ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス』51[ファイトクラブ]大学生 今昔物語:パソコンに悪戦苦闘

[週刊ファイト7月26日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス』51
 大学生 今昔物語:パソコンに悪戦苦闘
・1988年ちょうど30年前~飛竜革命、ブルーザー・ブロディ刺殺
・バブル景気とバブル崩壊の両方を経験した過渡期に生きてきた
・パソコンやスマホ(携帯電話)があったか無かったか
・授業やテストの情報、成績発表は『MY WASEDA』サイトにログイン
・ほとんどの先生が事前に準備した『PowerPoint』で授業を進める
・ジェネレーション・ギャップとカルチャーショックの間
・卒業への道のりはまだまだ険しい!


 30年前の大学生と今の大学生の決定的な違いとは? バブル時代の大学生って? 大学から掲示板が消えた!? パソコンに悪戦苦闘~えっ!? レポートもメールで?

世間一般的に、大学生といえば遊びまくっているイメージがあるかもしれません。これから、長い長い夏休みが待っている学生がうらやましいなぁと、誰もが思うでしょう。
ところが、現実はそうでもないのです。楽しい夏休みを迎えるために、その前に大きな壁が立ちはだかっているのです。

そう、今まさに前期テストの真っ只中! 特に、卒業を目前に控えたオイラにとって、運命を左右すると言っても過言ではないほど大事な試験、レポートの波が襲ってきているのです!

時代とともに、大学そのものが変化しています。授業も、試験も、レポートの提出方法も、以前の大学で経験したこととはまるで違っています。その進化を、オイラは毎日身をもって体験しているのです。

オイラが最初の大学に入学したのは1988年。今からちょうど30年前のことです。

プロレスシーンでいえば、沖縄での飛竜革命、そしてブルーザー・ブロディが刺殺された年でもありますね。

今回は、30年前の大学生と今の大学生を色々と比較してみたいと思います。

1988年といえば、世間はバブル景気の真っ只中! “就職氷河期”と言われて久しい現代とは、明らかに時代背景が異なります。

30年前、大学に合格して真っ先に向かったのは、自動車教習所でした。車の免許が取れたら、どうしても自分専用の車が欲しくなります。ちなみに、当時のオイラの愛車は、日産マーチでした(笑)。
ところが、今の大学生は自動車免許も取りに行かなければ、マイカーにも興味がないそうです。夢が無いなぁと思います。

バブルの影響は、就職戦線に如実に表れていたと思います。
何しろ当時は、全てがイケイケ状態。企業側から『頼むからウチの会社に来てください!』という、今では考えられない時代でした。
どこで住所を調べたのか、連日自宅のポストには電話帳くらいの厚さの就職案内がダイレクトメールで届きました。
中には、無条件でテレホンカードが入っていることも! 就活の予定がなかったオイラは、それだけを抜き取り、後はゴミ箱に捨てていました(笑)。

友達からはこんな話を聞いたことがあります。
「面接に行っただけなのに、帰りに“交通費”と称して現金で1万円もらったよ!」
今や、面接に漕ぎ着けるだけでも大変だというのに、企業側が『面接に来てくれてありがとう!』という姿勢なのですから、やっぱり何かが狂っていたのですね。

オイラは、就活は一切行いませんでした。理由は、公務員一本に絞っていたからです。結果は、地方ながら教員採用試験に合格し、希望通り教員の道を歩むことになります。
大手企業にバンバン採用が決まっていた時代。誰も『安定を求めよう』などと考える人はおらず、公務員志望者もほとんどいませんでした。今とはまるで真逆ですよね。
オイラは民間企業に進まなかったので、直接バブルの影響は受けていませんが、こんなオイラでも、教員採用試験に受かったのですから、十分に恩恵は受けていたといえるのかも知れませんね。

今でも時々、教員採用試験に落ちていたらどうなっていたのだろうと考えることがあります。就活もせずに呑気なものだったなぁと感じます。やはり、自分自身どこかバブル景気に浮かれていたのかも知れませんね。

民間企業に進んだ友達の話を聞くと、それはそれは景気のいいこと。給料を比べると自分が情けなくなってしまうほどです。
ところが、就職して数年たった頃、バブルはついに終焉を迎えます。すると、あっという間にオイラの給料が民間に行った友達のそれを越えてしまったのです!
正確に言えば、友達の給料が下がっただけなのですが…。
文字通り、バブル景気が泡と消えた瞬間でした。オイラの世代は、バブル景気とバブル崩壊の両方を経験した、過渡期に生きてきたのです。

景気ばかりでなく、他にもファッションや流行りの歌など当然ながら違うことばかりです。
では、今の大学生と30年前の大学生の決定的な違いはいったいなんでしょうか?
それは、パソコンやスマホ(携帯電話)があったか無かったか。これに尽きるとオイラは思うのです。

もちろん、30年前にもパソコンそのものや、芸人の平野ノラさんでお馴染みの“肩掛け携帯電話”などはすでに存在していましたが、今とは違い全然一般的ではありませんでした。
オイラに言わせれば、パソコンやスマホは“後からできたもの”。ところが、今の大学生にとっては、“生れつき手にしているもの”。実は、ここに大きな差があったのです!

さらに輪を掛けてオイラはパソコンが本当に苦手なんです。
教員時代、自分のクラスの『学級便り』などの配布物をワープロで作成している先生もいましたが、オイラはあくまでも“手書き”にこだわりました。
「活字には愛情が感じられない」などと格好をつけていましたが、実はワープロ類が触れなかっただけなのです。

大学生には『学籍番号』が付き物ですが、今では、その他に大学専用のメールアドレスを持たされます。
自分専用の大学のサイトへのログインや、大学からの連絡事項は、全てメールで届きます。

かつては、大学からの連絡や情報は、学内に設置された『掲示板』から得ていました。もちろん今でも大事なことは学内に掲示されてはいるのでしょうが、大学に行ってから今日の授業の休講を知るなんてことは無くなりました。休講のお知らせも、あらかじめメールで届くのです。

ちなみに、オイラの大学専用のメールアドレスは、“wasedaisuki@××××waseda.jp”です。ここでも早稲田愛を最大限に表現しています(笑)!

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