G1大阪がアップセット回!オカダがEVIL、オメガがジュースに敗北

 観客がイチバン熱い大阪なのに、カード自体はイマイチとの下馬評があった府立体育館大会だが、ここが穴場のアップセット回となった。ケニー・オメガがジュース・ロビンソンに、オカダ・カズチカがEVILにやられてシリーズ初黒星である。

 前売りで完売、当日券のない満員札止めとなった大阪大会、そもそも異変の布石は、棚橋・飯伏に川人を入れてケイオスとあえて6人タッグにまわしてまで人気急上昇の北村をシングルで組んだところから始まっていたか。

 そしてリーグ戦はタマ・トンガが入場してきた矢野を背後から急襲してスタート。テーピングで柵に固定されたもののハサミで切って脱出、矢野が丸め込んだ所までは想定内だったが、続く小島とSANADAの全日本時代の師弟対決早くも異変。
 6連敗中の小島に、元付き人から、泣く子も黙るL.I.Jの猛者に大出世を遂げて再会となったSANADAが苦杯を舐めさせられるまさかの決着となった。
 雲上人の3冠王者だった初対決時からずっと連戦連敗だったSANADAが、5年半振りのシングルで名実共に師匠越えを果たすものと誰もがのんびり思っていたところのラリアート葬。
 現状の新日マットを眺めれば、今年最後を広言した永田と同様に蚊帳の外に置かれつつあるのが小島。
 岡、北村の台頭を考えれば宣言をせずとも来年の出場は危うい状況で、SANADAが身を呈して来年出場の意味を作ったといえなくもない。
 だが、永田同様に身体を作ってきた小島の気持ちの伝わるファイトぶりは、勝ち負けではない訴えかけるものが参加選手の中でも伝わってきていたのは事実。
 他の会場よりは少ないとはいえL.I.Jファンも含めて会場からたんなる番狂わせに対する以上にその勝利を称える歓声があがっていたのは間違いない。

 続いて登場のマイケル・エルガンは再三介入するタイチとエル・デスペラードごと鈴木軍を焚殺して溜飲を下げた。
 
 観客としてもこれで充分満足、セミはジュースが怪我してるしと…と思った事だろうが、ケニーがジュース・ロビンソンの膝を必要以上に攻めると、場外にブレーンバスターで投げ、脚から着地させる鬼畜な攻め。
さすがにやり過ぎと思ったところでジュースが反撃開始。
 しかし再三狙ったパルプフリクションを返され、最後Vトリガーからの片翼の天使の体勢で万事休すと思われた瞬間、くるっとエビ固めに丸めてまさかのカウント3。
 その瞬間、まさかの逆転劇に会場は爆発。
 もちろん、ケニーに土となれば、続くオカダにもその影響は出るとの期待からで、その通りEVILがケニー戦に続いての激闘。
 場外でペースを握ったEVILが、花道で重ねた椅子4脚の上にダークネスフォールズで首から叩き付ける危険なファイト。
 これは一歩間違えれば大事故になりうる、お互いの信頼感あっての危険な攻撃だが、これで波にのったEVILはレインメイカーを食らいながらも最後は必殺のEVILでオカダに1年振りの土をつける大番狂わせ。
 試合後は不慣れながらもマイクアピールをしっかり務めて激震の大阪大会を締めくくった。
 オカダの「強くてゴメンね」ですっかり2強対決モードに浸っていた筆者としても思わずエリを正す結末で、一気に混沌となったBブロック。

 もちろんこの後2試合、オカダ連勝で16点なら文句のない決勝進出だが、オカダが1敗か連敗して進出ラインが14、12点に下がるともつれてくる。
 
オカダがケニーに敗れて〇●で14点
の場合は
ケニー〇〇14点
EVIL〇〇14点
で同点だが、2人に直接対決勝利のケニーの決勝進出となる。
筆者はこれが本命と思うが、
オカダ●〇
でEVIL〇〇なら、オカダに勝ったEVILが決勝進出、L.I.J対決もあり得る。

よりもつれさせて

オカダ●●で12点になると、
オカダ(SANADAに勝ち、ケニー、鈴木みのる、EVILに負け)
ケニー●〇(オカダ、EVIL、鈴木みのるに勝ち、SANADAに負け)
EVIL●〇もしくは〇●(オカダ、鈴木みのるに勝ち、ケニー、SANADAに負け)
鈴木みのる〇〇(オカダ、SANADAに勝ち、ケニー、EVILに負け)
SANADA〇〇(ケニー、EVILに勝ち、オカダ、鈴木みのるに負け)
と大混戦、最大5人での巴戦となる。

 ただ、怪我を避けるため試合数を減らすとなれば、消化試合と目されていた両国での矢野、タマ、小島が俄然キーポイントに。
 3位グループがいずれも敗れ、結果はケニーとオカダの1戦が決定戦となるのが濃厚か。
 筆者はこの時点でもケニー・オメガと飯伏の決勝を予想しているが、仮に内藤がAブロックを勝ち抜いた場合はEVILが俄然浮上してくる。 
 
 いずれにせよ2強で無風と思われていたBブロックが大阪で一気に混沌に呑まれたことは間違いない。
 両国3連戦まで目の離せない試合が続きそうだ。


■ ローソンチケット Presents G1 CLIMAX 27
日時:8月5日(土)   15:30開場 17:00開始
会場:大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪) 観衆5,490人(札止め)

<第10試合 30分1本勝負「G1 CLIMAX 27」Bブロック公式戦>
●オカダ・カズチカ(6勝1敗=12点)
 22分47秒  EVIL⇒片エビ固め
○“キング・オブ・ダークネス”EVIL(5勝2敗=10点)


<第9試合 30分1本勝負「G1 CLIMAX 27」Bブロック公式戦>
○ジュース・ロビンソン(2勝5敗=4点)
 15分36秒  前方回転エビ固め
●ケニー・オメガ(5勝2敗=10点)


<第8試合 30分1本勝負「G1 CLIMAX 27」Bブロック公式戦>
○マイケル・エルガン(3勝4敗=6点)
 11分13秒  エルガンボム⇒エビ固め
●鈴木 みのる(4勝3敗=8点)


<第7試合 30分1本勝負「G1 CLIMAX 27」Bブロック公式戦>
○小島 聡(1勝6敗=2点)
 12分09秒  ラリアット⇒片エビ固め
●SANADA(4勝3敗=8点)


<第6試合 30分1本勝負「G1 CLIMAX 27」Bブロック公式戦>
○矢野 通(3勝4敗=6点)
 3分15秒  横入り式エビ固め
●タマ・トンガ(2勝5敗=4点)


<第5試合 20分1本勝負>
●デビッド・フィンレー 飯伏 幸太 棚橋 弘至
 7分15秒 GTR⇒片エビ固め
YOSHI-HASHI 石井 智宏 ○後藤 洋央紀


<第4試合 20分1本勝負>
●川人 拓来 タイガーマスク 真壁 刀義
 7分03秒  逆エビ固め
高橋 ヒロム ○BUSHI 内藤 哲也


<第3試合 20分1本勝負>
●岡 倫之 天山 広吉
 7分41秒  ピンプジュース⇒片エビ固め
○高橋 裕二郎 バッドラック・ファレ

<第2試合 20分1本勝負>
八木 哲大 ●海野 翔太 永田 裕志
 7分01秒  ヌメロ・ドス
○エル・デスペラード タイチ ザック・セイバーJr.

<第1試合 20分1本勝負>
●北村 克哉
 4分57秒  パッケージドライバー⇒片エビ固め
○チェーズ・オーエンズ


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