伊藤『前半で政所が前回同様に倒し切る可能性もあるし、後半まで行ったら花岡が勝つ』
中村『タイトル以外の争い“次に誰が出てくるか”という所がポイントですね』
中村 今回は12月15日に行われる後楽園大会の見どころについてお伺いしていきます。
伊藤 よろしくお願いします。
中村 今回は2つのタイトルマッチがあって、まず1つはスーパーフライ級の王座決定戦、政所選手と花岡選手の試合があります。この2人はこれまでに2回対戦していて1勝1敗という事ですが、伊藤さんはこの2人の試合を見た時の印象や感想はありますか?
伊藤 最初に戦った時が、花岡がダウンを奪って勝っていて、2回目はトーナメントで政所がフックでKO勝ちをしているんですけど、相性はめちゃめちゃ良いですよね。その2試合とも本当に良い試合でした。これが最終決戦、3度目の決着で王座決定戦という流れになりました。
中村 シチュエーションとしては最高ですね。
伊藤 両者にとって最高のシチュエーションだと思います。
中村 この2人は噛み合うタイプなんですか?
伊藤 お互いが自分から行く選手ですし技術もかなりのハイレベルなので、その部分で非常に噛み合うというか相性が良いですね。
中村 スーパーフライ級もすごく選手が多く激戦区だと思います。この2人が王座決定戦まで上がってきたという所では、それぞれの強みってどんなところに感じますか?
伊藤 花岡に関してはRISEに出てくる時から地力があったんですけど、ルールにアジャストするのが難しくて、ここ最近で良くなりましたよね。政所はずっとやってきている選手なんですけど、浮き沈みが激しい選手だったんですよ。元々は物凄く才能がある子なんですけど、モチベーションの浮き沈みが激しくて、トーナメントで優勝したぐらいから非常に良くなりましたね。前回の大﨑一貴とのタイトルマッチも敗者とはなりましたが、勝者として讃えても良いような内容だったと思います。与えたダメージのせいで試合後のバックステージでは一貴が歩けなかったくらいですからね。カーフが効いた素ぶりを見せない一貴もすごいですけど、そこまでダメージを与えた政所も素晴らしかったです。本当にビッグマッチのメインにして良かったなと思います。
中村 政所選手にとっても、成長に繋がる経験を積むことができましたね。
伊藤 非常に大きい収穫だと思います。
中村 花岡選手はRISEに参戦した時から実績や実力を持った選手でしたけど、ファイトスタイル的な部分ではどういった部分に1番強さを感じますか?
伊藤 政所と比べて蹴りでも膝でもパンチでも、全体的にいろんな攻撃ができますよね。特にコンビネーションが素晴らしいです。元々フライ級から上がってきた部分もあるので、スピードもありますし攻撃が多彩っていうところですかね。
中村 橋本道場繋がりで行くと、安本選手がベルトを獲って久々にRISEのベルトが橋本道場に渡ったという所では、ジムとしてもノっているというか良い雰囲気かなと思います。そういう仲間がベルトを獲るっていうのは良い刺激になりますか?
伊藤 安本も2年苦労して獲って、花岡も参戦して初めての王座決定戦という形なので良い刺激になっていると思います。この両者はキックのタイトルをたくさん持っているんですけど、なかなかタイトルに絡めなかった部分もあって、その中でこの間の試合で安本が勝って、セコンドとして目の前で見ているので、刺激というか勢いがあると思います。
中村 安本選手もそうですけど、花岡選手もテクニックがあって器用なので、やっていくうちにRISEのスタイルに慣れてきているように感じますか?
伊藤 まだ20歳、21歳ぐらいだし非常に理解力があって何でもできる選手なので、どんどんスタイルを変えているというか、それを試合で見えるというのは成長しているのが分かるので私としても嬉しいですね。
中村 今回は王座決定戦という事と無制限延長ラウンドなので、今までの2戦とは違ってくる部分があると思うんですけど、今回の試合はどういったところが試合のポイントになってくると思いますか?
伊藤 これは本当に予想がつかないですよね。政所も急成長していますし、花岡も良いし。だけど、どちらも5ラウンドの試合はよくやっているんですけど、経験している数で言ったら花岡の方が多いかもしれないです。判定が読めないんですけど、もしかしたら前半で政所が前回同様に倒し切る可能性もありますよね。
中村 前回が1ラウンドKOだったんですよね。
伊藤 そうです。5ラウンドまでに決着をつけちゃう可能性があると思います。逆に後半に行ったら花岡かなと思います。
中村 序盤の展開と流れでどうなってくるか読めない1試合になりそうですね。
伊藤 政所がいつも通りにいけるかですよね。
中村 いろんな試合がある中で、2人がライバルとして勝ち上がってきて、またベルトをかけて戦うというのは見ている側が感情移入できるシチュエーションですよね。
伊藤 単純に嬉しいですね。頑張ってきた2人がこうやって王座決定戦という所で3度目の決着というか、それが非常に感慨深いというか、縁なのかなと思います。
中村 そしてもう1つのタイトルマッチが女子のフライ級、テッサ選手に小林愛理奈選手が挑む試合です。この階級ではテッサ選手がトップだと思うのですが、ズバリどんな試合になると予想されていますか?
伊藤 テッサはやっぱり強いですから、全体的にフィジカルもそうですし、蹴りやパンチのトータルバランスが優れていますよね。52kgがベストで節制もしているので、女性とは思えないしっかりした体つきもしています。愛理奈にとって、今までで1番の最強の相手だと思います。「52kgでも体重は関係ない」って本人も言っているんですけど、愛理奈は自分のパンチがどこまで通用するのか挑戦になりますね。ただ、今回この無制限延長ラウンドっていうのがキーポイントになると思います。
中村 やはり試合が進むと体力的な差も出てきますかね。
伊藤 そうですね。特に小林愛理奈は攻撃に“捨て”がないんですよね。当てれば倒れるんですけど、それを5ラウンド続けられるかがキーポイントだと思います。足で効かせるとかの捨て攻撃があると、もうちょっとパンチも当たるんですけど、相手がガードしている上からでも全力で打ったら体力が消耗していくので、そこら辺がキーポイントじゃないですかね。
中村 例えば前回の52kgでやった時の試合を見ても、その辺りが倒しきれなかった要因になるんですかね。
伊藤 そうですね。だから緩急がないと倒せないんですよ。全力で打っているだけだと耐えられちゃうので。それでローとかボディとかを攻めたり、こっちに意識を向けさせて上を打つとか、そういう部分を変えると彼女の良さが光るのかなと思います。
中村 やっぱり下の階級だったら多少強引にいっても倒せた所が、上の階級だと難しくなるんですね。
伊藤 下の階級だったら体重差がないので、そこは彼女がパンチ力でガードの上から吹っ飛ばせると思うんですよね。
中村 階級の壁というのも、普通の人ができない事をやってほしいっていう期待感もありますよね。
伊藤 面白い選手なので、その壁は乗り越えてほしいですね。
中村 テッサというチャンピオンの存在は、RISEにおいてどんな存在だと思いますか?
伊藤 ヨーロッパでは勝った負けたは結構あるんですけど、RISEにおいては52kgの不動の王者かなと思います。愛理奈が挑戦して結果は別として、もし守ったとしたらまた次の選手が出てくるし。じゃあもし愛理奈が負けた場合、愛理奈の次に勝てる選手は誰がいるんだという部分もあります。RISE愛の強い選手でもあるので、勝った時には今後どのようなストーリーを作っていくか楽しみですよね。
中村 女子の試合という部分では、アトム級チャンピオンの宮﨑小雪選手がタン・スアン・ユン選手と対戦しますけど、このタン選手はどのような選手ですか?
伊藤 完全にムエタイですよね。ムエタイスタイルでWBCムエタイのインターナショナルチャンピオンだったり、世界ランキングに入っていたり、あとはRWSなどで主に戦っていて、ムエタイが上手い選手です。
中村 宮﨑選手もこれまで沢山の、ムエタイ選手と戦ってきてますけど、このタイミングでムエタイスタイルの選手と戦うという事に、どんな事を期待していますか?
伊藤 『宮﨑小雪、世界に向けての第2戦目』なので、それは世界に相応しい戦い方をしなければいけないと思います。このタンも非常に強い選手ですけど、ファイター的には2人とも似ているんですよね。本人に言うと、この間の会見ではちょっと怒ってましたけど、だからこそ圧倒的な差をつけて勝つか倒すかというのは小雪には要求されると思います。強いだけではなくて求心力もつけなきゃいけないので、それをキャラでというタイプよりかは彼女は試合で見せくるタイプなので、そういうのをどんどんやっていってもらいたいですね。
中村 そう言った意味では、タイトルマッチではないですけどチャンピオンも2人出て宮﨑選手も出るという中で、宮﨑選手としては存在感とか、この試合が1番面白かったと思わせるような試合を見せないといけないですね。
伊藤 特に愛理奈と小雪は内容勝負だと思います。「内容はどっちが良かったか」っていうのは比べられると思うんですよ。僕もそういうのを見ていくので、そこは試合内容でお互い勝負してほしいです。
中村 ちなみにですが、宮﨑選手と愛理奈選手がもう一度対戦する可能性はありますか?
伊藤 僕は試合を組みたいなって思っています。体重はいつでも合うような状況なので、ファンが望むような「このカードをやったら面白いんじゃないかな」って期待度が出てきたらやりたいですね。
中村 今大会は女子の試合も多くて、アトム級で平岡琴vs奥村琉奈と世愛vs島田知佳の試合が組まれています。女子のくくりという所でも注目されると思いますが、この2試合についてはいかがでしょうか?
伊藤 平岡はずっとやってきている選手ですけど、奥村は若くて勢いのある選手ですね。島田も先日、衝撃的なデビューをして、近い将来上にあがってきていると思います。なのでこの勝者同士が将来的に戦うんじゃないですかね。島田は特に完成度が高くてこの階級の割にはパワーもあるし、上に行くと思います。
中村 あとはフライ級の試合も全部で3試合組まれていますけど、この階級は前回のRISE183でタイトルマッチを行った階級です。ここに繋がってくるかと思うのですが、このフライ級の3試合をどのように見ていますか?
伊藤 松本天志に関しては麗也を相手にどこまでできるかですよね。今までKOで勝ってますけど、麗也って非常にディフェンスが上手いし技術もあるので、その選手に対して松本天志がどこまでできるかというところを見たいですね。末國龍汰vsKING陸斗ですけど、末國はまだまだ本調子ではないので、もしかしたら陸斗が喰っちゃう可能性もあると思います。ここはどれだけ末国が戻っているのかを見たいですね。
中村 タイトル以外の争いというか、“次に誰が出てくるか”という所がポイントですね。
伊藤 そうですね。
中村 あとは個人的にかずややねんけど選手が気になりますね(笑)。Breaking Downに出てた選手ですよね?
伊藤 ですよね。
中村 こういう選手が出てくるのもRISEの面白さですよね。
伊藤 面白いですよね。僕も気づいたら決まっていたんですけどね(笑)
中村 そうだったんですね(笑)
伊藤 でもライトヘビー級で、この階級では南原健太が一強という状態なので、2,3勝したらすぐタイトルマッチに行けると思うので頑張ってもらいたいです。ヘビー級らしい試合をしてもらいたいです。ライトヘビー級なのに判定とかはないですよね。KO決着しか希望していないです。
中村 本格派なカードがある中で「おっ」と思わせるカードがあるのも良いですね(笑)
伊藤 リングネームが凄いですよね。リングアナが読むのが大変ですよ。噛んじゃいます(笑)
中村 僕も文章がリングネームになっている選手は初めてです(笑)
伊藤 12月もチケットの反響がすごく良いので、ほぼ満員になると思います。そうすると今年は5回満員にできたという形になります。最後の後楽園の締めの大会になるんですけど、カード的に後楽園ではもったいないカードかなと思います。
中村 僕も今お話ししていて、幕張大会でやってもいいようなカードが沢山ありますよね。
伊藤 そうなんですよ。年内の後楽園での最終大会ということで、RISEからのプレゼントみたいな感じです。政所vs花岡かテッサvs愛理奈の試合を、どっちをメインにするか決めれていないんですよ。理屈でいけばテッサvs愛理奈なんですけど、内容やストーリーを見ると政所vs花岡なのかなとも思うんです。当日くじ引きでもいいのかな?なんて思っちゃいますよね(笑)
中村 贅沢な悩みだとは思うんですけど、そこは伊藤さん考えてください(笑)。
伊藤 どっちをメインにするか考えます。
中村 今回もありがとうございました。
伊藤 ありがとうございました。
チャド・コリンズ インタビュー『ヴィダレス選手は2ラウンドKO、その次はトリンダーデが勝ち上がってくると思うので、彼に対しても2ラウンドでKOするイメージをしています』
チャド・コリンズ『ヴィダレス選手は2ラウンドKO、その次はトリンダーデが勝ち上がってくると思うので、彼に対しても2ラウンドでKOするイメージをしています』
–今はどこでトレーニングされているんですか?
チャド オーストラリアのStrikeforceで練習しています。
–これからトーナメントに向けては、どこでどの様な調整をする予定ですか?
チャド 自分のジムでセコンドのマークと、自分の父と一緒にトレーニングします。
–スパーリングパートナーの方は何人かいらっしゃいますか?
チャド オーストラリアにはいっぱいいます。
–そのスパーリングパートナーの中に有名な選手がいたら名前を教えていただけますか。
チャド ジェームズ・ハニーやジャガ・チャンがいます。ジャガはRWSでも試合をしていて、オーストラリアには良い選手がいっぱいいます。
–今回は1dayトーナメントという事で、1日に3試合を勝ち抜かなければ優勝できないシチュエーションですが、そこに関してはどの様に捉えていますか?
チャド それに向けてトレーニングを別メニューでやっているし、今自分の感覚としては前向きな感覚しかないです。
–1日に2試合も3試合もあるというのは、調整方法も変わってくるのでしょうか?
チャド もちろん違います。
–具体的にどこがどの様に違うか教えていただけますか?
チャド この3試合に向けて、3試合を戦い抜ける様なトレーニングをやっています。
–過去に1dayトーナメントを経験された事はありますか?
チャド 8人制は初めてだけど、4人制のトーナメントでは優勝した事があります。
–4人制の時も、ワンマッチの試合とは心境に違いはありましたか?
チャド 戦いを始める前から4人のトーナメントで1dayと分かっていたから、それに向けてそういう気持ちで挑んでいました。もちろんその場で「今日は2試合だよ」と言われたわけではないし、時間もあったのでそこに向けて精神状態も持っていきました。
–今回のGLORY×RISEトーナメントの抽選会では6番目に自分の順番が来ましたが、それまで待っていた時の心境を教えていただけますか?
チャド みんな凄いファイターなので、その待っている状態の時の心境というのは平常で、誰かが自分を選べばそれでいいし、誰に当たっても良いとは思っていたから気持ち的に不安定という事はありませんでした。
–それでは1回戦にこの選手と当たったらいいなという事も考えていませんでしたか?
チャド この間の会見でも言いましたが、ヴィダレス選手と最初に戦いたいと思っていましたし、その選手と戦うことになったのはすごく嬉しいです。
–ヴィダレス選手は、本職が歯医者さんという異色の肩書を持っている方ですが、選手としての印象を改めて教えていただけますか?
チャド すごく大きい選手ですし、立派な脚なのでそこら辺を警戒しています。チャド・コリンズらしく戦えばチャド・コリンズでいれるので問題ないです。
–現在のイメージとしては、何ラウンドくらいに倒しますか?
チャド ヴィダレス選手は2ラウンドでKOします。その次はトリンダーデが勝ち上がってくると思うので、彼に対しても2ラウンドでKOするイメージをしています。
–自分が戦うであろう選手に対しての戦略や作戦というのは、もうほとんど立ててありますか?
チャド 僕の予想では、ヴィダレス選手、トリンダーデ選手、ペッチ選手なので、その3人と戦えるような戦略を立てて練習をしています。
–準決勝で戦うかもしれないトリンダーデ選手には、どの様なイメージをお持ちですか?
チャド 1ラウンドはもの凄い爆発力がある選手ですが、よく観察すると2ラウンドと3ラウンドはそうでもないですね。
–3月のELDORADO 2024でトリンダーデ選手に負けていますが、そのリベンジを果たしたいという気持ちもありますか?
チャド 100パーセントでその日を待っています。
–決勝で戦うと予想しているペッチ選手とは、どんな試合になると予想されますか?
チャド ペッチは任せてください。1回戦いましたし、もう1回戦ってもものすごく良い試合になると思います。
–去年の12月のタイトルマッチより良い試合になりそうですか?
チャド まずペッチ選手は手術もして脚の状態も非常に良くなったので、彼の戦い方もすごく良くなっているでしょう。それでもう1つは、僕はスロースターターで体が温まるのも時間がかかるから、4,5ラウンドにベストコンディションになります。なので今回はトーナメントという事もあって、どんどん試合をやっていくうちに体も温まってコンディションも上がっていくと思います。通常1試合の場合は、試合前のミットで3,4ラウンドくらいやっていて、そうしないと体が温まって動きが良くならないので通常はそういう風にしていますが、今回に関しては試合をする毎に体が仕上がってくると思います。
–自分の予想が外れて違う選手が勝ち上がってきた場合のシチュエーションは想定していますか?
チャド そんなに他の選手に対して戦略を立てての練習はしていないです。ただ注意をしなければいけないのは、韓国のソンヒョン選手だと思っています。たぶん強いと思うし、ダークホースであるから警戒をしなければいけないです。全員に対しての戦略というよりも、今はとにかく最初のヴィダレス選手に対しての練習をして、次にトリンダーデ選手とペッチ選手という風に考えています。そしてトリンダーデ選手は原口選手と最初に戦って勝つとは思うけど、原口選手は本当に強いので勝ち上がってくる可能性もあります。
–原口選手が勝ち上がってくる可能性というのは、彼のどんなポテンシャルに期待してそういう風に感じているのでしょうか?
チャド 攻撃そのものが予想できないから、そういう戦い方をすれば勝つ可能性があると思っています。
–ソンヒョン選手をダークホースと感じることに理由はありますか?
チャド まず白鳥選手との戦いも、皆んなが白鳥選手が勝つだろうと思っていたけど結局彼が勝って、中野選手に対しても中野選手がトーナメントに入るだろうと思っていたのに、それを覆して勝ったので評価以上に実力がある選手だと思っています。最終的には運もあって、例えば最初の試合で早い段階でKO勝ちをして2回戦に上がるのと、3ラウンドめちゃめちゃハードな試合をして2回戦に上がるのでは、2回戦の時のダメージの度合いも違うので、そこは運も関係してきます。
–「運」という言葉が出ましたが、このトーナメントにおいて実力と運というのは、配分としてはどれくらいになると思いますか?
チャド 両方だと思います。1つ間違いをすれば、そこで試合の方向性が全て変わってしまうので、自分の力と運が50-50で必要です。
–ファンの間でも誰が優勝するかという議論はかなりされていますが、その中でも「やはり決勝戦はチャドvsペッチになるんじゃないか」という意見は非常に多く耳に入ってきます。こういった世間の評価というのはどの様に捉えていますか?
チャド もちろん自分も決勝戦はペッチと自分だと思っているし、ファンもそういう風に思ってくれているのは本当に嬉しいしすごい幸せです。ただ1つ言えるのは、前回のタイトル戦は5ラウンドで2人ともバックボーンがムエタイだったけど、例えばラウンドによってスコア上はペッチが勝ったラウンドを自分が勝ったと思っていたし、逆もしかりで僕が勝ったラウンドをペッチの考えの中ではペッチが勝ったと思っていたこともあったから、そういうのも踏まえて今回はめちゃめちゃ面白い試合になると思います。
–ジャッジ泣かせなラウンドが多々出てきそうですね。
チャド 前回は5ラウンドあったので勝敗がつけやすかったけど、今回は3ラウンドだからすごくジャッジ泣かせになるんじゃないかな。ちなみに今回の決勝戦でドローになった場合は、1ラウンドだけ延長になるのかな?それとも勝敗が決まるまでやるのかな?
–延長1ラウンドだけですね。
チャド 肉体的にはそれが望ましいから良かった(笑)。
–今回のトーナメントでは通常のRISEルールではなく(GLORYルール)、掴んでから無制限の攻撃が認められています。それは自分に有利になるルールだと捉えていますか?
チャド 元々ムエタイなのでそのルールはとても嬉しいです。
–そのルールになる事で戦略や戦法は変わってきますか?
チャド 別に戦略を変えなくても膝はすぐに出せるから、首相撲でそれだけ膝攻撃が出せるのは本当に嬉しいです。
–膝が無制限に出せるということを考えたら、ペッチ選手との試合の戦局も変わってきそうですね。
チャド 本当はそこに肘も付け加えてほしいですけど(笑)
–あと1ヶ月ちょっとで決戦の日を迎えますが、これから対戦相手の試合映像は更によく見て研究していきますか?
チャド 今はヴィダレスの試合映像を見てトレーニングをするけど、もう少し試合が近くなったら他の人たちの映像も見て、相手の戦い方を頭に叩き込みます。
–その他の選手の試合映像というのは、先程まで話に上がらなかった白鳥選手やペポシ選手の試合映像も含まれますか?
チャド 何が起こるか分からないから、全員の映像をちゃんと勉強します。
–このトーナメントを優勝したら、来年以降は更に沢山の試合のオファーが来ると思いますか?
チャド もちろんそうだと思っているし、このトーナメントによって自分の人生が変わるのではないかと思っています。
–例えばGLORYから「ヨーロッパで戦わないか」とオファーがあれば、前向きに考えますか?
チャド もちろんです。GLORYで戦えるのを待っています。
–最後にチャド選手の活躍を待ちかねているファンに向けて、熱いメッセージをお願いいたします。
チャド 一人一人の皆様の声援が力になるので、会場に来てぜひ自分を応援してください。
–ちなみにどんな声援を飛ばされたら1番の力になりますか?
チャド とにかく騒がしく「わーっ!」て言ってくれるのが1番良いです(笑)。パンチをするたびに、蹴るたびに叫んでほしいです(笑)。
–ルンピニースタジアムやラジャダムナンみたいに、お客さんが盛り上がったら良いなということですね。
チャド まさにその通りです。
エイブラハム・ヴィダレス『ファンの皆さんの思い通りにならないような試合を見せていきたいです。結果は当日に出るので期待していてください』
–現在のコンディションはいかがですか?
ヴィダレス コンディションは今までで1番良いです。ここからもっとフィジカルを高めていきます。
–子供の頃はどんな職業に就きたいと考えていましたか?
ヴィダレス 子供の頃は医者になりたいと思っていたのですが、今は歯医者で患者を診るという事に携わっているので、そう遠くない職種に就くことができました。
–本職はキックボクサーと歯医者のどちらなのでしょうか?
ヴィダレス 正直どちらが本職かは分からない状態です。ずっと歯医者をやっていて、キックボクシングは趣味で始めたんですけど、今となってはプロ意識もあります。長年やっていく事で両立できていると思うので、今後も上手くやっていきます。
–現在はタイで調整中とお聞きしましたが、試合前はよくタイで練習しているんですか?
ヴィダレス 実は海外で練習するのが初めてです。今までの大会とは違って、今回の大会は自分でも大事だと思っているので、歯医者の方を休業して100パーセントの気持ちで向き合います。
–タイではPKセンチャイジムで練習しているようですが、そのジムを選んだ理由を教えてください。
ヴィダレス 自分でもレベルを高めたかったので、タイ人にせよ外国人にせよ強くて色々なキックボクシングの選手がいると聞いたのでここを選びました。
–PKセンチャイジムではどんな選手と一緒に練習していますか?
ヴィダレス タワンチャイ選手など強い選手がいっぱいいるので、他にもトップを飾るような選手がいるので、色々と練習させていただいています。
–キャリアの中で初めての1dayトーナメントになるかと思いますが、通常のワンマッチとトーナメントの違いを教えてください。
ヴィダレス こういう大会を人生の中で経験してみたかったです。今回トーナメントに参戦する機会をいただいたので、この大会に向けて優勝を取れるように、自分の精神やフィジカルも準備できています。この大会の一員になれたことはとても嬉しく感謝しています。
–このトーナメントに自分の名前が入った時は、どのような気持ちになりましたか?
ヴィダレス 呼ばれることを期待していたので、この大会の一員になれたことがとても嬉しいです。この大会に向けて練習も頑張っているので、良い成績を残せるように「勝つ」という意識を持った上で挑みます。65kg級は他にも強い選手がいたりもするけど、それに負けないという気持ちが1番なので勝ってみせます。
–1回戦の対戦カードが決まった時はどんな気持ちになりましたか?
ヴィダレス 最初に選ばれた時はとても嬉しく、とても興奮する試合になるのではないかと思いました。元々1番戦いたかった相手だったので、日本のファンからも希望があった通りに組まれたのでとても嬉しいです。日本のファンにも良いパフォーマンスが見せられると思います。
–初戦の対戦相手のチャド・コリンズ選手は、日本では優勝候補と言われていますが、彼の選手としての印象を聞かせてください。
ヴィダレス ファンの皆さんの思い通りにならないような試合を見せていきたいです。結果は当日に出るので期待していてください。
–自分がチャド・コリンズ選手よりも上回っている部分を教えてください。
ヴィダレス フィジカルが強いんじゃないかなと思います。もちろんチャド選手も強いと思うので、油断できないような試合になります。
–勝ち上がったとしたら、準決勝は原口vsミゲールの勝者と戦う事になります。ヴィダレス選手は両選手と対戦経験がありますが、どちらが勝ち上がってくると予想しますか?
ヴィダレス とても良い質問ですね。すごく良い試合になると思います。僕は原口健飛が勝ち上がってくると思っていて、日本での開催ということもあるので勝ち進んでほしいです。
–昨年12月以来の原口選手との再戦になったら、準決勝がどんな試合になると予想されますか?
ヴィダレス 勝ち進んできた方と試合をしたいのですが、どちらが来ようとも自分は自分の役目を果たして勝ってみせます。
–もう一方のブロックから勝ち上がってくるのは誰だと思いますか?
ヴィダレス ペッチ選手が勝ち上がってくるのではないでしょうか。フィナーレはやはりペッチとの試合をしたいですね。
–ペッチ選手と再戦したらどんなリベンジを果たしたいですか?
ヴィダレス ペッチ選手にはずっとリベンジしたいと思っていたので、もし対戦する事ができるのであれば、アクティブに動いていっぱいパンチを繰り広げたいとお思います。
–なぜ歯医者とキックボクサーの二刀流を選んだのですか?
ヴィダレス 元々小さい時からキックボクシングの選手になりたいという夢はなかったのですが、兄弟たちが格闘技をやっていたので、家族の関係から来ているのかなと思います。キックボクシングと出会ってやっていく内に、キックボクシングの楽しさに出会えたので、今でも続けられています。今回も大会の一員として呼ばれているので、自分としてはそれがとても嬉しいです。
–兄弟の方はどんな格闘技をやられていたのですか?
ヴィダレス 兄弟はムエタイとキックボクシングの選手で、一応プロまでいきました。兄弟たちが自分にとっての鏡だったので、そこから段々と練習に付き合ったりしていく内に学んだりしました。
–メキシコの格闘技といえば、ボクシングとメキシコのプロレス、ルチャリブレのイメージが強いのですが、メキシコのキックボクシング事情を簡単に教えてください。
ヴィダレス ボクシングは長年文化みたいな感じになっていたのですが、ここ何年かでキックボクシングが段々と人気も増えてきて、それの代表になれた事もとても嬉しく思います。
–メキシコでは頻繁にムエタイやキックボクシングの興行は行われていますか?
ヴィダレス メキシコはプロの試合やプロモーターも多いし大きいので、イベントは行われています。実際に強い選手はいっぱいいるのですが、支援やチャンスが回ってこない事が多いので、自分が先頭に立って彼らの扉を開けられるようにしていきたいです。自分が勝つ事によって、メキシコに対しての注目や「メキシコには強い選手がいるんだぞ」と見せつけたいです。
–今回のトーナメントで優勝したら、今以上に母国での知名度を高める事ができるんですね。
ヴィダレス 実現できるようにしたいですね。活躍できる選手が増えることは自分にとっても嬉しいので、自分が先頭に立って導きたいです。
–ちなみに今所属しているジムにはプロの選手は何人くらいいますか?
ヴィダレス 8人くらいですね。
–皆さん今回のヴィダレス選手の活躍を期待されているわけですね。
ヴィダレス もちろん、私がこの素晴らしいトーナメントに参加できる事をみんなが喜んで興奮していますね。ジム以外からの応援もいただいていて、友人や私のことを知ってくれている多くの人々から大きなサポートをいただいています。
–今回で2回目の来日となりますが、日本に来て何かしたいことはありますか?
ヴィダレス 試合後には観光や日本食を食べたいです。日本には色々と観光するところがあるので、東京以外にも京都などの観光地にも行きたいです。今回はメキシコから家族や友人を含め、20人ぐらいで行く予定なので、試合後はみんなで観光をしようかなと考えています。
–現在、キャリア初の連敗中だと思いますが、今回のトーナメントを勝ち抜くためにどんな事を重点的に練習していますか?
ヴィダレス そのためにタイに来て練習しています。今回の大会はとても大事なので、本職の歯医者とか全てを置いてきて、練習第一に100パーセント集中できるようにタイに来ました。
–優勝賞金10万ドルの使い道はもう考えてありますか?
ヴィダレス 優勝賞金は投資に使います。その資金でキックボクシングに何か役立てられたらと思います。
–最後にヴィダレス選手の試合を楽しみにしているファンの皆様にメッセージをお願いします。
ヴィダレス チャド選手と素晴らしい試合を繰り広げるつもりです。全力を尽くすので、その日は全身全霊で3試合のリングに上ります。メキシコから日本まで良いショーを見せる準備ができているので、期待していてください。
ミゲール・トリンダーテ インタビュー『最終的にはいつまでも忘れられないような、人々がキックボクシングについて話した時に「キックボクシングといえばミゲールだ」と言われるようになっていきたい』
–今回このトーナメントへの出場が決まりましたが、今の気持ちはいかがですか?
ミゲール 今回呼ばれてとても嬉しく思いました。色んな選手がいて全員強いので、日本で皆さんと戦えるのが楽しみです。
–このインタビューで改めて、今年3月のチャド・コリンズ戦の勝因をお聞きしたいのですが、あの試合の最大の勝因は何だと思いますか?
ミゲール 僕とコーチで試合の計画を立てて、過去の試合とかも見ている中でチャドがミスしそうな弱点を見つけたので、それが勝つ鍵となりました。
–今回もトーナメントの初戦で戦う原口選手を含め、トレーナー陣と一緒に対戦相手の弱点を探している最中でしょうか?
ミゲール もちろん原口選手の試合映像とかを見て動きが凄くいいですよね。ただ自分の強みが出るような試合を見せられると思います。
–原口選手は空手出身のキックボクサーですが、その辺りは意識されますか?
ミゲール 原口選手が元々空手出身だという事は知っているのですがあまり重要視せずに、どの競技でもボクシングにせよ空手にせよキックボクシングにせよ、対応できるような練習をしています。
–得意の左ボディフックは原口選手にもクリーンヒットしそうな気配はありますか?
ミゲール 特に左ボディのクリーンヒットは気にせず、パンチでもキックでもフィジカル的に色々動いてどの選手にも挑めるような練習をしています。
–プロとしては初の1dayトーナメントの出場になるかと思いますが、この試合形式に関してはどのように考えていますか?
ミゲール 1日に3戦するので、それを踏まえて1戦1戦の試合を大事にして、尚且つ後半にも体力が残るように準備をしています。
–このトーナメント戦のために、フィジカルやスタミナを重視するようなトレーニングを積んでいるのでしょうか?
ミゲール 3戦なので3倍の体力が必要になるので、それに向けてのトレーニングをしています。
–アマチュアでのキャリアも長いと聞いたことがありますが、アマチュアでは1日に何試合くらい戦ったことがありますか?
ミゲール 1日に何試合もする経験をしたことがなくて、1週間で何試合をするという経験はあるのですが、今回みたいな大会(1DAYトーナメント)は初めてです。
–勝ち上がって次の試合に挑む時の心境をイメージする事はできますか?
ミゲール イメージは特にしないです。1試合1試合を大切に戦いたいので、目の前の試合に集中して、勝てばその次に集中してという感じで臨みます。
–勝ち上がると、チャドvsヴィダレスの勝者と戦うことになりますが、どちらが勝ち上がってくると予想しますか?
ミゲール ヴィダレスはとても強い選手ですが、チャドの方が一クニックは上だと思っているので、チャドが勝つのではないかと思います。
–ではそのチャド選手と自分が戦ったら、どんな試合になると予想されますか?
ミゲール 全力で戦うだけなので、特に考えていないです。
–反対のブロックからは誰が決勝まで勝ち上がってくると予想しますか?
ミゲール 僕はペッチとペポシだと思うんですけど、ペッチの方が経験豊富なので、最終的にはペッチが勝ち上がると予想しています。
–ペポシ選手に1度負けているので、ペポシ選手へのリベンジマッチも行いたいと思うのですが、それよりもペッチ選手が勝ち上がってくる可能性が高いと予想される訳ですね。
ミゲール ペポシ選手と試合はしたいですけど、最終的にはペッチが勝ち上がってくると予想します。
–ちなみに優勝賞金10万ドルの使い道は既に決めてありますか?
ミゲール 第一にお金を貯めようと思うのですが、もし賞金を獲得したら休暇を取って、その後に試合などの必要経費に使いたいです。
–ミゲール選手は今もポルトガルのリスボンに住んでいるんですか?
ミゲール 前はポルトガルに住んでいたけど、今はスペインに住んでいます。スペインに移った理由としてはキックボクシングに専念するために移りました。
–スペインに移り住んだのは何歳頃のことだったんですか?
ミゲール 2年前にスペインのポンフェラーダというところに移り住みました。
–そこにジムがあったから移り住んだのでしょうか。
ミゲール ジムがあったので移りました。そこには良いコーチと選手がいるので、自分の可能性を高めるために移りました。
–キックボクシングは、いつどこで始めたのでしょうか?
ミゲール 11歳から始めました。父親から「キックボクシングをやれ」と言われて始めたのがきっかけでした。最初は戦うことやスポーツに興味はなかったのですが、父親がきっかけで始めることができて、今は夢中になっています。
–お父さんも格闘技などをやられていた方なんですか?
ミゲール 父は特に選手とかではなかったのですが、元々住んでいた地域の治安が悪かったんです。それで父が「自己防衛ができるようにしろ」と言って、変なことに巻き込まれないために始めたのがきっかけでした。
–その治安が悪かったのは、ポルトガルのリスボンだったんですか?
ミゲール はい、そうです。その中のシントラという町でそういう事がありました。
–ミゲール選手のご両親のルーツはどこになるのでしょうか?
ミゲール 父はアフリカのモザンピーク出身で、ポルトガルに移住してきました。私はポルトガルに生まれました。
–ミゲール選手のプロフィールを見ると、14,15歳くらいからアマチュアのムエタイで世界選手権に出場して活躍されていましいたけど、いつぐらいから自分にはキックボクシングの才能があるという風に自覚しましたか?
ミゲール 2023年までムエタイをやっていて、子供の頃からの夢だったGLORYに出場するようになってからキックボクシングにスタイルを変えて、この道に進んできました。
–ムエタイとキックボクシングのシフトチェンジは上手くできましたか?
ミゲール もちろん適応するのは早かったです。小さい頃からキックボクシングとムエタイを両方やっていたので、シフトチェンジするのも慣れだけでした。
–アマチュア時代にはIFMAやWAKOなどの国際大会にいくつも出場されていましたが、1番の思い出は何でしたか?
ミゲール 僕にとって唯一大切なのがGLORYのタイトルです。そのタイトルがないと他のタイトルも意味がないかなと思っています。でもタイファイトで25連続KOで勝っていたPTTに勝利したのは良い思い出です。今までもヨーロッパで開催したWAKOとかの試合でも勝ってはいたけど、1番最近の戦いの方が重要だと思っています。それまでは小さい積み重ねのための試合だったかなと思います。
–ミゲール選手はGLORYやアジアのONE ChampionshipやRISEにも出場していますが、今の世界のキックボクシングについてどのように感じていますか?やはりGLORYが自分にとっては1番だと思いますか?
ミゲール GLORYが1番大きいプロモーターでレベルが高いと思います。選手みんなに対しての対応も良いし求めるレベルが高いので、今の所GLORYが1番だと思っています。
–調べると今までにミゲール選手はドバイ、メキシコ、イタリア、タイ、日本、カンボジアなど色んな国で試合をしていますが、1番思い出深い国はどこでしたか?
ミゲール 1番は日本ですね。日本へ来た時に選手をとても大切にされていて人気が有るんだなという印象がありました。逆にオランダで戦った時はそこまででもなく、次にまた行きたいという印象はなかったです。ポルトガルもあまり格闘技の文化がないので、自分が活躍することによってキックボクシングなり格闘技が広められたらなと感じました。また日本に行きたいという気持ちがあったので、今回呼ばれてすごく嬉しいです。
–今回2度目の来日になりますが、日本に来てトーナメント以外で何か絶対やりたい事や食べたいものはありますか?
ミゲール 和牛が好きなので和牛が食べたいです。特に1番食べたいのは寿司で、前回日本に来たときは美味しい寿司を食べる機会がなかったので、今回来たら美味しい寿司を食べたいです。日本の料理はすごく美味しいので、どの料理も楽しみです。
–今所属しているMamba Fight Clubというジムは、どんなジムでプロは何人くらい所属しているジムなんでしょうか?
ミゲール どんなトレーニングもできる大きいジムです。10人くらいプロの選手がいて、レベルが高いので良い練習相手になります。
–メインで付いているトレーナーの方の名前をおしえていただけますでしょうか?
ミゲール ディエゴ・バスケスです。
–その方はスペインの方でしょうか?
ミゲール スペイン出身です。
–キックやムエタイのトレーナーの経歴は長い方なのでしょうか?
ミゲール 20年くらいやっています。
–日本にはスペインやポルトガルのキックボクシング情報は中々入ってこないのですが、大会などの活動はどのように行われているのでしょうか?
ミゲール レベルによってそれぞれですが、プロモーターなどは口コミから選手を探し当てたりしています。日本人がスペインやポルトガルに行くことはそうそうにないのですが、プロモーターによってはそういった選手を呼んで大会を開催することも考えているみたいです。
–ジムでの1日の練習時間や内容について教えていただけますか?
ミゲール 大体1日6時間くらいトレーニングしています。フィジカルや体力をつけるトレーニングをバランスよく振り分けて取り組んでいます。
–プロとして試合をする上で、何かポリシーは持っていますか?
ミゲール とにかくトレーニングをして自分の自信が揺るがないことが自分の中の信念かなと思います。それが自分の自信になって糧になって、結果として出てきます。
–プロとしての最終的な目標はどこを目指していますか?
ミゲール 最終的にはいつまでも忘れられないような、人々がキックボクシングについて話した時に「キックボクシングといえばミゲールだ」と言われるようになっていきたいです。
–このトーナメントで優勝したら自分の人生は大きく変わると捉えていますか?
ミゲール いつも通りの自分でいるつもりです。変わらずいつも通りの自分でいて、お金をいっぱい稼ぎます。
–今回のトーナメントでの活躍をミゲール選手のご家族は期待されていますか?
ミゲール 期待と応援をしてくれています。とても大きな大会なのでどの選手にとっても、大事な大会になるのではないかと思っています。
–初戦の原口選手との試合は、見ている人たちはどのようなところに注目したら良いでしょうか?
ミゲール 何が起こるかわからない試合なので、最初から最後まで注目して見ていてほしいです。
–最後にミゲール選手の試合を心待ちにしているファンの方々にメッセージをお願いいたします。
ミゲール 皆さんにいっぱい応援してもらいたいので、その分活躍します。是非応援してください。
ヤン・カッファインタビュー『キックボクシングは僕の人生です。大きい夢を見てトレーニングを頑張っているので、皆に注目してもらいたいです』
–2年4ヶ月ぶりの日本での試合となりましたが、今のコンディションはいかがでしょうか?
ヤン 久しぶりにRISEに出られるので嬉しいです。前回から約2年も経っているので、沢山経験も積んできているから強くなっています。
–前回日本で戦っている山田洸誓選手は引退してしまっていますが、リベンジはしたかったですか?
ヤン もちろんリベンジはしたいです。山田選手は良い選手だしチャンピオンだったので、もし彼が復帰するような事があれば是非リベンジしたいです。
–今回は1dayトーナメントのリザーブマッチにエントリーされましたが、トーナメントの顔ぶれを見てどんな感想を持ちましたか?
ヤン とても素晴らしいトーナメントですし、良い選手が多いですね。僕の意見としては、本当はこの8人の中に入りたかったのですが、それでもリザーバーに選ばれただけでも、嬉しいですしとても光栄です。その試合に必ず勝って、自分がトーナメントに参戦したいです。
–カッファ選手が昨年の4月に勝っている、ペポシ選手が本線に入っているという事は気になりますか?
ヤン ペポシに4月に勝ったことで、自分がこの8人の中に入るべきだとは思ったけど、8月にもう一度試合をしようと思っていたら自分が怪我をしてしまって、ペポシと試合ができなかったんです。だからさっきも話した通り、リザーバーからトーナメントに関わって優勝したいですね。怪我をしてしまったのは運命で、運が悪かったのでしょうがないです。
–去年の12月はミゲールと試合が組まれていて、それもキャンセルになってしまっていましたが、その試合もどちらかが怪我をしてしまったのですか?
ヤン 試合の5週間前に腕を怪我してしまっていて、試合をしたいから片方の腕で練習していたけどドクターストップがかかってしまいました。内緒にしてでも片手で出ようと思ったのですが、自分のトレーナーにも相談して試合はできないという判断になりました。本当に運が悪かったです。
–今のコンディションは良いんですよね?
ヤン 今のコンディションはとても良いです。タイで3週間練習して、来週はオランダに帰ってトレーニングして試合に臨む予定です。
–今はタイのどこで練習をしているのですか?
ヤン プーケットです。タイのジムにも伝えているのですが、自分たちは自分たちのチームで練習をしていて、スパーリングなどはタイ人の選手とかとやっていますけど、ほとんどそのジムで自分たちのチームでやっています。
–今回リザーブマッチで戦う麻火佑太郎選手の印象を教えてください。
ヤン チャドとの試合とONEでの試合映像を見ました。彼はサウスポーの良いファイターでアグレッシブに攻撃もできるので、とても良い選手です。
–麻火選手の攻撃で警戒するところはありますか?
ヤン 自分の戦いをいつも通りにやって、彼にプレッシャーをかけます。そしたら麻火選手はやりたい事ができなくなるので驚くと思います。
–久しぶりにカッファ選手の試合を見る日本人のファンはどんなところに注目したらよろしいでしょうか?
ヤン 以前日本で戦った試合から2年以上経ってとても成長しているので、日本のファンが喜ぶような試合をしたいと思います。
–このリザーブマッチで麻火選手に勝ったとして、トーナメントに途中から出場したら準決勝では誰と戦いたいですか?
ヤン チャンピオンになるつもりで戦うから誰でも良いんですけど、できればペポシと戦いたい。以前は怪我で戦えなかったし、ここで勝った方が意味があると僕は考えています。
–今回のトーナメントに出場している選手の顔ぶれを見ると、オランダの選手はカッファ選手のみとなりますが、オランダ代表という意識は強いですか?
ヤン オランダ代表として出場できることを誇りに思っています。自分の国を代表してトーナメントに出て、優勝したいと思います。
–カッファ選手は現在26歳ですが、何歳くらいからキックボクシングを始めて、何がきっかけだったのか教えていただけますか?
ヤン キックを始めたのは5歳だったけど、本当はサッカーをやりたかったです。サッカーをやりたくても親は「ダメ。強くなってほしいからキックボクシングをやりなさい」って言うんですよ。それから小さい時はとにかく1年中トレーニングを繰り返していました。それで17歳の時にジムに入って、そこでもトレーニングを繰り返して19歳でプロの選手になりました。
–キックボクシングは自分の天職だと思いますか?
ヤン もちろんです。キックボクシングは僕の人生です。大きい夢を見てトレーニングをして頑張っているので、皆んなに注目してもらいたいです。
–今所属しているジムのARJトレーニングジムには、何人くらい生徒がいて何人くらいプロがいますか?
ヤン 生徒は沢山いて、プロは10人います。
–有名な選手はいますか?
ヤン GLORYなどに出られるのは僕くらいですね。
–最後にカッファ選手の試合を待ち侘びている日本のファンと、世界中のキックボクシングファンの皆さまへメッセージをお願いします。
ヤン ファンの皆が僕の試合を見てくれていてとても嬉しいです。リザーブマッチだけど、良いパフォーマンスで良い試合をして皆を喜ばせたいです。
対戦カード・大会概要