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TUF10に喧嘩屋 キンボ・スライスが参加

UFC98ではリョート・マチダのLヘビー級王者戴冠で多いに盛り上がった。そしてその興奮が冷める間も無く、ジ・アルティメット・ファイター(The Ultimate Fighter)シーズン10のコーチがクイントン・ランペイジ・ジャクソンとラシャド・エヴァンスに決定し、更に話題を振りまいているUFC。ミルホンネットでもこの注目のUFCの流れを追い続けており、リョートが王者になったUFC98に関してはミルホンネットの井上譲二:週刊ファイト前編集長 週刊マット界舞台裏'09年6月04日号で特集し、ジャクソンとエヴァンスのコーチ就任もTUF10のコーチにクイントン・ジャクソンとラシャド・エヴァンスで取り上げているが、今度はそのTUFシーズン10に、あのキンボ・スライスが参戦する事が明らかになった。TUFはUFC躍進のきっかけになったリアリティー・ショーでUFC出場、契約を望む総合格闘家が共同生活をしながら競い合う番組。今回はヘビー級の選手ばかり16人が合宿で共同生活をする予定になっている。その中に、知名度が絶大なキンボが参加するのだ。

このキンボ・スライス、そこ凶暴そうな筋骨隆々の“ワル”のイメージ通りの黒人選手で、フロリダの地下ファイトで全勝(あくまで本人の申告)。ポルノ会社の用心棒をする傍ら自分の喧嘩、ストリート・ファイトのビデオをネットで配信して一躍有名になり、競技として洗練されてきた、アメリカのMMAシーンの流れから逆行する野性味溢れる魅力で大ブレイク。
全米で放送された、当時UFCの対抗団体の『エリートXC』のエースとして君臨、往年の喧嘩屋、タンク・アボットを倒して全米のスターに躍り出た。
しかし、その後、ジェームス・トンプソン戦ではレフリーが疑惑のミスジャッジを行い、なんとか辛勝したものの、完全にメッキが剥がれ、続く、セス・ペトルゼリ戦では一方的に殴られ秒殺TKOを喫している。
尚、この一連のキンボ疑惑のミス・ジャッジに関してはミルホンネット独占のジェームス・トンプソンの証言を掲載した戦極REAL大全2009に詳しく掲載されているので合わせてお読み下さい。

UFC代表のダナ・ホワイトはそんなキンボを酷評、もしUFCに参戦するなら、TUFで一からやってもらうと挑発していたが、それが実現する運びとなった。

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このTUFに参加する選手は、ズブの素人では無く、基本的には主にローカルMMA大会などで経験を積んでいる実力者。例えばTUF出身の人気者、フォレスト・グリフィンにしても、TUF参加以前にKOTC、IFCと言った大会を渡り歩き、日本でも馴染み深い、エベンゼール・ブラガやジェフ・モンソンに勝利している。

しかし、キンボの様に実力はともかく、全米生放送された、大きな大会『エリートXC』でメインを張った看板選手が、TUFの合宿に参加して一からやり直すという例は無い。というのもグリフィンのケースで分かる様に、TUFはMMA経験があり、実力もそれなりにあるが知名度の無い選手をTV番組を通して知名度を上げようという狙いがある番組だからだ。

そこに知名度が高いがMMAの実力は?なキンボが参戦するのはかなり高いリスクを伴っているだろう。キンボは『エリートXC』崩壊後、吸収したストライクフォースから、あまりに人気と実力が伴わないので契約を保留にされていた選手。キンボ本人も寝技がまったく出来ないので、寝技の無いボクシングに転向するなどと発言していた事もある位、寝技が不得手である上に、そのキンボに勝利しているセス・ペトルゼリでさえ、TUFのシーズン2に参加しているのだが、決勝まで勝ち残れなかったという現実。

この茨の道にあえて挑戦するキンボの勇気だけは賞賛したい。

井上譲二:週刊ファイト前編集長 週刊マット界舞台裏'09年6月04日号
戦極REAL大全2009
TUF10のコーチにクイントン・ジャクソンとラシャド・エヴァンス
キンボに勝った男 ショーン・“ザ・キャノン”・ギャノン

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2009年06月03日 12:59に投稿されたエントリーのページです。

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