漫画の世界で人気の“女子プロレス”もの

 プロレス不況と言われて久しい。特に女子プロレスはどこも経営が苦しい。
 そんな中、漫画の世界では逆に女子プロレスものがプレミアが付いているのをご存知だろうか?
 最近、もっとも注目されているのが「失神デスマッチ」(門井文雄/日本文華社・文華コミックス)だ。某漫画専門店で2万円のプレミア価格にもかかわらず、開店と同時に売れた。その後、すぐに再入荷されたが、同じくすぐに売れてしまい、プロレスと同じく絶版漫画のブームも完全に廃れている現在、1冊2万という高価で即売れるのは非常に珍しいケースだ。
08.4.8joshi1.jpg
 この「失神デスマッチ」は一見、ただの成人向けコミックに見えるが、実際は意外にまともな正統派女子プロレス作品でダークな内容だ。「赤き血のマット」というタイトルで雑誌型単行本にもなっており、こちらも同じ位のプレミアが付いている。
 女子プロレスものでほかに「女子レスラー炎の身上書」「令嬢レスラー」(真樹日佐夫・中野喜雄/日本文芸社)など真樹人気で当然としても、他に「くんずほぐれつ」(梶山季之・横山まさみち/芳文社)の様な雑誌型単行本まで発掘され、これもかなり高いプレミアが付いている。
08.4.8joshi2.jpg
 梶原一騎関連では、単行本未収録の「若い貴族たち」の後半部分が女子プロレスものになっており、掲載されている「漫画ゴラク」はプレミアがついているが、その秘密はなんと言っても「女子レスラー紅子」だろう。
 この「女子レスラー紅子」はヤングマガジンに昭和57年7月19日号~昭和58年6月6日号連載だが、残念ながら梶原一騎が編集者を殴った件で逮捕された為、未完で打ち切り、単行本化はされていない。
 数年前に都市伝説で実は単行本が刷られたが、逮捕の為、市場に流れなかったという噂が流れ「いくらでも買う」というマニアが多く現れたが、実際はあまり詳しくない人が「女子レスラー炎の身上書」の単行本を見て勘違いしたというのが真相らしい。
 漫画の世界では女子プロレスのシーンがあるとプレミアが付くという説もあり、プロレス不況と言えども潜在的にプロレスを好むファンが世間には多いという事だろう。
08.4.8joshi3.jpg