど話題にならなかった。北米だけでなく、地球規模でも巨額のマネーを叩き出したマクレガーvs.メイウェザー戦であるが、世界で唯一、日本だけがビジネス的な数字ではまったく話題にならないままで終わったという冷静な検証も活字にしてある通りだからだ。

 ちなみに、メイウェザーは9月にも来日しており、その際は「日本でカジノ事業に進出」とか、「高級腕時計販売、ジュエリー界参入」を明言するもので、亀田興毅らが所属する協栄ジム、ローラやダレノガレ明美らが所属する芸能事務所LIBELAと共同で新会社TMT(The Money Team)Tokyoの設立が発表されていた。この辺りから、メイウェザー参戦の情報は漏れてきてはいたが、「払えんのか?」というのがあるから、「ガセに踊らされたらダメです、本誌はそんなネタは書きません」と返していた経緯がある。

 ちなみに、髙田延彦やRENAのマネジメントをしてるレプロと、このメイウェザーの日本でのマネジメントをするLIBERAは同じバーニング系列なので、その線で話が進んでいたんではないかとの質問もあったが、日本担当のブレント・ジョンソン氏も出席する会見なのでTMTこそ絡んでいるが、「LIBERAとは関係ない、直でRIZINに来た話」と榊原代表は明言した。
 9・30『RIZIN.13』さいたまスーパーアリーナを見たメイウェザー側のスタッフが、日本で試合とかやるなら、RIZINだろうということで、彼ら側からの最初のアプローチだったとのことだ。