[週刊ファイト7月9日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼ノア2026年上半期総決算! 6月3度目後楽園ホール大会振り返る
photo & text by 鈴木太郎
・大阪ビッグマッチに弾みつけた2026年上半期方舟総決算
・大阪メイン選択肢はOZAWAしかいなかった
・約1ヶ月前哨戦無しも大盛り上がりシェインvs.遠藤哲哉
・内藤哲也&BUSHI撃破文句無し! 征矢学&飯野雄貴王座奪還
・丸藤正道ナショナル王座V2達成も待ったかけた拳王
・アレハンドロ敗戦で清宮海斗と結束強調もユニット解散漂う不穏
・大阪ビッグマッチ唯一未決定Jrヘビー級王座前哨戦HAYATA制する
・小田嶋大樹ラダーマッチ不利状況名乗り上げたAMAKUSA
■プロレスリング・ノア『LEGACY RISE 2026』
■日時:2026年06月25日(木) 18:30開始
■会場:東京・後楽園ホール
■観衆:1,202人
プロレスリング・ノアによる真夏のビッグマッチ、2026・7・18インテックス大阪大会の開催まで、残すところ約1ヶ月を切った。7・5に後楽園ホール大会を控えているものの、ビッグマッチに向けた大枠を6・25後楽園ホール大会で決めることは確実だった。事実、今回の後楽園ホールではGHCヘビー級王座、GHCタッグ王座、GHCナショナル王座の3大GHC王座戦が実現。3つ以上もの王座戦を1大会に詰め込む手法は、近年のノアだとビッグマッチ級の大会でしか見られない手法だけに、大阪に向けた力の入れ方が窺える。
別ブランド興行の『WRESTLE MAGIC』も含めれば、ノアとしては6月だけで3大会目となる後楽園ホール大会だったが、3大王座戦を中心にハズさない内容で会場を盛り上げたことからも、大阪ビッグマッチへの弾みは間違いなく付いたと言えよう。

メインイベントで行われたGHCヘビー級王座戦では、約1か月振りの来日を果たしたシェイン・ヘイストが、挑戦者の遠藤哲哉を退ける磐石の試合内容で王座防衛を果たした。大阪ビッグマッチのメインイベンターを担うことが決定したシェインの下に現れたのは、2025年にノア躍進の立役者となったOZAWAだった。
ノアの大阪ビッグマッチでは初開催となるインテックス大阪において、地方で目玉となるカードを組みたい意図を考えれば、今回のメインの結果にかかわらず、人気・実力共に申し分ないOZAWAが出てくることは必然と言えよう。2025年元日、2026年元日と、過去2度のGHCヘビー級王座挑戦はどちらも長期欠場明け間もないタイミングだったことから、OZAWAにとって今回のシェイン戦がキャリア初の前哨戦ロードとなる。

そんなOZAWAは、激闘を終えたシェインの下に現れるや否や、例のごとく悪態を連発。南側後方の数列を最初から塞ぐステージプランを敷いて満員に至らなかった会場や、タッグリーグ開催期間やシェインの帰国もあって前哨戦が行われなかったGHCヘビー級王座戦に対する周囲の関心や話題の低さを論い、自らが王者に相応しいとアピールした。

2025年、プロレスリング・ノアの旗揚げ25周年イヤーにおいて先頭を走る存在となったのは、2022年9月デビューのOZAWAであった。元日にキャリア約2年4ヶ月の最短記録でGHCヘビー級王座を戴冠したOZAWAは、若手が育たず他団体やフリーランスのベテラン選手を重用するノアの現状を批判し、相手選手を小馬鹿にしながらも試合内容で魅せたことにより、ノア以外のプロレスファンも取り込む時代の寵児と化した。
長期欠場によって勢いが落ちると思われた秋以降も、自身のYouTubeチャンネルやSNSアカウントで舌鋒鋭くノアの選手やプロレス界の現状を揶揄するなど、存在感は際立っていた。しかし、2026年元日に日本武道館大会でYoshiki Inamuraの持つGHCヘビー級王座奪還に失敗すると、上半期は春先の内藤哲也との抗争を除き、興行の前半部分を支える時期が続いた。
OZAWAがGHCヘビー級王座を保持していた2025年は、後楽園ホール大会が殆ど前売り完売という大盛況をもたらした事は疑いようの無い事実である。その一方で、2026年は3月の横浜武道館大会や5月の両国国技館大会で、前年と同等ないし上回る動員を記録しており、平日開催が増えた後楽園ホール大会も座席数を制限しながらも概ね観衆1,000人台に達している事からも、勢いが落ちたと考えるのは早計だろう。
OZAWAのようにノア以外のプロレスファンからも耳目を惹く存在であったとしても、必ずブームは去ったり落ち着いたりしてしまうものだ。既存のプロレス界に切り込むカリスマ性も、2年目以降は周囲も見慣れ、目新しさを見出だしにくくなってくれば、ストーリーラインでもタイトルに絡ませない休閑期は必要になってくる。その点において、OZAWAに頼りきることなく2026年の上半期を乗り切り、下半期の先陣を切る大阪ビッグマッチに満を持して登板させる事が出来たのはノアにとって大きい。