伊藤勇真、香港の国際大会「KF1 World Championship」で判定勝利。4・8香港・Southorn Stadium

 4月8日(土)香港ワンチャイ地区にあるSouthorn Stadiumにて開催された「KF1 World Championship」に伊藤勇真(元WPMF日本フライ級王者/キング・ムエ)が出場、地元香港の陳俊賢(富徳拳館)に判定勝利をおさめた。

 当初伊藤の対戦相手には、4月22日(土)の「K-1 WORLD GP第2代スーパーバンタム級王座決定トーナメント」に出場するソン・ダーチェン(富徳拳館)が予定されていたが、同大会への出場の為変更となり、おなじ富徳拳館の陳俊賢となった。陳はアンディ・サワーらが出場した武林風との合同興行「武林風×富徳博撃 決戦天下Ⅱ」にも出場し勝利を挙げており、香港の若手注目選手とされている。

 試合はゴング直後から陳が勢いよくパンチでラッシュ。伊藤はタイミングよく左ミドルを合わすが、陳は構わずパンチ。それでも伊藤がタイミングよくローを決めると出足が鈍り、今度はそこへ伊藤がパンチとローのコンビネーションでコーナーに追い詰める。離れればジャブ、左ローと伊藤の攻撃が決まり試合を有利に進める。パンチの打ち合いでも左ボディアッパー、左フックを決め、返しをダッキングでかわすなど、練習を積んできたボクシングトレーンングの効果が早くも出ているようだ。

 第2ラウンド、伊藤は遠い間合いからワンツーローの素早いコンビネーション。陳も素早い返しのパンチで伊藤の顔面を脅かす。さらに伊藤のパンチにカウンターの右クロスパンチを決めるが、伊藤は下がらず右ストレートをきっちり返す。1発1発強打で打ってくる陳に対し、伊藤はカウンターの左ローで対抗。これが徐々に効きはじめ陳が下がるように。陳はダメージを負いながらもローに合わせて右フックのカウンタ―、一瞬伊藤がグラつくが、伊藤は「もっと打って来い!」と手招きし、場内は歓声に包まれる。両者パンチの打ち合いの最中、第2ラウンド終了のゴング。両者激しく睨み合い、勝敗は最終ラウンドへ。

 地元の威信をかけて負けられない陳は、細かい連打で伊藤に襲い掛かる。2発3発と伊藤の顔面にヒットし、陳陣営が大いに沸き立つ。今回の試合は武林風ルールで行われている為、首相撲からの攻撃は1回のみ、伊藤の得意なヒザに持ち込むことが出来ないが、伊藤も打ち合いに応じ激し打撃戦に。中盤から陳のパンチの打ち終わりにローを決め、ロープ際に追い詰めさらに左ローを追撃。ダメージで頭が下がったところへ顔面ヒザ!苦しそうな表情を見せる陳に対し、伊藤は三日月蹴りから左ロー、さらに右フックと畳みかける。さらにフェイントからの左ハイ!クリーンヒットするも陳は意地を見せ倒れず、必死に前進しパンチを振るう。場内も大歓声を送るが伊藤はさらに顔面前蹴りも決め、ロープに吹っ飛ばす。しかし、なおも前進を止めない陳と激しい打ち合いの中終了のゴング。ホームタウンデシジョンの傾向が強い香港だが、この試合ばかりは伊藤が有効にポイントを奪い判定勝利となった。

 伊藤のテクニックと陳の粘りにより、試合後場内からは両選手に惜しみない拍手と歓声が贈られた。

試合後、主催者である富徳拳館の江富徳会長は、

「伊藤は素晴らしい選手だった。陳も良く粘ったが、ムエタイルールだったらもっと差がついただろう。ぜひまた香港に招聘したいね、香港タイトルを戦わせてみたい。」と伊藤の定期参戦を希望した。

■「KF1 World Championship」
日時:4月8日(土)
場所:香港

<54kg契約 武林風ルール 3分×3R>
〇伊藤勇真(元WPMF日本フライ級王者/キング・ムエ)
 判定 3-0(30-28、30-28、30-27)
●陳俊賢(香港/富徳拳館)

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