広がる善意の輪「伊達直人」運動、暴風神父フライ・トルメンタ舞台の追憶

寺内1/2兵衛のviva素晴らしきプロレス特別篇
 タイガーマスク「伊達直人」からのクリスマスプレゼント「ランドセル他」が日本中に広がる・・・。1996年8月の『第3回ゴング・ゲリラ・ツァーインUSA』も盛りだくさんで、テリーファンク夫妻と・・・
 1995年の第2回ゴング・ゲリラ・ツァーにも負けない^^・・珍道中の感動の涙と笑いの2週間は、マックのテキサス・バーガーもアイダホ・バーガーもマイアミ・バーガーもマンハッタン・バーガーもびっくりの永遠に忘れられないグッドメモリーですぞ^^・・。
 まず、スペシャルバージョンの話題から。キーワードは、「タイガーマスク・・伊達直人」
昨年の12月24日の早朝に、前橋市の県中央児童相談所に、新品のランドセル10個「¥30万円相当」が届き、差出人は、アニメ『タイガーマスク』の素顔である、”伊達直人”となっており、10個の赤のラッピングされた箱の上に「子供たちの為に使って下さい」とのメッセージが添えられていたのが全国に広がった事件の発端だ。サンタクロースでなく黄色い悪魔と呼ばれ、「ちびっこハウス」の子供たちには、キザ兄ちゃんとからかわれていた、タイガーが善意の贈り物として配ったところがミソ。この世知辛い世の中で、心が温まる美談として日本中を駆け巡り、ランドセル、現金、玩具、米、ねぎ、ノート、鉛筆、お菓子他の物が、国内の2才から18才までの約3万人の子供たちに勇気と希望も加味された、伊達直人という架空の名義によって・・・。
 僕の心には、伊達直人は実在しています。身分を隠し、自らの幸福を捨て、愛するルリ子さんとちびっこハウスの子供たちの為に、たった1人で、”虎の穴”の裏切り者の烙印を押されながらも、不幸な孤児たちの幸福を祈る潔さは、今の現代人が忘れてしまった古き昭和の日本人の心の奥ゆかしさにも通じるのではないか・・・。
 幸福とは、・・・お金も名誉も地位も大切だが、人の為「身内も他人も」に無償の愛を捧げられる「真心」ではなかろうかと。信用出来ぬ政治家や金持ちの売名行為の寄付や援助と全く次元の違う、生活費の一部や買いたいものを我慢してやりくりした、血と汗と涙の結晶の、労働した賃金からの援助は、美しい。
 微笑ましいのは、矢吹丈、肝っ玉母さん、桃太郎、星飛雄馬、鉄人28号、他のヒーローたちが集合したが・・。45歳以上の人たちは、リアルタイムで、少年マガジンとぼくらマガジンと日テレの放送を毎週欠かさずに観て、愛読していた筈です。
 最終回は圧巻。虎の穴のボスのタイガー・ザ・グレートとの壮絶な戦いは、迫力十分で(今でもYouTubeで観れますぞ^^・・)勝利したが、遂に素顔をさらしてしまい、ルリ子さんとちびっこハウスの子供たちもショックを受ける。「さよなら」を告げずに、友人の大門の墓に手を合わせ、馬場さんに、マスクを入院中の高岡拳太郎に渡してくれと頼み、ダメージの残る痛みの中、飛行機のタラップを1人上り、日本を旅立つ伊達直人。ここで、悲しいメロディーとナレーションでthe-end.
 マンガ本は確か、道路上にいた子供を助けて、自ら車に引かれて、分身のマスクを小川に投げて、正体を悟られずに、息を引き取る・・涙の結末。ささやかな「ちびっこたち」への激励が、今後もしかして男子誕生で「直人」と命名されるかも・・。
 僕の大好きな3大スポ根アニメは、1-タイガーマスク、2-巨人の星、3-あしたのジョー。主人公は、いわずと知れた、星飛雄馬、矢吹丈、そして伊達直人。貧乏な長屋暮らしと少年院暮らしの不良と孤児。社会の底辺の最下層の3人だが、自らのふるさとの孤児院に、正体を隠し、ファイトマネーを寄付していた、直人・・タイガーマスクを選んだ、群馬の「伊達直人」さんのセンスに拍手と感謝です。もし、あなたがいなければ、普通のクリスマスで、終わったかも知れない。
 勿論他の人たちにも感謝ですが、2つの顔を持つ男(ドス・カラス)は、4月の新学期が、始まっても、善意が途切れずに・・と願い、自分自身でも「何か出来る事をしよう・・」と誓う。ただ誰にも内緒なのが、少し難しい^^・・。
 初公開秘話ですが、希望と期待に満ちていた21世紀も、10年が過ぎ、不景気と様々な殺人事件や自殺者の増加と政治家の体たらく「私利私欲の塊」他の明るい希望の灯りが見えにくい、閉そく感漂う昨今に、地元の群馬から、ハートを揺さぶる、ランドセルのクリスマスプレゼント。画期的だったのではないでしょうか。
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 今回と似たケースが、マスクマンの本場”メヒコ”でもありましたね^^・・。15-16年前に、暴風神父の”フライ・トルメンタ”が社会現象に。
 貧しい親のいない、ストリートチルドレンを助ける為に、自力で神父でありながら、ギャラの高いレスラーに挑戦し、マスクマンとしてデビューし、孤児院を独力で建て、多くのちびっこたちの援助をしている・・話しは、日本でもマスコミで注目されました。1991年公開のフランス映画『グランマスクの男』は、ジャン・レノ主演でヒットしてます。
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舞台公演後のステージに登場、僕のインタビューを受ける素顔のトルメンタ+涙のフィナーレ
いずれ未公開話や未発表写真を大量収録の電子書籍版を上梓しますが、公演のチラシ「裏」に掲載された、故・緒方拳さんの特別コラムも初公開します。ご期待下さい。
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 1994年10月1日と2日に『パードレ、神父さんは覆面レスラー』の舞台が、練馬区光が丘のIMAホールで3回公演し、フライ・トルメンタが初来日しました。当時のメキシコ大使も会場に訪れて、僕もリングアナと舞台にトレーナー役で出演し、NHKの夜7時のニュースやTBSの『テレポート6』他のメディアでも取りあげられたんです。チラシの文面には、メキシコの150人の孤児を育てる、セルヒオ・グティエレス神父。彼のもう一つの顔は覆面レスラー、フライ・トルメンタ。いかにして彼は二つの顔を持つことになったのか・・。人間セルヒオの波乱の人生と孤児たちとの感動の物語をあなたの心が受け止めて下さい。チラシ裏には、故・緒方拳さんの特別寄稿文も掲載されてました。
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1995年4月9日「千葉ポートアリーナ・サブホール」での入場式に登場のフライ・トルメンタをコールする僕。試合後の控室でトルメンタ神父と初来日のジュニア
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 1995年2月17日『格闘技サミット95』に初登場し、光が丘IMAホールと同年、4月9日の千葉ポートサブアリーナで、孤児のフライトルメンタ・ジュニアと親子タッグ結成。
 「2試合共、リングアナ担当」
 まさしく、タイガーマスクとダブリませんか・・。善意が無くなってない証明が、今回のランドセルというプレゼントに集約されてます。小学校1年の・・・昔CMで、「ぴかぴかの1年生^^・・」というナレーションで2人のちびっこが笑顔で出演していたのが、懐かしい^^・・。親に捨てられた不幸な子供たちにとって、信じられない悔しさや、世の中の厳しさや辛さに、「負けずに強く希望を持って生き抜いて欲しい」という世の人々の思いが、ぎっしり詰まったランドセルや数々の品物や現金に形を変えたのです。女性の「伊達直人」も登場したり、中・高校生の兄弟が、母に「僕たちのお年玉を寄付しよう」と3人で行動した、母子の誠意には、涙と感謝で、胸がいっぱいです。
 初公開ですが、僕は、幼小期に父を亡くし、残念ながら思い出は、ほとんど無いですが、母が女手一つで、都内の大学まで、行かせてくれて、今も元気です。一緒に暮らしてますが、「母子家庭」と云うハンディを逆に、両親のいる子供には「絶対に負けないぞ」と意地も有り、今まで生きてきたので、母がいてくれた幸福を今回も感謝します。両親のいない「ちびっこたちが、心底から、腐らずに、いじけず、ひねくれず、非行に走らない事を祈り、未来に向かって、平和と平等な世界に羽ばたく事を見守りたいと強く願います。そして、各人、各家庭で、もう一度、親と子供の絆と大切さを、考えるチャンスではないかと・・。
 個人的に出来うる行動をして、明るく、苦しい時も、乗り越えて、幸福を掴んで、他人にも、やさしい気配りが出来る成人に成長して欲しいと、陰ながら「桐生の伊達直人」は祈ります。僕も1/2兵衛と寺内正孝という2つの顔が有りますが、・・・。初公開の本名です^^・・。
 ここで、次号の予告は、1996年8月14日から2週間の『第3回ゴング・ゲリラ・ツァー』の涙と笑いの珍道中をお届けします。諸事情で、変更するかも^^・・その際は、ご了承下され。
 お別れの曲は、タイガーマスクのエンディング・テーマ・ソングの「みなし児のバラード」です。皆さん、泣いて下さい。あなたのハートに、タイガーマスク「伊達直人」とミルホンネット。adios-amigo..