W1武大の先輩後輩の絆もどこへやら…「これは副社長の社員に対するパワハラだ!」神様・近藤の地獄の特訓に征矢が前言撤回!上下関係無視で打倒・芦野を宣言!

4月某日、都内にあるGSPにて、征矢学が国際武道大学の先輩である近藤修司と、5.4後楽園大会で行われる芦野祥太郎とのW-1チャンピオンシップに備えて地獄の特訓を行なった。

事の発端は4.19後楽園大会の芦野vs近藤のW-1チャンピオンシップの試合後にあった。TriggeRの先輩である近藤を破った芦野は、あろうことかダメージを負った近藤を足蹴にしたのだ。この先輩を先輩とも思わぬ行為に、本人曰く上下関係を大切にしているという征矢が激怒! リングに上がり、タイトルへの挑戦を表明したのだ。征矢はW-1チャンピオンシップの奪取はもちろん、この試合を通して芦野に先輩後輩の上下関係の大切さを叩き込もうという腹づもりなのだ。

しかし、近藤をして「モンスターを育ててしまった……」とまで言わしめた芦野攻略は至難の業。そこで「打倒・芦野!」を実現するために、協力を申込んだのが大学の先輩である近藤だった。近藤もかわいい(?)後輩の申し出を快諾。この日、GSPに集合しての2人きりの特訓となったのだ。

まず、近藤は「俺は神様だぞ!」と宣言。この特訓においては、大学の体育会に伝わる「1年は奴隷、4年は神様」という伝統的な上下関係を適応するという宣言だ。

神となった近藤は征矢に次々と過酷な特訓を課していく。最初はストレッチで身体をほぐすということだったが、身体の硬い征矢の上に座り込むやら、足で押すやら、自分の全体重を浴びせて負荷をかけていく。早くも征矢からは声にならない悲鳴が上がる。

続いては60kgのバーベルを胸元まで連続で挙げるハイクリーンという運動だ。回数はなんと100回。これは近藤が高校のラグビー部時代に行なったという練習だが、あまりのキツさに行なった人間全員が胃の中のものを吐き出したという代物だ。この練習はさすがに身体を鍛え抜いたプロレスラーでもキツイ。しかも、近藤は呼吸がしづらくなるマスクを征矢に着用させたからたまらない。

初めは勢い良くバーベルを挙げていた征矢も、後半はなかなか挙がらずに休もうとする場面もしばしばあった。しかし、神様がそれを許さない。「ほら、早く続けろ!」と、神というよりは鬼のようなゲキを飛ばされ、征矢も息も絶え絶えになりながら、なんとかこの苦行をこなした。

これが終わると征矢はもはやこれまでと思ったのか、さりげなく練習場から出ていこうとする。事実上の逃亡だ。ところが、身体どころか頭の中もフラフラで正常に機能しなくなったのか、押せば開くドアを引っ張り続けてあえなく失敗。近藤に捕まり、特訓続行となった。

練習場に連れ戻された征矢を待っていたのは受け身の100本ノック! 近藤にボディスラムで叩きつけられるは、コーナーに振り飛ばされるは、ブレーンバスターで投げ飛ばされるは、挙げ句の果てには必殺技のキングコングラリアットを何発もその身体に被弾する征矢。なんとか受け身を取るものの、倒れたところを無理やり立ち上がらされ、さらにラリアットを何発も打ち込まれあっという間にグロッキー状態に追い込まれていった。

それでも特訓は終わらない。もはや神ではなく鬼、いや悪魔と化した近藤の顔には徐々にサディスティックな笑みが浮かんでくる。続いて行なったのは痛みに耐える特訓だ。芦野の得意技はアンクルホールド。サブミッション系の技が多い。実はワイルドを標榜しておきながら、痛みに弱く心も弱いということを近藤に見抜かれていた征矢。その弱い心を鍛えるためと称し、近藤は次々とサブミッションを連続して仕掛けていく。

逆エビ固め、STF、クロスフェース、フェースロック、腹固め、WARスペシャル……。様々なサブミッションを駆使して、征矢を追い込んでいく近藤。苦しむ征矢の悲鳴が耳に心地がいいのか、ますます顔がにやけていく。さらに足攻めを得意とする芦野対策のつもりか、アンクルホールド、アキレス腱固め、裏アキレス腱固め、そして足4の字固めと足へのサブミッションを連発だ。征矢が悶絶すれば悶絶するほど、近藤は笑みをたたえながらよりキツく締めていく。もはや趣味で征矢をいじめてるとしか思えぬほどのサディストっぷりだ。さすがの征矢も、ようやくこの苦痛の地獄から解放されると、「相談する人を間違えた……」とぼやく有様だった。

ところがこれでも終わりではなかった。続いて征矢が連れて行かれたのは食堂だ。そこで出されたのはこれでもかと高々と盛り付けられた超山盛り(五合!)のご飯とちゃんこ! 「レスラーは食べるのも練習だからな」ともっともらしいことを言う近藤だが、あれだけの運動をこなしておいて、この量はキツイ。

唖然とする征矢に、「武大盛り、懐かしいだろう。さあ、食え」と平然とした顔で促す近藤。四苦八苦しながらご飯を頬張る征矢だが、さすがに喉につっかえるのか、水で流し込もうとする。しかし、近藤は水を飲むことを許さない。水を取り上げられた征矢は、仕方なく腹をゆすりながらなんとか胃の中にスペースを作り、やっとのことで超山盛りの白米とちゃんこを平らげたのだった。

食事も済ませ、ようやく地獄の特訓も終了かと思いきや、ここで近藤は悪魔の一言を告げる。

「これで1ラウンドだからな。今日はこれを3ラウンドやるから」

なんと、近藤はこの地獄のフルセットを1日に3回も征矢にやらせるつもりだったのだ。逃げようとする征矢を捕まえた近藤は再びリングのある道場に連行。もう一度バーベルを挙げるハイクリーン100回をさせようとするが、ついに征矢が逃亡した。今度はちゃんとドアを開けると、「おい、俺は神様だぞ!」という近藤に対して「何が神様だ!」と捨て台詞を吐き捨て、脱兎のごとくロッカールームへと逃げ込んだのであった。

ロッカールームで息も絶え絶えに倒れ込んだ征矢は、「私、気づきました。プロレスの世界に先輩と後輩はまったく関係ございません! なのでこれ以上練習してもしょうがない。これはもう副社長の社員に対するパワハラですよ」と近藤の理不尽な行ないを糾弾。「リングに上がったら先輩後輩は関係ない」という芦野の主張を受け入れると、「関係ないっていうことは、後輩をボコボコにいじめて傷めつけてやっても関係ねえっていうことだからな!」と大人げない主張でベルト奪取を誓ったのだった。

「『自分に負けたらお前はどうすんだ?』っていう気持ちはありますね」5.4後楽園大会でタッグ王座挑戦の伊藤にジェラシー爆発!タナカ岩石インタビュー!!

2期生として半年間、プロレスラーとしてのキャリアを積んできたタナカ岩石。5.1ACE新木場大会ではプロレス総合学院2期生の伊藤貴則との一騎打ちに挑む。5.4後楽園大会では河野真幸とのタッグで王座挑戦と復帰して間もなくでビッグチャンスを掴んだ同期に対して、どのような気持ちを抱いているのか? 一騎打ちを控えた今の心境を聞いてみた。

──タナカ岩石選手、凄いリングネームですけど、これはどなたが考えたんですか?

タナカ岩石選手

「僕もよくわからないんですよ(笑)。ただ、お客さんからも『タナカ!』じゃなく『岩石!』って声をかけていただいてるので、覚えやすい名前なんだなって思っています。僕の本名は田中太嘉文なんですけど、覚えづらいらしくて」

──本名も立派ですけど、素敵なリングネームですよ。リングネーム通り岩石っぽいプロレスしなきゃいけないみたいな意識はありますか?

タナカ岩石選手

「そうですね(笑)。僕はあんまり器用ではないんで、不器用っていう意味ではリングネームに合っているのかなって気がします」

──頭突きをやりますけど、デビュー前から頭の硬さには定評があったんですか?

タナカ岩石選手

「いや、そういうわけではないんですけど、打撃はチョップやエルボーが多いじゃないですか? せっかくタナカ岩石っていうリングネームなので、みんなと違う何かが欲しいなと思って、頭突きをやるようにしましたね」

──ああ、いいですね。すっかりトレードマークっていう感じがしますよ。

タナカ岩石選手

「ああ、そう言ってもらえるとうれしいですね(笑)」

──デビューして半年が経ちましたけど、プロレスラーとしてどうですか?

タナカ岩石選手

「いやあ、まだ慣れてないです(笑)。日々修行の身なんで」

──でも、プロレスレスラーとして活動していく中で、「俺はプロレスラーなんだ」っていう実感が出てきたんじゃないですか?

タナカ岩石選手

「試合の直前になると毎回そういう気持ちが出てきますね。『これからお客さんの前で試合をするんだ』って。ただ、今はW-1のリングにもレギュラーとして出させてもらっていますけど、ファンの頃の気持ちも残っているんですよ。それがいいのか悪いのかはわからないんですけど」

──それはどういった気持ちなんですか?

タナカ岩石選手

「未だにプロレスが純粋に好きすぎて、週刊プロレスをまだ定期購読しているんですよ(笑)。時間さえあればWWEを観たり、YouTubeもプロレスの動画しか観てなかったり、DVDも全部プロレスばっかりで。そういうものしか観てないですね」

──プロレスしか観てない(笑)。

タナカ岩石選手

「観てないです(笑)」

──それは素晴らしいぐらいにプロレス漬けの生活ですね(笑)。

タナカ岩石選手

「そうですね(笑)」

──例えば試合会場に行って、「あ、武藤敬司がいるよ!」みたいになったりすることありますか?

タナカ岩石選手

「ああ、会場で選手の方たちに会うと『あ、昔テレビで観ていた人たちだ』とか凄い緊張します。今でも武藤さんと会場でお会いしたりすると、緊張してしまって」

──とはいえ、同じ選手という立場ですから、リングに上がれば意識も違うんじゃないですか?

タナカ岩石選手

「それはもちろんですね。例えば藤村さんとはシングルやタッグ、UWA6人タッグでのタイトルマッチなどで対戦する機会も多いんですよ。たしかに藤村さんはW-1の生え抜きの方ですから尊敬しているんですけど、試合となったら差を出したいという気持ちで闘っています。僕のほうが後輩ですけど、藤村さんよりも上にいってやるっていう気持ちを持って常に試合はしてますね」

──それはACEという団体に所属する選手として、W-1の選手に対するライバル意識があったりするんですか?

タナカ岩石選手

「ACEじゃなくて僕個人としてライバル意識は持っています。ACEみんなで上にいくっていう気持ちもありますけど、僕個人としての名前を上げたいっていう気持ちがあるんで。僕個人としての名前が上がったうえで、ACEの名前も上がったらなと思います」

──なるほど。そのACEが旗揚げされて約半年、いよいよ新木場1st RINGという会場で試合をすることになりました。岩石選手的にはどのように捉えていますか?

タナカ岩石選手

「ACEとして大きな一歩となりますよね。初めての外の会場での興行ですし、こっから本当のスタートなんじゃないかなと思っています。そこでファンが何を感じ取ってくれるのか? あとこれから外で興行を打つことを当たり前にしたいですね」

──ACEを団体として大きくしたいという気持ちもあるんですね。

タナカ岩石選手

「まだ全然小さいですけど、W-1の下部組織という状態になっているので、ちゃんとACEという名前だけでやっていけるようにしたいですね」

──そういう部分では同じ2期生の伊藤貴則選手との一騎打ちは非常に重要ですし、ACEのプロレスとはどういうものなのかを見せるにはうってつけのカードだと思います。どのようなお気持ちで臨みますか?

タナカ岩石選手

「伊藤は自分よりも先にデビューしているんですね。彼はまだ学院を卒業してない時点でデビューが決まっていたんですよ」

──それだけ期待された逸材だったと。

タナカ岩石選手

「ただ、学院生時代の練習では基礎体力にしろ、腕立て伏せにしろ、スクワットにしろ、自分のほうができたんです。それなのになんであいつのほうが先にデビューするんだっていう気持ちがありましたね。それは身体の大きさなのか、あいつに他に光る部分があるのかってずっと考えていて。でも、自分がデビューしたあとに伊藤はケガで3カ月ぐらい欠場したんですね。その間、自分はリザルトのトーナメントに出たり、UWAの6人タッグ王座に挑戦したり、現時点ではあいつよりも試合の経験を積んでいるという自負があります。だから、絶対に負けたくないです」

──いろいろな感情を持った試合になると。

タナカ岩石選手

「同期で同い年ですし、本当に負けたくない相手です。あいつはW-1の次の後楽園大会(5月4日)で河野さんと組んでタッグベルトに挑戦するじゃないですか? やっぱり『なんで?』っていう気持ちになりましたよね。復帰してまだなんの実績も残してないのにいきなりタッグのベルトに挑戦できる。本当に悔しい!」

──伊藤選手は岩石選手との一騎打ちのあとに大一番を控えているんですよね。これは岩石選手としては負けられないですね。

タナカ岩石選手

「はい。『自分に負けたらお前はどうすんだ?』っていう気持ちはありますね。自分が負けたとしても、自分のほうが存在感を放っていたら、『お前はそれでもいいのか?』っていうのはありますね。最近になって、名前を上げているのは間違いなく自分だという自負はあるので」

──なるほど。よそ見していると大変なことになるぞ、ということですね。

タナカ岩石選手

「はい。自分は伊藤が休んでいる間、何十試合もこなしてきて経験を積んでいます。もちろんデビューして1年も経たない若手ですけど、あいつがしてない経験を積んできたという自信があるんで。3月の後楽園大会でUWAの6人タッグ王座に挑戦しましたけど、自分の中で何かを掴んだ感覚があるんですよ」

──ほほう! それは普段の試合では感じられない違う何かを感じたということですか?

タナカ岩石選手

「うまく言葉に言い表せないんですけど、何かを掴んだっていう感覚があるんですよ。簡単な言い方をしてしまうと、プロレスが楽しくなったというか」

──プロレスが楽しくなった! 着実にプロレスラーとしてステップアップした実感があるということですかね。

タナカ岩石選手

「そうかもしれないですね」

──なるほど。新木場大会は1期生の立花選手と頓所選手の一騎打ちもありますし、注目されている女子の木村花選手も出場します。そういう中での2期生同士の一騎打ちですから、存在感を見せたいですよね。

タナカ岩石選手

「同じプロレス総合学院で学んできたとしても、1期生と2期生では違う気持ちがあると思います。だから、伊藤は敵であり、ライバルではありますけど、凄い試合をしたいんですよ。1期生が見て、『この試合は俺たちにはできない』って思えるような試合をしたいですね。俺たち2期生だからこそできる試合をしたいです」

──1期生に2期生のプロレスはこういうものだと見せつけたいと!

タナカ岩石選手

「はい。自分にはあいつが休んでいる間にたくさんの経験を積んできたという自信があるし、あいつはあいつでケガで泣いて悔しい思いをしていると思うんですよ。その気持ちをぶつけ合えればすげえ試合ができるんじゃないかなって思っています」

──それは楽しみですね! では、最後にファンにメッセージをお願いします。

タナカ岩石選手

「自分たちはプロレスラーになっていく過程で新弟子とか寮生活だとかそういう経験はしてないんですけど、素晴らしいプロの講師の方たちに教わったし、毎日練習しているし、今はプロのリングでデビューして試合をしています。間違いなくプロのレスラーだと思っています。色物として見られるかもしれないけど、プロレス総合学院出身者だからこういう選手が生まれたんだっていうのを見てほしいですね。まだまだ自分たちも未熟ですけど、ACEもそうだし、プロレス総合学院ってこんなに凄いところなんだ、新たなプロレスの時代を作る工場なんだよっていうことをこの大会を通して証明したいです」

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