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共産主義者!? ジェフ・モンソン

先日の戦極でジョシュ・バーネットとメインで親友対決で惜しくも敗れたジェフ・モンソン。

日本では“UFCの野獣”としてPRIDE最終興行のメインで藤田和之と対戦し、藤田をチョークスリーパーで締め落として、観客をがっかりさせた、強いけど地味な選手という印象しか無いのだが、彼も実は非常に個性的な選手である。

勿論、試合はかなり地味。寝技世界一を決めるアブダビ・コンバットでも常に優勝、もしくは準優勝と寝技の実績も凄いが、それは逆に手堅い戦術の選手であるという事になる。
実際にレスリングをバックボーンに柔術を取り入れた戦術を駆使して戦うのでグランドで攻めるのは至難の業。更にずんぐりむっくりしたモンソンの体型はチョークなどの極め技がかかりにくい体型であり、打撃、KOで負ける事はあっても一本負けは無い。

これだけだと塩な選手というだけだが、モンソンの個性は試合では無い。その政治的な姿勢を全面に押し出す事で有名なのだ。モンソンは自分は共産主義者だと公言しており、特に貧富の差、日本でも最近、話題の格差社会に対して非常に不満をもっている。
実際、モンソンの背中に大きな“A”のタトゥーがあるが、あれは欧米のコミュニストのマークだ。

日本では刺青、タトゥーはファッションとしてしか認識されないが、欧米では自分の信念をアピールするケースも多い。例えばPRIDEに参戦したLA・ジャイアントは身体中にハーケンクロイツ、ケルティック・クロスなど白人至上主義者が好んで使う紋章をタトゥーを入れていた。
こういった思想に疎い日本だから普通に地上波でLA・ジャイアントの試合が放送されたが、アメリカでは放送出来なかったかもしれない。

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刺青の珍獣ジェフ・モンソン ジョシュによれば「弱点は蜘蛛とアイスクリーム」

モンソンも自分の思想を全面に出す選手で、試合後のインタビューでも試合や格闘技と関係ない政治談議をはじめる事で有名だ。
「貧富の差を闘いの場に持ち込まないでいいように、ステロイドなどの禁止薬物の使用を自由化させるべきだ」
と主張したのは日本にも伝わっている。

但し、共産主義と言ってもソビエトや中国を肯定してる訳ではなく、どちらかというとアナーキスト、悪く言えば青臭い理想主義、ジョン・レノンの世界と言った感じだ。

故に戦極の試合後にも、試合の話はそっちのけで「チベットに自由を!」と主張したのも、今までのモンソンを知っていれば理解出来る話なのだ。
モンソンは常に弱者の味方、虐げられてる人の味方なのだ。

こうして見れば、藤田を絞め落としてしまって空気の読めないつまらない選手、という印象から、愛すべき選手であると印象が変わっていくかもしれない。

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2008年05月21日 23:26に投稿されたエントリーのページです。

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