[ファイトクラブ]トークイベント成功!ロイ・ウッド公認蛇の穴ライレー・ジム京都に潜入

ウィガンの地図でのビリー・ライレーゆかりの地 「学び方を学べ」by ビル・ロビンソン
ウィガンはイングランド北部のグレーター・マンチェスター州のタウンである。

[週刊ファイト3月9日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼トークイベント成功!ロイ・ウッド公認蛇の穴ライレー・ジム京都に潜入
 photo & text by 藤井 敏之



▼現代プロレスの礎となる「蛇の穴」の謎がついに明かされる!英国史考

[ファイトクラブ]現代プロレスの礎となる「蛇の穴」の謎がついに明かされる!英国史考

 先週号で案内した現代プロレス・総合格闘技の源流となる「蛇の穴」の謎に迫るトークイベントが2月26日、京都のホホホ座浄土寺店特設リングにて行われた。今回、筆者自身はトークショーには参加できなかったが、同じ内容の話に加え、実際ジムに行きそのレスリングのレッスン方法などを伺うため、翌27日に京都は山科のライレー・ジム京都に赴いた。

 ここではレスリングの練習だけではなく、英国プロレス史と蛇の穴について詳しく学ぶことができる。なぜなら細かい資料が壁一面に貼られているのである。
 まず、入口に入り驚くのはウィガンの地図を松並代表自ら作成され、その地図上に創始者であるビリー・ライレーゆかりの地を番号順に細かく紹介しているのである。

 やはり蛇の穴と呼ばれるビリー・ライレー・ジムの跡地に最初に目がいく、松並代表もその場を訪れた時は感慨ひとしおだったそうだ。また当時ローン・ボウリングという芝生の上でのボウリング・グリーンでのレスリングの試合が盛んで、ウィガンの街にはかつて多くのパブやホテルに併設されていたという跡地が多くある。またSPRING FIELD PARKのようなラクビー場もレスリングの会場になっていたようだ。

スネーク・ピット公認ジムを証明するフラッグと松並代表

 さらにはビリー・ライレー先生の若き日からコーチ時代への雄姿、ライレー・ジム出身の偉大な先人たちの写真、ビリー・ライレーの息子のアニー・ライレー、実力者のビリー・ジョイス、ジャック・デンプシー、ジョン・ウォリー、ジョー・ロビンソン(ビリー・ジョイスの兄)とそうそうたるメンバーである。その中には日本でお馴染みのビル・ロビンソンさんの顔もみえる。
 ここまで日本で「蛇の穴、ビリー・ライレー・ジム」「ランカシャー・レスリング」「キャッチ・アズ・キャチ・キャン」の名がプロレスファンに浸透したのはやはりビリー・ライレーの弟子であるカール・ゴッチ、ビル・ロビンソンの活躍無しでは知られなかったであろう。

ロビル・ロビンソン直筆の人生訓          
当時の「蛇の穴」の貴重な写真

ビリー・ライレー氏の貴重な写真      
ロイ・ウッドのコーチを受ける松並氏

 1968年、TBSが放送開始した国際プロレスのブッカーであるグレート東郷とTBSの間でギャラ問題が発生。このトラブルで外人選手が強引に帰国、そのピンチを八田一郎氏の紹介でイギリスマット界の大物であるジョージ・レスコウと国際プロレスは交渉して英国レスラーの来日を実現。そこに登場したのが人間風車ことビル・ロビンソンであった。
瞬く間にその華麗な正当派ファイトに日本のプロレスファンはブラウン管を通じてハートを射抜かれてしまう。その究極は昭和50年12月11日に東京・蔵前国技館にて、カール・ゴッチに若い頃から憧れ、コーチしてもらった日本のエースであるアントニオ猪木との対決であった。今でも二人の名勝負は伝説となっている。

猪木対ロビンソン      
初来日したビル・ロビンソン

昭和43年4月6日、ビル・ロビンソンの公開練習での一コマ

蛇の穴の先輩、後輩であるカール・ゴッチとビル・ロビンソンの攻防

 ロビンソンは現役引退後も高田延彦、桜庭和志らUWFインターナショナル勢をコーチ、さらにはCACCスネークピット・ジャパンでも長期に渡り多くの生徒をコーチした。
 特にジム掲示物において注目されるのは1993年からイギリスはウィガンのロイ・ウッドさんのコーチを約3年間松並代表は受けられ、1999年には東京は高円寺のUWFスネークピット・ジャパン(現在CACCスネークピット・ジャパン)の道場でビル・ロビンソンの指導を2年以上受けたこと。2007年に京都にジムを開設、同年4月にはロイ・ウッドさんの訪問を受け正式に「ライレー・ジム京都」と命名される。そして2012年ウィガンで約50年ぶりとなる伝統ルールでの大会が開催され、松並代表はオープニングの試合をまかされ、勝利を収めた。
 組織化され公式ルールも制定された上での公認コーチ第1号に就任し、さらには京都ジムがその公認ジム第1号となったのだ。その証として、はるばるイギリスから持ち帰ったスネーク・ピット公認フラッグが堂々とジムの真ん中に飾られている。
ロイ・ウッド公認ジム・“ライレー・ジム京都 ” 
松並代表のジムでの様子を伝える現地新聞 
全英選手権での表彰状やカップ      
ライレー・ジム出身のトップレスラー達

 他にはロイ・ウッドさんとのスパークリング写真、1994年日本の青年がウィガンを訪問し蛇の穴でキャッチレスリングを学んでいることを報道した地元の新聞記事、全英選手権68k級大会に出場し5位入賞を成し遂げた時のトロフィー他がところ狭しと飾られている。ちなみに関西テレビの人気番組である『よーいドン!』にも取り上げられ、見事に「となりの人間国宝さん」にも認定された。その記念にと円広志にスリーパーをかけている写真もご愛嬌に飾ってある。

 現在、ジムにおいては10代から50代まで幅広い会員が切磋琢磨しながら、スクワット、腕立て伏せ、腹筋などによる基礎体力作り、柔軟性を養うマット運動、ペアで行うレスリングの基本動作、一歩進んでの技習得の練習、さらにはスタンドの攻防だけ、グランドで押さえ込むだけなど制限付きスパークリング、そして実戦スパーリングへとレベルを上げてゆくとのこと。

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