11・15『ULTIMATE柔道』大阪市立平野区民センター大会開催発表

 11月15日(日)、大阪市立平野区民センターにて『ULTIMATE柔道』の第二回大会が開催される。まだまだ馴染みがなく、そもそも『アルティメット柔道』とはなんぞや?と思われるのが普通なので、三重県から東京に来ていただいた石川力(つとむ)代表にお話を伺った。

 石川代表は、三重県桑名市多度町にある日本料理店『あたご』を経営している。ずっと柔道家として育ってきており、柔道推薦により愛知県の中京大学に進学、キャプテンも務めていた。今回同席を願ったアパッチプロレス軍の橋本友彦代表とは、高校時代の強化合宿で知り合い、以降ずっと20年来の親交が続いている。また、現在38歳の石川代表は5年前から週2回の少年柔道を指導。縁もあって最初はアパッチプロレス軍興行カードの一部として『ULTIMATE柔道』を企画、昨年5月には単独で第一回大会を開催、今回はいよいよ本腰を入れての第二弾となる。
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 最初に強調されていたのは、柔道のレベルの高さだ。例えばオリンピック強化選手が8名選ばれたとして、その選に漏れた次の8名がいたとする。仮に最初の8名全員が怪我などの理由で出れなくなったとして、次の8名が替わってそこから金メダルが出ることは十分にありうる世界だという。つまり実力は拮抗しているのだ。今回の出場メンバーにせよ、フランス国際柔道選手権チャンピオン、アジア大会チャンピオン以下、五輪強化選手だった者など、最低でも各地区ブロックで優勝経験がある。柔道となればどうしても五輪のメダリストにだけ注目が集まるが、あと一歩だった選手が大勢おり、「もったいない」という思いが根底にあった。実際、今回組まれた全10試合、20名にせよ「俺も出たい」と売り込みもあったほどで、すぐに集まったそうだ。

 柔道の世界は良くも悪くも講道館柔道のひとつしかない。吉田秀彦がPRIDEに出るとなって、いったん講道館を辞めて、プロ引退後にまた指導者として復帰となったのはこのためだ。いわゆるプロ柔道というのは、木村政彦の時代からそれこそプロレスよりも前に存在しているが、どれも長続きしていない。近年では天理大学のOBを中心に畳で試合する『J-DO』がオンエアイーストなどで開催された実績はあるが、総合格闘技との差別化があいまいだった反省が残った。
 『ULTIMATE柔道』は道着とマウスピース、オープンフィンガーグローブ着用だが、立ち技での打撃はなく3点ポジションになった場合のみのパンチに制限。あくまで柔道本来の「完膚なきまでに相手を叩きつける」、強さの象徴である投げ技を重視しており、鮮やかに決まれば一本、あるいは30秒間完全に押さえ込んでも勝利だ。競技者ですら戸惑う毎年細部がくるくる変わるポイント制ではなく、わかりやすさを前面に出した。女性客にもスタイリッシュでカッコイイと思ってもらえるような大会を目指している。
 但し、リングで戦うため、投げ技はそう簡単には極まらない。ロープを使っての防御がアリだからで、リングで戦うことの独自の面白さが前回大会から見どころとなっている。さらにわかりやすく「払い腰です!」とか、会場には実況解説の音声も流す。礼に始まり礼に終わる武道の継承が最優先されるが、選手は入場曲を伴ってリングインするし、勝利のガッツポーズも許されるなど、パフォーマンスに制約がないのがプロ柔道の特徴だという。

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【ルールと勝敗定義】
相手を宙に浮かし、背中から綺麗に投げる事を一本。
一本に値しないが、それに準ずる投げ方を、技あり。

技ありに値しないが、それに準ずる投げ方を有効。

寝技
30秒間相手を制圧し、押さえ込んだら一本勝ち。
25秒なら技あり。
20秒なら有効。
関節
足関節以外の関節技が、認められてます。
締め技
道着を使った締め技認められてます。

 重ねて石川代表は、今回の大会テーマを「まだまだ埋もれている強豪がゴロゴロいる」ことと、「競技の底辺を広げたい」からだと説明する。吉本柔道部とか、芸人さんで柔道かじった者がTV番組『アメトーク』で取り上げられたりしているが、こちらは「一部、様々な理由で出身や現在の所属なりを明かせない選手もいるが、知っている方が見たら凄い強豪ばかりのカードを揃えた」と胸を張った。
 柔よく剛を制すにのっとり、今回の大会結果をもとに無差別ランキングも制定予定。柔道ファンのみならず、新しい格闘技としても見逃せないイベントなのだ。

カードの見所は以下の通り
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■ ULTIMATE柔道
日時:11月15日(日) 開場16:30 試合開始17:00
会場:大阪市立平野区民センター
チケット:全席自由席5000円

【対戦カード】
<第一試合>
~背負い投げを得意とする両者の戦い!担ぎ技の応戦で初戦から柔道の真骨頂に期待!
KENZO(近大) VS 河村健太(国士舘大)

<第二試合>
~格闘技界からの刺客対決!激しい打撃戦を予感させる注目のカード!
小坂井寛(総合格闘技) VS 池田龍之介(総合格闘技)

<第三試合>
~元東海チャンピオンの技のキレに対し藤井の打撃がどこまでくい込めるかが見所!
石原正紀(中京大) VS 藤井勇斗(総合格闘技)

<第四試合>
~怪力オヤジ柔道家に対し、名門校出身のエリート柔道家がどんな戦い方を見せるのかが注目!
浅井清照(帝京大学) VS ナオキ(天理大)

<第五試合>
~かつてあの秋山成勲に勝利した男が参戦!往年の関西チャンプに若い水野がどう戦うか!
谷川紀勝(流通経済大) VS 水野未知也(大垣日大)

<第六試合>
~場数を踏んだ総合格闘家に柔道一筋富山の突貫小僧が襲い掛かる!~
武士正(総合格闘技) VS 阿部大輝(柔道家)

<第七試合>
~軽量級のオリンピック候補選手として注目され三輪と、プロ格闘家として大晦日の舞台を経験した橋本。時を経て奈良の頂上決戦が20年ぶりに実現!
橋本友彦(正強高校) VS 三輪高広(天理高校)

<第八試合>
~田舎の料理屋店主がPRIDEの切り込み隊長にどう挑むのか…。命知らずの意地に注目!
石川力(中京大) VS 松井大二郎(国際武道大)

<セミファイナル>
~柔道王国富山から元学生チャンプが参戦!超攻撃型重量級同士の対決は迫力満点!
増田嘉紘(大垣日大) VS 金森照(日本大)

<メインイベント>
~元世界学生三位の猛者が強いのか、リアルキン肉マンがやっぱり強いのか…。予想不能!!
谷本竜孝(天理大) VS 臼井奨太(大垣日大) ”

詳細版は金曜9日発売『週刊ファイト10月15日号』に収録されました。
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