アルテム・ヴァキトフが王座防衛!GLORY 56

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 8月10日(現地時間)にコロラド州デンバーで『GLORY 56: Denver』が開催された。
 グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、ピーター・アーツやクリス・ナギンビ、ムラット・ディレッキーらは引退、タイロン・スポーンやグーカン・サキらは総合格闘技またはプロボクシングへの転向を表明するなど、キックボクシング界の人材流出が顕著になっていった。そこで、K-1を買収するつもりだったバス・ブーンと、ブーンに協力していた大手独立系スポーツ・マーケティング広告代理店トータル・スポーツ・アジア(TSA)、石油系ヘッジファンド『BlueGold』の運営で財を成した投資家のピエール・アンデュランド(Pierre Andurand)らが改めて結託し、ピエールとTSAが合わせて総額3000万ドル(約23億円)以上の出資をして、ゴールデン・グローリージムとは独立した興行の運営母体としてグローリー・スポーツ・インターナショナル(Glory Sports International Pte LTD.)を設立(略称はGSI)。2012年3月23日のモスクワ大会で事実上旗揚げした。但し、巨額の損失からバス・ブーンらは追われてしまう。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
 今大会のメインはライトヘビー級王座戦で、王者アルテム・ヴァキトフが、ダニョ・イルンガの挑戦を受けた。王者ヴァキトフから王座に君臨しており、絶対王者として長期政権を築いている。対するイルンガは、過去にヴァキトフと対戦しており、その時は判定負けを喫している。そういう訳でリベンジマッチの挑んだのだが、結果は判定で王者ヴァキトフが勝利。しかし、かなり僅差の判定で、どちらとも取れるラウンドが続き、イルンガもあと一歩まで追い込んでいた。

■ GLORY 56: Denver
日時:2018年8月10日(現地時間)
会場:アメリカ・コロラド州デンバー

<ライトヘビー級王座タイトルマッチ>
○アルテム・ヴァキトフ(ロシア/王者)
 判定
●ダニョ・イルンガ(ドイツ/挑戦者)

<女子スーパーバンタム級王座タイトルマッチ>
○ジャディー・メネゼス(ブラジル/挑戦者)
 判定
●アニッサ・メクセン(フランス/王者)