島田知佳インタビュー「RISEのベルトが一番だと今でも思ってます」―MARI戦で証明する王者の強さー
RISE203でISKA世界王者のMARIと対戦する島田知佳。試合を1週間後に控え、追い込みを終えた島田に、現在のコンディションや練習環境の変化、対戦相手への思いを聞いた。「丁寧に削って、最後は一発で倒したい」。RISEのベルトへの誇りと、目指す「敵なし」の境地を語る。
追い込みを終え、試合に向けて最終調整
――今日はジムからですね。練習はもう終わったんですか?
島田 そうですね。今日で最後の追い込みが終わりました。
――改めて、試合まで1週間となりました。現在のコンディションはいかがですか?
島田 コンディションはいい感じです。今はまだ疲労がたまっているので、疲労を抜いて調整していく感じですね。
――残りの期間で疲れを抜いて減量をしていくと。今は結構つらい次期ですか?
島田 そんなにきつくないですね。水抜きもしないので、自然に、練習の運動量で落としていく感じです。
――普段からあまり体重は増えないんですか?
島田 普段でも50キロ前後ですね。
――食べ物や食事は気にするほうですか?
島田 試合が終わった直後はそこまで気にしないですけど、落ち着いてきて、食べたいものを食べ終わったら、変なものは食べない感じですね。
――食べ物は何が好きなんですか? 島田選手はプライベート謎ですよね。
島田 私、謎ですか? 生ものが好きですね。海鮮とか、お肉とか、お刺し身系が好きです。
――試合が終わったら、食べる物とか決めていますか?
島田 今回はピザとか、揚げ物が食べたいですね。でも、試合が終わったら、結局いつもあまり食べないんです。
――試合に向けたストレスや緊張から解放されて、たくさん食べる選手もいると思いますが、そういうことはあまりないんですか?
島田 解放されて食べることは食べるんですけど、思い返すと、今「食べたい」と思っているものはあまり食べていないですね。
――減量中に食べたいと思っていたものを、試合後に食べるわけではないんですね。
島田 そうですね。あとは、勝てたら、それで満たされる感じがありますね。
――食べすぎたときに罪悪感が出ることはありますか?
島田 ありますね。次の日にむくんだりすると、「ちょっとやりすぎたな」と思います。
――ジムの皆さんと食事に行くことはあるんですか?
島田 あまりないですね。誰かしらが追い込み中なので。みんなで行くのは、大体、忘年会ぐらいですかね。
女子選手が増え、切磋琢磨できる環境に
――VASILEUS GYMでは女子選手が増えました。以前は女子選手が一人でしたが、現在の環境はいかがですか?
島田 今はすごくいい環境です。今までは、自分で対人練習が足りないと思っていたんです。もともと出稽古で、綺ちゃんとはスパーリングをさせてもらっていたんですけど、それがここでできるので、本当に毎日、対人練習ができる環境になって、よりいい環境になりましたね。
――男性選手の中に一人でいた環境から、女子選手もいる環境になって、メンタルや気持ちの面で変化はありますか?
島田 強い女子選手が入ってきてくれたことで、変わりましたね。今までは、強い男性の方や世界のトップ選手を、憧れる目でずっと追いかけながらやっていたんですけど、今度は同じ階級でもあるので、「負けられない」というか。本当に切磋琢磨できるし、弱いところも見せられないですね。
――チームの中でも、競い合えるようになってきたんですね。
島田 そうですね。
○丁寧に削って、最後は一発で倒す
――今回の対戦相手、MARI選手は50戦以上のキャリアがある選手です。この試合に向けて強化してきた部分はありますか?
島田 MARI選手に向けてというよりも、本当に倒すための練習ですね。打ち合うところも作りつつ、効かせる場面も作りつつ、倒す練習を重ねています。
――対戦カード発表の時にも、一発でスパッと倒すイメージを持っていると話していました。そのイメージを研ぎ澄ましてきた感じですか?
島田 そうですね。でも、一発でスコンと倒すためには、最初に攻撃を散らして効かせる必要があると思うので、そういう作業を怠らないようにしています。試合になると熱くなってしまうので、最初の細かい作業を怠らず、丁寧に削って、削って、最後は一発で倒したいというイメージです。
――試合では、普段の雰囲気と違ってグッと集中している印象があります。周りの言うことが耳に入らないような状態なんですか?
島田 相手が下がったときや、一発当たった後は、もう「行っちゃえ」となりますね。そんなにチャンスはないと思うので、そこで、もう少し冷静になりたいんです。熱くなって手数でまとめて、レフェリーに止めてもらうことがあるので。
――熱くなって、少し雑になってしまうということですか?
島田 そうですね。何なんですかね。頭が真っ白になります。そこを冷静にしたいです。
――そういうとき、セコンドの声は聞こえているんですか?
島田 聞こえてはいるんですけど、理解していないというか。後になって、聞こえていたことは分かるんですけど、そのときは、もう行っちゃっている感じですね。
――考えるよりも先に、気持ちと体が出てしまうような感じでしょうか?
島田 そうですね。「やらないと、やられる」というのがあるので。
RISEのベルトが一番、他団体の世界王者を圧倒したい
――MARI選手は、同門の寺田匠選手や、先輩の武尊選手も持っているISKAの世界王者です。他団体王者をRISE王者として迎え撃つことについて、どう考えていますか?
島田 「世界チャンピオン」という響きは、すごくかっこいいので、自分も、武尊さんや匠くんが持っているISKAのベルトは欲しいです。でも、自分がRISEを目指したのは、そのときの小雪ちゃんだったら、他のどの団体の選手にも負けないだろうと思ったからです。世界一価値があると思って選んだので、自分がチャンピオンになって、それを汚すというか、価値を落とすわけにはいかないです。どの団体の世界チャンピオンであっても、本当に圧倒して勝ちたいと思っています。
――RISEのベルトを持つ自分のほうが実力が上だと、証明する戦いでもあるんですね。
島田 そうですね。RISEのベルトが一番だと、今でも思っています。
目指すのは「敵なし」の存在
――ベルトを持つ中で、自分がやっていきたいことや、RISEで目指したいところはありますか?
島田 本当に、敵なしの状態になりたいですね。小雪ちゃんも敵なしの状態だったと思うので、そういう、一つ抜けた存在になりたいです。
――試合のサイクルについては、年間で何試合くらいやりたいですか?
島田 今年は、年始にまだ鼻を怪我をしていたので、2回しかできていないんですけど、年に3、4試合はやりたいですね。やっぱり、試合でしか得られない経験もあると思うので、いろいろな強い選手とやっていけたらうれしいです。
――今回は50戦以上のキャリアを持つMARI選手との対戦です。経験の差については、どう考えていますか?
島田 平岡選手と対戦したときも、50戦まではいかないですけど、経験の差はあったと思うので。平岡選手とやってからは、そこまで経験の差を気にしなくなりましたね。でも、MARI選手はベテランだと思うので、打ち合うところは打ち合うし、試合の作り方も上手だと思います。そこを、自分のパワーとスピードで惑わせていこうかな、という感じですね。
――フィニッシュのイメージは、頭の中にありますか?
島田 そうですね。倒しきるイメージを実戦で積んできたので、イメージはできています。
――会場やABEMAで見るファンには、どんな試合展開を見てほしいですか?
島田 皆さん、相手をISKAの世界チャンピオンという肩書きで見ると思うので、そういう選手を相手に、おなかも、顔も、脚も、全部効かせて、最後は倒しきって勝ちたいです。RISEのチャンピオンの強さを証明できたらいいなと思っています。
――今後、興味のある選手や、対戦してみたい選手はいますか?
島田 46キロですよね。誰がいるんですかね。この階級は、世界でも選手があまり多くないじゃないですか。あまり詳しくないというのもあるんですけど、強い選手だったら誰でもいいです。
――最後に、いつも応援してくれるファンの皆さんへ、メッセージをお願いします。
島田 いつも応援ありがとうございます。今回はISKAの世界チャンピオンとの試合ということで、本当にRISEの王者として、絶対に負けは許されないです。ISKAの世界チャンピオンとの差をちゃんと見せつけて、最終的には倒して勝ちたいと思っているので、応援よろしくお願いします。

数島大陸インタビュー「勝てば正義。ここは絶対に負けられない」
「一人でいかに自分を追い込めるか」――タイトルマッチへ向けた準備
――試合まで残り一週間となりました。現在の仕上がりやコンディションはいかがですか?
数島 練習は明日、最後に動いて終わりなんで、ほんまに怪我なく、すごくいい感じで最後の練習を迎えられそうですね。
――今日は日曜日ですが、オフですか?
数島 そうですね。今日は一日オフです。
――明日が最後の調整になるんですね。
数島 そうですね。明日動いて、あとは体重調整という感じです。
――今回のタイトルマッチに向けて、特に時間をかけて取り組んできたことはありますか?
数島 練習は普段通りやってるんですけど、プラス一人で走ったり、一人で考えたり、自分で追い込んだりすることを多くしてきたかなと思います。
――一人で取り組むことを増やしたのは、何か理由があるのでしょうか?
数島 メンタルの勝負やし、気持ち的にも、一人だとやるもやらんも全部自分次第なんで、そこでいかに自分に厳しく追い込めるかっていうのは、試合に影響する気持ちの部分とすごく似てるところがあると思うんです。
――自分を研ぎ澄ましていくようなイメージですか?
数島 そうですね。そんな感じです。
――再びベルトを争う舞台になります。前回、フライ級でベルトを獲った時と比べて、懸ける思いに違いはありますか?
数島 今回は、どちらかというと、僕が挑戦させてもらうという気持ちがすごく強いので、前回よりも自分自身、楽しみな部分が多いです。
スーパーフライ級に適応した体で、政所仁へのリベンジへ
――政所選手とは二度目の対戦になります。前回から一年半ほど経っていますが、試合をした印象を教えてください。
数島 ずっとトップの選手なだけあって、局面、局面の勝負強さはもちろんあるやろうし、自分のスタイルを貫く強さっていうのは、実際にやって感じるものがありました。
――その対戦を経て、今回、特に警戒している部分はありますか?
数島 警戒してる部分は、一回目にやった時と変わらずという感じです。そこに対して、より自分がしっかり対応できるかというのが、今回の鍵かなと思います。
――フライ級から階級を上げてきました。前回の長谷川選手との対戦も踏まえて、フィジカル面での感覚はいかがでしょうか?
数島 階級を上げたことによって、減量がちょっと楽になったというのもあります。実際に試合当日に動いてる感じやったら、フライ級でやってるより、スーパーフライ級でやってる方が、今の自分にはめっちゃ合うなというのもあって、政所選手と一回目にやった時は、まだフライ級の選手やったんです。スーパーフライ級のトップ選手とやって、フィジカル面も上げていかないといけないなって、早い段階で気づいたので、そこからフィジカルトレーニングを取り入れたり、新しいトレーニングを取り入れてきたんで、スーパーフライ級にアジャストした状態で、今回リベンジできるかなというのはあります。
――前回はフライ級の選手として一階級上に挑戦しましたが、今回はしっかり体を作った上での対戦になる。その点は抜かりないということですね。
数島 そうですね。前回はほんまにフライ級の体の状態で、一階級上の選手に挑戦するという形やったんで。今回はスーパーフライ級に仕上がった数島大陸として、政所選手に挑めるんで、そこは自分自身、すごく楽しみなところではあります。
「VS政所、VS RISE」、VS ABEMAに勝てば正義
――今回の数島選手には「VS.政所選手」「VS.RISE」という構図があります。今、RISEに対して物申したい部分はありますか?
数島 これから、試合前のMVとか、ABEMAを絡めたものが上がってくると思うんですけど、そこでも政所選手と僕への密着の対応が違うなと思ったんで。そういうところでも、僕は「VS.RISE」やと思います。何やかんや言うて、やっぱり政所選手に勝たせたいんかなというのは、少なからず僕は思うんで。そういう部分で、「見とけよ」というのはありますね。
――今のお話を伺うと、「VS.政所、VS.RISE」に加えて「VS.ABEMA」もある感じですね。
数島 そうですね。「VS ABEMA」も増えたという感じです。
――一対三のような構図になっているんですね。
数島 そうですね。一対三なんで、言うたらいじめです、いじめ。
――男らしくない、と。
数島 男らしくないですね。今のご時世では、あんまりよろしくないいじめの仕方ですね。
――それは、物申し続けていかないといけないですね。
数島 そうですね。やっぱり「勝てば正義」やと思ってるんで。僕が勝つことによって、RISEからしたら文句に聞こえることも、少なからず改善していかないとあかんところが出てくると思うし。勝つことによって、周りの人たちにも「数島が言ってることは、やっぱりほんまなんやな」と思わせないとダメなんで、ここは絶対に自分自身も負けられないなというのがありますね。
――ベルトを獲った後、リング上で物申すことは、ある程度決めているんですか?
数島 そうですね。勝って、いきなり全部言いたいところなんですけど、全部言っても、RISEは右から左やと思うんで、一個ずつしっかり頭に残るように言っていこうかなと思います。
――勝ってリング上でテンションが上がると、言いたかったことを忘れてしまうこともありますよね。
数島 そうなんですよ。それもあるんで、言えるかどうかというところも、周りはちょっと期待してほしいですね。「数島は勝って物申すのか、それともテンションが上がって言えないのか」みたいな。
――肉体的な追い込みはもちろん、コメントや見せ方にも、しっかり向き合っているんですね。
数島 そうですね。今、格闘技をしているにあたって、やっぱり見られないとダメな部分があると思うんで。僕も昔は、強いだけで上がっていこうと思ってたんですけど、今のご時世、なかなか強いだけじゃ厳しい世界でもあって。じゃあ、どうやって自分を見てもらうか。それも一個のブランディングというか、一個の仕事やと思ってやるようにしたら、おのずとRISEに物申すキャラになりました。
――狙ってそうなったわけではなく、自然に出来上がってきたんですね。
数島 そうですね。前からRISEに不満というか、思ってることはあったんで。それを、ほんまに思ってることを言おうと思ったら、今の地位にたどり着いたという。別に何かを作ろうと思ってたわけじゃなくて、自分の自然のままをやってたら、いいキャラというか、いいブランディングができたかな、みたいな感じです。
二階級制覇の先には世界。でも、今は目の前の一戦に全集中
――今回ベルトを獲れば、二度目のタイトル獲得、二階級制覇となります。ベルトを獲った後にやりたいことや、明確な目標はありますか?
数島 ある程度はあります。ベルトを獲って、その次は、53キロには日本のベルトだけじゃなく、実際に世界のベルトもあるので、そっちに挑戦したいという気持ちはあります。でも、その先のことを考えられるほど、今回の相手は甘くないと思うんで、まずはほんまに目の前の試合をしっかりクリアしないと、先も見えないですし。また負けてしまうと一からになるんで、せっかく積み上げてきたものが、また全部なくなる。
今はほんまに、政所選手との試合に全集中するという感じです。
――今回も、大阪からたくさんの方が応援に来てくださるんですか?
数島 そうですね。今回も、全部で110人から120人ぐらい来てくれるんで。ほんまに、それは当たり前のことではないですし、ありがたいなと思ってるんで。その人たちの期待にも応えないとダメやなとは思ってます。
――心強いですね。大阪を拠点にして東京で試合をするわけですが、応援に来られる方も、ほとんど大阪の方ですか?
数島 そうです。大阪の方なんで、みんなで車に乗り合わせて来てくれたりとか。今回はメインで試合が夜なんで、当日では帰られへんから、ホテルを取ったりとか。試合を見る以外にもお金がかかってくる中で、皆さん来てくれるんで。ほんまに、そこは当たり前じゃないなと思ってます。
――なおさら負けられないですし、そういう方々のためにもベルトを巻きたいですね。
数島 そうですね。僕は結果で、ベルトを獲って勝って、恩返しすることしかできないと思うんで。そういう人たちのためにも負けられないですね。
――最後に、いつも応援してくださるファンの皆さんへメッセージをお願いします。
数島 残り一週間となって、皆さんのおかげで怪我なく、最高の状態で試合に挑めると思うんで。今回はみんなのパワーをもらって、政所選手とRISEとABEMAを潰しに行くんで、皆さん、期待と応援をお願いします。キックボクサーは泣かないぜ。

政所仁インタビュー「4度目の王座挑戦へ」
政所仁「4度目の王座挑戦へ」ドロドロの試合をしてでも勝てるように、仕上げてきた
――試合まで1週間を切りましたが、コンディションはいかがでしょうか。
政所 バッチリですね。あとは調整と、体重を落としてしっかり仕上げたら、もう完璧という感じですね。
――今の段階で、残りは何キロぐらいですか。
政所 あと3キロぐらいですね。
――もうそこまで来ているんですね。あとは少しずつ調整していく感じですか。
政所 そうですね。2キロちょっとぐらい、水抜きのイメージですね。
――直前まで、それなりに食事も取れている状態ですか。
政所 そうですね。今週からは練習量も一気に減るので、ご飯の量も減らしていく感じです。先週までは結構、食べながらやっていましたね。
――追い込みも終わって、あとは疲れを抜いていく段階に来ているということですね。
政所 そうですね
――今回は『4度目の挑戦』となります。これまでのタイトルマッチと比べて、今回の試合に懸ける思いや心境はいかがですか?
政所 今までのタイトルマッチより、逆にちょっと気が楽というか、そんなに気負わずに挑めるかなというメンタルではあります。練習量や仕上がりも過去一でいいと思うんですけど、楽しみが強いですね。プレッシャーというより、『やっとベルトを取れるな』というので、いつもより楽にタイトルマッチに向かえる感じです。逆に4回目というのもあると思うんですけど、気持ち的には落ち着いてできるかなという感じはあります。
――過去3回は気持ちが入り込みすぎていたのでしょうか。
政所 はい。ちょっと気負いすぎた部分があるかなと。
――タイトルを取らなければいけないという思いは変わらないと思いますが、キャリアや経験を重ねたことで、今は少しゆとりができている?
政所 それもあると思いますね。試合に向けたメンタル面を意識しながら、ここまで試合をやってきたので。
前回のタイトルマッチ、1年、2年前ぐらいの花岡戦で負けて、そこからメンタル面を意識しながらやってきたというのもあります。自分がやってきたことを出すだけなので、タイトルマッチといっても、それは変わらない。もちろん、タイトルマッチに向けた5ラウンドの練習などは、気合を入れてやってきました」
――今回、練習で一番時間をかけてきたのは、どういう部分ですか。
政所 やっぱり、5ラウンド動ける体力をつけるためにどうするかというのは、いろいろ考えました。スパーリングやサーキットなども、いつもよりだいぶ長めにやって、すぐに息を整えられるように、ということも考えてやりましたね。
――5ラウンド動き続けることには、かなり自信があると。
政所 はい。もうドロドロの試合をしてでも勝てるように、仕上げてきました。
花岡戦の悔しさと、支えてくれる周囲の存在
――過去3回の挑戦は、どれも悔しかったと思います。その中でも、特に悔しさや心残りがある、忘れられない試合はありますか。
政所 やっぱり最後の花岡戦ですかね。3回目は僕もだいぶダメでしたし、相手も強かったというのもあるんですけど、うまくいなされたなという感じで。ほぼ何も、自分がやりたいことをできていなかったので、腹が立ちましたね。腹も立ったし、悔しかったし、試合はほぼ見られなかった。見直したのは1回とかじゃないですかね。
――今でもですか。
政所 今でも見直せていないし、見られていないです。あれは悔しかったですね。
――その思いが原動力になっている部分はありますか?
政所 あの時はめちゃくちゃ落ち込んで。落ち込んだことは何回もあるんですけど、あそこまで落ちたのは初めてぐらいで、『マジで、もうこれ大丈夫かな』と、自分に対して思ったりもしました。でも、落ち込んでいても意味がないなと。ここまできたら獲るまでやるしかない、やるんやったら、しっかりやるしかない、という気持ちに切り替えてできた。そこからは、もうやる気しかないです。
――改めてタイトルマッチが決まって、周囲の反応はいかがですか。
政所 周りも次こそはと毎回言ってくれているんですけど、周りの人はあったかいなと思います。僕が失敗しても、また獲れるよという感じで応援してくれたり。取れるということを信じてくれているのが伝わるので、それが力になりますし、頑張りたいなと思いますね。
――魁塾としても悲願だと思います。林塾長の気合の入り方など、いつもと違うと感じる部分はありますか。
政所 もちろん、取るためにめちゃくちゃサポートしてもらっていますし、気合も入っていると思います。ただ、今回こそは獲るぞみたいな話し合いは、チーム内ではあまりしていなくて、とりあえずやることをやって、やることに集中している。そういうメンタルなのかなと思いますね。
――やることをやってきたからこそ、自信がある?
政所 そうですね。そんな空気は流れていると思います。みんなで集まって絶対に獲るぞというのは、そこまではあまりないというか。いい意味で、気合が入りすぎていない感じはしますね。
――同じようにRISEのベルトを目指している憂也選手とも、いつも一緒に練習していると思います。今回に向けて、どんな話をしていますか。
政所 憂也にもアドバイスをもらったりしています。でも、テクニック面で話し合うぐらいで、『取るぞ、取るぞ』というメンタル面の話は、あまり憂也とはしないですね。テクニック面が多いかもしれないです。
数島との再戦へ「倒す自信はあります」
――相手の数島選手とは2度目の対戦になります。前回から約1年半がたっていますが、実際に拳を交えたからこそ感じた強さや、やりづらさはありますか。
政所 フライ級でチャンピオンにもなっているので、実力はちゃんとある選手です。練習も一緒にやったことがあるので、うまいなというのはありますね。左ストレートの速さや的確さは、サウスポーの中でもだいぶ抜けているのかなと思います。
――数島選手は前回、長谷川選手をKOしました。衝撃的な試合内容だったと思いますが、ご覧になりましたか。
政所 見ました。あれはびっくりしましたね。さすがに、KOだったら逆かなと思っていたので。
――数島選手も前回の政所選手への敗戦を経て、階級を上げ、確実にステップアップしていると思います。特に警戒しているのは、先ほどおっしゃった左ストレートですか。
政所 そうですね。右フックもうまいですけど、倒しているのは左ストレートなので、そこは警戒しつつ。最近は左ハイキックも蹴っているイメージがあるので、左の攻撃がメインになってくるのかなと思います」
――サウスポースタイルの選手に苦手意識などはありますか。
政所 サウスポーは意外と得意というか。サウスポー相手の戦績は、多分そんなに悪くないと思うので。
――特に苦手意識や、やりづらさはないと。
政所 はい。あまりないです。
――どんな試合展開を想定していますか。5ラウンドをフルに戦うのか、それとも短期決戦になるのか。
政所 もちろん、理想では早めにKOで勝ちたいと思います。でも、5ラウンド戦えるように仕上げてきたので、ポイントでしっかり勝てるというイメージを持ちながら戦おうと思っています。1ラウンド、1ラウンドを大事にして、組み立てていきたいですね。
――丁寧に試合をつくっていって、倒せるところで倒すイメージですか。
政所 はい。チャンスがあれば、もちろん倒しにいくという感じです
――ずばり倒す自信はありますか?
政所 あります。倒す自信は。いろいろなパターンをやってきたので、どれかはハマると思います。組み立てていく中で、当てにいけたらいいなと思っています。
ベルトを巻いて、次のステップへ
――今回は年内最後の後楽園大会で、メインイベントを任されました。ここを勝って来年につなげるという意味でも、ご自身の中で決めていることや、来年やりたいことはありますか。少し気が早い話ではありますが。
政所 大﨑選手、龍心ともまたやりたいなというのはあります。ただ、階級を上げても面白いかなと思ったりもしています。そこも視野に入れつつ、という感じですね。ONEの時は上の階級だったじゃないですか。あの時は減量がほぼなかったんですけど、動きやすい感じがしたんです。パワー負けもそんなに感じはしなかったので、階級を上げることも視野に入れています。ずっと同じ階級でやってきて、相手も一緒になってきているので、違う相手ともやりたいというのはあります。階級アップも視野に入れながら、という感じです。
――ずっと53キロにこだわって戦ってきたんですよね。負けた相手にリベンジもしたいと。
政所 リベンジもしたいですし、いろいろなことをやりたいなというのもあります。今までは53キロにこだわりまくっていたので、逆に選択肢が狭かったかなと思うんですけど、チャンピオンになれば広がっていくと思うので、いろいろ広げていきたいです」
――実際にベルトを取って、経験を得て、やりたいことの幅も広げていきたいということですね。
政所 そうですね。チャンピオンになってから、いろいろ発言したいなと思っていたので。なってからがスタートです。そこから、いろいろ広げていきたいです。
――53キロのベルトは、そうそうたるメンバーが巻いてきました。あのベルトを腰に巻いて、勝ち名乗りを受けるイメージはできていますか。
政所 はい。もう夢で2、3回勝っていますね。
――試合の夢を見るんですね。
政所 夢を見ましたね、2、3回。5ラウンドフルぐらいで見ていました。
――じゃあ、起きた時は笑っていますよね。
政所 はい、笑っていますね獲ってたわ、夢やなと。笑
――長年の悲願でもありますし、ずっと応援してきたファンの皆さんもいると思います。そういう方たちには、どんな景色を見せたいですか。
政所 ずっと悔しい思いをさせてきていると思うので、全員で最高の景色を見て、そこから、その先がまた楽しみになるストーリーをつくれるように、いろいろ考えていきたいと思っています。まずはこのベルトを巻いて、しっかりみんなで喜び合いたいなと思いますね。
――最後に、今回も応援してくれるファンの皆さんへメッセージをお願いします。
政所 いつもありがとうございます。4回目で、だいぶ長い道のりではあったんですけど、今回しっかり勝ってベルトを巻いて、また次のステップに進みたいと思います。今まで以上の試合を見せたいと思うので、皆さん、最高の応援をよろしくお願いします。
対戦カード・大会概要
YAYAウィラサクレック、大森隆之介、中嶋愛樹斗インタビュー10・17RISE202