[週刊ファイト9月10日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼タイトル・マッチとは違う魅力満載! G1、N-1、チャンカンの各リーグ戦
by 安威川敏樹
・今年からクライマックス・シリーズの方式が変更、その問題点とは?
・矛盾だらけのクライマックス・シリーズ、それでもCS存続を推す理由
・力道山時代から脈々と繋がるプロレスのリーグ戦と、その特徴
・悪名高き『不透明決着』が生んだ、勝ち点におけるリーグ戦の妙
新日本プロレスで開催された今年のG1クライマックスは、大岩陵平の初優勝で幕を閉じた。『春の祭典』全日本プロレスでのチャンピオン・カーニバルは鈴木秀樹が初優勝。プロレスリング・ノアのN-1 VICTORYは9月12日(土)に開幕する。
プロレスのリーグ戦は、タイトル・マッチとはまた違った魅力があるものだ。チャンピオンvs.チャレンジャーという1対1の勝負ではなく、実力者たちが一堂に会して優勝レスラーを決定する方法は、中身が詰まった試合が続くことを意味する。

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今年からクライマックス・シリーズの方式が変更、その問題点とは?
今年からプロ野球(NPB)におけるクライマックス・シリーズ(CS)の方式が変わると発表された。CSとは、セントラル・リーグとパシフィック・リーグのペナント・レース3位以上が出場し、両リーグの代表として日本シリーズ進出チームを決める制度である。
具体的に言うと、まず3位チームと2位チームが3試合制CSファースト・ステージを行い、2勝したチームがCSファイナル・ステージに進出。ファイナル・ステージは6試合制となり、ファースト・ステージ突破チームとリーグ優勝(1位)チームで争い、4勝したチームがリーグ代表として日本シリーズに進出するわけだ。ただし、リーグ優勝チームには1勝のアドバンテージが与えられ、実質3勝でファイナル・ステージを勝ち抜けとなる。
今年も基本的にこのルールに違いはないが、リーグ優勝チームとファースト・ステージ突破チームとの間に10ゲーム以上の差があるか、あるいは突破チームの勝率がレギュラー・シーズンで5割に満たなかった場合に、ファイナル・ステージの方式が変更されることとなった。
このケースでは、リーグ優勝チームに2勝のアドバンテージが与えられ、5勝で日本シリーズ進出となる。つまり、ファースト・ステージ突破チームは5勝必要だが、リーグ優勝チームは3勝で日本シリーズに出場できるのだ。したがって、CSファイナル・ステージは最大7試合となる。
このような方式に変更した理由は、10ゲームもの大差があった下位チームや、レギュラー・シーズン勝率5割未満のチームが日本シリーズに進出すれば、143試合も行うペナント・レースの意味がなくなるのではないか、という意見が多いことにあった。特に勝率5割未満チームについては、大相撲で言えば負け越した力士が賜杯を手にするようなもので、絶対に有り得ない、と。
リーグ優勝チームとはそれだけの差があるのに、僅か1勝のアドバンテージはおかしい。とはいえ、現行のままでリーグ優勝チームに2勝のアドバンテージを与えると、ファイナル・ステージはたった2勝で突破ということになり、これでは興味が削がれる。それならば計5勝で突破として、リーグ優勝チームでも3勝は必要とする、いわば最大公約数的な制度だ。
ただ、この方式でも批判はある。こんなややこしいCSにしてどうするんだ。相変わらず負け越しチームにも日本シリーズ進出のチャンスがあるではないか。いやいや、アドバンテージがある方がおかしい。アメリカのプロ・スポーツのポスト・シーズンではハンディなんてないだろう。
そもそも、CSそのものを廃止しろ。現行のCS制度ではリーグ優勝しなくても日本シリーズに進出する可能性があるが、日本シリーズはセ・パ両リーグの覇者によって日本一を争うべきだ。それに、全チームの半分もCSに進出できるなんて、ペナント・レースの意義が無くなってしまう。

矛盾だらけのクライマックス・シリーズ、それでもCS存続を推す理由
CSの原型が始まったのは2004年から。この年、NPBでは球界再編騒動が起き、特に不人気だったパ・リーグは赤字に喘いでもう経営をやっていけないという球団が続出した。
そこでパ・リーグは人気回復策として、消化試合の激減が見込まれ、同時に盛り上がりが期待できる短期決戦を導入するという、プレーオフ制度を実施したのである。方式としては現在のCSに似ているが、この時はまだリーグ1位に対するアドバンテージはなく、第2ステージ(現在のファイナル・ステージに相当)は5試合制3勝で勝ち抜け、またプレーオフ突破チームがそのままパ・リーグ優勝チームとして日本シリーズに出場した。
やがてプレーオフが定着し、パ・リーグの人気が上がり始めると、セ・リーグもそれに続くようになる。2007年からセ・パ同じ方式となってクライマックス・シリーズに改称、ペナント・レース1位はあくまでもリーグ優勝となった。つまり、リーグ優勝とCS優勝が別チームになるという現象も起き、日本シリーズ出場チームが必ずしもリーグ優勝チームではなくなったのである。
2008年からはセ・パとも第2ステージは4勝で勝ち抜け、リーグ優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられるという、2025年まで続く方式に変更された。
年配の方なら憶えているかも知れないが、2004年頃よりももっと不人気だった1973年のパ・リーグでは、前・後期制のペナント・レースが始まっている。1年を2シーズンに分け、前期優勝チームと後期優勝チームが5回戦制(3勝で勝ち抜け)のプレーオフを行い、勝った方がパ・リーグ優勝チームとして日本シリーズに出場するという制度だ。
前期の優勝争いと後期の優勝争い、そしてプレーオフという3つの見せ場を作ることによって、ファンを獲得しようとしたのである。しかし、前期と後期の優勝チームが同じ場合にはプレーオフは行われず、また前期優勝チームが後期には『死んだふり』したり、過密日程により選手の負担が増加したりするなどの弊害があって、1982年を最後にこの制度は廃止された。
現在のCS制度には賛否両論がある。正直に言うと、正解などないに等しい。どの意見も一長一短があるからだ。
筆者はCS賛成派だが、だからと言ってCS制度の廃止が決定しても反対はしない。CSがあると長いシーズンでの優勝は無意味。日本シリーズは両リーグ優勝チームが対戦することが本筋だ。負け越しチームに日本一の可能性があるなどチャンチャラおかしい。それに、過酷な長丁場のペナント・レースを勝ち抜いて日本シリーズに進出するからこそ、1988年の10.19のような名勝負が生まれるのだ。これらCS廃止論者の主張は全て正論である。
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それでも筆者がCS制度を推すのはなぜか。シーズン終盤までファンが楽しめ、球団経営的にも潤うから? もちろん、それもある。
しかしそれ以上の理由として、ペナント・レースの最後まで緊迫した試合が続き、短期決戦まであると競技レベルが上がるからだ。優勝争いはもちろん、CS圏内の3位争いまでもつれると、消化試合はほとんど無くなってしまう。
消化試合を10試合するよりも、緊張感のある試合を1試合経験した方が、選手は遥かに成長する。短期決戦の効果はそれ以上だろう。
高校から直接NPB球団に入団し、二軍で長年過ごすよりも、社会人野球を経てからNPB入りした方が大成する場合がある。これは社会人野球の主な大会がトーナメント方式であることと無縁ではない。しかも昨今の不況により、社会人チームは都市対抗や日本選手権に出場し好成績を残さないと、野球部の存続の危機に立たされるので、選手も必死でプレーする。社会人野球でギリギリの勝負を経験するため、大きく成長するのだ。

力道山時代から脈々と繋がるプロレスのリーグ戦と、その特徴
日本でのプロレスのリーグ戦は、力道山時代の日本プロレスで1959年に開催されたワールド大リーグ戦(後にワールドリーグ戦に改称)が起源である。それまでは、目玉となる外国人レスラーを日本に招き、力道山と一騎打ちする形でシリーズを盛り上げていった。
しかし、1954年に日本で本格的に始まったプロレスは、当初こそ大ブームを巻き起こしたものの、だんだん飽きられてきて興行は頭打ち、人気が低迷したのである。