RIZIN.13過去最高動員も視聴率は惨敗平均6.7%最高は天心vs.堀口の9.7%

 RIZIN.11でのメイン前1時間休憩があったにも関わらず、「もう会場は勘弁!」と逃げた客は多くはなかったということなのか!? 9・30さいたまスーパーアリーナはRIZINとしては過去最高の27208人(=主催者発表)を動員した。接近する台風24号を見越してJRが20時での運休を発表したため、RIZINは急遽試合順を変更。メインの第13試合だった那須川天心vs.堀口恭司の大一番を19時頃終了を見越して第9試合に前倒し、フジテレビも生中継から録画に切り替えて対応した。

 だが実際は全試合終了時点でも電車は動いていて、意を決して最後まで残った観客も無事帰宅できたそうで、榊原実行委員超は苦笑い。

第13試合開始直前の客席。意外とそこそこ残っていた

 また、動員としては『やれんのか! 大晦日! 2007(2007年12月31日ヒョードルvs.チェ・ホンマン他)』に及ばないものの、『PRIDE.15(2001年7月29日メインは石澤のハイアン・グレイシーへのリベンジ)』を超えた事に手応えを感じた様子の榊原実行委員長はNHKの大河ドラマの放送中止などを考慮し、「台風特番に感心の無い層が回してくれれば」と視聴率でのプラス効果に期待を覗かせたが、蓋を開けてみれば概ね前回同様の平均6.7%(RIZIN.11は6%)、最高は堀口恭司vs.那須川天心の9.7%(RIZIN.11の浅倉カンナvs.RENAは9.6%)と、ほぼ横ばい。
 むしろ、負傷欠場続出でテレビ的には浅倉カンナvs.RENAの1本で勝負したRIZIN.11と違って、大砂嵐、ミルコ・クロコップ、神童…と切り札を投入して微増というのは頭の痛いところ。

 また、会場では大砂嵐vs.ボブ・サップの大男2人が本気でやりあってスタミナ切れの醜態を晒した姿を笑って見守ったが、テレビ視聴者にはその面白さが伝わっていなかったりと、興行と中継のギャップが生まれた点も年末に向けての不安材料かも。

面白うて、やがて悲しき…感動のシーン

 とはいえ、台風の影響で特に海外から来られなくなったファンも少なくない中、過去最高の動員は何よりの明るい材料ではある。貴重な地上波キー局ゴールデン放送を継続するためにも、次戦大晦日決戦へ向け、テレビ的話題を作っての2桁到達を格闘技ファンとしては応援したいところだ。

■ RIZIN.13
日時:9月30日(日) 開始15:00
会場:さいたまスーパーアリーナ 観衆27208人(=主催者発表)

<第9試合 キックボクシング 58kg契約 3分3R>
○那須川天心(TARGET/Cygames/RIZIN KICKワンナイトトーナメント57kg契約 2017優勝、RISE世界フェザー級57.15kg王者、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級55kg王者)
 判定3-0
●堀口恭司(アメリカン・トップチーム/RIZINバンタム級61kgトーナメント’17優勝、元UFCフライ級56.7kg3位、元修斗バンタム級60kg世界王者)


 負けて当然のキックルールだけに、試合後の堀口の弁舌も滑らか。「総合ルールでやれば当然自分が勝つ」との言葉もあったが、それは今回の神童にも当てはまる。
 ガチンコでやる以上不測の自体は起こりうるし、勝って当然という事が、逆にプロとして簡単に勝ってしまっていいのか…という事でもある。堀口ファンは判定に不服だった様子でそれもやむを得ない内容だったが、単に勝った負けたで判断する試合でもない。それもテレビ的には厳しいところ。

<第8試合 女子49kg契約(スーパーアトム級相当) 5分3R>
●アンディ・ウィン(米国/カラテ・マフィア/元KOTC女子アトム級=47.6kg王者)
 判定0-3
○山本美憂(KRAZY BEE)

<第7試合 110kg契約(肘有り) 1R10分・2R5分>
○ミルコ・クロコップ(クロアチア/RIZIN無差別級GP 2016優勝)
 1R 4分56秒 左肘打ちによる額のカット⇒レフェリーストップTKO
●ロッキー・マルティネス(グアム/スパイク22/DEEPメガトン級(無差別)王者)

いやでも年齢を感じさせたミルコの闘いだったが、肘の恐ろしさをまざまざと見せられたフィニッシュ。強さを感じさせた今、プロレス者としては永田、藤田と再戦してもらいたい。

<第6試合 無差別級 3分3R>
●大砂嵐(エジプト/フリー/167.4kg)
 判定0-3
○ボブ・サップ(米国/TEAM BEAST/147.9kg)

 キックルールならスタンディングでのダウンカウントが入っておかしくなかったバテバテの大砂嵐。ネームバリューを考えれば大晦日に必要だが…

 入場テーマ含め、登場シーンは完璧だった。

<第5試合 53kg契約(ストロー級相当)(肘有り) 5分3R>
●砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE/パンクラス・ストロー級=52.2kg王者)
 3R 2分53秒 右フック⇒サッカーボールキック⇒レフェリーストップTKO
○越智晴雄(パラエストラ愛媛/DEEPストロー級=52.2kg王者)
 T.REXの♪21st Century boy入場の越智が、日本ストロー級頂上決戦を制した。

<第4試合 59kg契約(肘有り) 5分3R>
○朝倉 海(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER 55-60kg級王者)
 判定3-0
●トップノイ・タイガームエタイ(タイ/タイガームエタイ/元ラジャダムナン認定スーパーバンタム級1位)

<第3試合 女子49kg契約(スーパーアトム級相当) 肘有り 5分3R>
○浜崎朱加(AACC/元INVICTA世界アトム級=47.6kg王者)
 1R 4分45秒 アームロック
●黒部三奈(マスタージャパン/DEEP JEWELSアトム級=47.6kg王者)

<第2試合 キックボクシング(肘無し・つかんでの攻撃は1回) 59kg契約 3分3R>
△大雅(TRY HARD GYM/元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級=60kg王者)
 判定0-1
△原口健飛(Kick Lab/聖武会館/Road to RIZIN KICK Tournament(58kg)2018優勝)

<第1試合 57kg契約(バンタム級相当) 肘有り 5分3R>
●中村優作(チーム・アルファメール・ジャパン/WSOF-GCフライ級=56.7kg王者)
 3R 4分20秒 裸絞め
○マネル・ケイプ(アンゴラ/VSチーム)


在来線の運行休止につき休憩後
<第13試合 93kg契約(ライトヘビー級相当) 肘有り 1R10分・2R5分>
○イリー・プロハースカ(チェコ/ジェットサームジム・ブルーノ)
 1R 4分29秒 スタンドパンチ連打KO
●ジェイク・ヒューン(米国/ユニット27)  
  
<第12試合 66kg契約(フェザー級相当) 5分3R>
○朝倉未来(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER 65-70kg 60-65kg級王者)
 判定3-0
●カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン/タイガームエタイ)

<第11試合 70kg契約(ライト級相当) 肘有り 5分3R>
○ダロン・クルックシャンク(米国/ミシガン・トップチーム)
 2R 0分17秒 右飛び膝蹴り⇒パウンドに移行としたところでレフェリーストップTKO
●ディエゴ・ブランダオン(ブラジル/ジャクソンズMMA)

<第10試合 RIZIN.13×TEKKEN 7 SPECIAL MATCH 韓国×日本>
※格闘ゲーム「鉄拳7」を使った日韓対抗の3対3の団体戦。3セット先取制

●シャネル
 1-3
〇タケ。

〇クダンス
 3-2 
●ノビ

〇ニー
 3-2
●ノロマ
※1-2で韓国チーム勝利


 eスポーツ後進国日本での記念すべき試合だったが…

 
 ショッパい判定試合よりははるかに爽快感のあったeスポーツ戦は、『鉄拳修羅の国』と呼ばれる韓国チームが逆転勝利。那須川vs.堀口戦の直後で観客がダーッと移動した後だった為、反応が確認できなかった事を榊原委員長も残念がっていた。ただ、残った観客の多くはさして興味が無さそうだったのは、世界最高峰の試合と言われるだけにもったいないところ。格闘技ファンも、ゲームショーで初めて観るプロレスにちゃんと涌くゲーマーの、場に対する敬意を見習うべきであろう。

闘い終わってノーサイド