佐山サトル創始『武道 掣圏』第零回大会10・29後楽園ホール大会発表

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100930seiken2.jpg 興義館の渡部優一館長は、開口一番「こういう大会になると、どういう選手が出て、誰と誰が戦うんだということばかりが注目されがちなのですが、今回は皆さんの考えを真っ白にして注目していただきたいと思います。極論になりますけど、このイベントを成功させよう、面白くしようとは一切考えておりません。もっと言ってしまえば、ものをやるにはお金がかかりますから入場料を取りますけど、これを経済活動として、生業としてやっていくわけでもないです」と述べた。ここに、10月29日後楽園ホールでの開催が発表された佐山サトル創始『武道 掣圏』第零回大会の意義が集約されていると言っても過言ではない。
 パンチ・キック・タックル・投げ技・関節技などが有効となるだけに、一見すると“格闘技”に見えるが、佐山総監が「ジャンケンでもいいんです」と、ことある事に話しているように、本質にあるのは精神だ。競技としての強さを目指す“格闘技”ではなく、精神基底を再構築する“武道”なのである。
 試合場はロープがない八角形のリング。コスチュームは袴で、刀を持って入場する。金髪、ピアス、タトゥーなどは禁止。判定の基準として礼儀作法が最も重視され、ガッツポーズや相手への暴言、笑みを見せる行為などは反則となる。セコンドも認められない。観客にはスリーピースのスーツ着用を奨励。これも全て“義”に繋がっている。総合格闘技を生み出した佐山総監が、究極の集大成として創始したのが『武道 掣圏』なのだ。
「武道を創るためにこの20年間やってきたつもりですが、若気の至りというか、精神論を忘れておりまして、それでは武道にならないだろうと。これまでいろいろと模索してきました。修斗を創ったり、掣圏道を作って日本人とロシア人を戦わせたり…。それを経て、今は一番大切なものを作れるんじゃないかと思っています」
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 佐山総監が最も重要だと語るのは「プリンシプル」。つまり「原理・原則」。自由主義が行き過ぎて、利己的な考えばかりが目立つ今の日本に、改めて、”義”の主張や原理主義的な考えを甦らせ、自由主義と原理主義を両輪にして、日本という国を見直そうと考えているのだという。
「自由主義がいいからと言って、義を崩してはいけない。街の中で人を助けること、席を譲ってあげること、礼儀作法、それらがなくなってきてしまっている。そうじゃなくて、単に“人間としてちゃんと生きよう”と、これだけのことなんですね。武士道が強烈すぎるのであれば、現代風にアレンジしたものを創りましょうよ、と」
 実際に今大会に出場する選手たちには佐山総監自ら掣圏心陰流の礼儀作法(礼の仕方、刀の使い方など)を教え、当日はそれを実践させる。
 会見に同席した山本裕太郎も、掣圏の思想に共鳴して参戦を表明した選手のひとりだ。普段から興義館で練習をしている山本は、佐山の考えに惹かれて、出場を決意したという。
「自分の師匠であるタカ・クノウと一緒に練習をさせていただいて、佐山先生のおっしゃる“義”に凄く共鳴しました。強くなるために格闘技の練習をやっていますが、そこに礼儀や礼節がなければな、と。人として薄い人間が強くなっても仕方ないと常日頃から思っていましたので、佐山先生の武道に出させていただけることになり、ありがたく思っています。人間性が問われる戦いだと思うので、格闘家として強くなる以前に人間として強くなって、それを示せるような試合をしていきたいと思います」
 また、前回の会見にも出席した女性掣圏士第一号の高坂千賀は礼儀作法の見本を披露。「この大会をぜひいろんな方にご覧になっていただいて、この『武道 掣圏』の中心にある部分を感じ取っていただきたいと思っています」と意気込みを語っていた。当日は試合の合間に演武を公開する。
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 最終的には8~10試合となる予定。リアルジャパンプロレスに参戦経験のあるパンクラスMISSION所属のプロレスラー佐藤光留の出場も発表された。選手の意見などを踏まえて、試合までにルール面も整備していくという。
 いよいよ1ヵ月後に始動する『武道 掣圏』。渡部館長が「先入観を捨てて、(頭の中を)真っ白な状態で見に来ていただきたい」と強調していたが、大会当日、後楽園ホールで、日本武道の新たな歴史の第一歩が刻まれる!
■ 初代タイガーマスク 佐山サトル創始『武道 掣圏』第零回大会
日時:10月29日(金)開場17:30開始18:30
会場:後楽園ホール
出場決定選手:佐藤光留(パンクラスMISSION)、山本裕次郎(チーム太田章)ほか16選手出場予定
チケット:VIP席10,000円(特典付)、RS席8000円、S席6000円、A席4000円
チケット発売日 10月1日(金)10:00~
チケット販売所 e+ イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット、CNプレイガイド、後楽園ホール、闘魂ショップ水道橋店、書泉ブックマート、チケット&トラベルT-1、バトルロイヤル、チャンピオン、東京イサミ
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主催:掣圏真陰流本部 興義館、有限会社リアルジャパン
大会趣旨 武士道800年の歴史を背負う男・佐山サトル総監の新生武士道『真陰』の実践的側面として、武道『掣圏』の展開を通して、武士道精神、プリンシプルを持つ人物を増やしていくことを目的とする。
お問い合わせ 掣圏真陰流本部 興義館03-3812-1202