【11.16 豊中 DEEP☆KICK ZERO 24 試合結果】
11月16日(日)豊中市・176BOXにて2部開催の内第1部『DEEP☆KICK ZERO 24』が行われた。するとオープニングイベント・アマチュアファイトからKO決着が生まれ大会に火をつけると、プロ本戦では第2試合~メインイベントまでの5試合全てがKO決着という波乱と激闘の連続となり、次のステージを目指すファイター達が自分の強みを存分に生かしチャンスを求めアピールした。
(文・三野龍生/写真・石本文子)
メインイベント 井上大和 vs. 山﨑天輔
メインイベントを飾るのはDEEP☆KICK-55kg第9代王者である保井広輝(LoTgym)への挑戦権を懸けたトーナメント準決勝。同級2位の井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM)と同級6位の山﨑天輔(VALIENTE)が向かい合う。井上は今回が3度目のトーナメント出場もまだトーナメントで勝ち星がなく、それもあってか「次こそは」という思いが表情からも伺える。対する山﨑は今回が初のトーナメント出場も2024年は3戦3勝、前戦では逆ブロックの虎太朗(キックボクシングジム3K)に判定負けも勢いにのっているファイターだ。
パンフレットでは井上が169cmに対し山﨑は177cmと8cmの身長差となっているが向かい合う両者を見るとそれ以上にも感じる。果たして1R、山﨑はリング中央に陣取ると左ミドルに前蹴りで圧をかける。対する井上は細かく動きながら踏み込んでのジャブにワンツー・左フックでヒットを奪っていくと、流れで右ハイキックを数発ヒットさせ会場からどよめきを起こす。まるで「身長差なんて関係ない」と言わんばかりだ、そのまま井上の攻勢は続いていき、山﨑も左ミドルに打ち下ろしのストレートなどで対処するも1Rはヒットに差が出た印象。
続く2R、勝負は一気に動く。1R同様にワンツーなど真っすぐのパンチを軸に攻める井上、山﨑はテンカオで応戦しようとするが井上のパンチの回転は速い、山﨑はコーナーに追い詰められパンチ連打を浴びていくシーンが増えていく。そして勢いに乗る井上はどんどんとパンチの回転を上げていくと、そのことごとくが山﨑を捉えていく。山﨑もトーナメントに懸ける思いも強いだろう、なんとか意地と根性でラッシュを耐え忍んでいたが遂に限界を迎えダウン、井上がパンチ連打でファーストダウンを奪う。なんとか立ち上がる山﨑だはダメージは明らか、そこに井上は追撃の右ストレートで2度目のダウンを奪うと山﨑のダメージを見たレフェリーが試合をストップし2R2分44秒、井上がプロキャリア初となるKO勝利奪取でトーナメント決勝進出を決めた。
自身初のKO勝利に涙を流しながらセコンドと抱き合った井上。すると先にセミファイナルの準決勝でこちらもKO勝利で決勝進出を決めた田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)がリングイン。マイクを握ると「(井上選手は)めちゃくちゃ強いので上がってくるだろうなと思ってました。でも3年前に自分の先輩の騎士君(牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM))とやってて騎士君が勝ってるので、大好きな先輩に追いつくって意味でもここはしっかり勝ってタイトルマッチまで行きます」と堂々宣言、対する井上はマイクを握ると「ずっと(試合で)倒すってことが出来なくて悔しかったんですけど、今日倒して勝てたので嬉しいです。次の田中選手も凄い強い選手なので、これからもっと努力して勝てるように頑張ります」と謙虚ながらも勝ちを狙う姿勢をファンに見せつけた。
果たして次の決勝戦を勝ち抜いて王者・保井への挑戦権を手にするのはどちらだ。両者は来年1月、176BOXで開催予定の「DEEP☆KICK ZERO 26」にてDEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント決勝で激突する。
セミファイナル 虎太朗 vs. 田中恒星
メインに続きDEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント準決勝が開催、同級5位の虎太朗(キックボクシングジム3K)と同級7位の田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)が激突した。虎太朗はプロ戦績は7戦3勝3敗1分、冷静沈着なスタイルとビックマウスで存在感をアピール、4月には逆ブロックの山﨑天輔(VALIENTE)を下しランキング入り、今回初のトーナメント出場となる。対する田中は元RKSバンタム級王者とベルト戴冠歴があり、決め所を逃さないアグレッシブな攻めが魅力的な倒し屋ファイターだ。
互いにDEEP☆KICKトーナメントは初出場、虎太朗が制圧するか田中が倒すかという試合展開が予想されたが試合は静かな立ち上がりを迎える。1R、田中はリング中央に陣取りカーフキックを蹴りながらタイミングを見計らう。対する虎太朗はリングを周りながら田中が入ってきたところにストレート、カーフと合わせるも互いにこれといった1発はなく、静かにタイミングを計り合い第1Rは終了。
すると続く2Rは1Rの静けさを忘れてしまうような激戦に突入する。ゴング後、互いに1Rに比べ少し近い距離での攻防から始まると、静寂を切り裂くかの如く放たれた田中の右ストレートが虎太朗を捉えそのままダウン、田中がファーストダウンを奪う。すると再開後、前に踏み込んでくる田中に今度は虎太朗が放った左フックがクリーンヒットすると今度は田中がダウン、虎太朗がすぐさまにダウンを奪い返すシーソーゲームとなる。会場は驚きと興奮の声で埋め尽くされボルテージは一気に最高潮。それに呼応するかの如く、このチャンスを逃しまいと互いがパンチで激しく打ち合っていくと、最中で再び田中の右ストレートが虎太朗にヒットするとそのまま虎太朗は後ろに倒れこみ2度目のダウン、立ち上がろうとする虎太朗だったがダメージを見たレフェリーが続行不可能と判断しTKO。2R2分1秒、ダウンの応酬となった激戦を田中がTKOで制し、トーナメント決勝進出を一足先に決めた。
RIZIN LANDMARK 12 in KOBE 勝利選手マイク
セミファイナル前には先日、11月3日「RIZIN LANDMARK 12 in KOBE」に出場し勝利を収めた2選手として、その日がプロデビュー戦でありダウンを奪い判定勝利を収めたDEEP☆KICKラウンドガールでもある伊藤菜の花(VALIENTE)、1Rに3度のダウンを奪い圧巻の1RTKO勝利を飾ったDEEP☆KICK-51kg第4代王者・KING陸斗(ROYAL KINGS)がリングイン。それぞれがマイクを握った。
▽伊藤菜の花
「自分がRIZINのような舞台に立ててホンマに嬉しいです。この後、メインイベントで天輔(山﨑天輔(VALIENTE))が試合するので応援お願いします、あとお兄ちゃん(伊藤千飛(真正ジム))も大きい舞台が決まるかもなので、そちらも応援お願いします」
▽KING陸斗
「1RKOで勝ててホンマに良かったです。これからもっともっと強くなって格闘技界の顔になるんで、ここからも注目と応援よろしくお願いします」
第4試合 細濱辰 vs. 堀井海飛
今大会である『DEEP☆KICK ZERO 24』、そして同日開催の第2部『DEEP☆KICK ZERO 25』ではDEEP☆KICK-57.5kg契約の試合が3試合が開催。ランキング戦はもちろん、先のトーナメント開催を見据えてという理由もあるだろう。そんな当階級の1戦として同級3位の細濱辰(TEAM MMK)とKrush・K-1を主戦場に戦うK-1ファイター・堀井海飛(空手道柔拳)が対戦。細濱は前トーナメントでプロ初敗北を喫し今回が復帰戦、対する堀井は現在2連勝中と勢いにのっており今回がDEEP☆KICK初参戦となる。
試合は1R、細濱がジャブにストレートと繰り出せば堀井はスイッチしながらストレートにフックと返すなど、お互いにパンチが鋭く早い。コンビネーションも互いにうまく、緊張感のある試合展開となっていく。最中、細濱がローブローを被弾するアクシデントはあるも、これといった差がなく第1Rは終了。コーナーに戻る堀井の頭部からは、細濱の有効打により出血が見られた。
すると2R、開始早々に堀井はドクターチェックが行われる。再開後、再び速い攻防が繰り広げられていくも細濱が再びローブローを被弾。長く休憩が取られるも再開後に三度のローブローを細濱が被弾してしまい、堀井に減点1が与えられてしまう。そしてその間も堀井の出血が見られ、再開後、今度は堀井にドクターチェックとタイムストップが連続してしまう。そんな中でも集中は切らない両者、再開後は堀井はガードを固めながら近距離に踏み込めば、細濱も負けじと近距離での攻防を受け入れ互いのパンチが交差していく。しかし堀井の出血は中々止まらず、何とか第2R終了となったが3Rが始まりすぐにレフェリー・ドクターが続行不可能と判断し試合終了。ドクターストップによるTKOで3R2秒、アクシデントが多く起こった中でも最後まで集中を切らさずに戦いきった細濱が復帰戦をTKO勝利で飾った。
第3試合 西尾仁徳 vs. 善家智哉
互いに6月に勝利を収めた者同士、西尾仁徳(拳心會館)と第2代AJKNスーパーバンタム級王者の善家智哉(FORWARD GYM)の1戦は早々の決着劇となる。1R、ロー・ミドルで序盤は様子を見る西尾に対しサウスポーの善家はミドル・ワンツーで静かに距離を測ると、最中に放たれた左ストレートがクリーンヒット、西尾はその場に崩れこみ善家がファーストダウンを奪う。そして再開後、善家は一気に圧を強めていくと、再びの左ストレートを1・2・3と連続でヒットさせ西尾がダウンした所でレフェリーが試合をストップ。1R1分20秒、強力な左ストレートを武器に確かな実力を見せた善家が1RTKO勝利を勝ち取った。
第2試合 加古稟虎 vs. イ・ウジン
DEEP☆KICK-65kg契約の日韓戦。プロデビューから2連勝もその後3連敗とここで再起を狙いたい加古稟虎(teamBonds)と韓国の名門・RAON GYMより日本でプロデビュー戦を迎えることとなったイ・ウジン(RAON GYM)が激突。試合は1R、サウスポーに構えるウジンに対し加古はタイミングを計りながらローに三日月と右の蹴りを走らせる。ウジンも左ハイにローと放つが手数は少ない。そんな中、加古がローブローを被弾し休憩が取られると再開直後、加古が繰り出した右ハイキックがウジンを捉えるとその勢いのままにウジンは倒れこみダウン、加古がファーストダウンを奪う。そこから加古は圧を強めコツコツと蹴りをまとめていき確実にヒットを稼ぎながらダメージを与えていく、対するウジンは防戦一方となってしまう。
続く2R、ここで巻き返しを狙いたいウジン。しかし加古は開始早々からウジンをコーナーに詰め威力の見えるボディ連打にワンツーと繰り出し反撃の目を与えない。ウジンもミドルにストレートと放つが中々ヒットが奪えないか、最中ストレートからのツーフックで加古が1Rに続き2度目のダウン奪取。ダメージは明らか、立ち上がったウジンだったが加古は圧巻のパンチラッシュでウジンを貼り付けにするとセコンドからタオルが投入され試合終了。2R1分53秒、2度のダウンを奪うなど圧巻の実力を見せた加古がTKO勝利を収め、これで連敗もストップ。ここから再びの連勝街道突入となるか。
第1試合 山口丈瑠 vs. 小堀厳基
結果的にこの第1試合は今大会唯一のKO決着とはならなかった試合だが、山口丈瑠(パラエストラ森ノ宮)と小堀厳基(月心会チーム侍)のDEEP☆KICK-60kg契約の1戦は互いに「倒してやる」というオーラがぶつかり合う好ゲームとなる。試合は1Rから互いにカーフを放ちながらミドルにワンツー・膝とヒットを奪い、そして許すという攻防となり、1つのヒットの度に会場からも歓声が響くほど威力が見える技が交差していく。続く2Rには互いに足・腹・顔それぞれが効いているようにも見える。中で山口はカーフ、小堀は左の膝が特に目立つもここでも差は出ない印象、2R終了時点でのオープンスコアは0-1(小堀)となる。
最終ラウンド、ここで勝負が決まるだけあって互いに開始早々からギアを上げて打ち合う。中で山口は左フックに膝、小堀は右フックに膝と最後まで「倒して勝つ」という気持ちが伝わる一撃が繰り出されていく。そしてそのままゴング終了まで打ち合った両者だったがここでも明確な差を出すことが出来ず、判定は1-1とスプリットドローとなった。しかし互いに実力はもちろん、気持ちの強さも存分に見せつけ、次の1戦にも期待したい、そう思える1戦だった。
〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
OPイベント、アマチュアファイトでは4戦が開催。中でもOP第2試合、森透志(SGKジム) vs. 福吉煌世(VALIENTE)の1戦では、-70kg契約とも会って威力抜群のパンチが交差していくと初めに福吉がカウンターのストレートで森が効いたそぶりが見えると、今度は打ち合いの中で放たれた森の右フックが福吉にヒットするとそのままその場に崩れ落ちインパクト大のダウンを森が奪い、福吉はそのまま立ち上がることが出来ずTKO、森がヘッドギア有の1戦で1R37秒の一撃KO勝利を奪った。


【11.16 豊中 DEEP☆KICK ZERO 25 試合結果】
11月16日(日)豊中市・176BOXにて2部開催の内第2部『DEEP☆KICK ZERO 25』が行われた。大会はアマチュアファイト、OP第1試合からのKO決着で確かに火をつけるとプロ本戦では甲乙つけ難い接戦、そしてド迫力のKO決着の連続で2部興行の幕を閉じた。今回の試合結果によりランキングも大いに動くだろう、来年2026年にニュースターとしてDEEP☆KICKのリングを駆け回る選手の台頭にも期待大だ。次回大会は12月14日(日)DEEP☆KICKのホームである泉大津市・テクスピア大阪にて年内最後の大会となる「DEEP☆KICK 76」の開催が決定している。
(文・三野龍生/写真・石本文子)
メインイベント 上野コウキ vs. 津留純平
メインイベントではDEEP☆KICK-60kg第10代王者・健真(BLACK☆Jr)への挑戦権を懸けたDEEP☆KICK-60kg挑戦者決定トーナメントの決勝戦、同級1位の上野コウキ(直心会)と同級2位の津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)が挑戦権を競う。上野はプロ戦績11勝のうち9つがKO勝利という圧倒的なパワーと技術でKOを量産している倒し屋、対する津留もプロ戦績8勝のうち5つがKOという威力あるパンチに膝を武器にアグレッシブに攻め入る倒し屋という正にKO決着必須と予想される1戦。
上野が今回が4度目のトーナメント出場、津留が今回で3度目のトーナメント出場ということもあり入場してきた両者からは確かな覚悟が見える。互いに健真に敗戦した過去もありやり返したい気持ちも強いだろう、果たしてどちらが相手を地に伏せるか。
そんな期待を知ってか知らずか1R、以外にも試合は静かな立ち上がりを迎える。上野は左ミドル、津留はインローで互いにじっくりと相手を観察していく。すると徐々に互いの狙いが明確になっていく、津留は鋭いジャブを突きながらカーフキックで上野の足を崩しにかかる。対する上野は左ボディに左三日月蹴りで津留のボディを狙っていく。すると瞬く間に上野の足、津留の腹が赤く染まっていき互いの技の破壊力を見せつける。嵐の前の静けさといったところか、緊張感、そしてこの先の期待が膨れ上がるようなラウンドとなり第1R終了。
続く2R、ここでも互いに狙いは変えない。津留はカーフで上野の足を削り、上野はパンチに膝・三日月蹴りでボディを狙っていく。互いにダメージを受けた部分はどんどんと赤黒くなっていき明らかなダメージが見えるも両者共に顔には一切出さない、淡々と相手を倒すためだけにダメージを蓄えていく。2R終了時点でのオープンスコアは1-0(上野)と僅差。
運命の最終ラウンド。ここで勝負が決まるともあり、ここまでとは打って変わり互いにパンチを軸に近い距離で打ち合いダウン奪取を狙い合う。そしてその瞬間はすぐに訪れた、津留の顔が下がったところに上野の左ハイキックがクリーンヒット、たたらを踏んで後退する津留に上野の渾身の飛び膝蹴りで津留は倒れこみダウン、上野がここにきて念願のファーストダウンを奪う。こうなると上野は止まらない、立ち上がってきた津留に再びの左ハイキックで2度目のダウン奪取。それでも立ち上がり逆転を狙う津留だったが、上野がパンチラッシュで津留をロープに張り付けにしたところでレフェリーが試合をストップ。3R1分8秒、期待以上と言えるだろうインパクトを見せた上野がTKO勝利を飾り、タイトルマッチ挑戦権を掴んだ。
勝利後、リングには現王者の健真がリングイン。マイクを握ると「4月に(上野選手と)対戦した時、判定で勝てたので次は圧倒的な差を見せるようKOで倒しに行きます」とKO宣言すると、対する上野は「今回はギリギリのKO勝ちになってしまったんですけど、来年のタイトルマッチに向けて死に物狂いで練習して、チャンピオンになって天狗になっている健真君をボコボコにしようかなと思います、どっちが上か分からせます」とこちらもKO宣言で返した。
両者が向かい合うのは次戦で3度目、1度目は上野が判定勝利、2度目は健真の判定勝利となっている。現在1勝1敗、ここで真の勝利を手にベルトを腰に巻くのはどちらだ。両者は来年3月、テクスピア大阪で開催予定の「DEEP☆KICK 77」にて王者・健真vs.挑戦者・上野としてDEEP☆KICK-60kgタイトルマッチで激突する。
セミファイナル 大稚YAMATO vs. ファーモンコン・タエンバーンサエ
セミファイナルでは第4試合に引き続きDEEP☆KICK-57.5kg契約として、元ワンソムチャイバンダム級王者の戴冠歴を持つタイ出身のムエタイファイター・ファーモンコン・タエンバーンサエ(ジョウジム)と第2代S-BATTLE KICKフェザー級王者の戴冠歴を持ちNJKFを主戦場に戦う大稚YAMATO(NJKF大和ジム)という互いに首相撲有のルールが本職ともいえる両者が首相撲無しとなるDEEP☆KICKルールで相まみえた。
互いの対応力にも注目が集まる。1R、ファーモンコンはムエタイ特有のゆったりとしたフォームから鋭く威力のあるローキックに左ミドル・左ハイキックと蹴り技を走らせる。対する大稚はタイミングを計りながらジャブからロー、ストレートに左フックとこちらも威力の見える技を繰り出していく。互いにこれといったヒットはなく、1Rは互いに距離の取り合いとったところだ。
続く2R、互いに手数を増やしていく。中で大稚はストレートを度々ヒットさせていくがファーモンコンは圧をかけながら膝を中心にヒットを重ねていく。ラウンド中盤からは大稚が下がらされる展開も増え、徐々にファーモンコンの圧力、そしてボディへの飛び膝や左ミドル・膝と攻勢が目立っていく。2R終了時点でのオープンスコアは3者共に20-19でファーモンコンを支持する。
最終ラウンド、更に距離は詰まる。ここで逆転を狙いたい大稚はローを放ちながらストレートを狙っていく。対するファーモンコンはジャブに左ミドル・膝と繰り出していく。ヒット・ダメージには明確な差が出ないが、前に前にと歩を強める大稚に対してファーモンコンはホールディングも増え、どこか3Rを流している感じも見受けられた。結果、3Rは大稚のアグレッシブさが支持されたか、0-1(ファーモンコン)でドロー、他団体王者同士の1戦は引き分けとなった。
第4試合 嘉武士 vs. 聡一郎
第1部・第2部で多く開催されているDEEP☆KICK-57.5kg契約の1戦の中でもひと際大きなインパクトを与えたのはこの試合だろう。同級2位の嘉武士(健心塾)と勝利=KOという爆発力をもつ聡一郎(道化倶楽部)の1戦は大逆転勝利で幕をおろすこととなる。
試合は1R、サウスポーに構える嘉武士と聡一郎は前足でローを蹴り合いながらタイミングを計り合う。互いに大きな一発はなく、このまま静かな展開が続くと思われた直後、聡一郎が踏み込んできたところに放たれた嘉武士の左フックが聡一郎を捉えるとそのまま聡一郎はゆっくりと倒れこんでいきダウン、嘉武士がファーストダウンを奪う。会場からもあっけに取られたような声が響く中、ここでスイッチが入ったのは聡一郎だった。再開後、倒しに向かう嘉武士に対し聡一郎はバチバチの打ち合いで迎え撃っていく、とりわけ左右のフックは見てるだけで背筋が凍るような威力を魅せる。そしてそのフックが嘉武士にヒットし始めると、体重を乗せて放たれた聡一郎の渾身の右フックが嘉武士にクリーンヒット、そのまま嘉武士は倒れこむと嘉武士のダメージを見たレフェリーが即座に試合をストップ。1R2分27秒、先にダウンを奪われるも持ち前の腕力と前に打ち出る強い心で超ド迫力の一撃KOを奪った聡一郎が逆転勝利を果たした。これで同級トップランカーである嘉武士を倒しただけあって聡一郎のランキング入りも確実、先に行われるであろうトーナメントの台風の目となるか。
第3試合 GUN vs. 迫飛河
DEEP☆KICK-70kg契約の1戦、新極真空手・テコンドー・ムエタイと多彩なバックボーンを持つ韓国出身のGUN(BKジム)とJAPAN CUP KICKミドル級王者・RKSミドル級王者と2本のベルト戴冠歴がある迫飛河(FASCINATE FIGHT TEAM)が激突。
試合は1R、互いに構えをスイッチしながら攻勢を狙う中、先にチャンスを掴んだのは迫だった。圧をかけてくるGUNに対して顔面前蹴りで効かせると、そのまま追撃していき最後は強烈な左フック、GUNが一回転するほどの威力を見せ迫がファーストダウンを奪う。そこから飛び膝蹴りに三日月蹴りなど多彩な蹴り技で迫は攻め立てていくも倒しきることは叶わず第1R終了。
すると2R、打って変わって今度はGUNの攻勢が冴えわたる。ハイキックに前蹴り・膝など蹴り技を増やしていく、とりわけ前蹴りのタイミングが秀逸でそこから左フックに左ストレートなどパンチもヒットを稼いでいく。対する迫は左ハイキックやワンツーなどを放つもどこか狙いすぎか、手数に劣る印象だ。2R終了時点でのオープンスコアは2名が19-18、1名が20-18と1Rのダウンも響き3者共に迫を支持。
最終ラウンド、迫は距離を詰めてパンチを狙っていくがここでも目立つのはGUNの攻勢。中でも左のパンチのヒット率が高く、左のジャブ、スイッチして左のストレートとローと膝を絡めながら左のパンチを多く当てていく。迫もアッパーにワンツーなど繰り出すも2Rに続きここでもGUNのヒットが目立っていく。結果、判定は0-1(迫)。迫が1Rにダウンを奪い優位に立つも、2・3RにGUNが追い上げ結果ドロー、引き分けとなった。
第2試合 和斗 vs. 小路督也
DEEP☆KICK-60kg契約の1戦。試合は1R、リング中央に陣取りステップを踏みながらタイミングを計る和斗(NJKF大和ジム)に対し小路督也(BLOW GYM)は細かくカーフをヒットさせていく。するとラウンド後半には和斗の足が流れる場面も見え、このラウンドは小路のカーフが印象的なラウンドになるかと思われた直後、和斗はフック連打で前に出ていくと流れで左フックが小路を捉え小路がダウン、ラウンド終了間際に和斗がダウンを奪い第1Rをモノにする。
続く2R、1Rより距離が近くなる。前のラウンドでダウンを奪った和斗は左右のフックをぶん回しながら前に打ち出る、対する小路はガードを固めながらこちらもダメージの見える和斗の足にカーフを丁寧に放っていく。カーフは明らかに効いているだろうが印象的だったのは和斗のフック、足のダメージなどお構いなしに威力の見えるフックをこれでもかと叩き込んでいく。小路も膝にストレートなど返す場面もあったがこのラウンドでも和斗の攻勢が目立つ。2R終了時点でのオープンスコアは3者共に20-17で和斗を支持する。
最終ラウンド、ここで逆転ダウンを狙う小路はやはりダメージの見える和斗の足にカーフキックを放っていく。ラウンド中盤にはバックハンドブローにも光明を見出すと2度もヒットを稼ぐ。ここで和斗は効いているそぶりがみえたが、倒れない。そこから打ち合いの展開も増え小路は最後まで倒し返しを狙っていったが和斗は2R同様にフックを繰り出しながら決して倒れないタフネスを見せつけて試合終了。結果、判定は30-27で3者共に和斗を支持。1・2Rにダウンを含み有利に試合を進めた和斗が判定勝利を飾った。
第1試合 山﨑愛琉 vs. 奥村幸美
今大会唯一の女子対決、-46kg4位であり多彩なテクニックを魅せる山﨑愛琉(TEAM TEPPEN)とプロ2勝目を狙う奥村幸美(OISHI GYM)が向かい合う。試合は1R、早々からプレスをかける奥村は山﨑をコーナーに詰めるとパンチで張り付けにするなど圧力が強い。対する山﨑は入ってきたところにサウスポーから右フック・ストレートに前蹴りと繰り出すも1Rは奥村のプレスが光った印象。すると続く2Rには今度は山崎が膝・テンカオを使い試合を有利に進めていく。奥村もローを小まめに出すも明らかに歩は弱まり、今度は山崎が膝と前蹴りで好印象を残す。2R終了時点でのオープンスコアはジャッジ2名が19-19、ジャッジ1名が19-20で奥村を支持する。
最終ラウンド、奥村と山﨑どちらが自身の強みを魅せるかと期待される中、ここで気を吐いたのは奥村だった。奥村はプレスを再び強めパンチで前に前にと押し出ていく。山崎はワンツーに膝の対応を見せるも奥村の圧の強さが際立っていく。ラウンド後半には近距離の攻防も増え山崎の攻めづらいといった表情が見えるようになり、試合終了。結果、明確なアグレッシブさを見せた奥村が3Rを支持され0-3で判定勝利。プロデビューから2連勝を勝ち取った。
〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
OPイベント、アマチュアファイトでは4戦が開催。中でもOP第1試合、川崎陽平(INFINITY KICK BOXING GYM) vs. 古澤裕樹(LoTgym)の1戦では1R終了間際に川崎が古澤をコーナーに詰めてのラッシュで印象を残すと、2Rもパンチを軸にアグレッシブに前に打ち出ていきスタンディングダウンを奪取しそのままレフェリーストップ。アマチュアファイトながらも2R1分23秒のTKO勝利で大会に確かな火をつけた。