■RISE114 直樹インタビュー『僕、伝統派の世界では超有名でした。オリンピックに呼ばれてもいいんじゃねえかってぐらい』
–初めてのインタビューですね。まず、キックボクシングを始めたきっかけを教えて下さい。
「総合の選手になろうとしてパラエストラ葛西に総合やりに行ったんですよ。
でも、初日がキックボクシングクラスで、大池さんに出会ってしまい気付いたらプロの選手になってました(笑)。
『次は水曜日に小岩でやるからおいでよ』とか言われて行ったら小岩のキック練習に行き、3月試合あるから出なよと勝手に申し込まれて試合に出されて気付いたら今です。」
–最初は総合をやりたかったんですね?
「そうですね!総合の選手になろうと今でも少し考えてます。出来たら両方やりたいと。」
–ちなみに他のスポーツ経験はありますか?
「5歳ぐらいから中学ぐらいまでずっと空手をやってて、1回遊び時期が入って。
で、総合やろうと思ってって感じですね。」
–空手はどちらでやってましたか?
「伝統派(剛柔流)です。」
–キックを始めた時は違和感ありましたか?
「最初は全然。至近距離の打ち合いは出来ないし、距離取って戦う事しか出来ないで難しかったですね。」
–空手をやっていた選手はキックに転向する例が多いですが何故、総合に行こうと思ったんですか?
「伝統派のステップとかって総合のが使えるし、何よりやっぱ入場曲でも使ってるんですけどPRIDE大好きで。」
–伝統派のステップが総合で通じると思ったと?
「そっちのが俺、得意なんじゃないかなって今でも思ってますね!」
–戦績は良かったんですか?
「そうですね。全日本獲って150戦140勝ぐらいですかね。僕、伝統派の世界では超有名でした。自分で言うのも何ですけど(笑)。」
–凄いですね!それはかなり名は知られてますね!
「そうですね。オリンピックに呼ばれてもいいんじゃねえかってぐらい。」
–獲得タイトルの中で1番凄いのは何ですか?
「それは全国の団体・個人同日優勝ですかね。団体戦と個人、同じ日に全国両方獲りました。
その時の個人戦決勝の相手が世界チャンピオンで。式典で世界チャンピオンが来てくれました!みたいな紹介されてたんですけど決勝で倒しちゃいましたね(笑)。
世界大会出ろって言われたんですけど出れなかったですね。」
–なんで出なかったんですか!?
「学校も休まなきゃいけなかったし…。オーストラリアだったんで断念しました。」
–世界大会は出なかったですが、国内では敵無しだったんですね。
「敵居なすぎてつまんなくて空手やめちゃいましたね。」
–そこでいざプロになった時にデビュー戦でKO負けを喫してますがその感想は?丁度そこにデビュー戦の相手だった吉田選手もいらっしゃいますが(笑)。
「憎き相手が(笑)。緊張しすぎて疲れすぎて何も覚えてなく、吉田の顔だけしか覚えてないですね(笑)。」
–今となっては一緒に練習する仲なんですね。
「いつか倒してやろうと。練習で弱点を見抜いてやろうと(笑)。」
–負けて1年のブランクがありますよね。これは何故ですか?
「負けて引退しようか1年間寝込みました。ただ単に。」
–その間、練習はしてましたか?
「年に…、4回ぐらいは(笑)。」
–年に!?
「年に4回ぐらいはしたかなって感じですね。いやー、頭を冷やす良いきっかけになりましたね。
やっぱりデビュー戦負けたおかげで今の自分があるって皆にも言われるし自分でも思いますね。」
–デビュー前は自信がありましたか?
「空手の頃もアマチュアの頃も負けた事がほとんど無かったんで、まさか負けるはずないだろって思って出たらやられちゃったんで。」
–それもKO負けとなれば寝込みますよね。
「1年間引退しようか迷いました。」
–迷ってる間は練習しないで何をしてましたか?
「筋トレして、食べて寝て遊んでましたね。」
–話は戻りますが復帰してすぐに新人王獲りましたが。1年空けての試合はどうでしたか?
「最初の1試合目はまた勝手にエントリーされて練習来るしかなくさせられて。練習して、これで負けたら辞めようと思って出ましたね。
1回戦は勝ちに行っちゃったんで、つまんない試合になっちゃったんですけど。」
–そこでやる気を出したんですね?
「そうですね、出るからにはやっぱ。優勝したらいきなり日本ランカーっておいしいじゃんって思って途中からやる気になってきましたね。」
–再起して自信を取り戻した時に藤田雄也選手と試合をしてそこでも勝ちましたね。
「いきなりこんな選手とやらせんのかよ!?ってちょっと思ったんですけど(笑)。
それに僕、60㎏から63㎏に上げて1試合目でやっぱ名前も売れてない状態なんで受けてくれた藤田選手に感謝しかないですね。」
–パンチでダウンまで取って勝ちましたね。
「あの試合もう本当にそれこそインファイトを覚えて、試してみようかなと思って試してみただけなんで、まだまだ下手くそでしたね。」
–最近の練習では何か掴めてきましたか?
「そうですね、相手が遠い距離で戦いたいなら遠い距離でもやってやるし近距離で打ち合ってくれるなら近距離でもやるしどこでも良いかなって感じです。」
–自分の中で勝ち続けている秘訣は何かありますか?
「やっぱ試合で色々試す。まだスタイルが確立してないからこそって感じですね。
丹羽選手は逆に確立しすぎてると思うんですけど、確立してないからこそどんな相手でも対応出来るって感じですね。
試合で試してるって感じですね。練習で試してるってよりかは。試合で色々実験してみてこの技意外と使えるじゃんみたいな感じでノリで戦ってますね。」
–話に出てきた対戦相手の丹羽選手ですがどういった印象をお持ちですか?
「印象?地味ですね。誰に聞いても同じ答えが返ってくるんじゃないかと思うくらい地味ですね。戦い方もつまらないですね。」
–前回の試合はご覧になりましたか?
「いやー、途中で眠くなっちゃったんで覚えてないですけど。入場だけはきっちり見ときました。
入場ではニワールド全開だったんで、そこはしっかり見たんですけど試合はちょっと眠くなっちゃいましたね(笑)。」
–どうやって勝つかイメージはありますか?
「まぁ丹羽選手が距離取りたいなら距離取って戦うし。
打ち合ってくれないと思うんですけど、打ち合ってくれるなら打ち合いでも別に構わないですし、全局面で圧倒しようと思ってるんで。」
–丹羽選手はいつものニワールドで戦いたいとおっしゃってますが、そんな事はさせない?
「ニワールドより、僕のナオワールドの方が良い距離感の可能性もありますからね。」
–こじつけましたね(笑)。距離を取られても自信はあると?
「そうですね。僕、新人王の時も基本的に距離取ってパンパン打ってた感じなんですけど、元々そっちのが得意なんで。なんなら良い相手かなって。」
–全局面で圧倒するとおっしゃってましたがどうやって決着をつけたいですか?
「それはもうKO決着を狙っていきますけど、その日のメインが狂犬のタイトルマッチなんで勢いづくように地味な試合はしたくないですね。」
–今年はこれがラストになると思いますが来年の目標はなんでしょうか?
「もうそれは不可思選手に挑戦できる選手になれたら。
いまライト級で頭一つ二つ抜けてるんで不可思選手の目に止まるような選手になれればなという感じですね。
ライト級で不可思選手とやれるのは僕以外いないと思うんで、僕が上がってくのが良いのかなって。」
–最後にリングネームを変えた由来は何でしょうか?(今年から田中直樹から直樹に変更)
「リングネーム変えた理由ですか?ちょっと重い話になっちゃうんですけど、僕、両親が離婚してて。
両方とも応援に来てくれるので、あんまり苗字で覚えられたくないというか。あと、やっぱりどうしてもココリコには勝てなかったですね(笑)。」
■RISE114 丹羽圭介インタビュー『相手に何もさせないでニワールドの中で封じ込める』
–前回の試合(9月25日HIROYUKI戦)を振り返っていかがでしたか?
「体調は凄い良くて、パフォーマンス的にもやる前のミットとか凄いキレが良かったんですけど、まだ自分の実力の30パーセントも出せない戦いだったんで。
勝ったは勝ったんですけど内容的にはまだまだ行けるなって感じだったんで。」
–試合内容はご自分の中でいかがでしたか?
「一応、相手に何もさせないニワールドを作るって事は出来たんですけど、もう一歩、起承転結の結まで行けなかったんで。
起承転ぐらいで相手を封じて終わりだったんでそっからもう一段階二段階、自分の理想の戦いが出来れば。
あそこまで行ったら倒せよっていう所で。色んな人に言われたんで。」
–その経験を活かして今回はどうやって戦いますか?
「今回、相手も強いんで自分の武器と自分の距離感の戦いになると思うんで、いかに相手の距離感じゃない、自分の距離感で戦えるか、剣先が触れるか触れないかの戦いになると思う。
ニワールドで相手を封じこめつつさらに一段階いって、起承転結の結までいく戦いを見せたいと思います。」
–今回の直樹選手の印象はいかがですか?かなり体格は大きいと思いますが?
「フレームは僕と同じ感じ。僕も肩幅あるんですけど相手も結構肩幅あって身長も同じぐらいで。
相手は上半身がガッシリしてて、僕はどっちかっていうと下半身なんですけど。
パンチャーか蹴りかって感じの。相手はかなりパンチ当てるの上手いと思うんで。当て感と避け感あると思うんで。
その中でいかに僕の良い蹴りが炸裂するかっていう。」
–相手の直樹選手はキャリアが浅いですが、新人王を獲って5連勝中です。藤田選手にも勝ってて勢いがあります。丹羽選手から見てどういう印象ですか?
「いや、普通に上手いですよ。勢いだけで勝ってるだけじゃないなっていう裏打ちされた部分も凄い感じるんで、油断すると狩られる勢いを持ってるんで。
それをいかにもらわないかというか、今まで相手に勝つ事を沢山やって、勝つ為の練習をやってたんですよ。
今、対自分というか対戦相手を自分だとして、どうしたら丹羽圭介を倒せるかという練習に切り替えてて。
自分の穴を埋める練習をしてるんで。その意味ではより自分の研ぎ澄まされた感じで練習出来てるんで、負けない戦いをやるという事です。」
–インタビューするのが久しぶりですが、その間にタイ修行もされてましたね。練習で変化はありましたか?
「かなり変えてますね。今まで週に6日HAYATO GYMでやらしてもらってたんですけど、今は週2~3回HAYATO GYMでやって、あとはムエタイジム行ったりとかボクシングスパー行ったりとか、あとは倉本塾行ったりとか色んなとこで意見を仰ぎつつ自分の為になる練習だけをやってる感じです。かなり良いですね。」
–色んな所で色んな事を吸収しているんですね。
「吸収する事が多すぎてキャパオーバーになりそうなぐらいいっぱい学びがあるんで、あとはどうやって自分でやっていくかって感じで。」
–それはいつから始めたんですか?
「タイ行って帰ってきてからずっとそういう感じなんで7月後半ぐらいからずっとそういう感じでやらしてもらってるんで。」
–前回の試合から元スーパーライト級王者の吉本光志さんがセコンドに就くようになりましたね。
「そうですね。吉本さんが教えるっていうよりかは丹羽圭介の素材をどう活かすかって練習をやってくれてるんで。
マンツーマンでやらしてもらってるんで良い練習が出来てます。」
–つい最近まで現役で当時から熱いハートの選手ですが、練習ではどうですか?
「結構、感覚の人なのかなって思ったんですけど、練習とか凄いロジックで詰め方とかも、こういうシミュレーションでやるっていうのを一個一個イメージを投影してくれてるんで。凄い感動して。あぁそうなんだって。喋るとね、凄いアレな感じですけど。」
–意外と気合い、根性といった感じでは無いんですね。
「じゃないです、全く違います!」
–HAYATO GYMでも新しいものを吸収してるんですね。ちなみに今回、試合のプランはありますか?
「前回同様、相手に何もさせないでニワールドの中で封じ込める。封じ込めた上で起承転結の結まで持っていける戦いをやれば完勝出来ると思うんで。」
–まだまだ若いのには負けてられない?
「負けてらんないっすね!10歳ぐらい違うんですけど(笑)。そんな甘くないぞと。」
–向こうも練習仲間の森本選手がタイトルマッチなので、勝って繋げる為に気合いが入ってるようです。そうはさせない?
「全くさせないですね。咬みつきに来ると思うんですけど咬んででも勝ちますから。」
–ライト級は不可思選手がチャンピオンになってライト級に選手が集まってきました。これからタイトル挑戦に向けて勝つ以外にも試合のインパクトやお客さんの期待感なども重要だと思います。
「ここ勝つかどうか、内容もそうなんですけど、行けるか行けないかで僕のキックボクシング人生が変わってくると言っても過言ではないと思うんで。
僕の今までやってきた事全てを注いで勝ちたいと思います。」
–恐らく今年最後の試合になると思います。今回の試合と来年に向けての意気込みをお願いします。
「タイトルマッチに一直線に行くつもりで一戦一戦。その為にも今回の試合は絶対外せない戦いになるので今年最後の戦いは命懸けてでも勝ちに行きますんで、その生き様を見て下さい。」
–2016年の前半は苦しみましたが、2017年に向けていい年を迎えられるようにしたいですね。
「終わり良ければ総て良しなんで、最後スカッと勝って最高の喜びをみんなと共有したいですね。」
対戦カード・大会概要
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