プロレスファンがプロレスを楽しむ方法のひとつとして勝敗を予想するという部分があるだろう。
マニアになればなるほど先の流れを読んで勝敗が簡単に分かってしまうかもしれないが、例えば新日本プロレスが毎年夏に開催する『G1クライマックス』なんかは、ベテラン記者でも優勝者を予想するのは難しい。
連日ハードな移動スケジュールをこなしながら、トップファイター同士シングルマッチでぶつかるのだから、リーグ戦の途中でケガをしてしまう場合もある。そう意味でも最終的に勝ち残る優勝者の予想が難しいのだ。
今年のIWGPヘビー級チャンピオンだった棚橋弘至が、最終日の決勝トーナメント1回戦で中邑真輔の頭突きとハイキックを食らい、「眼窩内側壁骨折」という重傷を負った。
しかも今年の『G1』を制したのは“大穴”真壁刀義。開幕前に真壁の優勝を予想していたマスコミはほとんどいなかっただろう。ファンの皆さんでも「真壁優勝」を予想していた人は、それほど多くなかったのではないだろうか。
さらに想定外のことは『G1』終了後にも待っていた。
上記の通り、中邑戦で重傷を負った棚橋は9月のシリーズを全休し、さらにIWGPヘビー級王座の返上を発表。当初の予定では9・27神戸大会で棚橋の持つIWGP王座に、『G1』覇者の真壁が挑戦する予定だったが、棚橋の王座返上に伴い真壁と中邑が空位となった同王座を争うことになったのだ。
中西学に一度は王座を明け渡したもののすぐに王座を奪回し、IWGP王者として盤石と思われていた棚橋。それだけに『G1』覇者とはいえ2度目の防衛戦で真壁に敗れる可能性は低いと思っていたファンも多いだろう。
だが、真壁の相手が棚橋ではなく中邑になったことで話が違ってきた!
『G1』優勝決定戦を見ても分かるように、いまの新日プロファンは中邑を否定し、真壁を後押しする傾向にある。IWGP最年少王者記録を持ち、ライオンマークを背負って総合格闘技にも進出し、一時は「選ばれし神の子」とも言われた中邑だが、いつしか新日プロのファンは会社側がエースに押し上げようとする中邑に「No」を突きつけるようになった。
逆に「雑草」と言われ、いままで散々泥水をすすり、ヒールとしてブーイングを浴び続けてきた真壁が、いまや大声援を受けるようになったのだから不思議なものだ。さらに真壁は今年の『火祭り』覇者である崔領二との“真の夏男決定戦”でも勝利して絶好調である。
だからこそ9・27神戸大会の勝敗予想が難しい。ファンの後押しを受けて『G1』決勝に続いて真壁が連勝し、初めてIWGPのベルトを巻くのか? それとも中邑が勝って真壁の夢を潰し、ファンのブーイングを浴びながら再びベルトを巻くのか?
元『週刊ファイト』編集長の井上譲二記者は今週の『マット界舞台裏』の中で、様々なデータや関係者の話を分析してこの9・27真壁VS中邑の一戦の勝敗をズバリ予想している。信じるか信じないかは貴方(読者)次第だが、井上記者は単なる勝敗予想に終わらず、その後ケガが癒えた棚橋が復帰してからの展開も大胆予想している。
秋口から来年1・4東京ドーム大会を見据えて、新日プロはどう動いていくのか? 今週の『マット界舞台裏』を読めば、また違ったプロレスの楽しみ方を知るはずだ。
週刊マット界舞台裏’09年9月03日号
今週の「マット界舞台裏」はIWGP王座決定戦・真壁VS中邑の勝敗を予想する!
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