有刺鉄線バリケードボードに突っ込み、自らの身体を切り刻む。
嬉々として場外に飛び出し、恍惚の表情を浮かべ、観客席を破壊する。
リングに群がる群衆の頭に、ペットボトルの水を丸ごとブチまけまくる。
「こ、これが本物!?」
彼氏に連れられての初プロレス観戦と思しき、ギャル系の女性客が、眼前で繰り広げられる未体験の光景に魂を奪われ、興奮しきった歓声をあげる。
彼女の目の前で野太くがなり立てるズブ濡れの男。TVタレントでもない。国会議員でもない。
男の名は、プロレスラー・大仁田厚。
TVによく出る“有名人”の、初めて見る“本職”の姿に、彼女はすっかり心を奪われていた。
18日、東京・新宿FACEにて、大仁田厚プロデュース興行『第一回邪道サミット』が開催された。
メインに登場の座長・大仁田は、FMW時代の愛弟子・田中将斗&リッキー・フジを従え、BADBOY非道&矢口壱狼&ザ・シューター2008組と激突。
試合はゴングが鳴った瞬間からフルスロットルの大乱戦となったが、開始早々、真っ先に大仁田が有刺鉄線バリケードボードに叩きつけられる想定外の展開。しかしこの攻撃で邪道魂に火がついたのか、以降の大仁田は絶好調。すぐに反撃を開始し、新宿FACEの観客席を破壊しまくるハードコア場外戦、リング上に机を立ててのパイルドライバーと、勝手知ったるデスマッチという名の海を、水を得た魚のように泳ぎ回る。最後はお決まりサンダーファイヤーを、ザ・シューター2008に決めて勝利。試合後はお決まりの“大仁田劇場”で、第一回邪道サミットを締めくくった。
開始早々に有刺鉄線の餌食となった大仁田だが、この一撃で“デスマッチの教祖”が完全覚醒!
巨体を揺すって説得力抜群の矢口。大仁田印の興行にこの男は欠かせない!
非道軍のマネージャー・THOGO(トーゴー)の仕掛けたパウダー攻撃が誤爆! これで試合は一気に大仁田軍のペースに。フィニッシュはもちろん、サンダーファイヤーじゃ!
“信者”たちに向かって、これでもかとばかりに“聖水”を撒きまくる“デスマッチの教祖”。
新宿FACEの床は、嵐が通り過ぎたあとのように、ズブ濡れになっていた。
■ 大仁田厚PRESENTS『第一回邪道サミット』
2008年10月18日(土)開始:18:00
会場:東京・新宿FACE
<メインイベント ノーロープ有刺鉄線ストリートファイトバリケードボードエニウェアデスマッチ>
○大仁田厚、田中将斗、リッキーフジ
(12分30秒 サンダーファイヤーパワーボム→エビ固め)
BADBOY非道、矢口壱狼、●ザ・シューター2008
<セミファイナル 6人タッグマッチ>
○金村キンタロー、ガッツ石島、バンジー高田
(11分07秒 爆YAMAスペシャル→片エビ固め)
●谷口裕一、ミラクルマン、菊澤光信
<第5試合 タッグマッチ>
戸井克成、○佐野直
(8分49秒 横入り式エビ固め)
●レザーフェイス、千島広明(格闘家)
<第4試合 女子キックボクシング>
△浜崎瑞穂
(2R 時間切れドロー)
△田嶋はる
<第3試合 タッグマッチ>
井神・ザ・グレート・アシタカ、●長介
(13分24秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め)
○菊タロー、ブラックX
<第2試合 ホストボンバイエ提供マッチ>
△半寒(はんさむ)
(2R時間切れドロー)
△菩薩峠
<第1試合 タッグマッチ>
“HOT STAFF”桂ヤスヒロJr.、●サトモ
(11分02秒 カトレンジャーヒップ→片エビ固め)
ランチボックス星野、○豪尻戦隊カトレンジャー