毎年恒例になっている新日本プロレスの1・4東京ドーム大会。今年の目玉は新日本プロレスvs.ノアの全面対抗戦。
タッグマッチなどでお茶を濁すことなく、トップ選手同士のシングルマッチがラインナップされたのは評価出来るが、残念ながら東京ドームを超満員にすることはできなかった。
しかもファンが熱狂するほどの名勝負は生まれず、メインのカードが中邑真輔の持つIWGPヘビー級のベルトに、ノアの選手が挑戦するのではなくノアにセミレギュラー出場している高山善廣が挑戦する一戦だったため対抗戦の大将戦には計算されない。
そのため対抗戦の戦績は2勝2敗。この辺の予想は大方のファンがしていたはずだ。
だが、いまの新日プロがノアに対して圧倒的優位の立場にいたのならば、対抗戦の成績を3勝1敗、もしくは4戦全勝にだって出来たはず。そのほうがファンに与えるインパクトは大きかった。だが、それをさせなかったということは、ノアが団体として新日プロにのみ込まれていない証明である。
地上波のテレビ放送を失っても新日プロとの関係はあくまでも対等・・・それがノアの新日プロに対するスタンスだ。
とはいえ、ノアに余裕がないのは明らかだ。
小橋建太は肘のケガが日常生活にも支障をきたすほど悪化し無期限欠場に入った。例え手術が成功しても現役復帰できるかどうか分からないという。
さらに昨年末付けで、泉田純至、川畑輝鎮、菊地毅、橋誠、本田多聞、マイティ井上レフェリーを解雇し、志賀賢太郎はフリー契約となったことを発表した。
「マット界舞台裏」ではちょうど1年前の2009年1月1日号で、すでに08年暮れの契約更改の時点で、数人の選手とレフェリーに“戦力外通告”を突き付けていることをスクープしている。
ただし、ノアの場合は「あたなはクビだよ。はいサヨウナラ」とはいかず、飲食店などの経営に乗り出し、リストラ組をそこへ斡旋する予定でいた。
ところがそういった計画も、社長だった三沢光晴さんの急逝によって一旦ストップ。だが、リストラをストップすることは出来ず、ついに本田や菊池らの解雇が発表された。こればかりはどうしようもない。アマレスの猛者であった本田には、K−1の谷川プロデューサーも興味を持っているようだが、果たして何人プロレス界に残れるだろうか?
井上譲二記者は今週号で、そんなノアが実は新日プロをも巧みに利用して、一発逆転を狙った大勝負に出るマル秘プランを立てていることを再びスクープした!
新日プロだけではない。日本プロレス界全体を巻き込むようなビッグプロジェクトである。
確かにこの大勝負が成功すれば、ノアにバク大な利益がもたらされることになると思われるが・・・