[週刊ファイト09月17日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼スターダム鈴季すず、王者の毒「恋する子猫ちゃん」を口説く女後楽園
Photo:HIROKI スープレックス豪編
・鈴季すずが漏らした「若干、気まずい」 裏切った元同門と組んだメイン
・直後、裏切った側の鈴季すずが元同門2人に「ありがとうございます」
・王座を狙う刀羅ナツコ「恋する子猫ちゃん」に縮めてしまう鈴季のマイク
・あの重い刀羅ナツコを投げ切った鈴季すず11分30秒のメイン
・自転車事故でデビュー4カ月延び、そのデビュー戦自転車で入場した
・技はテキーラ沙弥から伝授と川田利明の映像スカイツイスタープレス
・刀羅ナツコは鉄アキラを狙い続けて王者を引きずり出した「作戦勝ち」
・「プロレスに友情なんてねえよ」と刀羅を投げた女が頭を下げた日
・9・12横浜武道館 鈴季すず刀羅ナツコ問われるのはベルトではない
・5★STAR表彰式で上谷沙弥だけが賞の話をせず吏南に噛みついた
・第1試合 吏南レフェリーに唾吐き、なつぽいは金屋の話だけをした
・第2試合 伊藤麻希に木谷社長が内定 その前にTikTok100万回
・第3試合 オーディションを間違えて応募したさくらあや3WAYを制す
・第4試合 山下りな「羨ましいよ、朱里さんの隣、正直」朱里組から2冠
・第5試合 フワちゃん帰国初戦 絶対不屈彼女が飛び込めなかった
・第6試合 鉄アキラが地声で「フューチャー、八神から取る。以上だ!」
・第7試合 この日唯一のタイトルマッチ15分時間切れ コグマの注文
・第8試合 鈴季すず組が勝利 キッドは来週CMLL世界女子王座へ
■ STARDOM in KORAKUEN 2026 Sep.
日時:9月6日
会場:後楽園ホール 観衆1327人(主催者発表)
■ STARDOM in KORAKUEN 2026 Sep. 9月6日 後楽園ホール 全試合結果
<第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
○吏南 琉悪夏
9分17秒 Pink♥Devil⇒片エビ固め
なつぽい ●金屋あんね
<第2試合 6人タッグ 20分1本勝負>
伊藤麻希 ○古沢稀杏 梨杏
14分43秒 レッグロック式アンクルホールド⇒ギブアップ
飯田沙耶 ●浜辺纏 林下詩美
<第3試合 3WAYバトル 15分1本勝負>
○さくらあや
6分14秒 にゅーさくらっち
●フキゲンです★
※もう一人は妃南
<第4試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
山下りな ○青木いつ希
10分17秒 羅紗鋏⇒片エビ固め
朱里 ●虎龍清花
<第5試合 6人タッグ 20分1本勝負>
安納サオリ 葉月 ○フワちゃん
9分29秒 シャイニング・ウィザード⇒片エビ固め
レディ・C HANAKO ●月山和香
<第6試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
羽南 ○八神蘭奈
11分38秒 ビート・ストライク⇒エビ固め
壮麗亜美 ●鉄アキラ
<第7試合 ハイスピード選手権試合 15分1本勝負>
[王者]水森由菜
時間切れ引き分け
[挑戦者]コグマ
※第28代王者が5度目の防衛に成功
<第8試合 6人タッグ 30分1本勝負>
○鈴季すず 天咲光由 スターライト・キッド
11分30秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド
刀羅ナツコ 上谷沙弥 ●稲葉あずさ
鈴季すずが漏らした「若干、気まずい」 裏切った元同門と組んだメイン

9月6日、後楽園ホール。6日後には横浜武道館でワールド王座戦が待っている。王者・鈴季すずにとって、この日のメイン6人タッグは刀羅ナツコとの前哨戦だった。だが、試合の決着そのものは、二人の間では答えを出さなかった。
鈴季が3カウントを奪ったのは稲葉あずさ。刀羅は鈴季に投げっ放しジャーマンを食らわせられ、場外へ排除された。つまり鈴季も刀羅も、直接3カウントを取ってはいない。だからこそ、最後に残ったマイクが印象に残る。
そして、この日の鈴季すずには一つ、妙に人間臭い瞬間があった。「気まずい」。本人がそう言った。メイン後、鈴季はマイクを握った。そこで最初に出てきた話題は、刀羅ではなかった。「あとさ…おかしくない? ちょっと懐かしい顔ぶれだわ。若干、気まずい」この言葉には具体的な理由がある。
同じコーナーに立っていた天咲光由とスターライト・キッド。そして目の前には刀羅ナツコ。鈴季には、刀羅と簡単には割り切れない過去がある。2025年4月2日、後楽園ホール。鈴季がNEO GENESISを裏切った。星来芽依の蹴りが鈴季に誤爆。刀羅が鈴季に椅子を渡した。鈴季は星来を殴った。そして、その刀羅までジャーマンで投げ捨てた。「H.A.T.E.に入るわけねえだろ!」
さらに、「プロレスに友情なんてねえよ。今までありがとな、親友」と言い放った。その「親友」が、今度はワールド王座挑戦者として自分の前にいる。そりゃ気まずい。しかも、天咲とキッドもいる。天咲は9月6日、同じコーナーに立った仲間を裏切るようなことはしない、と鈴季を皮肉った。
裏切りを知っている人間たちと、裏切った人間が同じコーナーにいる。鈴季本人が「若干、気まずい」と言ったのは、ただの照れ隠しではない。
直後、裏切った側の鈴季すずが元同門2人に「ありがとうございます」

ここからが、この日の鈴季すずだった。「でも、今日はちょっと不本意ながら、この方々に助けていただきましたんで、ありがとうございます」そして、頭を下げる。鈴季は裏切りをなかったことにはしていない。刀羅との過去も消していない。天咲やキッドから見れば、過去に仲間を裏切った人間でもある。それでも、この日の試合では同じコーナーに立ち、助けてもらった。
だから「ありがとうございます」と言った。挑発する。過去をネタにする。それなのに、最後は頭を下げる。一つのマイクの中に、鈴季すずの二つの顔が同居していた。「プロレスに友情なんてねえよ」と言った女が、今度は助けてもらった仲間に礼を言う。この矛盾を隠さない。むしろ、そのままリングに出してしまう。
王座を狙う刀羅ナツコ「恋する子猫ちゃん」に縮めてしまう鈴季のマイク

もちろん、鈴季はそれだけで終わらない。横浜でワールド王座を争う刀羅に向けて、「ナツコ、今日が最初で最後の前哨戦かな」と切り込む。そして過去の刀羅を持ち出した。「あの時、まっすぐな澄んだ瞳で私のこと見つめてた、恋する子猫ちゃんみたいなナツコ」
これが鈴季のやり方だ。刀羅が自分を狙ってきた理由を「作戦」として語るなら、鈴季は刀羅の感情を勝手に物語にする。しかも「恋する子猫ちゃん」。王座を狙うH.A.T.E.のリーダーを、恋する子猫にしてしまう。
刀羅からすれば、たまったものではない。だから「はりきりチャンピオンだっけ?」と返し、「世間はもうはりきりじゃなくて、寄り切りチャンピオンが見てえんだよ」と切り返した。「鈴季すずの時代は終わり。次は私、刀羅ナツコだ」
鈴季が過去を持ち出せば、刀羅は現在のベルトを持ち出す。鈴季が恋にするなら、刀羅は相撲にする。9・12は、この二人の関係性と人間味まで含めたワールド王座戦になる。
あの重い刀羅ナツコを投げ切った鈴季すず11分30秒のメイン

鈴季すずの言葉だけを面白がっていてはいけない。この日のメインには、それを裏付けるものがあった。身長はほぼ変わらない。だが刀羅ナツコの体は明らかに厚い。それでも鈴季は刀羅をジャーマンで投げた。
正確には、この日の3カウントを取ったのは稲葉あずさ。刀羅から勝ち星を奪ったわけではない。刀羅は投げっ放しジャーマンで場外へ排除しただけだ。だから「鈴季が刀羅に勝った」と書くのは違う。しかし、自分より重い刀羅を投げ飛ばした。
ここに鈴季すずのレスリングがある。小柄だから飛ぶ。軽いからスピードで翻弄する。それだけではない。あの体で飛んで、捻れて、そして刀羅をジャーマンで投げる。あの刀羅を投げたと分かると、この日の光景が少し違って見える。