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松本幸代のミルブロ!

【ライカとミリオンダラー・ベイビー】

本当は一昨日からブログを始めたが、間違って消してしまった。
でも、そのほうがよかったかもしれない。
日記のタイトル「赤野さんと矢野さん」が、レイアウトの関係でそのままブログのタイトルになってしまったからだ。
「赤野さんと矢野さん」も、含みがあってなかなかシュールなタイトルだが、やっぱり分かりやすいものにしよう。

「ミルブロ!」

本を見るから「ミルホン」。ブログを見るから「ミルブロ」。
そんな感じでひとつ、よろしくお願いします。


今日は某誌の忘年会。
だが私は今、しがない部屋の、しがない(でも精一杯奮発はした)机の前にいる。
ものすごく出席したかったのだが、仕事がどうにもこうにも終わらず欠席した。
こういう時は、「生きる意味」というところまで突き詰めて考えたくなるほどガックシくる。

今、テレビでは映画『ミリオンダラー・ベイビー』をやっている。

米国女子ボクサーの光と闇を描き、アカデミー賞4部門を受賞した作品だ。
監督はイーストウッド。最新作の公開に合わせてのテレビ放映だろう。

映画をボーっと観ていたら、一人の日本人女子ボクサーを思い出した。
現IFBA世界女子スーパーライト級王者、ライカ。
昨年、この映画を観たばかりというライカに感想を聞いてみたことがある。ライカは複雑そうな顔をして、ぽつりと言った。

「ほんまに他人事とは思えない映画でしたよね。正直」

主人公が遭遇するあまりに衝撃的な結末に、ショックを受けたようだった。

「お前のボクシング人生には、こういう結末もあるんやぞって見せつけられた気がするんですよ」一点を見つめながらそう言ったライカは、ちょっとだけ考え込むそぶりを見せ、それからアハハと笑って続けた。

「まあそれでも、何があっても、自分の中ではやるって決めてるんですけどね」
                   


12月15日、東京・歌舞伎町の新宿FACEで、ライカは米国人ボクサーを相手にWIBA世界ライト級王座決定戦を闘う。これに勝てば、日本の女子ボクサーでは前人未到の3階級制覇達成だ。
だが、ライカはベルトにこだわらず「自分のスタイルを、ぶっ倒すボクシングをするだけですよ」と言っていた。

ボクシングに限らずすべての格闘技の中で、男女の別なく、試合で生き様のすべてをさらけ出せる選手はそうそういない。ライカは数少ない一人。ライカの試合を観るたびにそう思うし、できるだけ多くの人に、一度でいいからライカの試合を観てほしいと願う。

ライカも同じことを言っていた。

「いろんな人に今度の試合を観に来てほしい。今度が最後になるかもしれないし。だって、本当に何が起こるか分からないですからね。それがボクシングですからね」

ああ、テレビを消さないと。
仕事をしなきゃ、もう本格的にヤバい。
それに、ここから先の『ミリオンダラー・ベイビー』を観るのは、ちょっと辛すぎる。

ライカHP= http://www.sweet.jp/raika/

 

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2006年12月07日 22:13に投稿されたエントリーのページです。

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