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開き直りの美学!冬木弘道は永遠に〜5周忌によせて

 3月19日は冬木弘道の命日だった。あれからもう5周忌だったことになる。

 アメリカでのエンターテイメント宣言以降のビジネスの爆発を耳にしたのであろうか、日本でも時機到来だと「プロレスはショーだ」と高らかに公言してみせ、具現化したのが冬木弘道であった。それがもう10年以上前の事になるが、皆さんは覚えているだろうか?

 「新日本、全日本(プロレス)にないもの、先を行った進化したプロレスが(FMW)エンターテイメントプロレスで、退化させたのがUWFなんだ」という名言を残したことでも記憶に残る。それに準じて先輩風を吹かすのが嫌いな冬木は、毒にも薬にもならない封建主義的な箇所を排除するのも同時に忘れなかった。
 この当時、大人の愛好者層はボス冬木の刺激的なシュート発言の数々は大いに関心事であったものだ。よくぞいままで言えなかったであろう正論を言ってくれたという思いである。

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 現在話題であるハッスルに通じた道は、近未来プロレスの先駆者・冬木弘道の見果てぬ夢であったように思えてならない。
 冬木が天に召される前での、犬猿の間柄と思われたミスターライアー・大仁田厚との涙の抱擁劇には多くのプロレス愛好家は感動を覚えた。そして自身のこれまでのプロレス人生を投影したかのごとく凄絶なる最後のドラマを、破壊王と呼ばれた故・橋本真也と対峙してリング上にて見せつけ見事に昇華させたリアルプロレスラー冬木弘道の雄姿が未だに瞼に焼き付いて離れない。

 業界の改革者としての彼の側面と功績を、プロレスを愛する者ならばけっして忘れてはならないだろう。理不尽大王と呼ばれたエンターテイメント・プロレスの先駆的存在としての再評価を、筆者はつとに願うばかりである。  
 合掌

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2008年03月26日 02:49に投稿されたエントリーのページです。

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