[ファイトクラブ]激闘と進化が交錯した大晦日─全日プロが代々木で魅せた2025年の集大成

[週刊ファイト01月08日]期間 [ファイトクラブ]公開中

▼激闘と進化が交錯した大晦日─全日プロが代々木で魅せた2025年の集大成
 photo:テキサスロングホーン 編集部編
・王者としての真価、宮原健斗が三冠を守り切った夜
・“我蛇髑髏”が制す!加藤良輝&ISHINが第128代アジアタッグ王者に戴冠
・斉藤ジュンが魂の一撃で潮﨑豪を撃破!大晦日に宿命の一騎打ちを制す
・ダンプ松本、KURAMA、代々木の序盤戦に満員のファンが沸いた


▼プロレス界にも採り入れて欲しい、現役ドラフトとプロ・スカウト部門

[ファイトクラブ]プロレス界にも採り入れて欲しい、現役ドラフトとプロ・スカウト部門

▼横浜の街に響く「最高」の声―宮原健斗、消防署長としてのもうひとつの戦い

[ファイトクラブ]横浜の街に響く「最高」の声―宮原健斗、消防署長としてのもうひとつの戦い

王者としての真価、宮原健斗が三冠を守り切った夜

■ ザ・リーヴ presents ゼンニチ大晦日2025
日時:12月31日
会場:国立代々木競技場・第二体育館 観衆2730人(主催者発表)

<第7試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者]○宮原健斗
 28分37秒 シャットダウン・スープレックス・ホールド
[挑戦者]●安齊勇馬
※第76代王者が3度目の防衛に成功

 2025年12月31日、年の瀬を締めくくる大一番として全日本プロレスが開催した「ザ・リーヴ presents ゼンニチ大晦日2025」代々木大会。そのメインイベントとして行われたのが、三冠ヘビー級選手権試合であり、第76代王者・宮原健斗が挑戦者・安齊勇馬を迎え撃った一戦であった。大舞台の主役にふさわしい存在感を放ち続ける宮原が、現代全日本の象徴ともいえる風格と冷静さ、そして情熱を兼ね備えたファイトで見せた闘いは、まさにチャンピオンの名に恥じないものだった。

 試合は序盤から安齊勇馬の気迫が光った。宮原に対し臆することなく真正面からぶつかっていく姿勢は、彼がこの挑戦の機会をどれほど重く受け止めていたかを物語っていた。フィジカルでの圧力、気持ちの乗った打撃、そして幾度となく繰り出されるスープレックスによって、王者を押し込む時間帯もあったが、宮原はそれに翻弄されることなく、試合の流れを自分のペースへと引き戻していった。

 なかでも試合中盤、安齊のスピアーが決まり王者がぐらついた場面では、代々木の会場が大きくどよめき、観衆の誰もが「もしかしたら」という一瞬の希望を抱いた。しかし、そこから宮原はむしろギアをもう一段階上げるようにラリアットを打ち返し、相手の勢いを封じ込める。まるで「ここが俺のリングだ」と言わんばかりに、自らの持ち味を濃密に叩き込んでいく姿は、王者としての絶対的な説得力を伴っていた。

 終盤には、安齊が逆転の一発を狙って渾身のジャーマン・スープレックスを決める場面もあったが、宮原は意識朦朧としながらも2.9で肩を上げ、決してスリーカウントを許さなかった。そして、迎えた28分37秒、ついに宮原が誇る必殺技「シャットダウン・スープレックス・ホールド」で挑戦者を完璧に捕らえると、レフェリーの手が3度マットを叩き、2025年の最後を締めくくる王者の防衛が確定した。これで宮原は第76代三冠ヘビー級王者として3度目の防衛に成功し、その王座にさらなる重みを与えた形となった。

試合後、宮原はリング上で「最高だろ? 全日本プロレス最高だろ? 俺が三冠王者だ!」と語り、観衆を前に強烈なメッセージを残した。この言葉には、彼が体現してきた全日本の歴史とプライド、そしてこれからの未来への意志が強く込められていた。まさに新時代の象徴としての自負と覚悟がにじむ言葉であり、会場に詰めかけたファンにとっても、忘れがたい年末の夜となったはずだ。

 一方、敗れた安齊勇馬もまた、この一戦で得た経験と悔しさを糧に、さらに進化していくことが期待される。王者をあと一歩のところまで追い詰めたその実力は確かであり、この敗北が彼のキャリアにおいて転機となるのは間違いない。若き挑戦者が真っ向からぶつかったことで、この三冠戦は単なるタイトルマッチではなく、2026年の全日本プロレスにおける一つの指針を示す重要な闘いとなった。

 王者・宮原健斗が王座を守ったという結果以上に、試合内容が持つ濃度と説得力が、今後の三冠戦線への興味を一層高めた。そしてこの試合を最後に2025年が終わり、全日本プロレスは新たな年へと歩を進めていくことになるが、まさにその一歩目にふさわしい名勝負が代々木で生まれたことを、プロレスファンなら誰もが胸に刻んだに違いない。

▼全日本:三冠戦斉藤ジュンV6次期挑戦者青柳優馬 Jr.フェス好試合

[ファイトクラブ]全日本:三冠戦斉藤ジュンV6次期挑戦者青柳優馬 Jr.フェス好試合

“我蛇髑髏”が制す!加藤良輝&ISHINが第128代アジアタッグ王者に戴冠

<第6試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負>
[挑戦者組]○加藤良輝 ISHIN
 23分21秒 カデーレ・ルナ⇒片エビ固め
[王者組]MUSASHI ●吉岡世起
※むーちゃんせーちゃんが3度目の防衛に失敗。加藤&ISHINが第128代王者組となる

 2025年の締めくくりにふさわしい熱狂が代々木のリングを包んだ一戦、加藤良輝&ISHINが、MUSASHI&吉岡世起の“むーちゃんせーちゃん”を破り、第128代アジアタッグ王者に輝いた。試合前から不穏な空気を纏っていた“我蛇髑髏”が放った執念と、場外戦も厭わぬ強靭な精神力、そして何より勝利への貪欲さが、王者組を凌駕した。

 試合開始のゴングが鳴る前に加藤&ISHIN組が奇襲を仕掛け、吉岡を場外に排除しMUSASHIを孤立させると、そのままリング内外を巻き込んだ混戦が続く。王者組も反撃し、MUSASHIと吉岡の見事な連携によるトレイン攻撃や、巧みなタイミングでのトペ・コンヒーロで応戦するが、我蛇髑髏の荒々しくも計算された戦術により形勢は何度も逆転。特に、加藤のクレセントバックブリーカーやISHINのジャーマンスープレックスは、ひとつひとつがフィニッシュ級の威力であり、王者を確実に追い詰めていった。

 途中、MUSASHIが加藤と吉岡を誤認し、痛恨のバックキックを吉岡に誤爆してしまう場面では、観客の間にもどよめきが走った。加えてKAIの介入によるレフェリー妨害や急所攻撃といったラフプレーも重なり、王者組にとっては非常に不利な状況が続いた。

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