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現地時間2月11日(日)、オーストラリア・パースにあるパース・アリーナにて『UFC 221』が開催された。
メインイベントに組まれたミドル級暫定王座決定戦は同級ランキング1位につけるヨエル・ロメロ(キューバ 12勝2敗)と同2位のルーク・ロックホールド(アメリカ 16勝3敗)が激突、終始、マイペースに試合を進めたロメロが第3ラウンドでロックホールドをノックアウトして勝利を手に入れている。ただし、ロメロは前日の計量で規定体重を満たせず、予定通りに試合に臨んで白星を勝ち取ったものの、念願のベルトは獲得できていない。
日本のファンには今大会で最も馴染みのニュージーランドのマーク・ハントは、DAZNの日本版実況でも指摘されたように、石原“夜叉坊”に「オクタゴンガールのおしり触れ」と指示していたが、本人の試合は衰えを感じさせる内容に。1R目こそフックを当ててぐらつかせたものの、カーティス・ブレイズのレスリング力に圧倒されてしまい惨敗。ダナ・ホワイトに記憶障害を指摘されていたことと合わせて、今後の去就に注目が集まる残念な結果に終わってしまった。
マークハントの子供がかわいすぎる笑
オクタゴンガールのおしり触るんだぞ!いいな?って
計量の入場ぎりぎりまで指示くれてた笑マークハントが日本のみんなに恩返ししたいって言うてた
小学校の時テレビで観てたスターと
同じ舞台に立ち、いまその人の子供が
俺を観てる。よく寝れそう🌙 pic.twitter.com/1ZiUoHVkqm
— Teruto Ishihara (@teruto_ko) 2018年2月10日
また、残念ながらDAZNの配信には入らないアーリープレリムに登場した日本人3選手は、いずれもフルラウンドを戦い抜いた末に黒星を喫した。
ルーク・ジュモー(ニュージーランド 12勝4敗)とのウェルター級マッチに挑んだ阿部大治(6勝0敗)は第1ラウンドに連打の猛攻を仕掛けるチャンスを得ながらもフィニッシュできず、最終的にユナニマス判定でジュモーに軍配が上がっている。
バンタム級に階級を落としてホセ・キノネス(メキシコ 7勝2敗)と対戦した石原“夜叉坊”暉仁(11勝4敗2分)は優位に立つ場面を作ったものの、こちらも3人のジャッジがすべてキノネスの勝利を支持する結果に終わり、ライト級のベテランファイター、ロス・ピアソン(イギリス 21勝12敗1ノーコンテスト)と拳を合わせた廣田瑞人(19勝8敗2分)も、ピアソンを攻め崩せず完封負けとなった。
UFC 221の模様はDAZNの見逃し配信に加えて、2018年2月17日(土)22時から『FOXスポーツ&エンターテイメント』にて録画放送される予定。放送時間および放送内容は事情により変更される場合がある。
次回、UFCはアメリカ・テキサス州オースティンのフランク・アーウィン・センターで『UFCファイトナイト・オースティン』が開催される。メインイベントはカウボーイの愛称で知られるドナルド・セラーニとヤンシー・メデイロスが相まみえるウェルター級マッチが組まれ、メインカードではデリック・ルイスとマルチン・ティブラのヘビー級マッチなどが行われる予定だ。
■ UFC 221
日時:2月11日(日)現地および日本時間
会場:パース・アリーナ(オーストラリア・パース)
【メインイベント】
<ミドル級暫定王座決定戦>
(ロメロの計量失敗によりロックホールド勝利の場合にのみ暫定王座確定)
○ヨエル・ロメロ
3ラウンド(1分48秒)KO
●ルーク・ロックホールド
勝者ヨエル・ロメロのコメント
「ロックホールドは本当にすごいファイターだ。元UFCチャンピオンでStrikeforceの王者でもあった。自分の階級で最高の相手と戦えて本当にうれしい。今回の試合のために必死にトレーニングしてきた。スパーリングやルークが誇るパワーに対抗するために必死にがんばってきたんだ」
【メインカード】
<ヘビー級マッチ>
○カーティス・ブレイズ
判定3-0(26-30、26-30、27-29)
●マーク・ハント
勝者カーティス・ブレイズのコメント
「これが自分のゲームプランだった。彼は立って戦いたいだろうし、向こうの方が優れたストライカー、それにベテランだ。でも、相手の流れにさせたくなかった。自分のゲームにしたかった。俺はレスラーで柔道家、マスターの王者なんだ。自分の思い通りのところに彼を持ち込むつもりだった。スタンディングだと相手はライオン、俺はライオンじゃない。でも、グラウンドでは俺がサメで相手は違う。だから自分の望んだところに彼を連れ込んだんだ」
<ヘビー級マッチ>
○タイ・トゥイバサ
1ラウンド(2分18秒)TKO
●シリル・アスカー
勝者タイ・トゥイバサのコメント
「とてつもなくタフな相手だったけど、ボディにあと少し打ち込めば最終的にはいけるはずだと思っていた。焦らないようにしていたんだ。自分はがまん強いし、相手がダメージを受けているのは分かったから、あとはいくだけだった。自分の力を最大にいかせるようにトレーニングしているし、試合になったら、フリースタイルでいくだけさ」
<ウェルター級マッチ
○ジェイク・マシューズ
判定3-0(29-28、30-26、30-26)
●リー・ジンリャン
勝者ジェイク・マシューズのコメント
「今回の試合はたまには楽しみもあっていいじゃん、という試合だったかな。これまで挑んだ試合はどれも、ただ試合をしたり自分のやっていることを見せたり、自分にできることを示すだけじゃなく、負けないつもりで臨んでいる。自信はいつだってある。とにかく結果を出してみんなに俺ができるんだってことを見せないといけなかった。トレーニングではいつも問題ない。今日は100%じゃなかったけど、自分にできる70%はできたと思うし、次はもっと見せられればと願っている。続けて試合をしてきたから、ちょっと休んで人生を少しだけ謳歌したら、また戻って年末に向けて始動する。パースは大好きだ。第二の故郷さ。オーストラリアの中でメルボルンの次に好きな街だよ。人はいいし、友達もたくさんいる。オーストラリアのファンの前で試合をするのもうれしいね。こんな観客は他にいないよ」
<ライトヘビー級マッチ>
○タイソン・ペドロ
1ラウンド(3分54秒)サブミッション(キムラ)
●サパルベク・サファロフ
勝者タイソン・ペドロのコメント
「バッチリだったね。相手に何度かテイクダウンを取られてしまったし、あきらめていないのも分かっていた。だから、相手の手がゆるくなったタイミングで、特に練習をしていたわけじゃないんだけど、相手がそこまで足の低い位置にくるとは思わなかったから、うまく奪い返して腕を取ろうとしたんだ。あれ以上いくつもりはなかった。第2ラウンドに持ち込みたくもなかった。前回の試合は第3ラウンドでダウンしてしまったから。海外で試合をするのが好きだけど、今はオーストラリアでこのスポーツが発展しているところだから、みんなをがっかりさせたくなかった。観客のみんなが盛り上がり、ボルテージが上がっているのを感じたから、自分はあまり興奮しすぎないように気をつけたけど、あれにはまいったね」
【プレリム】
<ライト級マッチ>
●ダミアン・ブラウン
判定1-2(28-29、29-28、28-29)
○キム・ドンヒョン
<ミドル級マッチ>
○イズラエル・アデサニヤ
2ラウンド(3分37秒)TKO
●ロブ・ウィルキンソン
勝者イズラエル・アデサニヤのコメント
「2008年に格闘技を始めてからずっと、プレッシャーは変わらない。初戦を終えた後、みんながびっくりしていた。こいつはスゲェって。それがどんどん大きくなっていったんだ。コナー(マクレガー)がUFCに参戦する前以上に俺の方が大げさに言われていた。今はもうみんな、俺がどんなやつか分かったと思うし、ここからが勝負だ。別に初めてのロデオじゃない。慣れっこさ。ずっとUFCを見てきたからね。どういうものかは分かっている。ちゃんと準備してきたし、すべて見えていた。それが今まさに起こっている。それに乗るだけさ。この試合に飛びついた。長くかかったけどね。8週間のトレーニングキャプじゃない。8年間のトレーニングキャプをやってきたんだ」
<フェザー級マッチ>
○アレックス・ボルカノフスキー
2ラウンド(4分57秒)TKO
●ジェレミー・ケネディ
勝者アレックス・ボルカノフスキーのコメント
「ラウンドは落としていない。こういう相手はきっちり仕留める。別に相手を尊敬していないわけじゃなくて、この階級では俺が強すぎるってこと。バンタム級でやるべきだと言う人がいるけど、この階級で強いと言われる人たちを相手に俺がやっていることを見てくれ。2人とも3勝0敗だった。俺たちに削り合ってほしくないと言う人たちが多いけど、自分はこの階級でちょっとした脅威だと思うし、今日はそれを示せたと思う。テイクダウンした時にはグラウンドでもうまくやれると思ったけど、最初からこっちの方がかなり強かった。自分でもびっくりさ。自分の力にはかなり自信があるけど、常に相手はもっと強いと思うようにしているし、試合になれば自分の方が2倍強いと思うようにしている。今回の相手はこの階級で強力なファイターの1人だし、テイクダウンして優位に立っていくことは分かっていたから、ヤツを相手に何ができるか考えていた。こういうパフォーマンスを見せた後なら、誰も俺を相手にしたくないだろう。自分が良いやつで誠実で丁寧なところは誇りを持っているけれど、おしゃべりばかりで威張り散らして名を馳せようとする人が多い。俺にかかってこい、どうなるか見せてやる。ジェレミー・スティーブンスは誰からも恐れられていると思っている。俺が目の前に立ちはだかってやるから、俺とやってみたければかかってくればいい。プレッシャーをかけてぶっつぶしてやる。タッチー・フィリ(アンドレ・フィリ)はあまり話すタイプじゃないけど、相手を指名したり、ツイッターでつぶやいたりするのが好きみたいだ。やってやろうじゃねぇか」
<フライ級マッチ>
○ジュシー・フォルミーガ
3ラウンド(1分43秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●ベン・グエン
勝者ジュシー・フォルミーガのコメント
「コーチやボクシングのパートナーたちと一生懸命がんばってきたし、今日は自分の打撃を見せようと思っていた。今は最高の気分。ベルトを取りたい。UFCで6年過ごしたから、挑戦権を得るにふさわしいと思っている」
【アーリープレリム】
<ライト級マッチ>
○ロス・ピアソン
判定3-0(30-27、30-27、29-28)
●廣田瑞人
勝者ロス・ピアソンのコメント
「肩の荷が降りたような気分だ。ちょっと緊張していて。いつもみたいに楽しめなかった。ダン(フッカー)にノックアウトされた時、何となく失恋したような気分になったんだ。モチベーションを失ってしまった感じ。今回の試合は個人的にだけど、プレッシャーがすごくて緊迫感がすさまじかった。まだやれるかって? UFCでまだ戦っていけるか? もう長いことやってきたし、試合もたくさんやってきて、まだやるのかって? 今日はやろうとしていたゲームプランができなかったけど、コーチが落ち着かせようとしてくれた。みんな、ロス・ピアソンが燃えたぎって立ち向かい、ノックアウトを狙い、フィニッシュを狙う姿を見たはずだ。コーチたちは俺に、相手のショットを見ながらしっかり打ち込んで相手の打撃を避ける、そういうバランスを取ってもらいたがっていた。それができなかったのは残念だし、でもまあこのスポーツはこういうものだからね。相手に打ち込んだ時、ディエゴ・サンチェスを思い出した。すさまじく重く、タイトで相手が身動きを取れない感じ。何度か良いショットを打てたし、左パンチ、左フック、右のボディショットも決まった。相手がすごかったね。彼がタフな相手なのは分かっていた。そのために準備していたし、もうちょっと前に出てきてもっと右を打ち込んでくるんじゃないかと思っていたけど。ちょっとずつうまくなっている気がしているし、自分がやれることをしっかりとやれていると思っている」
<バンタム級マッチ>
●石原”夜叉坊”暉仁
判定0-3(27-30、28-29、28-29)
○ホセ・キノネス
勝者ホセ・キノネスのコメント
「かなり難しい相手だったから、自分のペースを守らないといけなかった。戦略は良かったし、キックも遠い場所での試合も良かった。今回の試合ではレスリングができるところを見せたかったんだ。戦略とゲームプランに沿って戦えたと思うし、だから勝てたんだとも思う。これで4連勝だ。できればトップ15の誰かとやりたい。将来、ランカーになるためにがんばるよ」
<ウェルター級マッチ>
○ルーク・ジュモー
判定3-0(29-28、29-27、28-27)
●阿部大治
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