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UFC90速報〜引退をほのめかすアンデウソン・シウバは?

総合不況が叫ばれて久しい日本を尻目に躍進し続けるUFC。
先日も10月25日(土・現地時間)に『UFC90 SILVA vs COTE』が米国イリノイ州シカゴで行われた。

UFCでもっとも激戦区と言われるウェルター級戦では、弘中邦佳をTKOし、マット・ヒューズ、カロ・パリジャン、クリス・ライトルというトップ選手を次々と膝蹴りで葬ってきた、ニュースター、チアゴ・アウベスがジョシュ・コスチェック相手に危なげなく判定勝利を納め、同級王者ジョルジュ・サンピエールへの挑戦を猛アピールした。

またヘビー級戦では、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの元で練習しているUFC初参戦の若きブラジリアン・ファイター、ジュニオール・ドス・サントスがPRIDEでも活躍し、あのエメリヤーエンコ・ヒョードルの弟であるエメリヤーエンコ・アレキサンダーから一本勝ちをした実績のあるファブリシオ・ヴェウドゥムから大金星、アッパーカットによるKO勝利で会場を盛り上げた。

しかし、そのメインである、UFCミドル級王者戦、アンデウソン・シウバvsパトリック・コーテでアクシデントが起こった。

アンデウソン有利で迎えた3R、試合中にいきなりコーテが足を押さえて倒れこみ、そのまま棄権で試合終了となったのだ。
ステップを踏んだ時に右ヒザを脱臼したらしい。こういったアクシデントは仕方ないのだが会場は当然、大ブーイング。コーテは勿論、勝者であるアンデウソンもオクタゴンで観客に謝罪していた。

ここで気になるのはアンデウソンのモチベーションだろう。
というのもここ最近、アンデウソンは地元ブラジルのTV局やSHERDOGのラジオインタビューなどで頻繁に引退を仄めかしていたからだ。

「自分はもうやり尽くした、1年以内に引退する」

こんな台詞を頻繁に口にするアンデウソン。現在、同階級最強と言われ、一番乗ってる時期にこう言った発言を繰り返す真意ははっきりされていないが、一説にはモチベーションの低下ではないかと言われている。

ダナ・ホワイトを筆頭にプロモーターや選手の間では非常に評価の高い選手であるアンデウソンだが、その反面、TVの視聴者、観客からは不人気である。
打撃を主体にエキサイティングな試合をするのだが、どうしても人気が出ない。
その理由は選手層の薄いミドル級である事や黒人であるからとも言われているが、むしろ、英語が話せないのも大きな理由なのでは無いだろうか?

アメリカ人以外でUFCで人気があるのは、MMAのパイオニアとして尊敬を集めているホイス・グレイシーは別枠としても、ジョルジュ・サンピエール(カナダ人)、ビクトー・ベウフォート(ブラジル人)など英語スキルの高い選手がほとんどである。勿論、別枠のホイスも英語が普通に喋れる。
逆にアンデウソンは英語が喋れないのでTVなどで露出させにくいという面もあるだろう。

そして今回の消化不良の試合でブーイングを浴び、ますますモチベーションが下がってしまい、本当に引退してしまうと非常に惜しい。
UFCだけでも、今回、怪我で対戦が流れてしまった岡見勇信や人気者のマイケル・ビスピン、更にはミドル級はUFCに吸収される噂のあるWECのチェール・ソネンなどミドル級にはまだまだ、アンデウソンと戦って楽しみな選手も多い。
アンデウソン・シウバは何とか気持ちを切り替えて今後も試合をして欲しいものである。

主な試合結果
○アンデウソン・シウバ(3R39秒 TKO)パトリック・コーテ×
○チアゴ・アウベス(3R終了 判定)ジョシュ・コスチェック×
○グレイ・メイナード(3R終了 判定)リッチ・クレメンティ×
○ジュニオール・ドス・サントス(1R1分20秒 KO)ファブリシオ・ヴェウドゥム×
○ショーン・シャーク(3R終了 判定)タイソン・グリフィン×

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2008年10月27日 05:09に投稿されたエントリーのページです。

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