ネグロ・カサス、デビュー40週年記念興行!「CMLL アレナメヒコ金曜定期戦」

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 8月3日(現地時間)にメキシコ・アレナメヒコで『アレナメヒコ金曜定期戦』が開催された。
 CMLLの活動中心はメキシコシティでアレナ・メヒコでの定期興行が有名である。かつてはEMLL(Empresa Mexicana de la Lucha Libre)と呼ばれていた。今日現存するプロレス団体において世界最古の歴史を持つことが特徴である。1931年、サルバトール・ルテロ・ゴンザレスがアメリカとメキシコの国境にあるエルパソでプロレス興行を見たことからメキシコでのプロレス興行を企画してメキシコシティの廃墟同然のボクシング会場「アレナ・モデロ」と賃貸契約を結び会場を修復して会場名を「アレナ・メヒコ」に変更。1933年、EMLLとして設立。9月21日、アレナ・メヒコにて興行が開催されたのが団体の興りである。
 今大会はベテランルードであるネグロ・カサスのデビュー40周年記念興行として行われ、提携団体であるROHから選手を招いた豪華な大会となった。メインはLAパークがルチャ・ブラザーズ(ペンタ・エル・セロ・エメ(ペンタゴンJr.)、フェニックス)と組んだフリーの大物軍団とルーシュが、ROHからの刺客、ブリスコ兄弟と組んで激突。LAパークとペンタは、前日にCCMLLの対抗団体であるAAAにも参戦しており、犬猿の仲である二大メジャー団体を渡り歩くという離れ業を演じている。試合は、いつも荒れた試合で相手を圧倒するLAパーク組だが、相手がブリスコ兄弟だとそうはいかず、逆にペースを握られルーシュにフォールを奪われて、ルーシュ組が先取した。その後もブリスコ兄弟とルーシュが暴れまわる。しかし、息を吹き返したLAパーク組はルチャ・ブラザーズが、ブリスコ兄弟を仕留め、二本目を奪い返した。そして三本目、遂にリングではLAパークとルーシュが対峙するが、ルーシュがなんとLAパークの覆面を剥ぎとってしまったのだった。当然、反則負けになるが、ルーシュはレフェリーにローブロー。更に、コードを使ってLAパークの首を絞めるという攻撃を繰り返した。そしてルーシュはマイクで遂にLAパークに究極の最終決着戦、マスカラ・コントラ・カベジェラ(敗者、覆面剥ぎ、髪切りマッチ)を口にした。この因縁の二人はCMLL年間最大大会アニベルサリオで、究極対決を行う事になりそうだ。
 セミファイナルは、ボラドールJr.が奪われたNWAウェルター級王座を取り返す為、マット・ターバンとリマッチを行った。王座がメキシコ国外流出という大変なことになってしまった為、なんとしても取り戻したいところだ。一応、共にテクニコ扱いだが、当然、会場の応援はボラドールJr.一色。しかし、ボラドールJr.が完全にフォールを奪える状態でも、悪徳レフェリーのティランティスがスローモーションの様なカウントをする為、まったくフォールを奪えないというあり得ない展開となり、会場からは激しいブーイングが巻き起こる。それでも何度も必殺技を繰り出したボラドールJr.が最後はカナディアン・デストロイヤーでターバンからフォールを奪って王座奪取。見事に王座をメキシコに取り返した。ボラドールJr.の闘志をターバンも認め、素直にベルトを手渡したところ、なんとルーシュが乱入。ボラドールJr.を攻撃したのだった。これに対し、ターバンはボラドールJr.に加勢し、二人でルーシュを撃退。ボラドールJr.とルーシュに因縁が生まれたようだ。
 また、ネグロ・カサス40周年記念試合としてネグロ・カサス、アトランティス、ブルー・パンテル対オクタゴン、フエルサ・ゲレーラ、ソラールが組まれた。ネグロ・カサス(Negro Casas)は、メキシコ・メキシコシティ出身のプロレスラー。本名はホセ・ルイス・カサス。ニックネームは『黒鬼小僧』。父はラ・マヒストラルを開発したペペ・カサス(引退後はAAAのレフェリー)で弟はフェリーノ(ベイブ・カサス)、ヘビー・メタル(カネロ・カサス)、妻はダリス・ラ・カリベーニャ、義理の兄弟はベネノ(ダリスの兄)、従兄弟にブラック・スター、甥にキッド・ティグレ(フェリーノの息子)、ピューマ・キング(同じくフェリーノの息子)というプロレス一家。 UWA、CMLL(EMLL)と渡り歩いたが、特にイホ・デル・サントとの抗争が有名。現在はCMLLのベテランルードとして、アレナメヒコに定期参戦している。そして、この記念試合はテクニコ、ルードの垣根なくレジェンドが集結した豪華な夢舞台となり、まずはオクタゴンがパンテルを、ソラールがアトランティスをジャベで仕留めてゲレーラ組が一本先取。だがすぐにパンテル、アトランティスがオクタゴン、ソラールを逆にジャベで仕留めて二本目をカサス組が奪い返した。そして運命の三本目は、カサス必殺のカシータ(ラ・マヒストラル)がゲレーラに炸裂しフォール勝ち。カサスが記念大会を見事な勝利で飾った。

■ CMLL アレナメヒコ金曜定期戦
日時:2018年8月3日(現地時間)
会場:メキシコ・アレナメヒコ

<6人タッグマッチ>
○LAパーク、ペンタ・エル・セロ・エメ(ペンタゴンJr.)、キング・フェニックス
 2-1
●ルーシュ、マーク・ブリスコ、ジェイ・ブリスコ

<NWAウェルター級王座タイトルマッチ>
○ボラドールJr.(挑戦者)
 2-1
●マット・ターバン(王者)

<6人タッグマッチ>
○ネグロ・カサス、アトランティス、ブルー・パンテル
 2-1
●フエルサ・ゲレーラ、オクタゴン、ソラール

<6人タッグマッチ>
○カリスティコ、ミスティコ、イホ・デル・LAパーク
 2-1
●サンソン、クアトレロ、フォラステロ。