大学入試に『力道山』が再び登場!――今回は多摩大学 

『力道山』(ミネルヴァ書房)の著者岡村正史氏の文章がまたしても入試問題となった。
 帝京大学AO入試に続いて、今回は多摩大学一般入試「国語」の問題に採用された(2月18日実施)。『力道山』の本文ではなく、ミネルヴァ書房のパンフレットに書いた文章「自著『力道山』を語る」が問題になっている。その一部を紹介しよう。
  力道山は今や高校の「日本史」や「現代社会」の教科書や資料集にまで登場する存在である。そこで取り上げられる力道山は、もっぱら街頭テレビの中のヒーローとしての像であり、テレビというメディアが日本に定着する第一歩を記した存在として扱われている。おそらくはそれだけが力道山が日本社会に印象付けた客観的な像なのである。だから、A教科書でも安心して扱えるのだ。
  これが,たとえばワールドリーグ戦で優勝した力道山だったらどうだろう。教科書会社はきっと逡巡するだろう。
 問3 文中の下線部A「教科書でも安心して扱える」理由とはなにか。最も適切な理由を下記の選択肢から選び、記号で答えなさい。
   a 力道山は、街頭テレビの英雄(ヒーロー)だったから。
   b 新しいメディアが日本に定着する上での象徴的な存在であったから。
   c 力道山を日本社会に印象付ける客観的な像(イメージ)が存在したから。
   d プロレスが日本に広がる上で、力道山が大きな役割をはたしたから。
   e 力道山は、ワールドリーグ戦に優勝したヒーローだったから。
 なお、この問題の全貌は「2011年版 大学入試シリーズ 多摩大学」(教学社)、いわゆる「赤本」で読むことができる。7月発刊予定だ。
力道山に興味のある方は一読されたい。
rikidouzannbon.jpg