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ジョン・シナ、壮絶な復讐劇 エッジ快挙10度目の世界王座 『WWE TABLES, Ladders & Chairs』

2010年12月19日(現地時間)、アメリカ テキサス州ヒューストンで今年最後のWWE PPV大会『TABLES, Ladders & Chairs』が開催された。

WWE:World Wrestling Entertainment

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(C)WWE:World Wrestling Entertainment
遂に復讐を果たしたジョン・シナ。最後は強烈なAAを爆発させた。

メインは、この1年、若手暴走集団Nexusに煮え湯を飲まされ続けたジョン・シナが壮絶な復讐を敢行した。因縁対決となるNexusのリーダー、ウェイド・バレットとの決着戦だが、その前にロッカールームでNexus勢を叩きのめすシナ。乱入をさせない様に手を打ってから、ウェイド・バレットの待つリングに向かった。

1対1であれば、まだまだ経験の浅い若手であるウェイド・バレットは、シナの敵ではない。腰が引けているバレットは、鉄階段を利用してシナを攻撃するが、怒りに燃えるシナを仕留める事は出来ない。逆にシナは失神したバレットに水をぶっかけて意識を戻させてから、椅子で滅多打ちにするなどハードコアな攻撃でバレットを追い詰める。

最後は、リング上に椅子を6個並べて、グロッキー状態のバレットを抱え上げて必殺のアティテュード・アジャストメント(F-U)がさく裂!そのままピンフォールでジョン・シナが勝利した。

しかし、勝利してもシナの怒りは収まらない。この1年の恨みはこんなものでは済まないのだ。シナは這ってロッカールームに逃げようとするバレットを追いかけて、椅子で滅多打ち。失神したバレットを台車に乗せてステージまで運び、上から大量の椅子を落して、バレットを下敷きにしてしまった。
恐ろしくなる程の、シナの復讐劇だが、観客からは大歓声。かつてのアティチュード路線、“ストーン・コールド”スティーブ・オースチンがビンス・マクマホンに煮え湯を飲まされ続けたあと、壮絶な復讐を行った時の様な熱狂、ジョン・シナは、真のWWEエースとなったという感じだ。

Nexusのいじめに耐えるシナを観ながら悔しそうな顔をしていた少年・少女ファンもこれで溜飲を下げただろう。最後は正義が勝つ!やっぱりWWEは最高のエンターテイメントなのだ。

そして、まったくの新人集団であるNexusをわずか1年でここまでトップに、押し上げたWWEの手腕も見事と言えるだろう。エリック・ビショフ、ケビン・ナッシュ、ショーン・ウォルトマン(Xパック)が相次いでNexusはつまらないと批判を繰り返しているが、見当違いだ。ジョン・シナにしても、最初はキャラクター先行、レスリング、パフォーマンスが稚拙だなんだと言われたが、現在は押しも押されぬスーパースターに成長している。次のスターを作り続け、永遠に続く良質のプロレス興行を行うWWEはやっぱり世界最大のプロレス団体という事だ。

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(C)WWE:World Wrestling Entertainment
快挙!10度目の戴冠を果たしたエッジ

世界ヘビー級王座を賭けた、4WAYのTLCマッチは、王者ケインにエッジ、レイ・ミステリオ、アルベルト・デル・リオ(ドス・カラスJR)も行われた。当初はケインvs.エッジ、ミステリオvs.デル・リオをそれぞれ行う予定だったが、大会時間の関係とミステリオが負傷しているという事で急遽、変更されたという事だ。WWEはストーリーの面白さやレスリングの攻防の激しさばかりが目立つが、この様に大会終了時間をちゃんと計算して、興行を行うという面も、日本の団体は見習うべきだろう。

試合は、アンダーテイカーが復活する来年3月のレッスルマニアまでケインが王座を守ると思われたが、なんと、ケイン、ミステリオ、デル・リオが潰しあう隙に、エッジがベルトを手中に収めて新王者に輝いた。

エッジはこれで10度目の世界ヘビー級王座戴冠という快挙を成し遂げたのだ。小柄なエッジはデビュー当時、タッグ屋というイメージだったが、現在はバディ・ロジャース、リック・フレアー、ジェフ・ジャレットと脈々と続く、アメリカンプロレスにおける小悪党トップヒールとして、その系統を引き継ぐスーパースターとして歴史に残るに違いない。

そして、エッジが王者となった事によって、次はどんなストーリーが展開されるのか?3月のレッスルマニアに向けて、アンダーテイカー、トリプルHの復帰は確定的。更に“HBK”ショーン・マイケルズ、バティスタ、ブロック・レスナーらも祭典に出場させるべく交渉中というから、どれだけ豪華になるか計り知れない。

今後もWWEからは目が離せないだろう。

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(C)WWE:World Wrestling Entertainment
短命王者と思われたミズが、あのオートン相手に防衛?その他の試合の詳細は『マット界舞台裏』の付録にて特集致します。

『WWE PPV TABLES, Ladders & Chairs』

<メインイベント チェアー・マッチ>
○ジョン・シナ
(AA→ピンフォール)
●ウェイド・バレット

<セミファイナル 世界ヘビー級王座タイトルTLCマッチ>
○エッジ(挑戦者)
(ベルト奪取)
●ケイン(王者)、レイ・ミステリオ(挑戦者)、アルベルト・デル・リオ(挑戦者)

<WWE王座タイトル・テーブル・マッチ>
○ザ・ミズ(王者)
(テーブル葬)
●ランディ・オートン

<ナンバー1コンテンダーズ・ラダー・マッチ>
○ジョン・モリソン
(契約書奪取)
●シェーマス

<タッグ王座タイトルマッチ>
○サンティノ・マレラ、ウラジミール・コズロフ(王者)
(反則)
●ヒース・スレイター、ジャスティン・ガブリエル(挑戦者)

<テーブル・マッチ>
○ナタリア、ベス・フェニックス
(テーブル葬)
●レイクール

<IC王座タイトル・ラダー・マッチ>
○ドルフ・ジグラー(王者)
(ベルト奪取)
●コフィ・キングストン(挑戦者)、ジャック・スワガー(挑戦者)

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