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ジェリコ、レスナー「Wrestling Observer大賞」が発表 鷹の爪大賞との比較

08.12.14jericho.jpg Wrestling Observer Newsletterが2008年大賞を発表した。WRESTLER OF THE YEAR
1. CHRIS JERICHO (139)1,198
2. Edge (116)1,168
3. Shawn Michaels (157)1,111
4. Keiji Muto (97)976

 注目の栄冠は復帰したクリス・ジェリコの手に。しかし投票数を見てもわかる通り、エッジ、ショーン・マイケルズと激しい三つ巴戦だったことがわかる。ある意味では昨年のように誰が見てもジョン・シナですっきりしていたのと違い、しゃべらせても、試合させてもレベルの違いを見せつけたスラミー賞受賞のジェリコなのか、Smackdownブランドを引っ張り、ヒール王者として安定したエッジなのか、常に千両役者であり続けるショーン・マイケルズだったのか、という難しい選択であった。
 鷹の爪大賞は、本物のアメプロ・マニアの意見を吟味してエッジに。ビッキー・ゲレロGMと絡む愛憎ドラマをやらせても、日本のプロレスの学芸会とは比較にならない迫真の演技。必殺技スピアー以下魅せる技術にせよ、若さ溢れるエッジが大黒柱に成長していた。

 ジェリコがWO大賞をかさらったのは投票の点数の付け方もあるが、
FEUD OF THE YEAR
1. CHRIS JERICHO VS. SHAWN MICHAELS (443)2,647
2. Undertaker vs. Edge (56)1,195
にて、2位のエッジとアンダーテイカーの抗争より倍以上の票を集め、ダントツの印象を残したことも大きい。大人のファンまでが、二人の対立が部分的にマジなんじゃないかと思わせてしまうのだから、いかに日本の因縁抗争カードとは、演技のスケールが違い過ぎることか。そりゃ、いくら日本マニアの意見が大きく左右するWO大賞といえども、ジェリコとHBKのにらみ合いだけでしびれまくった論客のほうが圧倒的多数派だったことになる。
 ジェリコはほかにも、ベスト・インタビュー賞も獲っている。ちなみにこのカテゴリーの4位には、UFCのダナ・ホワイトが入っていた。どっちがガチンコ発言なんだという点で、ジェリコのほうが面白かったということだろう。ちなみに年間最高試合賞も、10月5日のジェリコvs.HBK戦となった。一時は日本の試合のほうが評価が高かったWO大賞であるが、今や足元にも及ばないということなのだろうか。

ufc-logo.jpg 総合格闘技に目を向ければ、元プロレスラーのブロック・レスナーが、ランディー・ク―トゥアに勝ってUFC王者になった(11月15日-UFC91)ことが、大きなインパクトを残したことになる。もっとも、名勝負だったかと問われれば、鮮やかな一本勝ちだったわけでもなんでもないのであるが、やはりマニア層だけでなく一般のPPV購入があったからこそのUFC人気だし、WWE王者だったレスラーがガチンコの権威のベルトも巻いたというのは、物語としても大衆にアピールした格好だ。

 実際UFCはWWEを抑えてPROMOTION OF THE YEARに輝いているし、日本人からしたらまじめ過ぎてつまらないTHE ULTIMATE FIGHTER(TUF)が、WWEのRAW(2位)ではなくBEST WEEKLY TV SHOWに選ばれてしまうのだから、2008年も日本から遅れて花開いた総合格闘技ブームが続いていることになる。
 ちなみにその「最高TV番組」賞であるが、8位がノア中継、9位が新日本のワールドプロレスリングだというのに、5位がDragon Gate Infinityというのが目を引く。言葉のハンディなく楽しむという観点からは、どっちが面白いかと聞かれたら、外国人ファンは正直に答えるしかない。

 「年間ガチンコ試合」賞は、UFCのフォレスト・グリフィンが、PRIDEのクイントン・ジャクソンを破ってライト・ヘビー級王者になった7月5日のUFC86という結果に。どうしても一般ファンには、TUF出身のグリフィンに感情移入してしまうようだ。こちらは鷹の爪大賞をおさらいするまでもなく、日本ファンの視線とだいぶ違ってきていることは否めない。UFCはWOWOWでの放送が始まったが、米国版の伝え方と余りにも違うのも気になるところ。2時間版だからしょうがないとも言えるが、ジョン・ローガンの実況や勝利者インタビューがカットされているので、あとで英語版を見直すとまるで別番組の世界である。

 
09.1.22wo-booker7.jpg WO大賞で大人のファンをニヤニヤさせるのは、年間ブッカー大賞であろう。
1. JOE SILVA383
2. Gabe Sapolsky229
3. Gedo & Jado86
4. Mike Quackenbush55
5. Vince McMahon29
6. Michael Hayes28
7. Genki Horiguchi26
 鷹の爪大賞でも、「邪道・外道が新日本の現場監督という裏ニュースのほうが、真のインディー大賞に推薦したい」との発言があったが、WO大賞でもUFCのジョー・シルバ、ROHのゲイル・サポルスキーに継いで、いきなり票数は落ちるんだけど堂々の3位に選ばれました。もっとも、7位の堀口元気のほうが喜んだマニアがどれだけいたことか・・・。
 ちなみに、レスラー大賞に話を戻せば、武藤敬司が4位であるが、7位は鷹木信悟である。堀口元気の才能は業界関係者に認められたのだ。

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2009年01月22日 20:02に投稿されたエントリーのページです。

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