[ファイトクラブ]Stardom クソ・チャンピオンとクソ亡霊 仕留められた渡辺桃・上谷沙弥

[週刊ファイト9月24日]期間 [ファイトクラブ]公開中

▼Stardom クソ・チャンピオンとクソ亡霊 仕留められた渡辺桃・上谷沙弥
 Photo:HIROKI スープレックス豪編
・渡辺桃が前日に書いた「明日、すべて、完全に終わらせる」の行方
・すず羽南AZM組八神が防衛 この夜は5王座すべて王者が守った
・「全て消し去ってやるよ」と言った渡辺桃がギブアップで消し去られた
・上谷沙弥がリング下から出したQQの旗 黒く塗ったのは味方だった
・ゴッデスは上谷沙弥が林下詩美と2度巻いたベルトだった
・上谷ひとりが残された日 2024年6月22日の代々木
・「こんな強いやつの隣にいるほかねえだろ」と渡辺桃は言った
・「隣にはもう立てない。だけど、私は正面に立つ」林下詩美
・6月の誤爆 黒バットは林下をかわして上谷に当たった
・「ベルトに巻かれてる」と言った側が負け、言われた側が防衛
・天咲光由が上谷を排除しAZMのヌメロ・ウノが渡辺を沈めた
・5人が揃ったコーナーから2人は首を振って出ていった
・第0試合 レディ・C組が飯田沙耶浜辺纏を8分7秒で下した
・第1試合 林下詩美は3WAYトリオバトルから出ていた
・第2試合 フワちゃんが葉月コグマと組み伊藤麻希から勝利
・第3試合 ビー・プレストリーが金屋あんねに7分20秒で勝つ
・第4試合 朱里妃南組が5★STAR覇者吏南の組を8分38秒で
・第5試合 八神蘭奈が鉄アキラを12分56秒で下しV10到達
・第6試合 ベルトで殴った側が勝つ アーティストはテクラ組
・第8試合 羽南が壮麗亜美を16分52秒 次は同期の琉悪夏
・本誌が前回「問われるのはベルトではない」と書いた試合の答え
・メイン 鈴季すず刀羅ナツコ両者流血の22分52秒ノーDQ
・結局、この試合は何だったのか


■ スターダム 横浜武道館大会
日時:9月12日
会場:神奈川・横浜武道館 観衆2009人(主催者発表)

渡辺桃が前日に書いた「明日、すべて、完全に終わらせる」の行方

 8月23日の両国で、渡辺桃はこう言っている。団体の公式アカウントが出したコメントである。「私たちがやりたいことはゴッデスだよ。私たちはタッグとしてこれからトップ目指していくから。そして、あのクソ黒歴史のQQとやら。そのQQの亡霊がよ、いっぱいいるからよ、全て消し去ってやるよ」
 9月10日の深夜1時36分、渡辺桃は自分のXにこう書いた。「久々にX開いたらよ クソみてえなのがうじゃうじゃでてきて本当に気分を害されている。でもあと数日でこいつらも全員消しさられる クソタッグチャンピオンと共にさっさと闇に消え去れクソが。」

 そして試合前日、団体が出したゴッデス・オブ・スターダム選手権試合の煽りVTRを引用して、Xにこう書いている。「一部クソみたいな映像が流れてるが 見納めってことだな。数年前に完全に闇に葬ったと思っていたが、まだ亡霊がいた。そんで黒歴史も黒歴史なりに歴史がある。それを明日、すべて、完全に終わらせる。明日からが本当の始まりかもな」

 亡霊が誰なのかは、具体的には書いていない。ただ、9月9日はQQの日である。その夜、林下詩美が「今と昔は違うと分かってても 思い出に浸るくらいいいよな」と書き、上谷沙弥が「どの口が言ってんの?」と引用で噛みついた。渡辺桃が「うじゃうじゃでてきて」と書いたのは、その翌日の深夜である。

 クソタッグチャンピオン。クソ黒歴史のQQ。クソ亡霊。9月12日、横浜武道館。その二つに仕留められたのは、渡辺桃本人だった。

▼鈴季すずStardom天咲光由スターライト・キッドx刀羅ナツコ稲葉あずさ上谷沙弥

鈴季すずStardom天咲光由スターライト・キッドx刀羅ナツコ稲葉あずさ上谷沙弥

すず羽南AZM組、八神が防衛 この夜は5王座すべて王者が守った

■ スターダム 9月12日 神奈川・横浜武道館 全試合結果

<ダイゼロタイム タッグマッチ> 8分7秒
○レディ・C 虎龍清花
 チョークスラム・レクイエム→片エビ固め
●飯田沙耶 浜辺纏

<第1試合 3WAYトリオバトル> 8分
○HANAKO 月山和香 林下詩美
 JPコースター⇒エビ固め
 山下りな 青木いつ希 安納サオリ
●小波 琉悪夏 フキゲンです★

<第2試合 6人タッグマッチ> 8分30秒
○葉月 コグマ フワちゃん
 葉・月ストラル
●伊藤麻希 古沢稀杏 梨杏

<第3試合 スペシャルシングルマッチ> 7分20秒
○ビー・プレストリー
 クイーンズランディング
●金屋あんね

<第4試合 タッグマッチ> 8分38秒
○朱里 妃南
 流炎⇒片エビ固め
●吏南 稲葉あずさ(JTO)

<第5試合 フューチャー・オブ・スターダム選手権> 12分56秒
[王者]○八神蘭奈
 ビートストライク⇒片エビ固め
[挑戦者]●鉄アキラ
※八神が10度目の防衛

<第6試合 アーティスト・オブ・スターダム選手権> 13分32秒
[王者組]○テクラ ジュリア・ハート スカイ・ブルー
 スカイ・ブルー:TKO⇒片エビ固め
[挑戦者組]●さくらあや なつぽい 水森由菜
※王者組が初防衛

<第7試合 ゴッデス・オブ・スターダム選手権> 22分45秒
[王者組]○AZM 天咲光由
 AZM:ヌメロ・ウノ
[挑戦者組]●渡辺桃 上谷沙弥
※王者組が3度目の防衛

<第8試合 ワンダー・オブ・スターダム選手権> 16分52秒
[王者]○羽南
 リストクラッチ式バックドロップホールド
[挑戦者]●壮麗亜美
※羽南が3度目の防衛

<第9試合 ワールド・オブ・スターダム選手権 ノーDQ> 22分52秒
[王者]○鈴季すず
 ジャーマンスープレックスホールド
[挑戦者]●刀羅ナツコ
※鈴季すずが2度目の防衛

「全て消し去ってやるよ」と言った渡辺桃がギブアップで消し去られた

 ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合。王者組のAZM&天咲光由、挑戦者組の渡辺桃&上谷沙弥。22分45秒、AZMが雪崩式の腕殺しからヌメロ・ウノを決めて、第37代王者組が3度目の防衛に成功した。

 沈められたのは渡辺桃である。上谷沙弥は、ギブアップしていない。「クソタッグチャンピオン」と呼んだ相手に負け、「亡霊」と呼んだものを終わらせられなかった。前日に書いた「明日、すべて、完全に終わらせる」は、そのまま宙に浮いた。

上谷沙弥がリング下から出したQQの旗 黒く塗ったのは味方だった

 旗は、敵に奪われたのではない。味方が黒く塗り潰した。試合はいきなりの場外戦で挑戦者組がペースを握った。その途中、上谷沙弥がリング下から巨大なフラッグを引きずり出す。そこに書かれていたのは Queen’s Quest。上谷が2年前まで所属し、いまはもう存在しないユニットの名前だ。

 次の瞬間、黒いスプレーがその旗に噴射された。噴いたのはH.A.T.E.の小波。上谷の味方であり、この日のセコンドだった。

 団体の公式アカウントは、この場面をこう実況している。「なんと上谷沙弥がかつて所属していたQueen’s Questのフラッグを持ち出す そこへ小波がフラッグに黒スプレーを噴射」リングの上には4人いた。王者組のAZMと天咲光由。挑戦者組の渡辺桃と上谷沙弥。セコンドには林下詩美が就いていた。5人とも、元Queen’s Questである。

 それに、黒く塗り潰したところで旗がきれいに消えるわけではない。塗り潰したという行為そのものが、そこに何が書かれていたかを客に思い出させる。消すための行為が、存在を強調してしまう。試合は、いきなりの場外戦で挑戦者組がペースを握った。上谷は相手セコンドに就いていた林下詩美に蹴りを見舞う。さらにリング下からQQの巨大フラッグを取り出したところで、H.A.T.E.セコンドの小波が黒スプレーを噴射した。

 公式のレポートは、この場面にこう書いている。「くしくもリングに立った4人と詩美は、元QQメンバー。詩美のスターダムマット復帰により、いまだ亡霊のように生き続けるQQの名を葬ろうというのだろう」

 団体が自分で「亡霊」と書いた。旗を出したのは上谷で、それを消したのは味方だった。葬るつもりだったのなら、たしかに筋は通っている。

ゴッデスは上谷沙弥が林下詩美と2度巻いたベルトだった

 ここで、争われていたベルトが何かを確かめておきたい。ゴッデス・オブ・スターダム王座の歴代を、公式のタイトル・ヒストリーで初代から数えた。

 第15代が渡辺桃&林下詩美。第18代が林下詩美&上谷沙弥。第23代が渡辺桃&スターライト・キッド。第30代が林下詩美&上谷沙弥。第34代が渡辺桃&テクラ。そして現王者が第37代のAZM&天咲光由である。

 上谷沙弥の王座歴は5本ある。第16代ワンダー、第18代ゴッデス、第20代ワールド、第26代ハイスピード、第30代ゴッデス。このうちタッグのベルトは2本だけで、2本とも相方は林下詩美だ。

 公式も6月にこう書いている。「2019年8月にデビューした上谷は翌年2月、詩美が所属したユニットQueen’s Quest(現在は消滅)に加入。2人のコンビでゴッデス・オブ・スターダム王座を2度戴冠した」

 つまり上谷にとってゴッデスは、林下詩美と巻くベルトだった。その同じベルトに、渡辺桃と組んで挑んだ。そして林下詩美は、相手側のセコンドにいた。

上谷ひとりが残された日 2024年6月22日の代々木

 Queen’s Questがどう終わったのかを、当時の記事で確かめた。2024年6月22日、東京・国立代々木競技場第二体育館。

 QQと大江戸隊の全面戦争は「最終敗者以外4人ユニット追放イリミネーションマッチ」として行われた。もともとは敗者ユニット脱退マッチだったが、大江戸隊が契約書を改ざんしてこの形になったという。

 勝ったのは大江戸隊だった。QQからAZM、妃南、レディ・C、天咲光由の4人が追放され、上谷沙弥ひとりが残された。刀羅ナツコは言った。「この喝采がお前にいく予定だったのにな。契約書を改ざんされた時から上谷、お前は何もわかってねえ!」「これからは上谷1人でQQだ。せいぜい頑張ってね」

 渡辺桃はこう吐き捨てている。「何にもわかってない。バカなQQ。」上谷沙弥が言ったのは、ひとことだけだった。「本当にみんなごめんね」

 その6日前、大阪。渡辺桃はこうも言っていた。「私がQQを望んでいると思ってるわけ? QQに帰ると思ったわけ? バカじゃねえの。テメーラQQは代々木でバラバラになって、お先真っ暗。私がぶっ壊してやるよ」ぶっ壊してやると言った女が、2年後、上谷沙弥の隣に立ってQQの旗を持ち出す側にいた。

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