IT’S SHOWTIME 2011.5.14 リヨン大会(フランス)05月22日 (日) J SPORTSで再放送!

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©Ben Pontier / EFN
バダ・ハリが見事に復活のKO勝利
『IT’S SHOWTIME 2011.5.14 リヨン大会』
日時:2011年05月14日
場所:フランス リオン
<70kgMAX 3分3R>
■シャヒッド・オウラッド・エル・ハジ(モロッコ)
(3R ノーコンテスト ローブローでエル・ハジ続行不能)
■ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
3月5日IT’S SHOWTIMEアムステルダム大会前日記者会見。計量を終えた突貫小僧のシャヒッドと立ち話をしたとき「ペトロシアンは僕のファイトスタイルと噛み合うと思う。僕のスタイルでガンガン行きたい」といつものおとなしい声で目を輝かせながら語っていた。
でもペトロシアンは甘くはなかった。シャヒッドのブンブンパンチを全く当てさせず精密な攻撃で追い込んだ。残念ながら金的蹴りで痛恨のノーコンテスト。シャヒッドのダメージはかなりのもので、いわゆる玉が体内に入り込んでしまった状態となり病院でドクターが玉を元の位置に戻す治療を施した。男なら想像するだけで恐怖におののく事態である。何とか無事帰国したものの元気に復帰してくれることを祈りたい。「申し訳ないことをしてしまった」とペトロシアンはかなり落ち込んでいたそうだ。
<70kgMAX World Title Match 3分5R>
○クリス・ンギンビ(コンゴ)
(2R KO フライングニー ニギンビ王座防衛)
●ウィリー・ボレル(フランス) 
昨年ギリシャ大会でムラト・ディレッキーを破って王者に就いたンギンビ。今回は軽快な飛び膝でポレルを見事KOに下し初防衛を飾った。
ンギンビには痛恨の敗北経験がある。トラウマになっているのではと思われる負けだった。08年IT’S SHOWTIMEアムステルダムアリーナ。コンゴ対アルメニアの難民対決として謳われたペトロシアン戦。周囲は上り調子のンギンビの勝利だろうと予想し、ンギンビ本人もそう確信していた。しかし蓋を開けると圧倒的なペトロシアン劇場だった。何もできず何もさせてもらえなかったンギンビ。得意のヒザも全く通用せず、最後はファイターとしての体軸をバラバラにされた感じだった。ンギンビそのものがドクターペトロシアンに解体されたような負けだった。何一つ通用しないままの負け。キックであれほど恐ろしい試合を見たことがなかった。IT’S SHOWTIME初登場のペトロシアン。怖い選手だと思った。IT’S SHOWTIME70kgの王者ンギンビはペトロシアンとの再戦を望んでいるのだろうか?再戦は実現するのだろうか?
<Heavy Weight 3分3R>
○ダニエル・ギタ
(1R TKO レフェリーストップ)
●フィクリ・アメジアン
ニギンビと同じシャムジム所属のアメジアーネのレベルがどの位置なのか良く分からない。
アンダーソン・シウバ欠場による代替選手として急遽起用されたが力量不足は否めない。気の毒だったとは思うが大舞台を踏んでいい経験にはなったはず。今後に期待だ。
<73kgMAX World Title Match 3分5R>
○ヨハン・リドン
(判定 5-0 リドンが初代王者就任)
●マラット・グリゴリアン
下馬評では圧倒的にグリゴリアン。が、下馬評で勝負が決まるわけではない。
ベルトを目指しグリゴリアンが攻め込むものの、89戦67勝とキャリア豊富なリドンが要所を決めて初代王者に就任した。涙を呑んだ19歳の若武者グリゴリアンだが、再戦すれば逆の目も見える。
73kgは面白くなりそうだ。オーシー、キシェンコ、ホルツケン、アンディ・リスティなど70kgだとしんどいが、77kgには遠いという選手にとってベストの階級。このカテゴリーは今後かなりの激闘が期待される。
<Heavy Weight 3分3R>
○タイロン・スポーン
(1R KO)
●イゴール・ミハレビッチvs. 
着実にウエイトアップを成し遂げ、ヘビー級に足場を置いたスポーン。25歳で86戦の経験を持つスポーンを相手にするミハレビッチは31歳で24戦のキャリアしかない。力の差は歴然だった。
<Heavy Weight 3分3R>
○バダ・ハリ
(1R TKO 3ダウン)
●トニー・グレゴリー 
グレゴリーはこの試合の1週間前にボクシングの試合で負けている。それが何故なのか理解できないが、思い起こせばジェローム・レ・バンナも同じようなことをしたことがある。09年K-1グランプリ決勝の1週間前にカナダでボクシングの試合をしていた。フランス人選手にとってこういうことは平気なのだろうか?観る側にとっては試合前に水をさされた感じがして何とも釈然としない。
IT’S SHOWTIMEは現地主催者と提携して大会を開く。IT’S SHOWTIMEが培ってきたノウハウとソフトを提供し、主催自体は現地が行うという仕組みだ。マッチメイクには現地の要望が大きく働く。フランス大会ならフランス人起用、ギリシャ大会ならギリシャ人起用、経費の面で考えても至極当然のことだ。仮に日本でIT’S SHOWTIMEが開催されたとしたら、日本人選手vs IT’S SHOWTIME選手の構図で全階級タイトルマッチが組まれる可能性だってある。グレゴリー起用はフランス側の意向だが、一体どの時点でボクシングマッチが入り込んでいたのだろう。やはり釈然としない。
しかしながらバダの登場はさすがだった。オーラを出していた。制止を無視した多くの観客が携帯カメラ片手にリングサイドに溢れかえっていた。名物レフェリーのヨープ・ウベダがリング上から観客に注意を促すほどだった。復帰戦で軽く汗を流したバダ。これからの活躍で再びヘビー級に緊張感をもたらしてくれることだろう。
テキスト:遠藤文康
<IT’S SHOWTIME各階級王者>
61kg:カリム・ベノイ(フランス)
65kg:オーローノ(タイ)
70kg:クリス・ンギンビ(コンゴ)
73kg:ヨハン・リドン(フランス)
77kg:アルテム・レヴィン(ロシア)
85kg:メルビン・マヌーフ(スリナム)
95kg:ダニオ・イルンガ(コンゴ)
ヘビー級:ヘスディ・カラケス(エジプト)
※ンギンビ、マヌーフ、カラケスはオランダ国籍だが、IT’S SHOWTIMEでは母国明記を採用するため、現在のところオランダ人王者はゼロである。61kgと65kgには日本人選手が入り込める可能性大である。
●IT’S SHOWTIME番組情報
「~最強打撃格闘技~IT’S SHOWTIME 2011・5・14 リヨン大会(フランス)」
<再放送>
05月22日 (日) 20:00 – 22:00 J sports ESPN
特別解説:魔裟斗 / 解説:布施鋼治 / 実況:矢野武
※ 放送に関する情報はJ SPORTSホームページ
またはJ SPORTSカスタマーセンター(03-5500-3488 10:00~18:00)まで