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非常事態下のメイン――武藤正規軍とみのるGURENTAIが守った“プロレスLOVE”

 セミでの壮行試合で雷陣明が突如意識不明に陥り、観客席が凍りついた13日の全日本・後楽園大会。この状態でメインイベントを行えるのか!? と、現場に居合わせた誰もが不安を抱いたが、武藤敬司率いる全日正規軍と、鈴木みのる率いるGURENTAIの総勢10人は、この非常事態下でも普段着のプロレスを展開。プロフェッショナルの仕事に徹することで、それぞれの“プロレスLOVE”を観客に刻み込んでみせた。

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こんな状況下でも観客を満足させるのがプロの役目。頼んだぞ!


 救急隊の到着まで20分、その後のリング調整で10分。合計30分のブランクの後に行われたメインは、正規軍が武藤、GURENTAIがみのるを大将に据えての5vs5、キャプテンフォール・イリミネーションマッチ。総勢10人がリング内外を目まぐるしく動き回り、途中正規軍の真田聖也が、NOSAWA論外とTAKEMURAをピンフォールし沸きに沸かせるが、最後はみのるが武藤をゴッチ式パイルドライバーで仕留めGURENTAIの勝利。かねてからの予告通り、以降の全試合でGURENTAIがメインを張ることを強要した。

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みのるの狙いは武藤ただ一人!
武藤vsみのるの攻防は、新日OBらしい正調レスリングの応酬

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若い真田も大健闘を見せたが…

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最後はゴッチ式パイルで、みのるが武藤をピン。GURENTAI全員で喜びを爆発させた


 以下はみのるの試合後コメント。

 だいたいな、やる前からテンションが違うんだ。やる気の問題だよ、アー!? 俺たちは今日に限ったことじゃねえけど、負けたら明日はねえんだ。負けたらよぉ、明日から俺らフリーターだから。いや、働かねえからプータローか(笑)。これで俺ら、腰据えて全日本プロレスの乗っ取り成功だ! 俺たちが明日から全試合メインだ、アー!? それから最終戦の横浜文化体育館! 諏訪魔vsグレート・ムタなんて前座行きだ! これは決定事項だ! 俺らより弱い奴がメイン張るな! だからなぁ、プロレスは舐められんだよ。人の試合の前にミソつけた奴もいるしよぉ(苦笑)。

 勝った奴だけが生き残れんだよ。俺らここまで、勝って勝って勝ち抜いてきたんだからよ。それがプロレスのすべてだってことよ。(カメラに向かって)そのレンズの向こうの少年少女プロレスファンとよ、そっからインターネットばっかりいじくってるオタク野郎どもとよ、そっから飲み屋の姉ちゃんとか、力道山の時代からプロレス見てる爺さんとか、そいつら全員、これからは俺たちだけ見てりゃいいんだよ。
 だいたい何だF4ってのはよ? そっかアイツら、今さら韓流ブームに乗ろうとしてんのか。でもいくら何でもそりゃ遅えだろ(笑)。ま、小島らしいっちゃ小島らしいけどな。

 ま、これから全員かわいがってやるからよ。もしかしたら、今シリーズで全日本プロレス、終わりなんじゃねえのか? 今日はとりあえず、中心の入口開けただけだ。まだド真ん中までは行ってない。ド真ん中だよド真ん中。(論外に向かって)おい、またぐなよ?(笑)。

 さぁどうすんだ武藤? てめえがIWGPだ三冠だってうつつ抜かしてる間に、俺たちが本丸乗っ取ったぞ!? 全日本プロレスの主役は武藤でもない、諏訪魔でもない、F4でもヴードゥーでもない、俺たちGURENTAIだ。

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「このサングラスはな、スミスっていうメーカーのだよ! ちゃんと書けよ!
 俺らこれから全日本の経費で打ち上げ行くからよ」


 コメントだけ聞けばいつもの悪辣みのる節だが、雷陣緊急搬送という非常事態下にあっても、慌てず騒がずプロの仕事に徹したみのる以下GURENTAIの5人、無論敗れた武藤正規軍も、プロレスラーとして実に立派だった。凍りついた観客席に熱気と歓声を取り戻し、観客に笑顔と満足を与えて帰してみせたメインの10人に、改めて敬意と称賛を送りたい。
 
 なお心配された雷陣の容態だが、病院の診断の結果、一過性の脳震盪であったことが判明。すでに意識も回復しており、命にも別状はないとのこと(14日午後1時現在)。あとは一日も早いコンディションの回復が待たれるばかりである。

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新ユニット「F4」初お披露目の小島聡は絶好調で、豪腕ラリアット一閃。
しかし“brother”YASSHIのこの受けっぷりも凄い!

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この日出色だったのが、元気良すぎなテンションで沸かせた大和ヒロシ大応援団。
「オマエら、のど自慢の客かいな!?」。TARUとの絡みは爆笑モノでした!


■全日本プロレス『FLASHING TOUR 2008』開幕戦
9月13日(土)開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール

<第6試合 メインイベント キャプテンフォールマッチ>
●武藤敬司、西村修、ジョー・ドーリング、カズ・ハヤシ、真田聖也
(22分7秒 ゴッチ式パイルドライバー→エビ固め)
太陽ケア、○鈴木みのる、NOSAWA論外、MAZADA、TAKEMURA

○みのる−西村● 2分26秒 逆さ押さえ込み
●MAZADA−武藤○ 10分55秒 シャイニングウィザード→体固め
○NOSAWA−カズ● 13分56秒 超高校級ラ・マヒストラル
○ケア−ドーリング● 15分58秒 TKO→片エビ固め
●NOSAWA−真田○ 18分11秒 飛龍原爆固め
●TAKEMURA−真田○ 18分35秒 足折り回転固め
○みのる−武藤● 22分7秒 ゴッチ式パイルドライバー→エビ固め
※GURENTAIが勝利

<第5試合 セミファイナル 雷陣明壮行試合>
○諏訪魔 
(5分45秒 レフェリーストップ)
●雷陣明

<第4試合 6人タッグマッチ>
○小島聡、KAI、大和ヒロシ
(15分6秒 ラリアット→体固め)
TARU、ゾディアック、●“brother”YASSHI

<第3試合 シングルマッチ>
○土方隆司
(7分18秒 逆片エビ固め→レフェリーストップ)
●T28

<第2試合 シングルマッチ>
●征矢学 
(8分52秒 キングコングラリアット→エビ固め)
○近藤修司

<第1試合 タッグマッチ>
○渕正信、フィル・アトラス
(8分22秒 首固め)
●荒谷望誉、平井伸和

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2008年09月14日 13:00に投稿されたエントリーのページです。

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