亀田3兄弟が大会場で試合を行うのは今回が最後なのでは? というのも、31日に東京・日本武道館で行われた世界タイトルマッチは前売りチケットがさっぱり売れず、前日には金券ショップで3千円の自由席が980円で売られる始末だったからだ。映画の鑑賞券よりも安いのだが、そこまで下げても売れ残り、実際、武道館は6割程度しか埋まっていなかった。近頃のノアの武道館大会と同程度なのだから、一時の亀田フィーバーは完全に終わったものといっていいだろう。
かつて会場で大騒ぎしていた亀田ギャルもヤジを飛ばしていたアンチ亀田も、もういなかった。結果からいうと、WBAバンタム級タイトルマッチ12回戦は、王者・亀田興毅(亀田)が、挑戦者のダビド・デラモラ(メキシコ)を3-0の判定で下し、2度目の防衛を果たした。だが、内容がひどい。ここ最近の試合同様、カウンター狙いのポイント稼ぎのアウトボクシングスタイル。今回は手数で相手に圧倒され、ロープに追い込まれっぱなしだったから、見栄えはさらに悪い。
3回にラッキーなダウンを奪ったものの、その後、特に見せ場を作ることはなかった。
この試合がもし海外で行われていたならば、判定は逆の結果だったに違いない。そして、もしアンチ亀田が会場にいたら、大ブーイングのフィナーレとなっていたはずだ。
ただ、今回の亀田の試合内容・結末はあらかじめ予測できていたので何とも思わなかったが、同会場で行われたWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチの扱いの酷さには呆れるばかりだった。試合開始は午後6時頃。
対戦相手は広拳ジム野村明広だったアンディ・オロゴン。転向先はプロレスだけじゃない!
31日は平日だったので、観客はまばら。チケットにはメインの試合開始時刻しか書かれてないのだから、見なくていいと言ってるようなもの。しかも、セミファイナルの前。セミはタレントのボビー・オロゴンの弟にしてK-1で活躍したアンディ・オロゴン(ナイジェリア/平仲BS)のボクシング・デビュー戦だったのだからバカにしたマッチメイクだ。TBSは2RでKO勝利したアンディをこれから売り出しにかかるだろう。
そんな不快な情況のなか、挑戦者の清水智信(金子)は、王者のウーゴ・カサレス(メキシコ)を判定で破り、3度目の挑戦で世界王座を奪った。7R以降、カサレスは急激にスタミナをロスし自滅。一発のパンチこそないものの、積極的に前に出て後半の主導権を握ったのが勝因と思われる。
ところで、メインの試合前、リングサイドの席に現れた猪木とジェロム・レ・バンナは何だったのか。リングにも上がらず、紹介もされず。
特にバンナ。宝石を散りばめた公称”2億円ベルト”を肩にかついで登場したにもかかわらず、観客のリアクションはナシ。もうK-1は忘れ去られ、IGFはまだ世間には浸透していないということか?
色々と考えさせられる一夜であった。
亀田興毅が内藤大介を下しWBC新世界フライ級王者に 高田がヒクソンに負けた時に会場に漂ったような空気
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亀田興毅の落日!? アンディ・オロゴン初陣、ジェロム・レ・バンナ&A猪木顔見世も武道館閑古鳥
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