[週刊ファイト03月20日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼新日本NJC1回戦結果 尼崎TJPに謎判定 平成ファンに嬉しいメイン
photo & text by 西尾智幸
・昨年に続き少し寂しい入りだった尼崎大会
・Bオレッグ巨体Bファレを担ぎ上げる
・どこも書かないELPへの謎判定の詳細
・石井智宏負けてもインパクトのある試合
・内藤哲也カリスマ性に陰りか?
・もう最後? このメンバーでのメインカード
・棚橋現役として最後の尼崎大会
・3・7後楽園で鉄柱が折れた?!
新日本NJC1回戦結果 尼崎TJPに謎判定 平成ファンに嬉しいメイン
■ NEW JAPAN CUP 2025
日時:2025年3月9日(日) 開始16時(第0試合は15:30より)
場所:兵庫・ベイコム総合体育館(尼崎市記念公園総合体育館)
観衆:2412人
今年もこの季節がやってきた。NEW JAPAN CUP 2025。24人の猛者達が『負けたら終わり』のトーナメント戦でナンバーワンを決める!
東京・後楽園ホールで2連戦、そしてこの尼崎の3大会で1回戦8試合が行われる予定だったが、実際は2大会で8試合が行われた。後楽園初日、鉄柱が折れるという前代未聞の理由での大会中止については、あとにして、先に尼崎をお伝えしたい。
超満員だと4000人前後入るが、2412人は少し寂しい感じで、特に2階席に空席が目立ったものの、観客の熱量は熱いものを感じた。
<第5試合 トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負>
○ボルチン・オレッグ
7分11秒 カミカゼ⇒片エビ固め
●バッドラック・ファレ
過去NJCでは2度、準優勝しているファレ。今回初対決ながら、まだキャリア2年のボルチンなど子供扱いだと思っていただろう。しかし、いきなりのタックル合戦も最初はイーブンだったが、最後はボルチンが打ち勝った。場外ではファレ優勢だったが、ボディスラムで投げられ、必殺の毒針エルボーもカウント2で跳ねのけられた。
そして、最後はボルチンがショットガンドロップキックからファレの巨体を担ぎカミカゼで仕留めた。
試合後、『あんなのは予想外だった! アイツは恐ろしいモンスターだ』とファレはぼやいた。
ボルチンの進化はまだまだ止まらない!
どこも書かないEファンタズモのリングアウト負けにならなかった謎
グランドから始まって、オーカーンのバックブリーカー、ファンタズモのドロップキックなど互角に闘っていた。事件はこのあと。ファンタズモがラリアットでオーカーンを場外に落とし、トペ・スイシーダを発射。オーカーンをフェンスに投げつけるなど有利に見えたが、コーナー最上段からムーンサルトアタックをかわされTTDで場外マットに脳天から落とされた。
先にオーカーンはリングに戻るが、ファンタズモは足がもつれ、うまく立てずリングに戻れない。カウント19で再びエプロンに手を着くも再度倒れ、坂本レフェリーがカウント20を数えたあと、滑り込むようにリングイン。
早くもリングアウト負けかと記者も思ったが、レフェリーは『セーフ!』と意味不明に叫んだ。
え? どこがセーフ?? 会場全体も一瞬どよめいたが、こんな形で終わるより、すっきり決着を着けて欲しいという思いもあっただろうし、ブーイングや野次は特に起きなかった。
という事は、ファンタズモが勝つのか? オーカーンの大空スバル式羊殺しを食らったものの、トルネードDDTからサドンデスで追撃も、オーカーンはカウント2で返した。
そして、反対にオーカーンが逆大外刈りからエリミネーターで見事に3カウントを奪った。
結局オーカーンが勝つならその前のリングアウト負けでも良かったとは思うのだが…。逆に言うと、これでオーカーンが負ければブーイングが出たかもしれない。さっき、一度勝っていたじゃないかと! でも、オーカーンが勝利した事で、一件落着か?
しかし、一番の問題はレフェリーがカウント20を入れてしまった事。坂本レフェリーは、キャリアまだ3年半。この瞬間の判断が出来ていなかったのだろうが、そこは、20を数える前に『終わるぞ』などとひとこと挟み、少しタイミングをずらしてでもファンタズモのリングインを待つべきだったと思う。せっかくの好勝負にレフェリーが水を差すのは勿体ない。
<第7試合 トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負>
○ドリラ・モロニー
14分6秒、ドリラキラー⇒体固め
●石井智宏
このNJCから本格的にヘビー転向となったモロニー。ジュニア時代に比べ、上半身もごつくなっていた。
試合は開始早々、エルボー、キック、ラリアットとゴツゴツした闘いが続く。
しかし、単に肉体のぶつかり合いではなく、例えば石井の得意技、雪崩式ブレーンバスターを見事に決めるが、モロニーはすぐに立ち上がり逆にラリアットを食らわすなど、大技での駆け引きも面白く、場内も大いに沸いた。
極めつけは、石井はラリアットからフィニッシュの垂直落下式ブレーンバスターで持ち上げる。それを回避したモロニーはトラースキックから掟破りの垂直落下式ブレーンバスターを決めるが、石井はカウント1で跳ね返す。そして石井はモロニーの必殺技ザ・ゴア(スピアー)を繰り出すがモロニーは同じくカウント1ではね返し場内最高潮!
最後は、モロニーがジャンピングニーをモロに石井に突き刺すと、ドリラキラーで仕留めレジェンドを倒し2回戦進出を決めた。
余談だが、ドリラキラーを決めた時の佐藤レフェリーの顔を見て欲しい。観客のようにうわーっという表情。気づかない人も多いだろうが(記者も写真を見て気づいた)、レフェリーもカウントを入れるだけでなく、こういう部分まで含めてすべてがプロレスである。坂本レフェリー! 頑張って下さい!!
内藤哲也Cニューマンを仕留めるもカリスマ性に陰りが見え始めたか?