日本で詳細に詠春拳の解説を施した唯一無比の書籍~眞鍋嶽山 眞傳 詠春拳教本 第6号

 眞傳 詠春拳教本第6号では、遂に対人練習の応用編が開始される事となった。雙黐手(セヨンチーサオ)からの変化技と擸打(ラップダー)からの変化技の解説である。その前に雙黐手(第4号で詳述)と擸打(第5号で詳述)が安定実施出来なければならない。それらを出来る事が前提で第6号に展開される技術を理解する事がようやく出来る。第三者的に斜め読み程度は可能だろうが、習得に向けて真剣に取り組む事など望むべくもない。必ず「1号から順番に第6号まで読み進めて頂きたい」これが筆者のお願いである。
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眞鍋嶽山 眞傳 詠春拳教本 第6号
 第6号は当學院の全部で9つある教授行程で言うと階段2の前半の内容となる。この段階に至って対人練習中心の内容だけとなってしまうが、対人練習が上手くいかない場合等は、練習者は小念頭や単式練習まで立ち戻って矯正する必要がある。よって対人練習中心の内容だけと言っても小念頭や単式練習から卒業した訳ではない。常に車の両輪がごとく練習者に必須の訓練としてすぐそばにある状態である。守破離の「離」になってはならない。
 守破離で言えば、階段2の前半はまだまだ「守」の段階であり、練習者は詠春拳の要求してくる動作に対する各種課題を、誠実に理解して体現していく事に専ら努めなければならない。この段階で勝手な理解や自分流の動作は厳に慎むべきで、指導者から言わせてもらえばそれらは一切容認できない。自分流が差し挟めるほど詠春拳はルーズな技術ではないのだ。この考え方を窮屈に感じるのなら貴方に正統詠春拳は向いていないと断言できる。厳格に技術と伝統は正しく受け継がれるべきである。
 個人のセンスやパフォーマンスによって大きく左右される動作の完成度を、無駄を一切省いた最小限の動作でその場その場で最も簡単な方法を用いて最大限の効果を得る洗練された動作で問題を解決していく。これが詠春拳の特徴である。言うなれば詠春拳は初心者に達人の動きをいきなり要求しているのである。練習者が練習するに当たって「理屈は単純・簡単だが、その通り体現するのは難しい」と感想を述べるのも頷ける。
 日本で詳細に詠春拳の解説を施した書籍はこれまでも、そしてこれからも上梓されないと胸を張って言う事が出来るのは筆者の自慢である。是非読者諸兄もダウンロードしてライブラリに加えてもらいたい。
 予定で言うと第8号で小念頭の段階で練習する事は終了する事になる。予定では2013年の暮れである。2010年9月から始まった執筆活動もゴールが見え始めてきた。これからも9割を過ぎた所で半分と考え、気を引き締めてゴールを目指したい。本篇だけで全97ページの全力投球の一冊である。
 注目の頒布価格は1部525円。ちなみに1号から6号まで全部一気にダウンロードしても僅か2562円これはもうタダみたいなもんである。是非ダウンロードしてライブラリに加えてもらいたい!
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眞鍋嶽山 眞傳 詠春拳教本 第6号
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