福田海斗、強豪・ペットヤソーに判定勝利!タイ遠征!

 本場タイを主戦場としてメジャースタジアム王座を狙う、異色の高校生ファイター・福田海斗(キング・ムエ)が9/20(日)「スック アッサウィンダムSpring News」(タイ・インペリアルラップラオスタジアム)に出場、フライ級の強豪・ペットヤソーに対し戦前の予想をひっくり返して、見事判定勝利をおさめた。

 「スック アッサウィンダムSpring News」は今回、ムエタイ界最大のプロモーション・ペッティンディーグループの協力を得てリニューアル。タイ衛星テレビ「Spring News」での生中継も入り、第1弾興行としてタイで注目を集める興行となった。
 そんな栄えある興行に抜擢された福田は、ペットヤソー・ダーブルアンサラカームと対戦。ペットヤソーは現在こそ外れているものの、最近までラジャダムナンスタジアム・フライ級にランクインしていた強豪。メジャースタジアムでの試合順は第5試合~メインクラスの選手で、当然ごとく今回の試合前賭け率はペットヤソーのリードであった。

 試合は序盤、静かな立ち上がり。メジャースタジアムとは違って11:00AM(現地時間)からの試合のため、ペットヤソーは体力温存を図っているようだ。第2ラウンド、福田はギアを上げ早くも首相撲に持ち込む。福田陣営は首相撲を仕掛けてペットヤソーの体力を奪う作戦に。組んではヒジ・ヒザ、離れてはテンカオと波状攻撃を仕掛けるが、ペットヤソーも下がりながらミドル、組んでも福田の顔を押さえ良い体勢を作らせずベテランのうまさが光る。
 第3ラウンド、福田はしつこく首相撲勝負へ。ヒジもクリーンヒットし、ペットヤソーも前蹴りで突き放そうとするが福田の前進が止まらない。ラウンド後半、若干動きが鈍るペットヤソー。

 そして第4ラウンド、ペットヤソーもここで勝負に出た。福田の前進に対し強烈な右ストレート。そしてヒジにはさらに強烈なヒジをお返し。しかし福田はなおも前進、ヒジ・ヒザの手数は衰えない。攻防は互角ながらもラウンド後半、福田の圧力が強くペットヤソーはロープを背追う場面が多くなり、若干不利な体勢と見られ第4ラウンド終了時で福田が賭け率でリード。しかし5-3と差が大きくない為最終ラウンドでの決着に持ち越された。

 その最終ラウンド、ペットヤソーが前に出たところに福田がうまくこかし技を決め、ペットヤソーをリングに転がした。猛然と福田に襲い掛かるペットヤソーだが福田も負けじと右ヒジ。ペットヤソーは首相撲で大きくヒザを蹴ってジャッジにアピール。ラウンド終盤、福田は首相撲の膠着のスキをついてバックステップ、そして飛びヒザ!この1発で試合が大きく傾き、ここでゴング。
 両者とも自身の勝利をアピールしたが、レフェリーは福田の手を上げ、見事福田の判定勝利となった。

 強豪との接戦を制した福田だが、今回は1ポンドハンディをもらっての試合であり、また早朝5時計量・11時試合開始(現地時間)のため、通常より重い体重(福田115ポンド、ペットヤソー114ポンド)での試合ということもあって、実力差は無いと見て良いだろう。

 とはいえ、この試合が関係者に与えた衝撃は大きく、ある関係者は「この記念すべき興行の第1試合で、日本人がヒザの展開でしかも勝つなんていうことが、いまだに信じられないよ」と驚いた様子であった。

 福田の対戦相手候補には、ビックマッチ常連で現ルンピニースタジアムフライ級10位のタナデー・トープラン49の名前も挙がっており、今後ランキングの再浮上や現地での王座挑戦など、日本人でこれまでほとんど例のない領域も視野に入りつつある。
 今後の福田に大いに注目すべきであろう。

■ 「スック アッサウィンダム Spring News」
日時:9月20日(日)
会場:タイ・インペリアル・ラップラオスタジアム

<第1試合 115-114ポンド契約>
○カイト・ウォーワンチャイ(福田海斗/WPMF世界フライ級王者)
 5R判定
●ペットヤソー・ダーブルアンサラカーム(タイ)